JPS593427Y2 - エンドレスカセツト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は例えばＶＴＲやテープレコーダの如き記録再生
装置に使用されるエンドレスカセットであって、特にテ
ープ蓄積部の仕切壁を一方のカセットハーフに設け、上
記テープ蓄積部内に蓄積されたエンドレステープを上記
仕切壁に設けたスリットから引き出すように構成したエ
ンドレスカセットに関するものである。

先ず第１図によって従来のこの種ＶＴＲ用のエンドレス
テープカセットを説明すると、合成樹脂にて成形された
カセット筐体１の前面に開口２が設けられ、その開口２
を開閉する前蓋３が回動自在に取付けられている。

そしてカセット筐体１内の一側に偏倚した位置に合成樹
脂にて成形された巻取ローラ４が回転自在に収納されて
いる。

またカセット筐体１内の他側に偏倚した位置には仕切壁
５が一体的に設けられていて、巻取ローラ４と仕切壁５
との間がテープ蓄積部６に構成されている。

一方エンドレステープ７はジグザグ状に折り畳まれるよ
うにしてテープ蓄積部６内に多量収納されている。

そしてこのエンドレステープ７の一部が仕切壁５に設け
られたスリット８からカセット筐体１の他側前端側に引
き出され、開口２の両端に設けられた一対のテープガイ
ド９ａ、９ｂ間をパスされてカセット筐体１の一側前端
側に迂回された後、巻取ローラ４の周面に巻きつけられ
るようにパスされている。

また巻取ローラ４の周面４ａにはゴム輪１０が巻きつけ
られている。

そしてエンドレステープ７の一部が圧着板１１によって
そのゴム輪１０の周面１０ ａに圧着されている。

またその圧着板１１に対する巻取ローラ４の回転方向（
矢印ａ方向）下手側の位置にはゴム輪１０の周面１０
ａに分離板１２が圧着されている。

またエンドレステープ７の他の一部が圧着板１３によっ
てテープガイド９ａの周面に圧着されている。

なお圧着板１１．１３及び分離板１２はマイラーフィル
ム等の如き合成樹脂フィルムにて構成され、それぞれ適
度な弾性を有している。

そしてこれら圧着板１１、１３及び分離板１２はこれら
の一端１１ ａ、 １３ ａ及び１２ ａ側においてカ
セット筐体１に適宜機械的に固定或いは接着にて固定さ
れている。

そして巻取ローラ４の矢印ａ方向への回転により、ゴム
輪１０の摩擦駆動力によってエンドレステープ７が矢印
す方向からカセット筐体１内に引き込まれる一方、この
引き込まれたエンドステープ７が分離板１２によって巻
取ローラ４のゴム輪１０の周面１０ ａから分離されて
矢印Ｃ方向に送り出され、テープ蓄積部６内に供給され
て蓄積されるように構成されている。

ところで従来のエンドレスカセットでは第２図に示され
るように、仕切壁５をカセツ１１５体１を構成する合成
樹脂にて成形された上下一対のカセットハーフ１４．１
５のうち、下側のカセットハーフ１４の内面１４ ａ上
に一体的に成形し、その仕切壁５の上端面５ａ部分を上
側のカセットハーフ１５の内面１５ ａに単に近接させ
ていたに過ぎなかった。

この為カセットハーフ１４．１５の成形上の寸法のバラ
ツキ等により仕切壁５の上端面５ａ部分と上側のカセッ
トハーフ１５の内面１５ ａとの間にどうしても隙間１
６が出来易かった。

この結果エンドレステープ７がスリット８から第１図で
矢印ｄ方向に引き出される時に、第２図に示されるよう
にエンドレステープ７が上記隙間１６内に不測にすべり
込み、著しいダメージが与えられてしまうばかりか、最
悪の場合には切断されてしまうと言った大きな欠陥があ
った。

なお１７は両刃セットハーフ１４．１５を一体に結合さ
せる為の止ネジである。

本考案は上述の如き欠陥を是正すべく考案されたもので
あって、上記隙間１６内へのエンドレステープのすべり
込みを未然に防止出来るように工夫したものを提供しよ
うとするもめである。

以下本考案をＶＴＲ用のエンドレスカセットに適用した
実施例を第３図〜第５図に基づき説明する。

なお第１図の従来例と同一の構造部分には同一の附号を
付してその説明を省略する。

先ず前記下側のカセットハーフ１４の内面１４ ａ上に
一体的に成形された前記仕切壁５には、前記エンドレス
テープ７の巾方向における端面である上端面５ａ部分で
、前記スリット８の両側部分に突出部１９が一体的に成
形されている。

従ってそのスリット８の両側部分において仕切壁５の巾
Ｗ１がエンドレステープ７の巾Ｗ２より充分に大きく構
成されている。

一方前記上側のカセットハーフ１５の内面１５ａには上
記突出部１９が挿入される凹部の一例である溝２０が設
けられている。

そして両刃セットハーフ１４．１５を止ネジ１７によっ
て互に一体に結合させた時に、上記突出部１９が上記溝
２０内に挿入されるように構成されている。

このように構成した場合には、溝２０内に突出部１９を
挿入させたことにより、スリット８の開放端が、これに
対して直交する上側のカセットハーフ１５の内面１５
ａによって実質的に閉塞された形となる。

従ってカセットハーフ１４．１５の成形状の寸法のバラ
ツキにより、仕切板５の上端面１５ ａと上側のカセッ
トハーフ１５の内面１５ ａとの間に隙間１６が出来て
も、エンドレステープ７が第３図で矢印ｄ方向に引き出
される際に、スリット８がらその隙間１６内に不測にす
べり込むことが完全に防止されている。

なお第３図において前記分離板１２はその一端１２ ａ
をカセット筐体１の仕切壁２２に接着等にて固定され、
比較的大きな円弧状に弯曲された状態で、その先端１２
ｂを前記巻取ローラ４の周面４ａに弾性的に押圧させ
ている。

このように構成した場合には、エンドレステープ７の引
き込み時に、分離板１２によって巻取ローラ４の周面４
ａから分離されて矢印Ｃ方向に送り出されたエンドレス
テープ７を、その分離板１２の比較的大きな曲率の円弧
状案内面２３によって案内して、矢印Ｃ′前方向移動さ
せ、前記テープ著積部６の奥まった装置２１部分まで送
り込むことが出来る。

そしてこのようにした場合にはテープ蓄積部６内にジグ
ザグ状に折り畳まれて蓄積されるエンドレステープ７の
折り曲り回数を少なくし、その曲りぐせ（しわ）の発生
を少なく出来るので、曲りぐせによるヒユームラ、音抜
け、テープ引き出しのテープテンションの変動等の発生
を防止することが出来て非常に好ましい。

なお２４は分離板１２の撓みを規制する為にカセット筐
体１に一体に設けられた円弧状をなす固定ガイドで゛あ
る。

また第３図において２６は巻取ローラ４の逆回転防止レ
バーであり、カセット筐体１に支点軸２７を介して回動
自在に枢支され、かつバネ２Ｂによって矢印ｅ方向に回
動附勢されて、巻取ローラ４のゴム輪１０の周面１０
ａに圧着されている。

そしてこの逆回転防止レバー２６によって巻取ローラ４
の矢印ａ′方向への逆回転が防止され、巻取ローラ４は
矢印ａ方向にのみ順回転出来るようになっている。

しかしてこの種エンドレスカセットにおいて、巻取ロー
ラ４が矢印ａ′方向に不測に逆回転するようなことがあ
ると、圧着板１１が圧着されていることによってエンド
レステープ７が矢印ｂ′方向に直ちに送り出される。

この結果カセット筐体１の開口２部分でエンドレステー
プ７に弛みが出来、若しこれが気付かす前蓋３を開閉し
たならば、直ちにその前蓋３によってエンドレステープ
７が著しく損傷されてしまう。

またテープガイド９ｂと巻取ローラ４との間でエンドレ
ステープ７が著しくしわになって蓄積され、エンドレス
テープ７に曲りぐせがついてしまうばかりか、最悪の場
合には巻取ローラ４に巻きついてしまい、著しいダメー
ジが与えられてしまう。

従って上記の如く逆回転防止レバー２６にて巻取ローラ
４の逆回転を防止させることによって、上記不都合を未
然に防止出来て非常に好ましい。

なおこの実施例では逆回転防止レバー２６及びその支点
軸２７を合成樹脂にて一体的に底形する一方、バネ２８
をマイラーフィルム等の如き合成樹脂フィルムにて構成
シ、そのフ、５．イルムの一４２８ａを逆回転防止レバ
ー２６に設けた割溝２９に単に差し込み、他端２８ ｂ
を固定ガイド２４等の如き固定部に単に当接させた構造
とじた。

このように構成した場合には、構造が簡単で、部品点数
を削減出来る上に、割溝２９にバネ２８の一端２８ ａ
を予め差し込んだ状態で、逆回転防止レバー２６をバネ
２８と一緒にカセット筐体１内にワンタッチで組み付け
ることが出来て、組立ても非常に簡単である。

以上実施例で述べた如く本考案によれば、仕切壁の端面
部分で、エンドレステープを引き出すために設けたスリ
ットの両側部分をエンドレステープの巾より大きくなる
ように突出させ、その突出部を他方のカセットハーフの
内面に設けた凹部内に挿入させたことによって、スリッ
トの開放端をその他方のカセットハーフの内面で実質的
に閉塞させることが出来るようにしたもので゛あるから
、エンドレステープがスリットから引き出される際に、
仕切壁と他方のカセットハーフとの間に出来た隙間内に
不測にすべり込んで、著しいダメージが与えられたり、
切断されたりするようなことを未然に防止することが出
来る。

この結果ニスドレステープの寿命を著しく増大させるこ
とが出来て、信頼性を著しく向上させ得る。

また上記スリットの両側部分を除く仕切壁の残りの端面
部分は、従来の場合と同様、単に他方のカセットハーフ
の内面に近接させであるにすぎないから、エンドレスカ
セットの組立てに際し、仕切壁はその端面部のほんの三
部分を他方のカセットハーフの凹部内に挿入すればよく
、このためエンドレスカセットの組立てが、従来の場合
よちも特に面倒になるようなおそれがほとんどない。

しかも他方のカセットハーフの上記凹部は、仕切壁の全
長に亘って長く設ける必要が全くないから、上記凹部の
形状効果のために、局部的な応力寒中が他方のカセット
ハーフ内に生じたりして、他方のカセットハーフの強度
剛性が従来の場合に較べて著しく低下するようなことも
ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のＶＴＲ用のエンドレスカセットを示した
一部切欠き平面図、第２図は第１図ＩＩ−ＩＩ線断面図
である。 第３図は本考案をＶＴＲ用のエンドレスカセットに適用
した一実施例を示す一部切欠き平面図、第４図は第３図
ＩＶ−ＩＶ線断面図、第５図は第４図■−ｖ線断面図で
ある。 また図面に用いられた符号において、５・・・・・・仕
切壁、５ａ・・・・・・仕切壁の上端面、６・・・・・
・テープ蓄積部、７・・・・・・エンドレステープ、８
・・・・・・スリット、１９・・・・・・突出部、２０
・・・・・・溝である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. テープ蓄積部の仕切壁を一方のカセットハーフに設け、
   上記テープ蓄積部内に蓄積されたエンドレステープを上
   記仕切壁にテープ幅方向に設けたスリットから引き出す
   ように構成したエンドレスカセットにおいて、エンドレ
   ステープの中方向における上記仕切壁の端面部分で、上
   記スリットの両側部分をエンドレステープの巾より大き
   くなるように突出させ、その突出部を他方のカセットハ
   ーフの内面に設けた凹部内に挿入して、テープが仕切壁
   上部の隙間に入り込むことを防止したことを特徴とする
   エンドレスカセット。