JPS6230229Y2

JPS6230229Y2 -

Info

Publication number: JPS6230229Y2
Application number: JP1980055877U
Authority: JP
Priority date: 1980-04-25
Filing date: 1980-04-25
Publication date: 1987-08-03
Also published as: JPS56162590U

Description

【考案の詳細な説明】本考案はエンドレスに連結されているテープを
屈曲させてカセツトハーフ内に収納するととも
に、そのカセツトハーフ内から引出されたテープ
を、引込み用リールで上記カセツトハーフ内に再
び引込む様にしたエンドレスカセツトに係り、特
に、そのテープのカセツトハーフ内からの引出し
を安定化する様にしたものに関する。

従来から、ビデオテープレコーダ等の磁気記録
再生器用のエンドレスカセツトとして、第１図に
示すものが提供されている。第１図はそのエンド
レスカセツトの斜視図で、上部ハーフ１および下
部ハーフ２と、これらを結合したカセツト筐体の
前面に開閉自在に取り付けられた前蓋３とからな
る。前蓋３はその側面に設けられた透孔４に、下
部ハーフ２の側板内に出没するストツパピン５を
嵌合せしめることに依つて閉じられ、逆に、スト
ツパピン５を下部ハーフ２の側板内に没入するこ
とに依つて、開かれる様になつている。６は透明
板で形成された磁気テープののぞき窓である。

第２図は上記の上部ハーフ１を取り外して示し
た下部ハーフ２の平面図で、周辺には周壁７およ
び前部壁８が突設されている。これらの周壁７お
よび前部壁８の各隅部および内側に、上部ハーフ
１を結合するための取付ボス９，１０が突設され
ている。１１，１２は下部ハーフ２の巻取り側の
平板上に植立されたテープのガイドローラおよび
ガイドピンであり、１３，１４は同じく供給側の
摩擦ガイドピンおよび通常のガイドピンである。
１５は下部ハーフ２の平板に植立された支軸１６
を中心に、スプリング１７に依つて回動付勢され
たストツパであり、その先端のストツパピン５が
上記下部ハーフ２の側板の内外を出没する如くな
つている。上記平板の中央部位には大小の透孔１
８，１９がそれぞれ穿設され、透孔１８にはテー
プリール２０の基部周辺が回転自在に嵌合されて
いる。このテープリール２０は小径のフランジ２
１とリールハブ２２とからなり、リールハブ２２
の外周には帯状の滑り止め材２３が巻装されてい
る。なお、このテープリール２０の底面にはリー
ル軸係止用の爪（図示しない）が設けられてい
る。２４はリール押え用の板ばねである。一方、
上記透孔１９の周辺には、リール軸の挿入が可能
な筒状ガイド２５が突設されている。２６は上記
平板の隅部に突設された位置決めピンで、これに
は弾性板からなるテープ圧着板２７の切欠（図示
しない）が係合され、このピン２６の前後に配置
された他の支持ピン２８，２９を、上記テープ圧
着板２７の前後面に係合せしめることで、これが
安定保持され、このときこのテープ圧着板２７の
先端に取り付けた潤滑部材３０が上記の滑り止め
材２３に弾発的に接触せしめられている。３１は
上記前部壁８付近に突設された支軸で、これには
先端にナイフエツジ状の屈曲部３２ａを有するテ
ープリール２０の逆転防止板３２の基部が、回転
自在に支承されている。３３，３４は支軸３１の
両側の平板上に突設された係止突片であり、これ
らには上記逆転防止板３２に先端部付近が遊嵌さ
れたテープ排出板３５の一端および中腹部が支持
され、そのテープ排出板３５の他端部は上記滑り
止め材２３の周面に接触している。３６は一端が
Ｌ字状に屈曲されたテープ案内板であり、そのＬ
字状部３６ａが係止突片３４と前部壁８との間に
介在されて、係止突片３４の前部に係合され、他
端部は上記テープ排出板３５の上記他端に近接し
て臨んでいる。

一方、上記筒状ガイド２５と前部壁８との間に
は、くの字状の隔板３７が突設され、その右方の
角部付近に、上記の摩擦ガイドピン１３が突設さ
れている。また、上記周壁７の右方内面には、先
端部３８ａを摩擦ガイドピン１３に臨ませる様に
突片３８が設けられ、その先端部３８ａとガイド
ピン１３との間に一定の間隙ｄが第３図に示す如
く設けられている。さらに、上記突片３８の近傍
には位置決めピン３９および支持ピン４０が突設
されており、この位置決めピン３９にテープにバ
ツクテンシヨンを付与するための弾性板４１の切
欠（図示しない）が係合し、その弾性板４１の上
記位置決めピン３９の左右部分が、支持ピン４０
および突片３８の基部に係止されている。また、
弾性板４１は上記摩擦ガイドピン１３側に付勢さ
れる如く、上記支持ピン４０等に依り支持されて
いる。４２は弾性板４１の遊端に取り付けられた
潤滑部材である。４３は下部ハーフ２の平板上に
水平方向に屈曲して配置されるテープで、上記平
板上の筒状ガイド２５付近を経て、摩擦ガイドピ
ン１３と上記突片３８との間隙ｄおよび摩擦ガイ
ドピン１３と弾性板４１との間を通り、ガイドピ
ン１４を経て下部ハーフ２の第２図中右方の供給
側開口部２ａからカセツト筐体の外部前方に導出
され、再び第２図中左方の巻取側開口部２ｂから
カセツト筐体内に引込まれ下部ハーフ２内のガイ
ドピン１２、ガイドローラ１１を経てリールハブ
２２上のテープの滑り止め材２３に接触せしめら
れ、これとテープ圧着板２７の潤滑部材３０との
間および滑り止め材２３の周面を通つて、上記平
板上のテープ溜部に屈曲する如くガイドされてい
る。

かかる構成になるエンドレスカセツトでは、テ
ープリール２０の下面の爪にビデオテープレコー
ダ側のリール軸が挿入され、このテープリール２
０が矢印Ａ方向に駆動されると、リールハブ２２
も同様に回転し、これの周囲に巻装された滑り止
め材２３とテープ圧着板２７の先端の潤滑部材３
０との間に挾持されたテープ４３が、その滑り止
め材２３の摩擦抵抗を受けて上記矢印Ａ方向に引
き込まれ、下部ハーフ２の前部外側に臨むテープ
４３が矢印Ｂ方向に走行する。また、この様に下
部ハーフ２の平板上（テープ溜部）に引き込まれ
たテープ４３は、屈曲しながら上記筒状ガイド２
５周辺に移動し、さらに、上記摩擦ガイドピン１
３および突片３８の間隙ｄおよび摩擦ガイドピン
１３および弾性板４１の間を縫う様に移動して、
その弾性板４１先端の潤滑部材４２、ガイドピン
１４にガイドされて、上記の様に下部ハーフ２の
前部外側方向に走行する。このとき、上記摩擦ガ
イドピン１３とガイドピン１４との間のテープ４
３は、上記弾性板４１の弾発力を受けて一方に付
勢され、潤滑部材４２とテープ４３との間に適度
な摩擦抵抗を得て、テープ４３を一定のテンシヨ
ンにて、上記前部外側に送り出す如く作用する。
この場合に於いて、上記間隙ｄは上記の屈曲した
テープ４３が重なつて出ることのない様にするた
めに、比較的狭く形成される必要がある。しか
し、組立精度並びに組立作業の都合上、ある程度
以上狭めることができず、今日では例えば0.5mm
程度に設定される。

ところが、かかる構成になる従来のテープカセ
ツトでは、上記の如くテープ溜部に於いて屈曲し
たテープ４３どうしが、静電作用のために互いに
張り付き合つて重なり、これが上記間隙ｄ内に、
第４図に示す如く引き込まれる場合がある。この
ため、テープ４３は特にこれの磁性面が損傷を受
け、極端な場合には、テープ４３の上記間隙ｄか
らの引き出しが出来なくなるという問題があつ
た。また、テープ４３と摩擦ガイドピン１３との
摩擦抵抗およびテープ４３の磁性面と潤滑部材４
２との摩擦抵抗の違いからテープ４３および弾性
板４１が振動する場合がある。かかる場合には、
この振動がテープ４３の走行を不安定にし、再生
画質を劣化させることとなつていた。

本考案はかかる従来のエンドレスカセツトに於
ける問題点を改善するために成したものであり、
特に、テープの排出時に、弾性板からなりかつ互
いに対接する方向に付勢されたテープ挾持手段を
設け、ハーフ内部からこれの前部外側へのテープ
の送り出しを円滑に整形して行う様にしたエンド
レスカセツトを提供することを目的とする。

以下に、本考案の実施例を図面について説明す
る。なお、第２図に示すものと同一の構成部分に
は同一符号を示す。

第５図は本考案にかかるエンドレスカセツトの
カセツト筐体を構成する下部ハーフ２の平面図で
ある。図に於いて４４は上記平板上の筒状ガイド
２５付近から前部壁８にかけて突設した隔板であ
り、これの屈曲部４４ａにはナイフエツジ部４５
が形成され、このナイフエツジ部４５に対向する
如く、周壁７から突片４６が突設され、これの先
端がそのナイフエツジ部４５に近接し、しかもナ
イフエツジ状になつている。また、取付ボス１０
の近傍には、位置決めピン４７および支持ピン４
８が図示の如く突設され、位置決めピン４７に一
部が遊嵌され、支持ピン４８および取付ボス１０
にて保持された弾性板４９の先端が、上記ナイフ
エツジ部４５と突片４６の先端との間に臨んでい
る。この弾性板４９の少くとも先端部には、潤滑
部材５０が被覆されている。一方、上記ストツパ
ピン５近傍の上記平板上には、位置決めピン５１
および２本の支持ピン５２，５３が所定間隔離れ
て突設され、位置決めピン５１に一部が遊嵌さ
れ、かつ支持ピン５２，５３にて保持された弾性
板５４の先端が、上記ナイフエツジ４５と突片４
６の先端との間に臨んでいる。その先端部には潤
滑部材５５が被覆されている。さらに、上記各弾
性板４９，５４は、これらの各潤滑部材５０，５
５が互いに弾性的に接触する如く、対向する方向
に弾持されており、上記ナイフエツジ部４５と突
片４６の先端との間隙は、これら両潤滑部材５
０，５５を重ね合せた厚みよりも僅か広くなつて
いる。かくして、上記テープ４３は両潤滑部材５
０，５５間に弾持され、適度な摩擦抵抗が付与さ
れて、上記前部外側に所定のバツクテンシヨンが
付与されながら引き出される。５６は上記筒状ガ
イド２５に嵌合された回転自在のカバーであり、
第６図ａ，ｂに示す如く、所定の肉厚（例えば
0.1〜0.2mm）の筒状をなしている。これは低摩擦
材であるカーボン入りのシート材にて形成され、
筒状ガイド２５にテープ４３が巻付くのを防止
し、テープ４３の送り出しをスムーズに行う様に
作用する。

かかる構成になるエンドレスカセツトでは、既
述の様に上記平板上のテープ溜め部分に引き込ま
れたテープ４３が、屈曲しながら移動し、上記筒
状ガイド２５付近に至るが、テープ４３が回転自
在のカバー５６に接触してもこれが回転するの
で、テープ４３はこのカバーに引掛からず、上記
各弾性板４９，５４の潤滑部材５０，５５間に円
滑に案内される。このとき、テープ４３は潤滑部
材５０，５５間にすき間なく介在され、したがつ
て、静電気により重なつたテープがそのまま潤滑
部材５０，５５間を通過することがなくなり、テ
ープ４３に無理な力が加わり、これを損傷する事
故を未然に防止できる。また、従来の様なテープ
４３の引き出し停止を防止できる。さらに、上記
テープ４３は２つの上記潤滑部材５０，５５間に
於いて、摩擦抵抗が付与されているので、テープ
４３の従来の如き振動の発生がなくなり、そのテ
ープ４３の走行が不安定になつて、再生画質の低
下を招くといつた心配もなくなる。

第７図および第８図は弾性板４９，５４の長さ
をそれぞれ異らしめて、一方を他方の先端より突
出せしめたものを示す。すなわち、第７図に示す
如く潤滑部材５０が潤滑部材５５よりもテープ溜
め部側に突出しているものでは、重なつて送られ
る実線で示すテープ４３が、潤滑部材５０に依つ
て点線で示す如く分離され、両潤滑部材５０，５
５間に重なり合つて送り出されることが防止され
る。また、第８図に示す如く、潤滑部材５５が潤
滑部材５０よりもテープ溜め部側に突出している
場合には、実線で示す如く、潤滑部材５５の右方
に重なつて送られるテープを、その先端部に於い
て、点線で示す如く分離し、これが両潤滑部材５
０，５５間に重り合つて通過するのを防止でき
る。第９図は潤滑部材５５の先端を潤滑部材５０
よりもテープ溜め側に突出させ、かつ筒状ガイド
２５側に幾分傾斜せしめたものを示す。これに依
つても、重なり合つているテープ４３を点線で示
す様に分離して、重畳したテープ４３の送り出し
を防止できる。かくして、テープ４３の損傷や走
行の不安定化を防止できる。

第１０図ａ，ｂは弾性板４９，５４の正面図お
よび平面図で、これの一端部の下縁には切欠５８
が設けられ、他端部には潤滑部材５０，５５が被
覆されている。なお、この潤滑部材５０，５５は
弾性板４９，５４の一側の半分以上まで被覆せし
める場合もある（第１０図ｂ）。第１１図はかか
る弾性板５４の取付構造を詳細に示すものであ
る。すなわち、下部ハーフ２上に突設された位置
決めピン５１には、上記弾性板５４の上記切欠５
８が嵌合され、これの両側面が支持ピン５２，５
３に圧接される如く保持される。また、上記切欠
５８に対向する弾性板５４の上縁は、下部ハーフ
２に被せられる上部ハーフ１に設けた突ピン５９
に軽く押されて、この弾性板５４の垂直方向の位
置規制がなされている。他の弾性片４９もほぼ同
様の方法で、上下部ハーフ１，２内に保持され、
磁気テープ４３に対し一定のバツクテンシヨンを
付与する。

本考案は、上述したように、エンドレスに連結
されているテープを屈曲させてカセツト筐体内に
収納するとともに、供給側開口部より上記カセツ
ト筐体外に引出されたテープを引込み用のテープ
リールで巻取側開口部より再び上記カセツト筐体
内に引込むエンドレスカセツトに於いて、上記カ
セツト筐体のテープ供給側に設けられ、周囲に低
摩擦回転体カバーが遊嵌された上記カセツト筐体
の下部ハーフに穿設した透孔周辺の筒状ガイド近
傍から一側壁に亘る排出通路に隔板及び突片より
なる案内壁が設けられ、上記隔板及び突片の間隙
に潤滑面となされた先端部が互いに弾接されて臨
み、基端部が先端部よりテープ排出の向き側に固
定されてなる２枚の弾性部材を設け、上記低摩擦
回転体カバーによつて排出側に送られるテープが
上記弾性部材先端によつて分離され、後側のテー
プが上記案内壁によつて案内されるとともに、先
側のテープが上記弾性部材によつて一定のバツク
テンシヨンが付与されて上記供給側開口部よりカ
セツト筐体外に引出すように構成してなるので、
２枚の弾性部材の潤滑面となされた先端間に間隙
が設けられることがないので、テープ溜め内に屈
曲したテープが、静電作用に依つて重なり合つて
も、１条のテープのみをこれらの間から安定に引
き出すことができ、磁気テープの無用の損傷や磁
気テープの詰りを生じる様なことがなくなり、走
行の安定が確保される。したがつて、再生画質の
低下を防止できる。さらに、かかる効果をうるた
めの構成は至極簡単で、安価に得られるものであ
るから、実用上頗る有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のエンドレスカセツトの斜視図、
第２図は従来のエンドレスカセツトの下部ハーフ
を示す平面図、第３図は従来のバツクテンシヨン
構造の拡大平面図、第４図は同じくテープの走行
状況を示す上記バツクテンシヨン構造の拡大平面
図、第５図は本考案にかかるエンドレスカセツト
の下部ハーフを示す平面図、第６図ａ，ｂは円筒
状カバーの平面図および正面図、第７図乃至第９
図は本考案にかかるバツクテンシヨン構造とテー
プの走行との関係を示す要部の平面図、第１０図
ａ，ｂはバツクテンシヨン構造の弾性板を示す正
面図および平面図、第１１図はその弾性板の取付
構造を示す要部の正面断面図である。１，２……上下部ハーフ、２０……テープリー
ル、４３……テープ、４９，５４……弾性部材、
５０，５５……潤滑部材、５６……筒状ガイド。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

エンドレスに連結されているテープを屈曲させ
てカセツト筐体内に収納するとともに、供給側開
口部より上記カセツト筐体外に引出されたテープ
を引込み用のテープリールで巻取側開口部より再
び上記カセツト筐体内に引込むエンドレスカセツ
トに於いて、上記カセツト筐体のテープ供給側に
設けられ、周囲に低摩擦回転体カバーが遊嵌され
た上記カセツト筐体の下部ハーフに穿設した透孔
周辺の筒状ガイド近傍から一側壁に亘る排出通路
に隔板及び突片よりなる案内壁が設けられ、上記
隔板及び突片の間隙に潤滑面となされた先端部が
互いに弾接されて臨み、基端部が先端部よりテー
プ排出の向き側に固定されてなる２枚の弾性部材
を設け、上記低摩擦回転体カバーによつて排出側
に送られるテープが上記弾性部材先端によつて分
離され、後側のテープが上記案内壁によつて案内
されるとともに、先側のテープが上記弾性部材に
よつて一定のバツクテンシヨンが付与されて上記
供給側開口部よりカセツト筐体外に引出されてな
るエンドレスカセツト。