JPS6343608Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、テープレコーダなどの録音再生ヘツ
ドの消磁や清掃を行うための装置に係り、励磁ヘ
ツドと録音再生ヘツドの間に間隔を確保すること
により、クリーニングテープが円滑に走行できる
ようにしたものである。

録音再生ヘツドは、長期間の使用によつて帯磁
したり塵埃が付着したりすると、録音再生特性が
劣化するため、適宜消磁清掃を行う必要がある。
このため、励磁ヘツドを内蔵したカセツトをテー
プレコーダにセツトし、プレイボタンを押して録
音再生ヘツドを前進させて励磁ヘツドに圧接し、
励磁ヘツドに生じる交番漸減磁界により、消磁を
行うようにした消磁装置や、カセツト内に調帯さ
れたクリーニングテープを、録音再生ヘツドに摺
接させながら走行させるようにした清掃装置がす
でに提案されている。

ところで、かかる消磁作業や清掃作業を同時に
実行できるように両者を一体化し、クリーニング
テープの送行と、励磁ヘツドの駆動を同時に行う
ようにすることが考えられる。しかしながら、こ
のようにすると上記のように消磁作業時には録音
再生ヘツドと励磁ヘツドは圧接されているため、
両者間を走行するクリーニングテープは、両者に
よつて挾みつけられた状態となつて円滑に走行す
ることは困難となり、最悪の場合は走行を停止し
てしまうことにもなる。

また、この種テープ状体の終端検知は、一般に
巻取り軸の負荷の大きさを検知することにより行
われるが、上記のようにクリーニングテープが両
ヘツドにより挾みつけられていると、巻取り軸に
大きな負荷が加わりやすく、誤つた終端検知をし
て、クリーニングテープの送行が停止されること
にもなる。

そこで、本考案はかかる点を勘案してなされた
ものであつて、励磁ヘツドに間隔部材を形成する
ことにより、録音再生ヘツドが圧接された際に、
クリーニングテープが走行するための隙間を確保
し、クリーニングテープが両ヘツドにより挾みつ
けられないようにした装置を提供するものであ
る。

以下、図面に沿つて本考案の実施例の説明を行
う。

第１図は、本考案に係るカセツト式クリーニン
グ兼用ヘツドイレーサの平面図、第２図は要部斜
視図、第３図は同側面図であつて、カセツト１内
に配設された繰り出しリール２と巻取りリール３
には、クリーニングテープ４が調帯されており、
クリーニングテープ４は、ロール５，６を周回
し、励磁ヘツド７の前面を走行する。

励磁ヘツド７は、背部の板バネ８によつて、例
えば前方へ押し出されるように変位自在に弾持さ
れており、励磁回路板９に接続されている。而し
て、励磁回路板９の励磁回路の開閉は、クリーニ
ングテープ４の終端近くに付着された蒸着アルミ
や、導電性テープなどの導電部（図外）を、励磁
回路に接続された一対の接触子１０，１１により
検出することにより行われる。

励磁ヘツド７の頂部は、円弧状頂部を有する録
音再生ヘツド１２との当りを良くするために、二
個の山形部１３，１３を連設した双山形となつて
おり、且つ非磁性カバー１４が装着されている。
このカバー１４は、両ヘツド７，１２が直接接触
するのを阻止するものであるが、クリーニングテ
ープ４が円滑に走行できるように、摩擦係数の小
さい材料にて形成されている。

励磁ヘツド７の各山形部１３，１３の頂部の中
央部には、それぞれ凹部１５，１５が形成されて
おり、従つて各山形部１３，１３の頂部には、上
下に突部１６，１６が残存形成されている。これ
らの突部１６，１６はクリーニングテープ４の走
行を許容する隙間を確保するための間隙部材とな
るものであつて、各山形部１３，１３のそれぞれ
の突部１６，１６の間隙、即ち凹部１５の幅は、
クリーニングテープ４の幅よりもやや大きく、ま
た各突部１６の高さ、即ち凹部１５の深さは、ク
リーニングテープ４の厚さよりも大きくしておく
ことが望ましい。なお、クリーニングテープ４の
厚さは、湿式のものと乾式のものとではかなり異
るが、一般に相当薄いものであるから（例えば、
乾式テープの厚さは16〜24ミクロン程度）、凹部
１５や突部１６はカバー１４のみに形成すること
も可能であり、励磁ヘツド７の鉄心には、必ずし
も凹部１５や突部１６を形成するための加工を施
す必要はない。１７はヘツド挿入窓、１８は電池
である。

本装置は上記のような構成より成り、次に取り
扱い動作の説明を行う。

本カセツト１をテープレコーダ（図外）にセツ
トし、プレイボタンを押して録音再生ヘツド１２
を前進させる。すると励磁ヘツド７は録音再生ヘ
ツド１２に押されて、板バネ８に抗して後退し、
巻上げ軸３は駆動回転を開始して、クリーニング
テープ４の送行が始まる。クリーニングテープ４
は、録音再生ヘツド１２の円弧状頂面に沿つて摺
接走行しながら清掃を行うが、励磁ヘツド７の頂
部には間隔部材としての突部１６が突設されてい
るから、録音再生ヘツド１２の頂面との間には隙
間が確保されており、クリーニングテープ４はこ
の隙間内を走行する。従つて、クリーニングテー
プ４が両ヘツド７，１２に挾みつけられて走行に
支障をきたすことはない。また、クリーニングテ
ープ４は突部１６，１６の間を案内送行かれるか
ら、走行中にブレることもない。

さて、このようにして録音再生ヘツド１２の清
掃が進み、クリーニングテープ４の終端近くに形
成された導電部が両接触子１０，１１に当つて両
接触子１０，１１間が導通すると、励磁回路は瞬
間閉成されて交番漸減磁界を生じ、録音再生ヘツ
ド１２の帯磁は瞬間的に消去され、両接触子１
０，１１間は再び非導通状態となつて消磁作業は
完了し、続いてクリーニングテープ４の巻取りも
完了する。

このようにして、クリーニングテープ４の送行
が停止されると、テープレコーダのプレイ状態は
自動的に解除されて、録音再生ヘツド１２は自動
的に後退し、一連の作業はすべて終了することと
なる。このように、本装置によれば、最初にプレ
イボタンを押すだけで、後の動作はすべて自動的
に行われるから、その取り扱いはきわめて簡単で
ある。

以上の説明から容易に推察できるように、本考
案の目的は励磁ヘツドと録音再生ヘツドとの間
に、クリーニングテープの円滑な走行を許容する
隙間を確保するようにすれば達成されるのであ
り、従つて上記実施例の他にも種々の設計変更が
可能であり、次に他の一例を第４図に沿つて説明
する。

本励磁ヘツド１９は、滑らかな頂部を有する二
個の山形部２０，２０を連設した双山形であり、
各山形部２０，２０の頂部には、間隔部材として
の円弧状突起２１，２１がそれぞれの上部と下部
に一個づつ突設されている。従つて、録音再生ヘ
ツド１２を前進させて励磁ヘツド１９に圧接させ
た場合、両ヘツド１９，１２の間には隙間が確保
され、クリーニングテープ４はこの隙間を走行
し、上記第一実施例のものと同様の効果を奏す
る。

以上説明したように、本考案に係る装置は、カ
セツト１内に、励磁ヘツド７，１９と励磁ヘツド
７，１９に交番漸減磁界を発生させる励磁回路を
設けた励磁回路板９とクリーニングテープ４を配
してなるカセツト式クリーニングテープ兼用ヘツ
ドイレーサにおいて、上記励磁ヘツド７，１９の
頂部に、間隔部材１６，２１を形成し、該間隔部
材１６，２１に録音再生ヘツド１２が当接するよ
うにして、励磁ヘツド７，１９に上記クリーニン
グテープ４の走行を許容する隙間を確保したの
で、クリーニングテープ４は円滑に両ヘツド間を
走行することができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すものであつて、第１
図は全体平面図、第２図及び第３図はそれぞれ要
部の斜視図及び側面図、第４図は他の実施例の要
部斜視図である。 １……カセツト、４……クリーニングテープ、
７，１９……励磁ヘツド、１６……突部、２１…
…突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カセツト１内に、励磁ヘツド７，１９と励磁ヘ
   ツド７，１９に交番漸減磁界を発生させる励磁回
   路を設けた励磁回路板９とクリーニングテープ４
   を配してなるカセツト式クリーニングテープ兼用
   ヘツドイレーサにおいて、上記励磁ヘツド７，１
   ９の頂部に、間隔部材１６，２１を形成し、該間
   隔部材１６，２１に録音再生ヘツド１２が当接す
   るようにして、励磁ヘツド７，１９に上記クリー
   ニングテープ４の走行を許容する隙間を確保した
   ことを特徴とするカセツト式クリーニングテープ
   兼用ヘツドイレーサ。