JPS5933870Y2 - 噴射時期調整装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は燃料噴射ポンプにかける噴射時期調整装置に関
し、特にバルブの変位にようピストンへの作動油圧を調
節して噴射時期を調整する噴射時期調整装置に関するも
ので、ある。

従来の噴射時期調整装置は、送油ポンプにより機関の回
転に伴って圧送される燃料油が噴射時期調整装置のシリ
ンダーに導かれ、その内部に収納されるピストンを移動
させ、レバーを介してローラーホルダーの位置を変化さ
せることにより機関回転数に比例した燃料圧で噴射時期
の調整を行なっていた。

このために噴射時期調整特性が常に機関回転数に比例し
た進角特性となり、その特性を自由に変化させることが
できず排気ガス対策上必ずしも好ましくなかった。

捷た特に窒素酸化物対策においては噴射時期を遅らせる
ことが望まれている。

本考案は上述の軸に鑑み、バルブの変位によりピストン
への作動油圧を調節することにより噴射時期特性を自由
に変えられ、かつ噴射時期を自由に遅らせることができ
る噴射時期調整装置を提供するものである。

オず噴射時期調整装置の一般的構成及び作動として、第
１図において燃料タンク１から補助送油ポンプ２により
低圧で送油される燃料油はフィルタ３を経て、噴射ポン
プ内に内蔵され且つポンプ駆動軸Ｉにより機関回転速度
に関連して駆動される送油ポンプ５により更に加圧され
圧力調整装置４により調圧されて、回転数に対する送油
特性が規定される。

この圧油は噴射時期調整装置６のシリンダー６ａに導か
れピストン６ｂをばね６ｃに抗して押す。

これによりピストン６ｂに一体的に構成されたレバー６
ｄを介しピストン６ｂの変位量をローラーホルダー６ｅ
を回動することによう伝え、プランジャのリフト始めの
時期を変える進角動作を行う。

この噴射時期特性は第４図の如くである。

次に本考案に係る実施例について、第２図においてシリ
ンダー１１の内部にばね１４により押圧されるピストン
１２（第１図にトけるピストン６ｂが配設され、このピ
ストン１２により高圧側室ａを低圧側室すとに分離され
ている。

オた、このピストン１２にはスプール弁１３が油密摺動
可能に嵌合され、高圧側の油圧とばね１３ａの釣合いに
より位置を決めている。

ピストン１２の内孔に設けられスプール弁１３が油密摺
動する円筒孔を介して連通ずるように構成されている通
路１２ａ及び１２ｂは前記スプール弁１３の位置により
開閉を制御される。

上記高圧側室ａには送油ポンプから機関回転数に関連し
て圧送される燃料油が流入される。

捷た低圧側室すには補助送油ポンプ圧である低圧の燃料
油圧に接続されている。

上記の構成に釦いて、送油ポンプにより機関回転速度に
関連して送油圧が規定され、かつ圧送される燃料油が噴
射時期調整装置のシリンダー１１内の室ａに流入すると
室す内のばね１４に打ち勝ってピストン１２を押す。

同時に、スプール弁１３もばね１３ａに抗して押圧され
、スプール弁の変位量が増加すると通路１２ａと１２ｂ
をスプール弁の環状溝を介して連通゛する。

すると室ａ内の圧油の一部は低圧側である室すに逃げる
ので、室ａ内の圧力上昇率は急激に小さくなり、ピスト
ン１２に対する押圧力の上昇率も低下してピストン１２
０室す方向（図において左方向）への移動は瞬間的に緩
慢となる。

然し引続き機関の回転上昇により燃料油圧力が上昇する
と、室ａ内の圧油の一部は室すに逃げながらも室ａ内の
圧力は上昇するのでスプール弁１３は更に変位して再び
通路１２ａと１２ｂの連通を遮断する状態になるまで押
される。

この連通が遮断される状態の場合は室ａより室すへの圧
油の流れの変化のため、室ａ内の圧力は急激に上昇する
。

従ってピストン１２０室す方向への移動も急速に行われ
る。

上記のようなピストン１２の動きはピストン１２と一体
に構成されるレバー１５を介してローラーホルダーに伝
えられる。

このピストン１２の動きでローラーホルダーは回転させ
られてプランジャのリフト始めの時期を変え、噴射時期
を調整する。

ピストン１２が室ａに流入する作動油によりばね１４を
押し縮めて室す方向に移動すると進角動作すなわち噴射
時期を進め、逆にばね１４が室ａへ流入する作動油圧に
打ち勝って反室す方向に移動すると、噴射時期を遅らせ
るのである。

第５図は横軸に機関回転数Ｎ、縦軸に室ａ内の油圧Ｐａ
と噴射時期進角θを取り、一点鎖線で油圧特性を、実線
で噴射時期特性を示したものである。

図においてＰａｌ およびθ１は前述のスプール弁１３
の環状溝によって通路１２ａと１２ｂの連通が始オると
きの、Ｐａ２およびθ２は通路１２ａと１２ｂが全部開
口したときの、Ｐａ３およびθ３は引き続くスプール弁
１３の左方向変位により通路１２ａと１２ｂの開口面積
の減少が開始されるときの、玄たＰａ４およびθ４は通
路１２ａと１２ｂの連通が遮断されたときのそれぞれ機
関回転数Ｎ１〜Ｎ４に訃ける室ａ内の油圧および噴射時
期進角である。

この特性はスプール弁１３の環状溝の巾、通路１２ａと
１２ｂの孔径釦よびばね１３ａの強さを変えることによ
り自由に変化させることができる。

本考案の他の実施例である第３図は、前記実施例のピス
トン２１内に設けられスプール弁２２が油密摺動する円
筒孔に通ずる通路２１ａ及び７１ｂの上記円筒孔への開
口部を通路及びスプール弁の環状溝に対してキー溝状の
軸方向の広口としたものである。

上記構成においては高圧側と低圧側の連通期間が長くな
り、噴射時期特性が第６図の実線で示すような特性が得
られる。

図中Ｎ１にあ・けるＰａｌおよびθ１はスプール弁２２
の環状溝が前記広口の開口部と連通の始オるとき、また
Ｎ２におけるＰａ２ｈよびθ２は環状溝が完全に開口部
と連通したときの室ａ内の油圧および噴射時期進角であ
る。

尚スプール弁のない場合に対する遅れ角△θは環状溝を
含む高圧側と低圧側を結ぶ連通路中の最小断面積によっ
て決まり、例えば通路２１ａの孔径を小さくして流れを
絞れば△θを小さくすることができることは言うまでも
ない。

このように本考案によれば、噴射時期特性を自由に変え
られ、特に排気ガス対策としては窒素酸化物が発生しや
すい回転数の所の噴射時期を遅らせることもできるとい
う利点がある。

また構造がシンプルなため製造が容易となり、コストも
安価となり得るのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の噴射時期調整装置を内蔵する分配型噴射
ポンプの縦断面図、第２図は本考案の噴射時期調整装置
の断面図、第３図は本考案の他の実施例による噴射時期
調整装置のピストンの断面図、第”４図は従来の噴射時
期調整装置による噴射時期特性図、第５図、第６図は本
考案の噴射時期調整装置による噴射時期特性図である。 ５・・・・・送油ポンプ、６・・・・・噴射時期調整装
置、Ｔ・・・・・・駆動軸、８・・・・・・プランジャ
、１２・・・・・・ピストン １３・・・・・・スプール弁、 １５・・・・・・レバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 圧力変化に応動するピストンの移動により噴射時期を調
   整する噴射時期調整装置において、ピストン内に高圧側
   と低圧側を連通ずる通路を設け、該通路内に、ピストン
   との間にばねを配し、高圧側圧力に応動して変位するバ
   ルブを設けたことを特徴とする噴射時期調整装置。