JPS5933835Y2 - 液抽出器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は生ビールや飲料水などの液体を密閉容器から
抽出する液抽出器に係り、特に液抽出管の飛出し事故を
防止する安全装置を備えた液抽出器に関する。

一般に、この種の液抽出器は生ビールなどの抽出に利用
され、ビール樽などの密閉容器の口部にバルブボディイ
を螺着し、このバルブボディに嵌挿された液抽出管を密
閉容器の底壁近傍まで延ばして開口させている。

そして、バルブボディ頂部のガス流入口から供給される
加圧ガスのポンプ作用で液抽出管を通して生ビール等の
貯溜液を外部に抽出している。

しかして、従来の液抽出器は、バルブボディへの液抽出
管の固定を液抽出管の外周溝に装着された止めリングの
みによって行なっており、ガスバルブボディ内には密封
リングを押圧するス、プリングが収容され、この密封リ
ングでバルブボディ頂部のガス流入口を密封するように
なっている。

液抽出時には、密封リングはスプリングのばね力に抗し
て押し下げられる。

しかしながら、液抽出管のバルブボディへの取付けは止
めリングのみで行なわれるため、止めリングの取付けが
不完全であったり、何らかの原因で、止めリングが外れ
た場合には、バルブボディ内に収容されたスプリング力
や、槽内部圧力が液抽出管に作用し、この液抽出管を外
部に勢いよく飛び出す恐れがあった。

液抽出管が外部に飛び出すことにより、人身事故を引き
起こす恐れがある等の問題があった。

この考案は上述した点を考慮し、止めリングの装着が不
完全あるいは何らかの原因で止めリングが外れた場合に
も、液抽出管の外部への飛び出しを確実かつ未然に防止
し得るように安全装置を備えた液抽出器を提供すること
を目的とする。

以下、この考案の実施例について添付図面を参照して説
明する。

第１図において、符号１０は生ビールを貯溜したビール
樽などの密閉容器を示し、この密閉容器１０に液抽出器
１１が取付けられる。

液抽出器１１は、バルブボディ１２とこのバルブボディ
１２に嵌挿された液抽出管１３とを有する。

バルブボディ１２は密閉容器１０の口部１０ ａに螺装
される。

口部１０ａとバルブボディ１２の鍔部１２ａとの間には
密封パツキン１４が介装され、この密封パツキン１４は
密閉容器１０内を外部から密閉する。

不使用時にはバルブボディ１２はキャップ１５で覆われ
る。

バルブボテ゛イ１２は、第２図に示すように、頂部にガ
ス流入口１６が、側方にガス流出口１７がそれぞれ形成
され、流入口１６および流出口１７はバルブボディ１２
の内部空間１８により連通される。

この内部空間１８にはスプリング１９が介装される。

スプリング１９は下端がバルブボディ１２のばね受座１
２ｂで受けられる一方、その上端はばね受はプレート２
０で受けられる。

このばね受はプレート２０には密封リング２１が装着さ
れ、この密封リング２１によりバルブボディ１２頂部の
ガス流入口１６が密封可能にされる。

〔（注）常時は密閉されており使用時開口する〕ガス流
入口１６はバルブボディ１２と液抽出管１３の頂部との
間で環状に画成され、上方に向って開口している。

液抽出管１３はバルブボディ１２の取付孔１２ Ｃを貫
通して下方に延び、その下端は密閉容器１０の底壁近傍
で終端し、開口している。

液抽出管１３は途中に段部１３ａが形成され、この段部
１３ａがバルブボディ１２のばね受座１２ｂと係合し、
液抽出管１３の取付位置が規制され、バルブボテ゛イ１
２に挿入された液抽出管１３は外周溝１３ｂに装着され
る止めリング（スナップリング）２３により固定される
。

外周溝１３ｂは液抽出管１３に形成され、止めリング２
３を装着可能とする。

上記止めリング２３の直下には安全ピン２４が固着され
る。

安全ピン２４は第３図に示すように液抽出管１３の側方
に形成された取付孔に挿入され、溶接により固定される
。

そして、安全ピン２４は、止めリング２３が外周溝１３
ｂから外れても、液抽出管が槽内部圧力とスプリング１
９の押圧で外部に飛び出そうとするのをバルブボディ１
２の下端部で受けるに充分な強度を有する。

また、液抽出管１３の上部側方には複数の液抽出口２６
が開口している。

液抽出管１３の頂部はバルブボディ１２の鍔部１２ ａ
とほぼ同一面で終端し、その頂部は閉塞されている。

次に、液抽出作業について説明する。

密閉容器１０内に貯溜された生ビールを抽出する場合に
は、第２図に一点鎖線で示すように、外方から外部液抽
出器２８をバルブボディ１２上にセットする。

外部液抽出器の操作ハンドル（図示せず）を操作するこ
とにより外部液抽出管２９は、密封リング２１をスプリ
ング１９のば゛ね力と槽内部圧力に抗して下動させ、密
封リング２１が液抽出管１３の肩部１３ Ｃに当接する
まで押し下げ（第２図の右半分参照）、バルブボテ゛イ
１２のガス流入口１６、内部空間１８、およびガス流出
口１７を通して密閉容器１０の外部（本体ケース３０の
内部）と穴内部空間と外部液抽出器２８の本体ケース３
０とが連通される。

一方、図示しない加圧ガス源からのＣＯ２等の加圧ガス
は、外部液抽出器２８の本体ケース３０とバルブボディ
１２との内部空間からガス流入口１６、流出口１７を通
り、密閉容器１０内に供給される。

加圧ガスの供給により、密閉容器１０内の圧力が上昇し
、供給された加圧ガスによるポンプ作用で、貯溜された
生ビールは液抽出管１３を通り、上部の液抽出口２６か
ら外部液抽出管２９内に案内され、外部に抽出される。

その際、外部液抽出管２９の内部および抽出口２６は密
封リング２１により加圧ガス供給側から完全に仕切られ
ている。

このようにして、密閉容器１０内の生ビールは外部に抽
出される。

また、液抽出作業時や外部液抽出器２８取外し時に止め
リング２３の不完全取付け、または、何らかの原因によ
り止めリング２３が外周溝１３ｂから外れ、脱落しても
、バルブボディ１２の下端は安全ピン２４で確実に受け
られるから、スプリング１９のばね力及び槽内圧力で液
抽出管１３が外方に飛び出すのを確実かつ未然に防止す
ることができる。

したがって、人身事故などの二次的被害を有効的に防止
できる。

なお、この考案の一実施例の説明においては、生ビール
を抽出する場合について述べたが、被抽出液は生ビール
に限定されず、他の液体であってもよい。

以上に述べたようにこの考案に係る液抽出器においては
、液抽出管をバルブボテ゛イに止めリングにより固定す
るとともに、止めリングの近くに液抽出管に固着された
安全ピンを設けたから、止めリングが何らかの原因で脱
落しても、安全ピンでバルブボディを受けることができ
、バルブボテ゛イから液抽出管の抜き出しや、外部に飛
び出すのを確実かつ未然に防止することができ、液抽出
管の飛び出しによる人身事故などの二次的被害を有効的
に防止することができる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る液抽出器の断面図、第２図は上
記液抽出器の断面図、第３図は液抽出器の要部を示す部
分断面図である。 １０・・・・・・密閉容器、１１・・・・・・液抽出器
、１２・・・・・・バルブボディ、１３・・・・・・液
抽出管、１６・・・・・・ガス流入口、１７・・・・・
・ガス流出口、１９・・・・・・スプリング、２０・・
・・・・ばね受プレー１−１２１・・・・・・密封リン
グ、１３ｂ・・・・・・外周溝、３３・・・・・・止め
リング、２４・・・・・・安全ピン、２６・・・・・・
抽出口、２８・・・・・・外部液抽出器、２９・・・・
・・外部液抽出管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ビール等の液体が貯溜された密閉容器の口部に固着され
   たバルフ゛ボテ゛イと、このバルブボディに嵌挿されて
   密閉容器の底壁近くまで延び、開口する液抽出管と、こ
   の液抽出管の頂部に装着され、バルブボディ頂部のガス
   流入口を密封可能な密封リングと、この密封リングを押
   圧するため、バルブボディ内に収容されたスプリングと
   を有し、バルブボディのガス流入口から供給された加圧
   ガスのポンプ作用で液抽出管を通して貯溜液を外部に抽
   出するようにした液抽出器において、前記バルブボディ
   に液抽出管を固定するため、液抽出管の外周溝に嵌め込
   まれた止めリングと、この止めリングの近傍で液抽出管
   に固着された安全ピンとを有することを特徴とする液抽
   出器。