JPS593376Y2 - カセットデッキにおけるテ−プのたるみ除去装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はカセットデツキにカセットハーフを装着した際
、カセットハーフ内のテープのたるみを除去し、頭出し
が正確でしかもテープが常に安定して作動走行するよう
にしたテープのたるみ除去装置に関する。

テープにたるみのあるカセットハーフをそのままカセッ
トデツキに装着してテープを走行させると、ヘッドにテ
ープがうまく圧着せず、ワウやフラッタ、レベル変動等
の原因となるし、極端な場合にはテープに損傷を与えて
しまうおそれがある。

特にデュアルキャプスタン方式と呼ばれている２個のキ
ャプスタンを有するカセットデツキの場合には、このテ
ープたるみ除去装置が必要とされ、その開発が進められ
ている。

しかし、従来のものは単に供給側リールを巻戻し方向に
数秒間回転させてテープのたるみを除去する方式のもの
である。

この方式のものは、テープを除去することは出来るがテ
ープが当初の位置から移動してしまってテープの頭出し
が正確には行えないという欠点があった。

本考案は、これらの難点を解消し、テープの頭出し位置
を移動させずにテープのたるみだけを取り除くようにし
たテープたるみ除去装置を提供するものである。

本考案を図示の実施例に基づいて詳細に説明すると、第
１図は供給側リールと巻取り側リールに同時に作動する
ブレーキ機構を装備させた本考案に係る実施例を示すも
のである。

カセットデツキには、供給側リール軸１と巻取り側リー
ル軸２とが配設されており、両リール軸１．２には、そ
れぞれリール台３，４とブレーキドラム５，６とが軸着
されている。

そして、このブレーキドラム５゜６には、制動子７が押
当してその摩擦によって回転運動を静止状態まで移行さ
せるブレーキ機構８が装備されている。

この本考案に係るブレーキ機構８はブレーキドラム５，
６に同時に制動子７ａ７ｂが圧着するブロックブレーキ
方式のもので、その具体的な構造は、アーム９の左右両
端部に制動子７ａ、７ａ’を取り付けておき、当該制動
子の一方７ａを供給側リール軸１に軸着されたブレーキ
ドラム５に、また他方７ａ’を巻取り側リール軸２に軸
着されたブレーキドラム６に同時に押当するが、そのと
きの当該制動子７ａ、７ａ’の押当方向がブレーキドラ
ム５，６の回転中心から互いに外方にはずれるような構
成になっている。

−ルの回転方向が正逆いずれになっても常に供給側リー
ル軸１には巻取り側リール軸２に負荷されている制動力
より小さい範囲の巻戻しトルクを付与させるようにした
点にある。

このように制動子７ａ、７ａ’の押当方向がブレーキド
ラム５，６の回転中心から外方にはずれているブレーキ
機構８ａは、その回転方向が食い込み方向である場合に
は制動力が強く、逃げ方向では制動力が弱いという方向
性のあることが知られている。

即ち本考案の場合には、テープ（図示しない。

）巻取り方向Ａへ走行しているときブレーキをかけると
供給ブレーキドラム５においては強い食い込み方向のブ
レーキトルクＴ１が負荷され、また巻取り側ブレーキド
ラム６においては弱い逃げ方向へのブレーキトルクＴ２
が負荷される。

また逆に巻き戻し方向Ｂにテープ（図示しない。

）が走行する場合には、供給側と巻取り側及びそのブレ
ーキトルクＴＩ、Ｔ２はそれぞれ前と逆になる。

本考案は、このようなブレーキ機構８におけるブレーキ
の方向性を利用して、カセットハーフがカセットデツキ
に装着された際、図示しないスイッチ機構と駆動手段が
作動して、ブレーキ機構の制動力を解除することなく供
給側ノール軸１に所定の強さの巻き戻し方向Ｂへの駆動
トルクＴＲを数秒間与えるようにしてテープのたるみを
取るものである。

この時の巻き戻しトルクＴＲは、テープ位置によって第
３図に示すようなブレーキ比が生ずるし、その他力セッ
トハーフ内での摩擦損失ＴＯによっても巻き戻しトルク
ＴＲの値に影響があるが、その巻き戻しトルクＴＲの適
正な値を設定する場合にはテープ位置にかかわらず次の
式を満足させればよい。

Ｔ２／ｒ２＜ （ＴＲ−（Ｔ２＋ＴＯ））／ｒ２＜Ｔ１
／ｒま ただし、 ｒｌ：巻取り側リールにおけるテープ端部半径ｒ２：供
給側リールにおけるテープ端部半径ＴＯ：カセットハー
フによる摩擦損失 Ｔ１：食い込み方向のブレーキトルク ＴＲ：巻き戻しトルク このようにブレーキの方向性を利用すれば巻き戻しトル
クＴＲは小さな値ですみ、駆動手段が簡単となる。

尚、この巻き戻しトルクＴＲを得る方法は、駆動手段に
よって種々前えられ、例えば直接供給側リールを巻き戻
し方向へ回転させる場合、あるいは、ベルト又はアイド
ラ等の伝達手段を介して間接的に回転させる場合があり
、カセットデツキの構造に合せて任意に決定することが
出来る。

以上に説明したように、本考案に係るカセットデツキに
おけるテープたるみ除去装置は、アーム９の左右両端部
に制動子７を取り付け、当該制動子の一方７ａを供給側
リール軸１に軸着されたブレーキドラム５に、また他方
の制動子７ｂを巻取り側リール軸２に軸着されたブレー
キドラム６に同時に押当するよう、に配設すると共に、
当該制動子７ａ、７ｂの押当方向をブレーキドラム５，
６の回転中心から互いに外方にはずれるようにブレーキ
機構を構威し、カセットハーフをカセットデツキに装着
したとき、リールの回転方向が正逆いずれになっても常
に供給側リール軸１には、当該供給側リール軸に負荷さ
れている逃げ方向の制動力より大きく巻取り側リール軸
２に負荷されている食い込み方向への制動力より小さい
範囲の巻戻しＩ・ルクＴＲを付与させてテープのたるみ
を除去する駆動手段を有するようにしたものである。

この時巻取り側リールには制動力がかかったままの状態
で供給側リールだけ数秒間巻き戻すので、テープのたる
みが完全にとれるだけでなく、この巻き戻しトルクは巻
取り側リールの制動力より小さいのでテープ自体の位置
は変化せず、従がってテープの頭出し位置が移動するお
それもない。

又本考案によれば、第１図のＡ、 Ｂのいずれの方向に
テープが走行していても、それぞれの制動子７ａ、７ａ
’のブレーキトルクの大きさが走行方向の違いにより逆
転するため、全く同様に作動して当該テープのたるみを
簡単に除去することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる実施例の作動状態を示す説明図
、第２図は供給側リール軸の要部拡大斜視図、第３図は
リールのブレーキ比を示す説明図である。 １；供給側リール、２；巻取り側リール、３；ノール台
、４；リール台、５；フ゛レーキドラム、６；ブレーキ
ドラム、７；制動子、８；ブレーキ機構、９；アーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アームの左右両端部に制動子を取り付け、当該制動子の
   一方を供給側リール軸に軸着されたブレーキドラムに、
   また他方の制動子を巻取り側リール軸に軸着されたブレ
   ーキドラムに同時に押当するように配設すると共に、当
   該制動子の押当方向をブレーキドラムの回転中心から互
   いに外方にはずれるようにブレーキ機構を構成し、カセ
   ットハーフをカセットデツキに装着したとき、リールの
   回転方向が正逆いずれになっても常に供給側リール軸に
   は、当該供給側リール軸に負荷されている逃げ方向の制
   動力より大きく巻取り側リール軸に負荷されている食い
   込み方向への制動力より小さい範囲の巻戻しトルクを付
   与させる駆動手段を有するようにしたことを特徴するカ
   セットデツキにおけるテープのたるみ除去装置。