JPS5932836Y2 - バ−ナの着火装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は着火シートに着火炎を形成し、この着火炎で
バーナの燃焼を開始させる着火装置に関する。

温風暖房機等に使用するバーナとして、横形円筒状のバ
ーナ本体内に気化カップを設け、この気化カップ内に回
転カップを収納し、この回転カップで液体燃料を霧化し
て燃焼させるものがある。

気化カップの直下には第１図に示すごとく、導油板ａが
一方向に傾斜して設けられ、さらにこの導油板ａの傾斜
下端側に着火シートｂが設けられている。

そして燃焼開始時には、上記回転カップで霧化された燃
料が気化カップの内壁面に当って凝縮し、この凝縮した
燃料が気化カップから上記導油板ａに滴下し、これが導
油板ａに導びかれて着火シートｂに浸透するとともに、
点火ヒータＣにより点火されて着火シー）ｂ上に着火炎
を形成する。

この着火炎により上記気化カップが徐々に加熱され、こ
の加熱に伴い気化カップ内の燃料が気化し、その気化ガ
スが気化カップからバーナ本体内に流出し、この気化ガ
スにより実際の燃焼が開始される。

ところが従来においては、導油板ａの傾斜下端縁が単な
る直線状のままであるため、燃料が表面張力により第１
図に示すごとく、水玉状に停滞し、その量がある程度に
達するまでは着火シートｂに浸透せず、このため燃焼の
立上りが遅くなる難点があった。

この考案はこのような点に着目してなされたもので、そ
の目的とするところは、導油板に改良を施すことにより
、燃料を着火シートに速やかに浸透させて燃焼の立上り
を向上できるようにしバーナの着火装置を提供すること
にある。

以下、この考案の一実施例について第２図ないし第４図
を参照して説明する。

第２図において１はバーナ本体で、これは同心的に配置
する内筒２と外筒３とで構成され、これら両筒２，３の
相互間を空気路１ａとなしている。

バーナ本体１の一端にはファンケーシング４が取付けら
れ、さらにこのファンケーシング４の一端にモータケー
シング５が設けられている。

モータケーシング５内にはモータ６が設けられ、このモ
ータ６の回転軸７がファンケーシング４を挿通して内筒
２内に臨んでいる。

ファンケーシング４内にはファン８，８が設けられ、こ
れらファン８．８が上記回転軸７に固着されている。

またファンケーシング４の端面には端板９が設けられ、
この端板９が内筒２の端面に気密約に接合されている。

端板９の中央部には気化カップ１０が取付けられ、これ
は有底筒状の主体１０ ａと、この主体１０ ａの開口
部に設けられたカップカバー１０ ｂとからなる。

主体１０ ａとカップカバー１０ ｂとはピン１１を介
して結合されているとともに、その両者間には僅かな隙
間が確保され、この隙間によって気化カップ１０の周側
部に噴出溝１２が構成されている。

そしてこの気化カップ１０内に上記回転軸７の先端が臨
み、この先端に霧化器たとえば有底筒状の回転カップ１
３が取付けられ、この回転カップ１３はその開口１３ａ
を主体１０ ａの内方側に向けている。

端板９の周側面には多数の空気孔１５・・・・・・が穿
設され、これら空気孔１５・・・・・・を介してファン
ケーシング４内と空気路１ａとが連通し、また内筒２の
先方側の周面に多数の小孔１６・・・・・・が穿設され
、これら小孔１６・・・・・・を介して空気路１ａと内
筒２内とが連通している。

そして内筒２の先方側内部にパイロットリング１７およ
びフレームホルダー１８が配設されている。

また内筒２には、気化カップ１０の直下に位置する周面
にドレン孔１９が形成され、このドレン孔１９に継手２
０ ａを介してドレンパイプ２０が接続されている。

さらに内筒２の周面には第３図に示すごとく、上記ドレ
ン孔１９から僅かに内筒２の周方向側に偏位した位置に
装着口２１が設けられている。

この装着口２１は内筒２と外筒３との両者に渡る筒体２
２によって構成され、この筒体２２が内筒２の内方およ
び外筒３の外方に開放している。

そして装着口２１に点火ユニット２３が設けられている
。

この点火ユニット２３は、金属製のケース２４内に碑石
等の基体２５を設け、この基体２５に点火ヒータ２６を
貫挿し、また基体２５の端面に一上記点火ヒータ２６を
挾んで対向するように支持体２７．２７を設け、これら
支持体２７．２７で着火シート２８を支持してなる。

ケース２４は周縁にフランジ２９を一体に有し、このフ
ランジ２９が筒体２２の周縁に形成されたフランジ３０
にバッキング３１を介して接合し、この状態でケース２
４のフランジ２９から筒体２２のフランジ３０に渡って
複数のねじ２３ ａ・・・・・・が螺挿され、これらね
じ２３ａ・・・・・・によって点火ユニット２３が装着
口２１に着脱自在に取付けられている。

そしてこの取付状態において、点火ヒータ２６および′
著大シート２８が内筒２内に臨んでいる。

着火シート２８は点火ヒータ２６を跨ぐように配置し、
その両端部が支持体２７．２７の内側面にそれぞれ加締
め片２７ ａ 、２７ ａを介して結合保持され、かつ
中間部がドレン孔１９に向ってほは゛直角に折曲してい
る。

気化カップ１０の直下にはこの気化カップ１０の噴出溝
１２と対向して導油板３２が配設され、これは支持脚片
３３ 、３３を介して一方向に傾斜する状態に支持され
ている。

そしてこの導油板３２には、第４図に示すごとく、両側
縁および傾斜下端側の端縁の一部に立土壁３４．３４が
一体に形成され、さらに傾斜下端側の開放端縁の中間部
分に案内部を構成する切欠３５が施こされている。

そしてこの切欠３５が上記着火シート２８の折曲先端上
面部に臨んでいる。

３６は図示しない燃料貯留部から導出され回転カップ１
３内に挿入された給油パイプで、この給油パイプ３４を
介して回転カップ１３の内周に灯油等の液体燃料を順次
滴下するようになっている。

次に作用について説明する。

燃焼運転の投入操作により、まずモータ６が起動し、フ
ァン８，８および゛回転カップ１３が高速で゛回転する
。

そして回転カップ１３内に給油パイプ３６を通して順次
燃料が滴下供給される。

この燃料は回転カップ１３の回転遠心力により気化カッ
プ１０の内周面に飛散されるが、この時点では気化カッ
プ１０が低温であるのでその燃料は再び凝縮し、気化カ
ップ１０の内周面を通って噴出溝１２から滴下する。

気化カップ１０の直下には導油板３２が設けられており
、したがって上記燃料はこの導油板３２の上面に滴下す
る。

そしてその燃料が導油板３２の傾斜によりその上面を伝
わって流下し、着火シート２８に浸透するが、この際、
導油板３２の傾斜下端側の端縁に切欠３５が形成されて
いるため、燃料が従来のように水玉状に停滞することな
く、速やかにこの切欠３５から着火シート２８の表面に
流入して浸透する。

浸透した燃料は予め赤熱待機している点火ヒータ２６に
より点火され着火する。

また着火シート２８に浸透した余剰の燃料は着火シート
２８の新曲先端部から滴下し、ドレンパイプ２０を通し
て外部に排出される。

ところで気化カップ１０の直下に着火シー１へ２８を配
設し、その気化カップ１０から滴下する燃料を直接着火
シート２８に浸透させるような場合が考えられる。

この場合、気化カップ１０の直下に点火ヒータ２６を配
設すると、着火シート２８から滴下する余剰の燃料がそ
の点火ヒータ２６に付着してしまうので、点火ヒータ２
６は気化カップ１０の直下からある程度大きく離間する
位置に配設せざるをえない。

すると着火シート２８は気化カップ１０の直下から点火
ヒータ２６の配設部との区間に渡る比較的長尺のものと
なり、この着火シート２８の一端側に滴下した燃料が、
他端側の点火ヒータ２６の配設部にまで拡散するまで、
つまり着火までに比較的長時間を要してしまう。

これに対し、この実施例では導油板３２を介して燃料を
点火ヒータ２６の配設部にまで導びいているので短時間
に着火を達成することができる利点がある。

着火シート２８に形成される着火炎は徐々に火勢を強め
て気化カップ１０を加熱する。

これにより気化カップ１０の温度が上昇し、この温度上
昇に伴い、回転カップ１３から飛散される燃料が徐々に
気化し、ついにはその燃料のすべてが飛散とほぼ同時に
気化し、気化カップ１０内に気化ガスが充満し、その圧
力が高まる。

そしてこの圧力上昇に伴い気化ガスは噴出溝１２から内
筒２の内周壁面に向って勢いよく噴出する。

一方、ファン８，８の回転により、燃焼用空気が各空気
孔１５・・・・・・、空気路１ａを経て各小孔１６・・
・・・・から内筒２内に噴出する。

そしてこの燃焼用空気と上述の気化ガスとが混合し、パ
イロットリング１７およびフレームホルダー１８の周囲
において定常燃焼を開始し、以後これが継続する。

なお、上記実施例においては、導油板３２に設ける燃料
の案内部を切欠３５により構成したが、これに限らず第
５図に示すごとく、例えばＶ字状の溝３５ ａにより構
成するようにしてもよく、この場合も切欠３５の場合と
同様に、燃料を水玉状に停滞させることなく、速やかに
着火シート２８に案内して浸透させることができる。

以上説明のようにこの考案によれば、導油板の傾斜下端
縁に案内部を設けたから、従来のように燃料を水玉状に
停滞させることなく、滴下複速やかに着火シートに浸透
させることができ、したがってバーナ本体内における燃
焼の立上りを確実に向上させることができるものである
。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の着火装置を示す側断面図、第２図はこの
考案の一実施例を適用したバーナの縦断面図、第３図は
同じく横断面図、第４図は同じく要部の斜視図、第５図
はこの考案の他の実施例を示す斜視図である。 ２８・・・・・・着火シート、３２・・・・・・導油板
、３５・・・・・・切欠（案内部）、３５ａ・・・・・
・溝（案内部）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 傾斜する導油板の傾斜下端側に着火シートを設け、液体
   燃料を上記導油板に滴下し、それを導油板の傾斜により
   上記着火シートに導いて浸透させ、その燃料により着火
   シートに着火炎を形成させるものにおいて、上記導油板
   の傾斜下端縁に、液体燃料を着火シートに流入させる案
   内部を形成したことを特徴とするバーナの着火装置。