JPS5937522Y2 - 気化式燃焼装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は灯油等の液体燃料を気化して燃焼させる気化
式燃焼装置に関する。

近時、暖房器用の燃焼装置として、ヒータおよび気化パ
イプを埋設したアルミダイカスト製の気（ｔＪに、バー
ナおよびノズル機構を設け、気化器を上記ヒータで予熱
しその温度が一定に達したのに気化パイプにポンプを介
して順次液体燃料を供給しそれを気化器の熱で気化させ
、その気化ガスを上記ノズル機構から燃焼用空気ととも
にバーナに導ひいて燃焼させるものが提供されている。

しかして、気化器の予熱、燃料の供給、気化ガスの点火
等は温度検知素子やタイマー等により自動的に制御され
、この関係から運転の開始操作と同時にノズル機構は開
放されて気化ガスの噴出を待機する状態に保時される。

ところが気化）くイブ内には、前回の運転時における燃
料が凝縮して残留していることが多く、このためこれが
気化器の予熱時に気化し、ノズル機構から不用意に放散
してしまい、こＱ結果室内に異臭が生じるばかりでなく
、点火初期に過剰燃料による赤火燃焼を招いてしまうと
いう不都合が生じている。

気化器の予熱中にはノズル機構を閉合保持し予熱完了後
に開放するように構成すれば上述の問題は解決すること
ができるが、このような手段ではその制御用としてソレ
ノイド等の部品が必要となって高価となるとともに、運
転開始操作後にそのソレノイド等による動作音が生じ、
使用者に対して不快感や不安感を与えてしまう難点があ
る。

この考案はこのような点に着目してなされたもので、そ
の目的とするところは、気化パイプの配設構造を改良す
るという極めて簡易な手段により、気化器の予熱中には
確実に気化ガスの生成を防止することができるようにし
た気化式燃焼装置を提供することにある。

以下、この考案の一実施例について図面を参照して説明
する。

図中１は例えばアルミダイカストにより一体に成形され
た扁平状Ｑ気化器で、この気化器１にはヒータ２および
気化パイプ３が並行に埋設され、またこの気化器１の前
面一端寄りにノズル機構４が組込まれている。

ノズル機構４ば。気化器１に一体形成された膨出突部１
ａ内に円筒状のホルダ５を嵌入し、このホルダ５内にニ
ードル弁６を摺動自在に収納し、ホルダ５の先端にノズ
ルＩを取付け、このノズル１を膨出突部１ａの端面に露
出させてなる。

上記ニードル弁６は連動機構８を介して外部から摺動操
作が可能で、その操作によりノズル１の噴出孔７ａを開
閉することができるようになっている。

気化パイプ３は水平線に対してその一端側が斜め上方を
向くように５〜１０’傾斜して設けられていて、その傾
斜上端側の一端において連通管９を介して上記ノズル機
構４のホルダ５と連通している。

また気化パイプ３の他端は気化器１の端面から導出し、
その導出部に給油管１０が接続されている。

この給油管１０は一端が燃料タンク１１の燃料中に浸漬
されているとともに、途中に例えば電磁ポンプ１２が設
けられ、またこのポンプ１２と気化パイプ３との間から
上記燃料タンク１１に渡って戻し路を構成する戻し管１
３が導出されている。

気化器１の前面Ｖｃｌｒｉ、対称的な一対のプレス成形
品を互いに接合固着して扁平形に構成したバーナ１４が
ねじ１５，１５を介して取付けられている。

このバーナ１４は筒状の混合管１６と、この混合管１６
の一端から直角に折曲して末広状に拡開するように延出
した幅広の拡散部１７と、この拡散部１７の上端面に多
数のスリット状の透孔１８・・・を穿設して構成したガ
ス吹出部１９とからなる。

そして、混合管１６の開口端面がノズル１と対向し、ガ
ス吹出部１９が気化器１の上縁の長手方向に沿うように
配置されている。

なお、２０はヒータ２を制御して気化器１の温度を一定
に保持するサーモスタット、２１ば気化器１の温度が一
定に達した際にそれを検知して電磁ポンプ１２を付勢す
る温度検知素子である。

また、２２は気化パイプ３内に挿入したフィルタである
。

次に作用について説明する。

まず運転の開始操作によりヒータ２の通電が投入される
。

この投入によりヒータ２が発熱し、気化器１が徐々に予
熱される。

そしてその温度が燃料の気化温度（２５０〜２８０℃）
に達すると、それが温度検知素子２１により検知さ札こ
れに応じて電磁ポンプ１２を介して燃料タンク１１内の
液体燃料が給油管１０から気化パイプ３内に順次供給さ
れる。

気化パイプ３ばすでに燃料の気化温度に達しているから
、燃料がこのパイプ３内において順次気化し気化ガスと
なる。

そしてこの気化ガスは、連通管９を経てホルダ５内に至
るとともに、予め開放操作されたノズル７の噴出孔７ａ
からバーナ１４の混合管１６内に噴出する。

そしてこの噴出に伴うジェット効果により、気化ガスと
ともに混合管１６内に燃焼用の一次空気が吸込まれ、こ
れら両者が混合管１６内において流通しながら混合し混
合ガスとなり、この混合ガスが拡散部ＩＴに拡散し各炎
孔１８・・・から噴出し、点火され燃焼する。

一方、消火に当っては、ヒータ２および電磁ポン１１２
０通電が遮断され、またノズル７の噴出孔７ａがニード
ル弁６により閉止される。

これによりバーナ１４への燃料供給が断たれ燃焼が停止
する。

また気化パイプ３内における未気化の燃料および気化ガ
スから再度凝縮した燃料は、気化パイプ３が傾斜してい
ることから給油管１０の接続側に流動するとともに、給
油管１０、戻し管１３を経て燃料タンク１１内に戻され
る。

したがって気化パイプ３内には燃料が残留するようなこ
とがなく、このため次回の運転開始操作により、気化器
１が予熱されても何ら気化ガスが生成されるようなこと
がない。

したがって気化ガスの不用意な漏れがないばかりでなく
、点火時に常に正規の量の気化ガスがバーナ１４に供給
されるから赤火燃焼の発生を確実に防止することができ
る。

ところで、気化パイプ３内に、変質や異種油混入の灯油
等の燃料が供給されると、その気化に伴いタール等の異
物が析出するが、気化パイプ３内にはフィルタ２２が収
納されているから、その異物をフィルタ２２で捕捉して
ノズル機構４への侵入を防止することができる。

なお、上記実施例においては、電磁式のポン２゜により
気化パイプに燃料を供給するようにしたが、このような
ポンプに限ることはなく、例えば燃料タンク内に浸漬す
る給油管の端部に羽根車式のボリュートポンプを設け、
このポンプセ黙料を供給するようにしてもよく、この場
合には戻し管を用いることなく給油管自体で気化パイプ
内の燃料を燃料タンク内に戻す戻し路を構成することが
できる利点がある。

以上説明のようにこの考案によれば、気化パイプを傾斜
して設け、かつその傾斜下端側から戻し路を導出すると
いう簡単な構成により、気化器の予熱時における気化ガ
スの生成を確実に防止することができ、したがってノズ
ル機構を点火以前に開放しておいてもとくに問題がなく
、このためその制御が極めて簡単となり、また点火時に
は常に正規量の気化ガスを供給して赤火燃焼を確実に防
止することができ、また気化パイプ内にフィルタを収納
したことにより異物の析出時にそれを捕捉してノズル機
構部分への侵入を防止することができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図は一部破断し
た正面図、第２図は平面図、第３図ば気化パイプ、ヒー
タ、ノズル機構の組合せ状態の正面図である。 １・・・・・・気化器、２・・・・・・ヒータ、３・・
・・・・気化パイプ、４・・・・・・ノズル機構、１４
・・・・・・バーナ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ヒータおよび気化パイプを哩設した気化器に、バーナお
   よびノズル機構を設け、上記気化パイプの＝端を上記ノ
   ズル機構に連通させ、気化−ζイブにその他端から液体
   燃料を供給するとともに、それを上記ヒータによる気化
   器の熱で気化させ、その気化ガスを上記ノズル機構から
   バーナに導びいて燃焼させるものにおいて、上記気化パ
   イプをノズル機構と連通ずる一端側が斜め上方を向く状
   態に傾斜させ、この気化パイプの他端を戻し路を通して
   燃料貯留部に連通させ、かつ気化パイプの内部にフィル
   タを収容したことを特徴とする気化式