JPS6130023Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えば、石油を燃料とする温風暖房
機に係り、特に、この温風暖房機における燃焼器
に関する。

従来、この種の温風暖房機は、第１図に示され
るように、扁平な台板１上に箱形をなし、しか
も、温風吹出口２を備えたケース本体３を設け、
このケース本体３に油受皿４を水平に設置し、こ
の油受皿４に給油タンク５を倒立して着脱自在に
設け、さらに、上記油受皿４に給油ポンプ６を燃
料油７に浸漬し得るようにして取付け、この給油
ポンプ６を駆動することにより、上記油受皿４の
燃料油７は、給油管（送油管）８を通して、燃焼
器を構成する気化器９へ供給し、この気化器９
内に埋設された例えば、シーズヒータのような加
熱器で燃料油７を気化し、この気化した燃料を上
記気化器９に連設された噴射ノズル１０から燃焼
バーナー１１へ噴射することにより、こゝで、１
次空気と混合しながら、燃焼バーナー１１へ流入
し、この燃焼バーナー１１のバーナー１１ａに点
火プラグ１２で着火することにより、上記燃焼器
を囲い込むようにして構成された燃焼筒体１３
内で２次空気と混合して盛んに燃焼すると共に、
燃焼ガスは送風ダクト１４を通して上記温風吹出
口２へ送風機１５によつて強制的に放出して室内
を暖房し得るようになつている。

なお、上記バーナー１１ａに近接して附設され
たフレームセンサ１６は、バーナー１１ａの火炎
状態を検出して上記台板１上に設置された制御盤
１７へ送信して、この制御盤１７で燃焼状態を制
御し得るようになつている。

しかしながら、上述した温風暖房機における燃
焼器は、給油ポンプ６によつて燃料油７を給油
管８を通して直接的に気化器９の気化通路へ供給
するように構成されている関係上、着火時、比較
的に高い吐出圧力を有する気化燃料は、上記気化
器９に連設された噴射ノズル１０から一挙に噴射
される結果となるので、過剰ガス量による着火ミ
スを生じるおそれがあるばかりでなく、油量の増
減による脈動燃焼を生じるおそれもあり、これに
起因して、不完全燃焼を起すことも予測される。

本考案は、上述した事情に鑑みてなされたもの
であつて、給油管と燃焼器の気化器との接合部に
オリフイス部材を設け、これによつて燃料油を減
圧して過剰燃料を制御して、着火ミスを防止する
と共に、油量の増減による脈動燃焼の発生を解消
して燃焼効率の向上を図ることを目的とする温風
暖房機を提供するものである。

特に、本考案の特徴とするものは、気化器の気
化通路に連通する給油開口部にオリフイス部材を
設けて構成されるものである。

以下、本考案を図示の一実施例について説明す
る。

なお、本考案は上述した具体例と同一構成部材
には同じ符号を附して説明する。

第２図及び第３図において、符号４は、ケース
本体３内に水平に設置された油受皿であつて、こ
の油受皿４には給油ポンプ６が燃料油７に浸漬し
得るようにして取付けられており、この給油ポン
プ６の吐出口６ａには燃焼器を構成する気化器
９が給油管８を通して連設されている。この燃焼
器は、噴射ノズル１０を備えた気化器９と燃焼
バーナー１１とで構成されており、この気化器９
は気化器本体９ａ内に傾斜した気化通路９ｂを設
け、この気化通路９ｂに沿つてヒータのような加
熱器９ｃを添設したものである。なお、上記気化
通路９ｂは、外筒と内筒との二重管９ｄで構成さ
れており、この二重管９ｄ内には網目状をなすフ
イルタ９ｅが挿着されている。

一方、上記気化器９の気化通路９ｂの給油開口
部９ｆには、オリフイス部材１８が入口リング２
０によつて抜け出さないようにして設けられてお
り、このオリフイス部材１８にはＴ字形をなすオ
リフイス１９が穿設されている。又、このオリフ
イス部材１８の外がわに位置する上記気化器９の
二重管９ｄには上記給油管８に接続した接続部材
２１がパツキング２２を介して取付部材２３によ
つて水密に連結されている。

従つて、今、着火時、予め、加熱器９ｃによつ
て加熱された気化器９の気化通路９ａへ給油ポン
プ６によつて給油管８を通して燃料油７を強制的
に供給すると、給油管８から接続部材２１を通し
てオリフイス部材１８に移送された燃料油７は、
このオリフイス部材１８の狭いオリフイス１９を
通過することによつて減圧されて過剰ガス量（過
剰燃料）の流入を抑制し、しかも、Ｔ字形の通路
を通ることで気化して膨張する際の逆圧（気化圧
力）を阻止されながら、上記気化通路９ｂを構成
する二重管９ｄのフイルタ９ｅに注入され、こゝ
で気化されて噴射ノズル１０へ圧送されるように
なつている。しかして、この噴射ノズル１０から
噴射された燃料は１次空気と混合して燃焼器バー
ナー１１のバーナー１１ａへ移送され、こゝで点
火プラグ１２の着火作用で着火されるようになつ
ている。

このように、本考案は給油ポンプ６によつて給
油管８を通して強制的に移送された燃料油７をオ
リフイス部材１８のオリフイス１９を通すことに
よつて、あたかも、流体に制動をかけるように減
圧して過剰ガス量（過剰燃料）の流入を抑制し、
適正燃料にして点火プラグ１２による着火ミスを
防止するようにすると共に、気化通路９ｂで一挙
に気化する燃料の逆圧力を上記オリフイス１９で
阻止するようになつている。

以上述べたように本考案によれば、気化器９の
気化通路９ｂに連通する給油開口部９ｆにオリフ
イス部材１８を設けてあるので、過剰燃料による
着火ミスを防止できると共に、燃料の気化時に生
じる逆圧力を阻止し、油量の増減による脈動燃焼
の発生を解消して燃焼効率の向上を図ることがで
きるばかりでなく、構成も簡素であるから組立調
整も容易である等の優れた効果を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の温風暖房機の縦断面図、第２図
は本考案による温風暖房機に組込まれる燃焼器の
断面図、第３図は、第２図中の鎖円Ａ部の拡大断
面図である。 ３……ケース本体、６……給油ポンプ、８……
給油管、９……気化器、１０……噴射ノズル、１
１……燃料バーナー、１８……オリフイス部材、
１９……オリフイス、２１……接続部材、２２…
…パッキング、２３……取付部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃焼器における気化器の気化通路に連通する給
   油開口部にオリフイス部材を設け、このオリフイ
   ス部材にＴ字形のオリフイスを穿設したことを特
   徴とする温風暖房機。