JPS5930928B2 - アダプタリング - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は単円板クラッチを多円板クラッチに変換するア
ダプタリングに関する。

一般に、機関を伝動装置または動力移送装置に接続する
摩擦クラッチは、機関ブロックに固定された鐘状のハウ
ジング（ベルハウジング）内に囲まれている。

ベルハウジングはまた、機関クランク軸の出力端にこれ
と共に回転するように取り付けられたはずみ車を囲んで
いる。

はずみ車はクラッチ円板に装着された摩擦ライニングと
連関できる摩擦面もしくは駆動表面を備えている。

クラッチ円板は伝動装置内の１組の歯車に連結できる出
力軸に取り付けられている。

圧力板が、はずみ車に取り付けられたクラッチカバーに
向かい合って働く複数のクラッチばねによってクラッチ
円板に押し付けられる。

クラッチ円板がはずみ車の駆動表面と連関するよ恒こ押
されることにより、機関の回転運動が出力軸に伝達され
る。

単板クラッチのトルク伝達能力は、１枚もしくはそれ以
上の円板とこれらの円板の間に挿入した同数の被駆動板
とを付は加えることにより増すことができる。

しかしクラッチ円板と被駆動円板とを付は加えると、ク
ラッチ集合体の軸線方向の長さが長くなる。

従って単板クラッチのカバーははずみ車から間隔を隔て
て遠去かり、もはやはずみ車に取り付けることはできな
くなる。

この間隔の問題に対する１つの解決法は、はずみ車から
クラッチの最偽方まで延びる所要の軸線方向間隔を有す
る新しいクラッチカバーを設けることである。

このようなりラッチカバーは鋳造品でも型打物でも良い
が、コストの面から型打物の方が望ましい。

この型打物曇こは、被動板をいつしよに回転させるため
に、圧力板駆動突出部用の凹所を設けても良い。

このようなりラッチカバーはバイロン デー モンゴメ
リー等の１９６４年１２月２２日付米国特許第３，１６
２，２８４号に開示されている。

間隔の問題に対する他の解決法は、クラッチカバーをは
ずみ車に取り付けるアダプタリングを設けることである
。

本発明は単円板クラツチカバーを多円板クラッチ集合体
内のはずみ車に取り付けるためのほぼＵ字状断面の型打
アダプタリングに関する。

このＵ字状の断面は中央部分と内方および外方の脚部と
によって構成されている。

このリングには被動クラッチ板上の脚部と連関するみぞ
穴が設けられている。

リングを型打する時、各みぞ穴の位置に穴を明け、内方
の脚部の外縁とこの穴との間を切断して１対のタブを形
成する。

そしてこのタブを外方の脚部の方へ曲げてこれに仮着は
溶接し、外方の脚部と２つのタブとでみぞ穴の３つの側
部を形成させる。

本発明の１目的は、高価でない多円板クラッチ集合体を
提供することである。

本発明の他の目的は、単円板クラツチカバーを保有しな
がら単円板クラツチ集合体を多円板クラッチ集合体に変
換する手段を提供することである。

本発明の更に他の目的は、１枚の金属板から作ることの
できるクラッチアダプタリングを提供することである。

第１図ははずみ車１２に取り付けられたクラッチ集合体
１１の直径方向断面図である。

はずみ車１２は機関クランク軸（図示してない）に固定
され、かつこれと共に回転する。

はずみ車１２の後向きの平面はクラッチ円板の摩擦ライ
ニングすなわち摩擦裏張りと連関するようになっている
。

クラッチ集合体１１は被動クラッチ円板集合体１３と圧
力板１４とを包含している。

円板集合体１３は２個の環状のクラッチ円板、すなわち
１対の中心バブ１７．１８に固定された前方円板１５お
よび後方円板１６から成り、バブ１γ、１８は出力軸１
９に滑動自在にスプライン嵌めされている。

普通は、出力軸１９の後端は伝動装置の歯車に接続され
ており、前端ははずみ車１２に機関クランク軸と同軸に
保持された軸受２１内に案内されている。

各クラッチ円板ｉｓ、ｉｓの両面には摩擦裏張り２２が
設けられている。

クラッチカバー２３は出力軸１９上に回転自在に保持さ
れ、かつボルト（図示してない）のような適当な手段で
アダプタリング２４を介してはずみ車１２に固定されて
いる。

はずみ車に最初にリングを取り付け、次いでカバーを取
り付けるようにしても良いし、またはリングとカバーを
一体として組み立てた後装着しても良い。

図面に示すように、カバーとリングとは、クラッチカバ
ーの周辺上に間隔を隔てて配置された複数ののこ歯状本
体を持つリベットのような緊締部材２５によって互いに
固着されている。

被動板２６はクラッチ円板１５．１６の中間に間隔を置
いて設けられており、かつ円周方向に間隔を隔てた複数
の耳片２１を備えている。

この耳片２Ｔはアダプタリング２４の周囲に形成された
みぞ穴と連関する。

複数個のボルト２８が圧力板１４の後向きの面に、駆動
帯片２９を保持するようにねじ込まれており、各帯片２
９はそれぞれｌ端（図示してない）をクラッチカバー２
３の内面に固定されており、クラッチカバーが圧力板１
４を駆動するようになっている。

各駆動帯片２９の他端（これも図示してない）はクラッ
チカバー２３の協働するみぞ穴を貫いて延びてクラッチ
カバーの外面と連関し、クラッチが連関状態から釈放さ
れた時に圧力板１４をクラッチカバーの列へ引張るばね
の働きをする。

ボルト２８および帯片２９の代りに、軸線方向後方に延
びみぞ穴３１と共働する駆動耳片を設けても良い。

はずみ車１２が機関によって回転されると、はずみ車、
圧力板１４、クラッチカバー２３、アダプタリング２４
および被動板２６はいっしょに回転する。

圧力板１４を軸線方向にはずみ車１２の方へ動かして被
動クラッチ円板集合体１３をはずみ車に押しつける適当
な手段が設けられている。

圧力板１４が動かされると、摩擦裏張り２２がはずみ車
１２、圧力板１４および被動板２６の摩擦表面と初期的
に連関して、クラッチ円板１５．１６と出力軸１９とが
駆動され回転し始める。

圧力板１４が初期の連関位置から完全な連関位置へ動か
されるにつれて、クラッチ円板１５．１６の回転速度は
増加してクラッチ集合体１１の残り部分およびはずみ車
１２の回転速度に近付き、摩擦裏張り２２とこれに対向
する摩擦表面との間の速度差もしくは滑りが少くなって
行く。

本発明は、単円板クラツチ集合体を多円板クラッチ集合
体に変換できる手段を提供するアダプタリング２４に関
する。

図面に於てクラッチ円板１６とクラッチカバー２３とは
単円板クラツチ集合体に於けるクラッチ円板およびクラ
ッチカバーと同様のものであり、単円板クラッチに於て
は摩擦裏張り２２の前方を向いている１つがはずみ車の
摩擦表面と連関し、クラッチカバーははずみ車に直接取
り付けられている。

多円板クラッチにしたい場合には、クラッチ円板と被動
板を付は加える。

例えば、第１図の２円板クラッチ集合体に於ては、クラ
ッチ円板１５と被動板２６とが付は加えられて、クラッ
チ集合体１１の軸線方向の長さが増している。

従ってクラッチカバー２３ははずみ車１２から間隔を隔
て、もはやはずみ車に直接固定することはできない。

これに対する従来の１つの解決策は、所望の長さの新し
いクラッチカバーを作ることであった。

しかし本発明に於てははずみ車１２と単円板クラツチカ
バー２３との間にアダプタリング２４を挿入する。

第２図は第１図のアダプタリング２４の断片的な側面立
面図であり、第３図は第２図の３−３線に沿うアダプタ
リング２４の正両立面図である。

リング２４は型打物として作られ、列向きに面している
脚部３２、内向きに而している脚部３３およびこれらを
連結する中央部分３４から成るほぼＵ字状の断面を有し
ている。

中央部分３４にはリベット２５ののこ歯状の本体を受は
入れて保持するための複数の穴３５が形成されている。

第１図に示すように、カバー２３には穴３６が形成され
ており、この穴の直径はリベット２５の本体より大きく
、カバーを調節して穴３６と穴３５を揃えることができ
るようになっている。

リング２４の穴３５の数をカバー２３の穴３６の数より
多くして、カバー周辺の突起部分３Ｔを耳片２γと整合
させるために交互の装着位置を与えるようにしても良い
。

クラッタが釈放された被動板２６がはずみ車１２から離
れる時に、前記突起部分は耳片２１に対するクリアラン
スを提供する。

アダプタリング２４０こは、第２図の被動板２６の耳片
２Ｔを受は入れる複数のみぞ穴３８が設けられている。

第２図および第３図には４つのみぞ穴のうちの２つのみ
ぞ穴３８が示されている。

これら４つのみぞ穴はアダプタリング２４のまわりに等
間隔に設けられており、同数の耳片２１を受は入れる。

この好適な実施例に於ては４個のみぞ穴および耳片が用
いられているが、所望によりこれより多くまたは少くし
ても良い。

各みぞ穴は外向きに面する脚部３２の部分３９と、内向
きに面する脚部３３の部分３９の方へ曲がった部分であ
る１対のタブ４１とによって区画され、脚部分３９とタ
ブ４１がみぞ穴３８の３つの側部を形成している。

タブ４１の自由端は脚部分３９に仮着は溶接４２され、
被動板２６の耳片２Ｔに対する駆動表面となっている。

普通はアダプタリング２４は金属板から型打によって作
られ、仁の金属板にはリベット穴３５、みぞ穴３８の位
置を決めるために中央部分３４に明けた開口およびカバ
ー２３とリング２４を結合するためにカバーとリングを
貫通してはず車１２にねじ止めされる装着ボルト（図示
してない）用の穴４３が設けられている。

前記開口はまたクラッチが釈放された時に耳片２Ｔがア
ダプタリング２４を抜けて移動できるようにする。

この開口を形成する時、内向きに面する脚部３３に該開
口の縁部から脚部の外縁部まで切り目を入れて、タブ４
１を形成する。

第３図に示すように、この開口にはタブ４１から遠ざか
る方向にかつ脚部３３と中央部分３４との接合部に沿っ
て切欠き部を設け、タブを脚部分３９の方へ曲げること
ができるようにしである。

要するに、本発明は単円板クラツチ集合体を２個もしく
はそれ以上の被動円板を備えた多円板クラッチ集合体に
変換するためのアダプタリングに関する。

単円板クラツチ集合体ははずみ車のような駆動部材に取
り付けられ、圧力板と、この圧力板と前記駆動部材との
間に挿入された第１の環状のクラッチ円板と、前記駆動
部材（こ取り付けられかつ単円板クラツチ集合体を包囲
するのに充分な軸線方向長さを有するクラッチカバーと
、前記圧力板および前記クラッチカバーに作用して前記
第１のクラッチ円板および前記圧力板を前記駆動部材に
連関させる圧力ばね部材とを包含している。

第２のクラッチ円板を加え両クラッチ円板の間に被動板
を挿入する時には、クラッチカバーを駆動部材から離れ
るように軸線方向に動かす。

駆動部材とクラッチカバーとの間にアダプタリングを挿
大してこれらに連結することにより、このクラッチカバ
ーを多回板クラッチ集合体に於ても利用することができ
る。

アダプタリングは、それぞれ列向きと内向きに面する脚
部に接続する中央部分を備えたほぼＵ字状の断面を持っ
ている。

中央部分に形成された開口は、被動板上の駆動耳片を受
は入れかつクラッチ集合体を連関させたり釈放したりす
る時に耳片を軸線方向に動けるようにするみぞ穴の位置
を定める。

このみぞ穴は外向きに面した脚部の１部分と１対のタブ
とによって区画され、このタブは椙向きに而した脚部の
方へ曲げられた内向きの脚部の部分であって、列向き（
こ面した脚部に仮着に溶接され、該脚部と共にみぞ穴の
３つの側辺を形成する。

以上、本発明の原理と作用を好適な実施例について説明
し図示した。

しかし本発明は上記実施例以ｌＡにも本発明の精神と範
囲を逸脱することな〈実施できることは言うまでもない
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を含むクラッチ集合体がはずみ車と連関
した状態を示す直径方向の断面図、第２図は第１図のア
ダプタリングの断片的な側室面図、第３図は第２図の３
−３線に沿う部分的に断面で示した正両立面図で、図中
、１１はクラッチ集合体、１２ははずみ車、２３はクラ
ッチカバー、２４はアダプタリング、３２は列向きの脚
部、３３は内向きの脚部、３４は中央部分、２６は被動
板、２７は被動板の耳片、３８はみぞ穴を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ クラッチカバーに取り付は該カバーの軸線方向の長
   さを伸ばしてより長いクラッチ集合体（こ適合させるた
   めのアダプタリングで、中央部分と外向きに面した脚部
   と内向きに面した脚部とを有するほぼＵ字状の断面を備
   えた型打ちした金属板製の環状部材から成り、前記中央
   部分と内向きに而した脚部とに被動板の耳片を受は入れ
   る複数のみぞ穴を形成したアダプタリング。 ２ 中央部分に各みそ大の位置を決める開口を設け、内
   向きに面した脚部に前記開口の縁部から前記内向きに面
   した脚部の外縁部まで切り目を入れて列向きに面した脚
   部の１部分の方へ曲げた２つのタブを形成し、前記外向
   きに面した脚部部分と、タブとによって前記みぞ穴の３
   つの側辺を形成した特許請求の範囲１瘉こ記載のアダプ
   タリング。 ３ タブの自由端を例向きに面した脚部の部分に后接し
   た特許請求の範囲２に記載のアダプタリング。 ４ 開口をタブから離れる方向に内向きに面した脚部と
   中央部分との接合部に沿って切り欠くことにより、前記
   タブを関向きに面した脚部部分に向って曲げられるよう
   にした特許請求の範囲２に記載のアダプタリング。