JPS5928808B2 - 固形廃棄物の焼却溶融処理方法とその装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、固形廃棄物の焼却溶融処理方法とその装置に
関するものである。

都市ごみや産業廃棄物などの固形廃棄物の処理方法とし
ては、焼却処理がその主流をなしているが、従来の機械
式焼却炉では焼却残渣の減容が不充分であり、かつ、未
燃分などをも含んでいるので、さらに重金属処理が必要
であるなどの問題があった。

そこで、従来からも、焼却残渣を溶融することが行なわ
れているが、従来の方法では、灯油などの助燃材および
酸素などの添加物を使用するので、ランニングコストが
嵩み、好ましくない。

本発明は、焼却残渣を溶融スラグ化して減容効果を高め
るとともに、その残渣の溶融には他からの助燃材および
添加物を使用しないで、焼却処理工程で発生した燃焼ガ
スの熱および燃焼残渣中の未燃炭素の燃焼による熱によ
って該残渣を溶融することにより、ランニングコストが
低減され、かつ、熱効率がよく、しかも、高効率で残渣
の溶融スラグ化を行なう方法とその装置を提供すること
を目的とするもので、その実施態様について、図面を参
照しながら説明する。

第１図は本発明の一実施例を示した水管式回転円筒型焼
却炉および溶融装置の慨要を表わした縦断正面図であり
、第２図はその一部の拡大図である。

図面において、１は水管式回転円筒型焼却炉内に形成さ
れた主燃焼室で、該炉には、ごみなどの固形廃棄物の投
入口２と、点火バーナ３と、風箱４などが設けられてい
る。

５は後燃焼炉で、前記主燃焼室１の燃焼ガスおよび燃焼
残渣の排出側に連設されて該燃焼残渣の充てん層を形成
して該残渣を燃焼させるとともに溶融スラグにする溶融
型後燃焼室６を備えている。

７は前記光てん層に燃焼用空気を送り込む送風機を含む
空気供給装置、８はスラグ冷却槽、９は前記後燃焼室６
の下方に設けられたガス吸引口、１０は該吸引口９に連
通しているガス冷却器、１１は該冷却器１０に接続され
た排風機などによるガス強制吸引装置である。

このように構成された固形廃棄物の焼却溶融処理装置に
おいては、投入口２から主燃焼室１内に供給されたごみ
などの固形廃棄物１６は、点火バーナ３および風箱４か
ら水管壁開口を介して導入される燃焼用空気１２によっ
て燃焼しつつ焼却され、その焼却灰である燃焼残渣１７
は後燃焼室６へ導かれる。

その際、該残渣１７中には未燃炭素が残存するが、とく
にその量が７〜２５係、好ましくは１０〜２０チの範囲
で残留させるべく、主燃焼室１内での燃焼を制御するこ
とが望ましい。

具体的には、水管式回転円筒型焼却炉の回転速度、固形
廃棄物１６の投入量、燃焼用空気１２の供給量を調節す
ることで残存させることができる。

そして、未燃炭素を含有している燃焼残渣１７は、後燃
焼室６内に充てん状態で保持され、徐々に降下移動する
間に、後燃焼室６を形成する壁面を貫通して燃焼用空気
供給装置７から供給される燃焼用空気１３によって前記
未燃炭素が燃焼し、この時に発生する熱と、後燃焼室６
を該残渣１７の移動方向と同方向に強制的に誘導される
主燃焼室１からの一部の燃焼ガス１４および１５の保有
熱と、主燃焼室１の燃焼ガス１４から得られる輻射熱と
によって加熱されて溶融し、溶融スラグ１８となってス
ラグ冷却槽８に至る。

なお、上記実施例では、主燃焼室１を水管式回転円筒型
焼却炉で構成した設備を例示したが、たとえば、ストー
カ式機械炉で構成してもよく、後燃焼室６を主燃焼室１
に連設することができて、主燃焼室１の燃焼ガスの少な
くとも一部１４を直ちに燃焼残漬４７と接触し得る構造
であれば、いかなる型式の炉でもよい。

上述のように、本発明の固形廃棄物の処理方法は、焼却
処理工程と溶融処理工程との組合せからなるので、燃焼
残渣は最終的にスラグ化され、該残渣の発生量を容積比
で釣上程度にすることが０ でき、かつ、重金属類の溶出もなく、溶融スラグを建設
材等に有効に利用することによって廃棄処分地の確保も
不用となる。

とくに、本発明における前記溶融処理工程では、他から
の助燃材や添加物などを使用することなく、焼却処理工
程で発生した燃焼ガスの少なくとも一部のガスの熱と燃
焼残渣中に作意的に残存せしめた未燃炭素の燃焼による
熱とによって該残渣の溶融を行なうので、従来の処理方
法に比較してランニングコストヲ著しく低減することが
できる。

また本発明の固形廃棄物の処理装置は、燃焼残渣の充て
ん層を形成して該残渣を燃焼させるとともに溶融スラグ
にする溶融型後燃焼室が固形廃棄物を燃焼させる主燃焼
室の燃焼ガスおよび燃焼残渣の排出側に連設されている
ので、途中でその燃焼ガスおよび燃焼残渣の温度を低下
させることなく、主燃焼室からその燃焼ガスと燃焼残渣
を該後燃焼室に直接導入して該残渣にその燃焼ガスを直
ちに接触させることができるから、熱効率がよく、しか
も、装置全体がコンパクトなものとなる。

また核後燃焼室には空気供給装置を有するので、該後燃
焼室の充てん層の形成と前記残渣中の未燃炭素の燃焼と
を確実なものとし、かつ、該後燃焼室の下方に設けられ
たガス吸引口はガス強制吸引装置に連結されているから
、前記燃焼ガスの充てん層の通過を確実なものとし、該
残渣の溶融スラグ化を高効率で行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の装置の一実施例を示したもので、第１図
は縦断正面図、第２図は第１図の一部拡大図である。 １・・・・・・主燃焼室、２・・・・・・固形廃棄物の
投入口、３・・・・・・点火バーナ、４・・・・・・風
箱、５・・・・・・後燃焼炉、６・・・・・・溶融型後
燃焼室、７・・・・・・空気供給装置、８・・・・・・
スラグ冷却槽、９・・・・・・ガス吸引口、１０・・・
・・・ガス冷却器、１１・・・・・・ガス強制吸引装置
、１２゜１３・・・・・・燃焼用空気、１４ 、１４’
・・・・・・燃焼ガス、１５・・・・・・排ガス、１６
・・・・・・固形廃棄物、１７・・・・・・燃焼残渣、
１８・・・・・・溶融スラグ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 燃焼残渣中に適量の未燃炭素を含有するように固形
   廃棄物を燃焼させる焼却処理工程と、前記燃焼残渣と燃
   焼用空気とによる移動元てん層を形成させるとともに、
   前記焼却処理工程で発生した燃焼ガスの少なくとも一部
   を腰元てん層の燃焼残渣の移送方向に通過させて、該燃
   焼ガスの熱および前記未燃炭素の燃焼による熱とによっ
   て該残渣を溶融スラグにする溶融処理工程とからなる。 固形廃棄物の焼却溶融処理方法。 ２ 固形廃棄物を燃焼させる主燃焼室と、この主燃焼室
   の燃焼ガスおよび燃焼残渣の排出側に連設されて該燃焼
   残渣の充てん層を形成して該残渣を燃焼させるとともに
   溶融スラグにする溶融型後燃焼室とを備え、かつ、この
   溶融型後燃焼室には、前記充てん層に燃焼用空気を送入
   する空気供給装置と、前記充てん層の形成部の下方に設
   けられてガス強制吸引装置に連結されたガス吸引口とを
   有してなる、固形廃棄物の焼却溶融処理装置。