JPS5928797B2 - 管継ぎ手 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、接続される二つの流体管の受口部と挿入部
との接続部にセルフシーリング作用を奏するバッキング
がメカニカル式に挿入されてなる継ぎ手に関し、鋳鉄管
等の剛性管の接続は勿論のこき、合成樹脂管、鋼管等の
撓み性の軟質管の接続に用いて好適な、製作が容易で接
続操作が簡単な継ぎ手を提供することを目的とする。

従来の継ぎ手をみると、第１図に示すメカニカル継ぎ手
は、挿入時に予じめ押輪０４さバッキング０３とを挿入
管０２に装着し、受口管０１に挿口管を挿入したのち、
押輪でバッキングを押し込み、継ぎ手部を密封するもの
であるので、接続時の取扱い作業がボルト０５の締付け
だけで簡単であるうえ、挿入部端部０２１を面取りする
必要がないなどの長所はあるが、押圧されたバッキング
のリラクタンス劣化により密封効果が次第に失われる欠
点がある。

また、このメカニカル式は、押輪により強力に締め付け
られるので、受口管と挿口管とは共に剛性管でなければ
ならず、用途が限定される難点をも有する。

一方、第２図に示すバッキングを抱持するソケット継ぎ
手は、バッキング０３′のヒール部０３１′を受口部０
１′の凹陥部０１１′で挟持し、バッキングの止水部分
（いわゆるバルブ部）０３ｚは受口部の空間に余裕をも
って収容されており、継ぎ手部の密封作用は、受口部と
挿入部０２’との余裕空間０１５′内で水圧が加わると
バッキングが変形し、いわゆるバッキングのセルフシー
リング効果により水圧が加われば加わる程受口部の内周
、挿口部の外周に密着し、良好な止水作用を果すもので
ある。

しかも、長期間にわたっても無理な応力がないので劣化
することがなく、メカニカル継ぎ手に優る密封効果をも
つ。

しかしながら、この種のセルフシーリング式バッキング
を抱持するソケット継ぎ手にあっては、挿入部を挿入す
る際、受口部に抱持されたバッキングを損傷しないよう
に挿口管の端部０２１′を面取りする必要があり、製作
上の難点がある。

加えて、受口部に挿入部を挿入する際、両者の芯出しを
精確にする必要があるため、特別の芯出し工具を必要と
する手間もある。

この発明は、上記従来の２種の継ぎ手のそれぞれの長所
を取り入れ、両者の難点を解消すべくなされたものであ
って、用途的に拡大したすこぶる有用な継ぎ手を提供す
るものである。

本発明はこのため、次の構成をきるものである。

接続される二つの流体管の受口部と挿口部との接続部に
おいて、■受口部はその内面に、外端よりテーパー面及
びバルブ部当接面を形成すること、＠挿口部は受口部に
挿入されること、Ｏ押輪は締具を介して受口部に係合す
るとともに、該押輪の腕部は受口部のテーパー面内に入
り込み、腕部の長さしは受口部の外端からテーパー面の
奥方までの距離ｌに実質的に等しく、腕部の先端外周の
径は受口部のテーパー面の最小径と実質的に等しいこと
、及び腕部の端面の外方に鍔を有するこさ、＠バッキン
グは押輪の腕部の端面と鍔とに把持され、受口部のバル
ブ部当接面内に収容されること。

本発明を第３図以下の図面に基づいて説明する。

第３図は締付は定位置にある本発明の継ぎ手の一実施例
である。

１は接続される一方の流体管１′の端部の受口部であっ
て、受口部１の外側端には鍔部１１が形成され、受口部
の内面には外端１２より奥方に至るにつれ径が漸小する
テーパー面１３及び該テーパー面１３に続く直円筒状の
バルブ部当接面１４が形成されている。

２は上記受口部１に挿入される他方の流体管γの挿入部
であって、該挿口部の端部２１は面取り形成されない。

３はバッキングであり、後方部のヒール部３１、前方部
のバルブ部３２よりなりバルブ部３２は、受口部１のバ
ルブ部当接面１４と挿口部２の外周面との間のバルブ部
収容空間１５に圧縮介在し、流体管内部の水圧（あるい
は流体の圧力）を受けてセルフシーリング作用を奏する
。

４は円環状の押輪であって、断面がＬ字状をなし、受口
部の外端１２に対面する径方向鉛直部材の腰部４１と受
口部のテーパー面１３内に入り込む軸方向部材の腕部４
２きからなる。

該押輪４は円周方向の所々に穿設されたボルト貫通孔４
３に締具５（後述）のボルトを挿入して締具５により受
口部１に係合される。

腕部４２は実質的に受口部１の外端１２さテーパー面１
３の最奥部（すなわちバルブ部当接面１４きの境）に至
る距離ｌに等しい長さしを有し、また、腕部４２の先端
外周の径は受口部１のテーパー面１３の最小径と等しい
かまたは若干大きくなされている。

そして押輪の腕部４２の端面４２１の管径方向外方には
鍔４２２を有んることにより、該端面４２１と鍔４２２
とでバッキング３を把持している。

なお、押輪４はボルト貫通孔４３に連なって前方（すな
わち管軸方向の受口部方向）に庇部４４が形成されてい
る。

５は締具であって、ボルト５１さナツト５２とからなり
、ボルト５１の頭にはボルト頭５１１が形成され該ボル
ト頭５１１を受口部１の鍔１１に係合させるものである
。

本発明の締付は定位置にある継ぎ平部の構成は上述のき
おりであるが、特に、本発明の特徴とする構成は、受口
部１に形成したテーパー面１３、それに続くバルブ部当
接面１４、押輪４の腕部４２及び該腕部の端部４２１に
形成された鍔４２２であって、締付は定位置にあるさき
のこれらの位置関係は、実質的に腕部４２がバルブ部当
接面１４に臨む位置に置かれ、受口部１の内面と挿口部
２との外面さの間隙に有害な隙間（すなわちバッキング
３がはみ出さないこと、後述）を形成しないことである
。

すなわち、受口部のテーパー面１３の水平距離ｌと押輪
の腕部４２の長さＬｌ及びテーパー面１３の最小径と腕
部４２の先端外周の径とをそれぞれ各様に決めるこきに
より、締付は定位置で押輪の腕部４２の先端は受口部の
テーパー面１３に衝接したり、バルブ部当接面１４に嵌
入したり、あるいは押輪の腰部４１の前面が受口部の外
端１２に衝接したりすることができるものであるが、本
発明では、押輪の腕部４２の先端が受口部のテーパー面
１３の可及的最奥部で衝接する態様を最も好ましい態様
としてとるものである。

次に、本発明の構成要素の働きを第４図に示す接続時の
挙動に基づいて説明する。

（１）接続に当り、挿入部２に押輪４、バッキング３を
預は入れる。

・・・・・・第４図イ（２）受口部１に挿口部２を挿入
したのち、押輪４の腕部の端部４２１をバッキング３の
後端に当て、鍔４２２の内方に押し込んだままバッキン
グ３を受口部へと進入させると、バッキングの前端は受
口部のテーパー面１３に沿って円滑に奥方内方へと押し
込まれていく。

・・・・・・第４図口すなわち、バッキング３はテーパ
ー面に沿って押し込まれていく際、バッキングの後方は
外方に浮き上がる力が働くが、鍔４２２により押えられ
、浮き上がりが阻止される。

（３）締具５の操作により押輪４を更に進入させると、
バッキング３の前端は受口部１のバルブ部当接面１４内
へと入り込む。

・・・・・・第４図ハ（４）押輪４の腕部の前端が受口
部１のテーパー面１３に衝接する位置まで進入すると、
締具５のナツト５２を最終的に締め付け、押輪４の芯出
しを行い、第３図の締付は定位置に押輪４及びバッキン
グ３を持ちきたらしめる。

この場合、押輪の前端部４２１、鍔４２２、バルブ部当
接面１４、及び挿口部外用により実質的に閉塞された空
間を形成し、バッキング３を完全に受口部のバルブ部収
容空間１５に閉じ込めることができる。

すなわち、鍔のない押輪であれば、第４図工に示すよう
に、バッキングの後端が受口部に形成されたバルブ部収
容空間１５からはみ出ることになり、完全な密封効果が
得られない。

以上、本発明の継ぎ手部構造を接続管端部に施した実施
例について述べたが、本発明の基本的技術思想から逸脱
しない範囲内であれば、種々設計変更は可能である。

第５図に示すものは、本発明の継ぎ手部構造をスリーブ
継ぎ手６に適用したものである。

本発明の継ぎ手部構造は、上述の構成と手順で実施され
るものであるので、従来の継ぎ手構造に比べ、下記の種
々優れた効果を有するものである。

■ 接続時に予じめ押輪とバッキングを預は入れたのち
、押輪を押し込む、いわゆるメカニカル継ぎ手の手順で
実施されるので、メカニカル継ぎ手の利点であるコスト
のかかる面取りがなく、かつ、簡単な接続操作ができる
。

加えて、メカニカル継ぎ手のような強力な締付けは不要
である。

■ バッキングは受口部のバルブ部収容空間で余裕をも
って収容されるので、バッキングの劣化はなく、また、
セルフシーリング効果により、鋳鉄管等の剛性管の継ぎ
手は勿論のこと、撓みやすい合成樹脂管、鋼管等の軟質
管の継ぎ手にも水圧によりよく密着するので優れた止水
効果を果すことができる。

■ 受口部に形成されたテーパー面により、バッキング
は円滑に受口部内部ひいてはバルブ部収容空間に誘導さ
れる。

更に、該テーパー面は押輪の前端が衝接することにより
、押輪の芯出しを自動的に行わしめる効果をもつ。

■ 押輪の鍔はバッキングを確実に保持し、かつ、バッ
キングの後端のはみ出しを阻止し、円滑なバッキングの
進入を果す。

更に、押輪の腕部の前端が受口部のテーパー面に衝接す
るとき、押輪の前面部と受口部の内面とで実質的に隙間
のないバルブ部収容空間を形成するこさができ、バッキ
ングのセルフシーリング効果を促進する。

■ 受口部及び挿口部は、剛性管同士、軟質管同士どち
らでもよく、また、どのような組合せでもよく、鋳鉄管
等の剛性管に限る７従来のメカニカル継ぎ手に比べ、用
途範囲が格段に拡がり、特に合成樹脂管、鋼管等の軟質
管への適用は、軟質管の形成の容易さ、生産規模の大き
さからみても産業上大きな意義を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来の継ぎ手を示す図面、第３図な
いし第５図は本発明の継ぎ手を示す図面であって、第３
図は締付は定位置にある本発明の継ぎ手の縦断面図、第
４図イ２口、ハ、二は接続手順を示す図面、第５図は本
発明の継ぎ手構造をもつスリーブ継ぎ手を示す図面であ
る。 １・・・・・・受口部、１３・・・・・・テーパー面、
１４・・・・・・バルブ部当接面、２・・・・・・挿口
部、２１・・・・・・前端部、３・・・・・・バッキン
グ、４・・・・・・押輪、４２・・・・・・腕部、４２
１・・・・・・前面部、４２２・・・・・・鍔、５・・
・・・・締具。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 外端１２よりテーパー面１３及びバルブ部当接面１
   ４を内面に形成した受口部１と、 前記受口部１に挿入される挿口部２と、 締具５を介して前記受口部１に係合するとと儲へ前記受
   口部のテーパー面１３内に入り込む腕部４２の長さは前
   記受口部の外端１２からテーパー面１３の奥方までの距
   離に実質的に等しく、該腕部の先端外周の径は前記受口
   部のテーパー面１３の最小径と実質的に等しく、かつ、
   該腕部４２の端面４２１の外方に鍔４２２を有する押輪
   ４と、 前記押輪４の腕部の端面４２１と鍔４２２とに把持され
   、前記受口部１のバルブ部当接面１４内に収容されるバ
   ッキング３、 とからなる管継ぎ手。