JPH0126944Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、例えば燃料管、油圧管のような圧力
流体用の管を接続する管継手に関する。

（従来の技術） 従来、この種の管継手は、第４図に示すよう
に、挿入孔a₁および大径孔による開口段部a₂を形
成したソケツトａ内に、パツキングｂを介して、
鍔部c₁を有する継手管体ｃを嵌装して鍔部c₁が段
部a₂に支持されるようにし、上記ソケツトａの大
径孔の開口部に刻設されたねじ部ｄに上記継手管
体ｃを引き通した締付ナツトｅを螺装し、この締
付ナツトｅの内端面e₁で上記パツキングｂおよび
鍔部c₁を緊締して固着するようにしている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上述した管継手は、パツキング
ｂおよび鍔部c₁を締付ナツトｅにより締付けるね
じ込み緊締タイプである関係上、ソケツトａのね
じ部ｄに対する締付けナツトｅのねじ込み量を一
定にして緊締螺着することが困難であり、しか
も、ねじ部の緊締作業に時間を費すばかりでな
く、組立て後、振動や衝撃によつて緩みを出じる
おそれもあり、これに起因して、継手内を流れる
流体が漏洩することも予測され、さらに、パツキ
ングｂの締付不足や過剰な締付けによつて、亀裂
や流体漏れが生じるおそれもある。

本考案は、上述した事情に鑑みてなされたもの
であつて、継手本体内に継手管体をパツキングと
共に挿入し、単一の部材である押込筒体をさらに
継手本体内に挿入して弾発的に継手本体に係合さ
せる簡単な操作により、短時間で組立てることが
でき、しかも振動衝撃による流体の漏洩を防止
し、パツキングの圧縮量を常に一定に制御して品
質の向上を図ることができ、併せて、量産による
省力化を図ることのできる管継手を得ることを目
的とする。

（問題点を解決するための手段） 本考案によれば、大径孔と小径孔とを同心的に
備え、これらの孔の間に段部が形成されているほ
ぼ筒状の継手本体の大径孔の開口外端部に、半径
方向外方へ向かつて弾性変形可能にロツク爪を設
け、前記小径孔の内径に等しい外径をもつ先端筒
部に続いて鍔部を形成した継手管体を、その先端
筒部を先にして前記大径孔側から小径孔へ向かつ
て継手本体内に挿入して、先端筒部が小径孔内に
密に嵌入しかつ前記鍔部が前記段部に当接するよ
うにし、継手本体の大径孔内には、ロツク爪の側
から継手管体の外周にはまるＯリング状パツキン
グを挿入し、一方、前記継手管体の外周に摺動自
在に隙間なくはまる一体的な筒体であつて一端近
くに半径方向外方へ突出する係合部を有する押込
筒体を、その他端を先にして前記大径孔内へ挿入
し、その係合部を前記ロツク爪の背後に弾発的に
係合させ、この係合状態で押込筒体の前記他端
が、パツキングを介して継手管体の鍔部を前記段
部に押しつけることにより、密封接続状態の管継
手が形成される。

（作用） 以上のようにして、本考案では、継手本体内に
継手管体を挿入し、継手管体の外周に予めはめて
おいてパツキンと押込筒体を順次継手本体内へ押
込み、押込筒体の係合部材を継手本体の開口端部
にあるロツク爪に弾発的に係合させることによ
り、所定の緊締力で締めつけられた管継手を簡単
に構成することができる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面について説明す
る。

第１図および第２図において、符号１は継手本
体を示し、この継手本体１の内部には小径孔１ａ
と大径孔１ｂが同心的に設けられ、それらの間に
段部が形成されており、しかも、この大径孔１ｂ
の位置する継手本体１の一端開口部には、複数
（図では４個）のロツク爪２が一体的にしかも弾
性を有するようにして形成されている。このロツ
ク爪２は、外力が作用すると半径方向外方へ向か
つて変位可能である。ロツク爪２の背後には係合
凹部２ａが第３図に示すように設けられる。

継手本体１に接続される継手管体３は、前記小
径孔１ａの内径に等しい外径をもつ先端筒部３ｂ
と、それに続いて設けた外方への鍔部３ａとを有
する管体である。組立て時には、この継手管体３
は、継手本体１内にそのロツク爪２の側から挿入
され、先端筒部３ｂは小径孔１ａ内に密に挿入さ
れ、さらに鍔部３ａは第１図に示すように大径孔
１ｂの段部に当接される。

４はＯリングからなるパツキングで、継手管体
３のまわりに鍔部３ａに隣接してはめられてい
る。

継手管体３の外周には押込筒体５が摺動自在に
隙間なくはめられている。この押込筒体５の一端
近くには、半径方向外方へ突出する係合部６が一
体的に形成されている。係合部６は例えば環状体
で、その押込筒体他端寄り側面には傾斜面６ａが
形成されている。押込筒体５の係合部６から他端
への長さは、後述のような締付けがなされるよう
に予め定められている。

この管継手の組立てに際しては、第３図に示す
ように継手管体３の外周に予めパツキング４と押
込筒体５をはめ、継手管体３を継手本体１内に挿
入し、先端筒部３ｂを小径孔１ａ内へはめ込む。
次いで、押込筒体５を継手管体３に対して摺動さ
せつつ継手本体１内へ押込む。そして、押込筒体
５の先端がパツキング４を鍔部３ａに対し押しつ
け、さらに鍔部３ａをも大径孔１ｂの段部に対し
て押圧し、適当な緊定力が作用するようになるま
でに、係合部６の傾斜面６ａがロツク爪２を外方
に弾性変形させつつ進んで、係合部６が第１図に
示すようにロツク爪２の背後の係合凹部２ａ内に
弾発的に係合する。すなわち、このように係合部
６がロツク爪２の背後に係合した時に、鍔部３ａ
がパツキング４と共に大径孔１ｂの段部に最も適
当な緊締力で押しつけられるように押込筒体５の
長さを予め定めておく。これにより、最適な密封
状態が得られ、漏れが防止され、また過大な緊締
により密封部分が破壊されることもなくなる。そ
して、押込筒体５は緊締と係合の２つの機能を有
するにもかかわらず、単一の部材ですみ、形状が
単純で、製造が容易で安価であり、しかも係合部
６から先の押込筒体長さは常に一定で変動がない
から、必ず一定の緊締力が得られる。そして、ロ
ツク爪２が開かない限り、緊締が解かれることは
ない。また、押込筒体５は継手管体３に隙間なく
はまつているので、異物の侵入を防止する。

〔考案の効果〕

以上のように、本考案の管継手は一行程で簡単
に組立てることができ、また押込筒体とパツキン
グの２つの部品を用いるのみで継手本体に継手管
体を接続することができ、しかも押込筒体は、気
密保持のための緊締の機能と係合の機能を単一の
部材で果たし、またその長さを予め定めておくこ
とにより常に一定の緊締力を発生させて安定した
密封状態を維持することができ、振動や衝撃によ
り緩むおそれもない。また、押込筒体は継手管体
の外面に隙間なく接する筒体であるから、管継手
内への異物の侵入を防止し、押込筒体の外側の係
合部に係合するロツク爪によつてロツク状態が維
持される。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案による管継手の半分を断面で
示す正面図、第２図は、同上右側面図、第３図
は、本考案の管継手の組立行程を説明するための
図、第４図は、従来の管継手の断面図である。 １……継手本体、１ａ……小径孔、１ｂ……大
径孔、２……ロツク爪、３……継手管体、３ａ…
…鍔部、４……パツキング、５……押込筒体、６
……係合部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 大径孔１ｂと小径孔１ａとを同心的に備え、こ
   れらの孔の間に段部が形成されているほぼ筒状の
   継手本体１の大径孔１ｂの開口外端部に、半径方
   向外方へ向かつて弾性変形可能にロツク爪２を設
   け、前記小径孔１ａの内径に等しい外径をもつ先
   端筒部に続いて鍔部３ａを形成した継手管体３
   を、その先端筒部を先にして前記大径孔１ｂ側か
   ら小径孔１ａへ向かつて継手本体１内に挿入し
   て、先端筒部が小径孔１ａ内に密に嵌入しかつ前
   記鍔部３ａが前記段部に当接するようにし、継手
   本体１の大径孔１ｂ内には、ロツク爪２の側から
   継手管体３の外周にはまるＯリング状パツキング
   ４を挿入し、一方、前記継手管体３の外周に摺動
   自在に隙間なくはまる一体的な筒体であつて一端
   近くに半径方向外方へ突出する係合部６を有する
   押込筒体５を、その他端を先にして前記大径孔１
   ｂ内へ挿入し、その係合部６を前記ロツク爪２の
   背後に弾発的に係合させ、この係合状態で押込筒
   体５の前記他端が、パツキング４を介して継手管
   体３の鍔部３ａを前記段部に押しつけ、密封状態
   の接続がなされるようにしたことを特徴とする管
   継手。