JPS5928241Y2 - 調理装置の温度制御装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は被加熱物の温度を間接的に検知してマグネトロ
ンの如き加熱源の出力を制御する調理装置の温度制御装
置に関するものである。

従来の調理装置例えば、電子レンジでは被加熱物の加熱
度合をタイマーを用いて時間により制御していた。

即ち、操作パネル面に表示されている被加熱物の品目を
選びその量に応じた時間の位置に指針を合わせることに
よってタイマーの巻き上げを行い品目とその量に応じた
加熱時間を設定するものであった。

然し乍ら、この従来のものでは被加熱物の種類と量のみ
によって加熱時間が決められており、被加熱物の初期状
態、比熱、最終温度、マイクロ波吸収率等については何
等考慮されておらず、その為加熱時間に大きな誤差が生
じ、加熱不足、加熱過多等を起していたものである。

そこで、最近では、この欠点を解消する為に、被加熱物
の温度を直接サーミスタ或いは熱電対等で検知し、この
検知手段の出力せる温度情報の信号をリード線を介して
オーブン本体に設けた制御回路に伝送し、以って、加熱
源であるマグネトロンを制御する構造のものが開発され
ている。

ところが、このものでは、リード線を要する為斯るリー
ド線の被加熱物への装着乃至は離脱作業が非常に煩雑で
あり、殊に、ターンテーブルに被加熱物を載せ回転させ
ながら加熱するものでは、温度検知装置が被加熱物に装
着されたままリード線と共に回転する為、リード線のも
つれ、被加熱物の毀れ、被加熱物の局部加熱、更にはオ
ーブン内の電界分布の乱れ等を考慮する必要があり、今
一つ実用性に欠けるところか゛あった。

本考案はこのような従前の欠点に基いて考案されたもの
であり、加熱時に被加熱物が発する熱気の温度変化を検
知し、これに基いて加熱源を制御する技術思想を骨子と
すると共にこれに加えて、調理装置が連続運転された場
合のオーブン内部の温度の影響をも考慮し、より良好な
加熱結果を得ることの出来る制御装置を提供しようとす
るものである。

以下、本考案に係る温度制御装置の一実用例を添附図面
に従って詳細に説明する。

第１図に於いて、１はオーブンにして、内部には駆動モ
ータ２にて回転駆動されるターンテーブル３が設けられ
ている。

４はこのオーブン１の天井壁外面に設けられた排気ダク
トにして、排気口５を介してオーブン１に通じ、排気フ
ィン６によって上記ターンテーブル３上に載置された被
加熱物Ｆが加熱されることによって発せられる熱気を含
むオーブン１内の空気を大気に排出するべく或っている
。

７はマグネトロンの如き加燃源にして、次に示す構成部
品より戊る回路により、その駆動時間を制御されるべく
戊っている。

８は上記排気ダクト４内で排気口５に対応して設けられ
たサーミスタの如き感熱素子を含む温度検知器にして、
上記排気ダクト４内を通過する被加熱物の熱気の温度を
検知し、斯る温度変化に伴ってその抵抗値を換えるべく
戊っている。

即ち、被加熱物Ｆの発する熱気を含む空気の温度変化を
以って被加熱物Ｆの温度変化とし、この空気の温度変化
を検知してその抵抗値を変え電気信号として出力するも
ので゛ある。

９は、この温度検知器８の抵抗値の変化を電圧に変換す
る温度−電圧変換器にして、その出力はコンパレータ１
０と後述する初期温度ホールドゲート１２に供給される
べく戒っている。

１１は遅延タイマーにして、調理装置の運転開始、即ち
、加熱源７の作動開始に基いて別途回路より出力される
スタート信号Ｐ１の入力と同時に作動し、その作動開始
後一定時間Ｔの経過に伴って作動信号Ｐ２を出力するべ
く戒っている。

そして、前述の初期温度ホールドゲート１２であるがこ
れは加熱開始時から温度−電圧変換器９より出力されて
来る電圧を受け、そして、上記遅延タイマー１１より作
動信号Ｐ２が入力されると、その時点に於ける温度−電
圧変換器９からの信号（オーブン１内の初期の温度情報
信号）の電圧を初期温度信号Ｐ３として出力するもので
゛ある。

１３は被加熱物Ｆの種類毎の仕上り温度に応じた電圧を
上記初期温度ホールドゲート１２より入力される初期温
度信号Ｐ３の電圧にて補正し、斯る補正した電圧値の補
正仕上り温度信号Ｐ４を上記コンパレータ１０に送る仕
上り温度設定電圧器である。

即ち、この仕上り温度設定電圧器１３は基本的には、被
加熱物Ｆの仕上り温度に応じた電圧をその被加熱物Ｆの
種類毎に出力するものであるが、この電圧を加熱初期に
於けるオーブン１内の温度を考慮すべく、斯るオーブン
１内の温度を電圧変換した電圧にて補正し、その電圧値
を高くしたり或いは低くしたりするものである。

それでは何故このような補正が必要であるかと謂うこと
であるが、上述のように、オーブン１内より排出される
空気の温度を以って被加熱物Ｆの温度と仮定する場合、
オーブン１内そのものの温度が温度検知器８にデリケー
トに影響し、それは、調理装置を連続運転する場合に著
しく、被加熱物Ｆの実際の温度を検知することは困難で
ある。

このことは次の説明からも明らかである。

連続運転を行った場合の温度特性を第２図（縦軸に温度
、横軸に加熱源の駆動状態を示している）に示している
。

この図を参照すると、被加熱物Ｆを温度ｔ。

に仕上げたい場合温度検知器８の検知温度がｔ□の時に
加熱源７の駆動を停止すれば良い訳で、第１回目の加熱
の際には温度検知器８の初期検知の温度が被加熱物のそ
れと同じ温度ｔ３の為、被加熱物Ｆがｔ。

のとき加熱源７の駆動が停止され良好な加熱がされるが
、２回目の加熱の場合には、温度検知器８の当初の検知
温度がｔ２（ｔ２ｔ３だけｔ３より大）の為、１回目同
様、温度検知器８が検知温度ｔ１の時作動して加熱源７
の駆動を停止すると、被加熱物Ｆは未だ充分加熱されて
いないと謂う不都合が生じる。

そこで、この欠点を解消する為には、第３図に示す特性
に従って加熱源７を制御する必要がある。

即ち、連続運転に於ける各運転のスタート時の温度検知
器８の検知温度をメモリーシ、その温度によって補正す
ることである。

１回目の運転とスタート時の検知温度がｔ３であれば、
被加熱物Ｆの温度がｔ。

で温度検知器８の検知温度がｔｌのとき加熱源７を停止
する。

そして、２回目の運転のスタート時、の温度検知器８の
検知温度がｔ４であれば温度ｔ２−ｔ４上昇した時に加
熱源７を停止すれば被加熱物を温度ｔ。

迄加熱出来る。

この２回目の運転時に於ける検知温度の補正を行うには
上述した実用例のように仕上り温度設定電圧発生器１３
からの電圧を補正するものと、上記温度−電圧変換器９
からの電圧を補正するものが考えられるがどちらの電圧
を補正しても良い。

再度、第１図に戻って、図中、１４は上記温度−電圧変
換器９からの電圧と仕上り温度設定電圧発生器１３から
の補正仕上り温度信号Ｐ４の電圧とがコンパレータ１０
にて一致したとき、このコンパレータ１０より出力され
る一致信号（停止信号）を受けて次段の加熱源電源回路
１５を作用させ加熱源７を駆動停止させる制御器である
。

尚、斯る実用例で初期温度ホールドゲート１２より出力
される初期温度信号Ｐ３のレベルは調理スタートより一
定時間Ｔ経過後（遅延タイマー１１にて制御される）、
のオーブン１内の空気温度に応じた電圧値を示している
が、これは運転（調理）開始時にあってはオーブンドア
を開閉していることから、オーブン内の空気が乱れてい
ることに鑑み、オーブンドアを閉成した後の調理スター
トより時間Ｔ（秒）経過後の安定した空気温度を検知し
、これを補正に適用せんとした趣旨に依る。

然し乍ら、これに限定されるものでは無く、調理スター
ト時のオーブン１内の空気温度を初期温度としてもよい
、この場合には上述実用例で示したスタート信号Ｐ１は
初期ホールドゲート１２に直接投入されることになる。

本考案は成上のように加熱される被加熱物の発する熱気
の温度を温度検知器にて検知すると共に温度−電圧変換
器にて電圧に変換し、この電圧を仕上り温度設定電圧発
生器より出力される被加熱物の仕上り温度に応じた電圧
とコンパレータにて比較すると共に、両電圧が一致した
とき斯るコンパレータより出力される停止信号に相俟っ
て加熱源の駆動停止を行うようにしたものに於いて、上
記温度検知器の検知する調理スタート時のオーブン内の
温度を電圧変換して初期温度ホールドゲートに導き斯る
ゲートより出力される初期温度信号の電圧を以って上記
仕上り温度設定電圧発生器又は上記温度−電圧変換器の
出力する電圧を補正するようにしたものであるから、オ
ーブン内の調理スタート時の初期温度に影響されること
なく被加熱物を良好に加熱することが出来る。

これは調理装置を連続運転する場合に最適である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る制御装置を説明する為の構成概略
図、第２図は従来の調理装置にて被加熱物を加熱した場
合の特性線図、第３図は本考案に係る装置を備えた調理
装置にて被加熱物を加熱した場合の特性線図である。 １：オーブン、７：加熱源、８：温度検知器、９：温度
−電圧変換器、１０：コンパレータ、１２：初期温度ホ
ールドゲート、１３：仕上り温度設定電圧発生器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 加熱時に被加熱物の発する熱気の温度を温度検知器にて
   検知すると共に温度−電圧変換器にて電圧に変換し、こ
   の電圧を仕上り温度設定電圧発生器より出力される被加
   熱物の仕上り温度に応じた電圧とコンバータにて比較す
   ると共に両電圧が一致したとき、斯るコンパレータより
   出力される停止信号に相俟って加熱源の駆動停止するも
   のに於いて、上記温度検知器の検知する調理スタート時
   のオーブン内の温度を初期温度ホールドゲートに導き斯
   るゲートより出力される初期温度信号の電圧を以って上
   記仕上り温度設定電圧発生器又は温度−電圧変換器の出
   力する電圧を補正するようにして戒る調理装置の温度制
   御装置。