JPS5927084B2 - バリスタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はサージ電圧ならびにノイズ電圧を吸収するバリ
スタに係り、高周波成分を有するサージ・ノイズに対し
て有効に動作し、より低い制限電圧を提供するものであ
る。

第１図に従来のバリスタの構造を示している。

図において１はディスク状のバリスタ素子、２および２
’（２’は図示せず）は素子１の表裏両面上に焼付けら
れた（あるいはメタリコンされた）電極、３およびぎは
電極２．ｚに半田付は等で電気的に接続された＋Ｊ−ド
線である。

第２図は第１図で示した従来のバリスタを例えば電源線
４に接続した時の等何回路を示したものである。

５はバリスタ素子、６および６′は上記リード線３．３
’の有する浮遊インダクタンスである。

今、電源線４間にサージ・ノイズ電圧が印加された時、
矢印の方向に電流が流れる。

この時、浮遊インダクタンス６．６′による電圧降下Ｖ
＝−Ｌｄｉ／ａｔを生じる。

ここで、Ｌはリード浮遊インダクタンス、ｄｉ／ｄｔは
電流の変化率である。

そのため、リード線３，３′が長い場合とかあるいは電
流に高い周波数成分を含んでおれば、その電圧降下は大
きくなり、その電圧はバリスタ素子５の制限電圧に重畳
された形となり、最終的にバリスタとしての制限電圧が
高くなって保護効果が低下する。

その様子を示したものが第３図の電圧−電流特性である
。

第３図で曲線Ａはバリスタ素子５のみの制限電圧特性、
曲線Ｂは上記浮遊インダクタンス６゜６′に生じる電圧
降下がバリスタ素子５の制限電圧特性に重畳された制限
電圧特性で、第１図のバリスタを第２図に示すような電
源線４等に用いた時の制限電圧特性は曲線Ｂとなる。

このように従来のバリスタは、高周波を含むサージ・ノ
イズ電圧に対しては制限電圧がきわめて上昇し、その保
護特性が十分ではなかった。

本発明は上記のような従来における問題点を除去すべく
創案されたものであり、特性の優れたバリスタを提供し
ようとするものである。

以下、本発明の一実施例について第４図とともに説明す
る。

ＩはＺｎＯ等の金属酸化物を主体としたディスク状のバ
リスタ素子で、その表裏両面には電極８ 、８’（８’
は図示せず）が設けられている。

９およびｑは上記電極８，８′に半田付は等により接続
されたコ字状のそれぞれ１本からなるリード線で、この
それぞれのリード線９．ｑは電極接続部以外の２つの端
子部分の一部をそれぞれ空心コイルとすることによって
インダクタンス１０，１σを形成している。

したがって、第４図の実施例では４端子を有し、かつそ
のそれぞれにインダクタンスが設けられている。

第４図のバリスタを電源線の線間に適用した等価回路を
第５図に示している。

今、電源線１１の線間に電源側Ａ方向よりサージ・ノイ
ズ電圧が印加された場合、矢印の方向に電流が流れる。

この時の電流は２ケのインダクタンスを介しての放電で
あるため、その波高値ならびに電流上昇率ｄｉ／ｄｔは
低減され、バリスタの制限電圧も低減される。

また、４端子構造を有しているため、従来例にあったよ
うなリード線の浮遊インダクタンスによる電圧降下の影
響もなく、優れた保護効果を得ることができる。

さらに、負荷側Ｂにも２ケのインダクタンスを有してい
るため、残留した高周波電圧も再度阻止され、負荷側Ｂ
への影響を少なくする特長を有する。

つぎに、上記バリスタにおける制限電圧の具体的特性の
一例を説明する。

バリスタ電ＦＥ２００ｖのものを用い、Ｉｎｓの立上り
時間を有するノイズパルス５ｏｏｖ（出力インピーダン
ス５０Ω）の電圧を印加した時、従来例での制限電圧は
４７０Ｖであるのに対し、本発明品では４２５ｖとなり
、１０係以上の低減が得られた。

第６図〜第８図はそれぞれ本発明の他の実施例の等価回
路を示しており、第６図はリード線９゜ｑのサージ電流
が流れる端子部分のみにそれぞれインダクタンス１０．
１０’を設けた場合、第７図はリード線９のサージ電流
が流れる端子部分とリード線ｑの負荷側の端子部分にイ
ンダクタンス１０ 、１０’を設けた場合、第８図はリ
ード線９の両端子部分のみにインダクタンス１０を設け
た場合である。

いずれの実施例の場合も２本のリード線９１ｇの内、サ
ージ電流が流れる箇所を少なくとも１ケ所含んで２ケの
インダクタンスが形成されているものである。

いずれにしても１ケまたは２ケのインダクタンスを介し
てバリスタ電流が流れるため、制限電圧は同様に低減さ
れるものである。

以上のように本発明のバリスタは構成されているもので
あり、バリスタへの電流がインダクタンスを介して流れ
るため、サージ・ノイズ電流波高直ならびにｄｉ／ｄｔ
が低減され、結果的に制限電圧が低減されて優れた保護
特性が得られる。

また、リート線でインダクタンスを一体形成するため、
小形に構成することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来におけるバリスタの正面図、第２図は同バ
リスタの適用例を示す等価回路図、第３図は同バリスタ
の電圧−電流特性図、第４図は本発明に係るバリスタの
一実施例を示す正面図、第５図は同バリスタの適用例を
示す等価回路図、第６図〜第８図は本発明バリスタのそ
れぞれ他の実施例を示す等価回路図である。 ７・・・・・・バリスタ素子、８，８′・・・・・・電
極、９９ｇ・・・・・・リード線、１０，１σ・・・・
・・インダクタンス。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 Ｉ ＺｎＯ等の金属酸化物を主体としたバリスタ素子
   の表裏両面に電極を有し、この電極にそれぞれ電気的に
   接続されるそれぞれ２端子を有するリード線を具備し、
   かつその２本のリード線のうちサージ電流が流れる箇所
   を少なくとも１箇所含む２箇所以上の端子部分に、該リ
   ード線をコイル状にすることによってインダクタンスを
   形成したことを特徴とするバリスタ。 ２２本のリード線のそれぞれの端子部分にインダクタン
   スをそれぞれ形成したことを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載のバリスタ。