JPS5924808Y2

JPS5924808Y2 - エンジンの排気装置

Info

Publication number: JPS5924808Y2
Application number: JP10309879U
Authority: JP
Inventors: 正一平井; 秋津小田柿; 修一名越; 正己深浦
Original assignee: 三井造船株式会社; 三井・ドイツ・デイ−ゼル・エンジン株式会社
Priority date: 1979-07-27
Filing date: 1979-07-27
Publication date: 1984-07-23
Also published as: JPS5622416U

Description

【考案の詳細な説明】本考案はエンジンの排気装置に係り、特にこの排気装置
におけるエンジンとの連結部分に両者の相対変位量を吸
収できるエキゾーストジヨイント部を備えたものに関す
る。

たとえば建設機械、船舶あるいは定置式産業設備用のエ
ンジンにあっては、排気マフラー等の排気装置はエンジ
ンに直結せずに別個に配設されている。

したがって、このようなエンジンの排気口に連結される
排気装置側の排気管の接合部分には、稼動中のエンジン
が振動して気気管に対しスラスト方向、ラジアル方向あ
るいは回転方向に変位した場合にその相対変位量を吸収
するためのいわゆるエキゾーストジヨイント部が必要と
なっており、これにより排気装置側への影響を防止し得
るように構成されている。

そして、上述した相対変位量は、特にエンジン自体のサ
ポートとしてその部分に防振ゴムを使用しているものに
ついては顕著であり、このためエキゾーストジヨイント
部としてより信頼性の高いものが要求されている。

従来この種のエキゾーストジヨイント部としては、第１
図に示すように、鋼、アルミニウムなどの帯材をＳ字形
に曲げ、螺旋状に巻きつつ継ぎ合せたたわみ金属管１が
一般に用いられている。

しかしながら、このような構造では、エンジンから排出
される排気ガスが高熱で、しかもカーボン、水滴等を含
んでいることから、たわみ金属管１の継ぎ合せ目１ａに
詰まりを生じ、さらにこの部分が固着してその柔軟性を
破壊してしまうもので、これによりその寿命が短く、ま
た短時間で破損してしまう等の欠点があった。

このため、上述したたわみ金属管１の代りに、滑らかな
山形の連続断面の肉を有する金属ベローズを用いること
が考えられ、この場合には上述した継ぎ合せ目１ａがな
いことからそのラジアル方向およびスラスト方向の変位
に対する柔軟性の点では優れているが、回転方向の変位
を吸収することはできない。

また、この金属ベローズは非常な高価なもので、コスト
的にその使用範囲が限定されるという不具合があった。

また、第２図に示すように、筒状をなすジヨイント本体
２の先端を、たわみ金属管１を備えたハウジング３内に
嵌挿させ、さらにシールリング４を介在させてその気密
性を保ってスラスト方向に摺動自在に構成したものもあ
り、この場合にはスラスト方向への変位をジヨイント本
体２とハウジング３との摺動動作により吸収できるため
その信頼性はある程度高いものである。

しかしながら、その一方において、ラジアル方向の変位
に対してはたわみ金属管１を用いる構成であることから
、前述したようにその耐久性に問題があり、信頼性が劣
るものであった。

本考案はこのような点に鑑みてなされたものであり、エ
ンジンと排気装置との間に生じる相対変位量を、より簡
単な構造により確実に吸収してそれぞれを保護し、また
その精度および耐久性の面から信頼性が高く、シかも安
価なエキゾーストジヨイント部を備えたエンジンの排気
装置を提供するものである。

以下、本考案を図面に示した実施例を用いて詳細に説明
する。

第３図は本考案に係るエンジンの排気装置の一実施例を
示すものであり、同図において、全体を符号１０で示す
ものはたとえば運搬機械等に用いられる周知のタイプの
エンジンで、このエンジン１０と排気マフラー等を備え
た排気装置（図示せず）との接合部分にはその相対変位
量を吸収するためのエキゾーストジヨイント部２０が設
けられている。

ここで、本実施例では、エンジン１０の排気口に連続す
る配管１１から前記エキゾーストジヨイント部２０が上
方に立ち上がるごとく配置され、さらにその上部に排気
装置側に連続する排気管３０が設けられている場合を説
明する。

なお、前記エンジン１０はその稼動中に振動して図中Ｘ
、Ｙ、Ｚ方向に変位し、その力がエキゾーストジヨイン
ト部２０に与えられるものである。

さて、本考案によれば、上述したエキゾーストジヨイン
ト部２０がその特徴とする部分であり、第４図を用いて
その詳細を以下に詳述する。

すなわち、符号２１は略円筒状に形成されてなるジヨイ
ント本体で、このジヨイント本体２１の下端には前記エ
ンジン１０の配管１１に設けられた取付はフランジ１１
ａにねじ等により固定されるフランジ２１ａが形成
されている。

そして、このジヨイント本体２１の上部は排気管３０側
に延長され、その先端部外周には所望の曲率を有する第
１の球面部２２がスラスト方向に湾曲して形成されてい
る。

２３は前記排気管３０の取付はフランジ３０ａに固定
されるフランジ２３ａを有する第１のベルハウジング
で、この第１のベルハウジング２３はフランジ２３ａ
を形成した狭径部２３ｂとその口径が緩やかな曲率を
もって外方に拡がるごとく形成されてなる湾曲部２３
Ｃとこの湾曲部２３Ｃから前記ジヨイント本体２１側
に突出延長されている拡径部２３ｄとからなる全体略
鐘形状で形成されている。

そして、この第１のベルハウジング２３の拡径部２３
ｄの先端わずかに外方に湾曲して形成され、縁部２３
ｅを構成している。

２４は前記ジヨイント本体２１と第１のベルハウジング
２３との間に介在されてそれぞれに摺動自在に構成され
てなる第２のベルハウジングで、この第２のベルハウジ
ング２４は第１のベルハウジング２３と略同様に狭径部
２４ａと湾曲部２４ｂと拡径部２４Ｃとからなる
略鐘形状により形成されている。

そして、この第２のベルハウジング２４の狭径部２４
ａは前記排気管３０側に突出延長されて第１のベルハウ
ジング２３の拡径部２３ｄ内に嵌挿され、その先端部
外周においてスラスト方向に湾曲して設けられた所望の
曲率を有する第２の球面部２５が拡径部２３ｄの内周面
に当接されている。

したがって、この第２のベルハウジング２４は第１のベ
ルハウジング２３に対しスラスト方向に摺動自在である
ばかりでなく、ラジアル方向に対しても摺動して変位可
能な構成となっている。

また、この第２のベルハウジング２４の拡径部２４Ｃ
は前記ジヨイント本体２１の先端に被冠され、前述した
場合と同様に第１の球面部２２が拡径部２４Ｃの内周
面に当接されている。

したがって、この第２のベルハウジング２４はジヨイン
ト本体２１に対しスラスト方向に摺動自在に保持される
ことになり、さらにラジアル方向にも摺動して変位可能
な構成となっている。

なお、２４ｄは第２のベルハウジング２４の拡径部２
４Ｃの先端に設けられた縁部で、縁部２３ｅと同様
にわずかに外方に拡がるごとく湾曲されている。

また、前記第１および第２の球面部２２．２５外周の頂
部には環状溝２２ａ、２５ａがそれぞれ形成され
、これら各環状溝２２ａ、２５ａ内にはシールリ
ング２６．２７が求心方向に弾性変形させられた状態で
介装されている。

すなわち、これらのシールリング２６．２７はそれぞれ
対応するベルハウジング２４，２３拡径部２４Ｃ，２３
ｄの内壁部に所望の弾性力をもって接することによりそ
の摺動部分の気密性を保ち、図中矢印Ａ方向に流れる排
気ガスがこのエキゾーストジヨイント部２０部分で外部
へ漏れるのを必要最小限におさえるためのものである。

なお、このようなシールリング２６．２７としては、あ
る程度弾性変形量の大きなものを用いることが望ましく
、また常に外径方向に突出する付勢力をもつようにリン
グ体の一部を段差状に切欠したものを、圧縮した状態で
組込むといった構成としてもよいものである。

そして、上述した構成を有するエキゾーストジヨイント
部２０にあっては、エンジン１０が振動して図中矢印Ｘ
、Ｙ方向、すなわち第５点ａで示すようにラジアル方向
に変位した場合には前記第１および第２の球面部２２．
２５によってその変位量を確実に吸収し、さらに図中矢
印Ｚ方向、すなわち第５図すで示すようにスラスト方向
への変位量は第２のベルハウジング２４のスラスト方向
の摺動動作により確実に吸収することができる。

また、第５図中矢印Ｂで示すように、相対的な回転方向
への変位が生じた場合であっても、第１および第２の球
面部２２．２５によってその変位を吸収することが可能
となっている。

なお、前記第２のベルハウジング２４の摺動範囲は第１
のベルハウジング２３の拡径部２３ｄのスラスト方向へ
の長さにより設定されるもので、エンジン１０のＺ方向
に対する変位量に合わせて予め所望の長さで形成すれば
よいものである。

そして、この場合に注意することは、第２のベルハウジ
ング２４における狭径部２４ａと拡径部２４Ｃのス
ラスト方向の長さで、これがスラスト方向に摺動動作し
た際にでもジヨイント本体２１と第１のベルハウジング
２３から離脱することなく、排気ガスの流通通路を構成
するようにすることである。

また、上述した構成によるエキゾーストジヨイントアル方向への変位が生じたとき、各ベルハウジング２４
，２３に対する球面部２２．２５の接触部分は相対的に
楕円形状となり、この楕円形状の長手方向両端部分に隙
間が生じて完全な気密性を得ることができなくなるとい
った問題を生じる。

しかし、上述した第５図ａはその機能を説明するために
ラジアル方向の変位を極端に図示したものであり、実際
上はその変位量はきわめて小さいものであり、さらに後
述するように各部の寸法を予めエンジン１０側でのＸ，
Ｙ方向への変位量に合わせて設定するとともに、前記シ
ールリング２６、２７のもつ外径方向に拡がろうとす
る力を巧みに利用することにより、ある程度の気密性は
確保し得るもので、実用上に何ら支障ないものである。

これは、このようなエキゾーストジヨイント部２０では
、ある程度の排気ガス漏れは許容し得るもので、漏れを
必要最小限におさえることができる構成であればよいこ
とから容易に理解されよう。

ここで、上述したラジアル方向への変位を生じたときの
隙間と各部の寸法関係について、第６図を用いて説明す
る。

すなわち、同図において、エンジン側のジヨイント本体
２１がラジアル方向にＸだけ変位した場合、第２のベル
ハウジング２４の内径をｄとすると、第１の球面部２２
のシールリング２６が当接する部分の径寸法はＤとなる
。

この径寸法りは、画部分２１。２２の回転中心０を中心
とする角度をθとすると、ｃｏｓθ＝ｄ／Ｄがら、Ｄ＝ｄ／ｃｏｓθ ” ”− − −（’１）
となる。

また、ジヨイント本体２１の下端から前記回転中心Ｏま
での高さをａとすると、ｔａｎθ＝Ｘ／ａよりＸ θ＝ｍ＃・− ・・・・・（２）となる。

そして、これら（１）、（２）式よシ、Ｄ＝ｃｏｓ（ｔｕａ−・王）”−−−（３）が導びきだ
される。

したがって、変位Ｘに対し、本体２１の回転中心０（シ
ールリング２６の装着部）までの高さａを大きくすれば
、（３）式の右辺の分母は１に近づくこととなり、Ｄとｄとの差が縮まり、隙間
が必要最小限となるものである。

たとえばａ＝８０ｍｍ、ｄ＝ｓｏｍｍ、とす
ると、上述した（３）式からＤは、ｘ＝ｌＱｍｍとなり、ｄとの差において半径Ｑ、３ｍｍ程度の隙間が
生じることとなる。

そして、このような０，３ｍｍ程度の隙間は、実用上何
ら支障ないもので、さらに前記シールリング２６の弾性
変形量によってはこれをシールすることも可能である。

また、実際には、エンジン１０側の振動が大きい場合で
あってもｘ＝５ｍｍ程度であり、上述した隙間は実用上
問題とされない程度のものである。

したがって、本考案を特徴づけるエキゾーストジヨイン
ト部２０にあっては、従来のたわみ金属管に比べてスラ
スト方向およびラジアル方向の変位量をより広い範囲で
吸収することができ、さらに回転方向への変位も吸収す
ることが可能となっている。

また、その構造が簡単で、しかも加工容易な形状である
にもかかわらず、その精度を厳密にすることができ、耐
久性の面で信頼性の高いものであり、さらに従来考えら
れている金属ベローズに比べて十分に安価であり、コス
ト的に良好なものである。

また、ジヨイント本体２１と第２のベルハウジング２４
とにそれぞれシールリング２７．２６を装填した第１お
よび第２の球面部２２．２５を設けているため、エンジ
ン１０側の取付はフランジ１１ａと排気管３０側の取
付はフランジ２３ａとの軸線が多少ずれている場合で
あっても、その動作に支障を与えることはないという利
点がある。

なお、前述した実施例では、エキゾーストジヨイント部
２０をエンジン１０に対して上方に立ち上がるように配
置させた竪型の場合を説明したが、本考案はこれに限定
されるものではなく、横型の場合であってもよく、適宜
変更することは自由である。

以上説明したように、本考案に係るエンジンの排気装置
によれば、エンジンと排気装置との相対変位量を吸収す
るエキゾーストジヨイント部として、筒状のジヨイント
本体と略鐘形状をなす第１のベルハウジングと、これら
の間に摺動可能に保持される第２のベルハウジングとを
備え、かつ第２のベルハウジングのそれぞれの摺動部分
にシールリングを装填した球面部を設けたものを用いた
ので、簡単な構造にもかかわらず、エンジンのスラスト
方向、ラジアル方向あるいは回転方向への変位量を確実
に吸収して排気装置側に影響を与えることがなく、また
従来のたわみ金属管のように排気ガスで柔軟性が害され
るといった不具合を生じることがなく、その精度および
耐久性の面で信頼性の高いものであり、しかも各構成部
品の加工が容易で、コスト的にも安価である等の実用上
の効果が大である。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来例を説明する縦断面図、第３
図ないし第６図は本考案に係るエンジンの排気装置の一
実施例を示し、第３図はエンジンに対する取付は状態を
説明する斜視図、第４図は本考案を特徴づけるエキゾー
ストジヨイント部を拡大して示す縦断面図、第５図ａ、
ｌ）は同じく動作状態を示す概略断面図、第６図は同じ
く要部拡大断面図である。１０・・・・・・エンジン、２０・・・・・・エキゾー
ストジヨイント部、２１・・・・・・ジヨイント本体、
２２・・・・・・第１の球面部、２３・・・・・・第１
のベルハウジング、２３ｄ・・・・・・拡径部、２４・
・・・・・第２のベルハウジング、２４ａ・・・・・
・狭径部、２４Ｃ・・・・・・拡径部、２５・・・・
・・第２の球面部、２６゜２７・・・・・・シールリン
グ、３０・・・・・・排気管。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

エンジンの排気口に連結される排気管の接合部分に、両
者のスラスト方向、ラジアル方向あるいは回転方向に対
する相対変液量を吸収できるエキゾーストジヨイント部
を備えたエンジンの排気装置において、前記エキゾース
トジヨイント部は、前記エンジンの排気口側に設けられ
る筒状のジヨイント本体と、前記排気管側に設けられる
略鐘形状をなす第１のベルハウジングと、同じく全体が
略鐘形状をなしかつその広径部が前記ジヨイント本体の
先端に被冠されるとともに、その狭径部がスラスト方向
に延長されて前記第１のベルハウジングの広径部に嵌挿
される第２のベルハウジングとによって構成され、前記
ジヨイント本体の先端外周と前記第２のベルハウジング
の狭径部外周にはそれぞれスラスト方向に湾曲された球
面部が形成され、かつこれら各球面部の頂部に設けられ
た環状溝内には求心方向に弾性変形させられた状態でシ
ールリングが装填されていることを特徴とするエンジン
の排気装置。