JPS5924026B2 - 車輌の転倒保護構造体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、トラクタ等の車輌が転倒した場合に、運転席
にいる運転者を保護するための転倒保護構造体に関する
。

従来のこの種保護構造体は、通常、運転席の周りに４個
のほぼ垂直な柱を設け、該柱の頂部に矩形状に組んだ天
井フレームを載せて連結し、箱状のフレーム構造体とし
て運転席を保護するようになされている（例えば、米国
特許第３７８７０８５号及び第３８４１４３０号）。

しかし、車輌が転倒した場合には、斯様な構造の保護構
造体では、その角部分、すなわち、垂直な柱と天井フレ
ームとの連結部分等に大きな応力が加わり、構造的に比
較的弱い連結部分が破壊されて運転者が十分に保護され
ないという虞れがある。

このため、このような構造体では、例えば、米国特許３
６３２１３４号に示されるように、そのような破壊を防
ぐための補強部材等を設ける必要がある。

本発明は、以上の点に鑑み、車輌の転倒の際、大きな応
力が加わっても角部が壊れに＜＜シた保護構造体を提供
することを目的とするものである。

本発明においては、この目的を達成するために、運転席
のまわりに設定されるほぼ垂直の脚（柱）の上端部をほ
ぼ水平に伸びる２又の脚に分岐して三脚部材となし、こ
の２又に分岐した脚のそれぞれを、隣りの三脚部材の２
又に分岐した脚の対応するものと連結し、この分岐した
脚の連結により天井フレーム部分を構成することをその
基本的構成としている。

斯様な構成とすることにより、部材の連結部分を当該構
造体の角部分にすることなく、角部分から離れた位置と
することができ、従って、上記目的を達成するようにし
ている。

以下、本発明を添付図面に示した実施例に基づき詳記す
る。

第１図を参照すると、車輌すなわち、トラクタが総体的
に符号１０で示しである。

トラクタ１０は前部フレーム１２を後部フレーム１４に
ピボット式に接続する蝶番ピン個所１６におおいかぶさ
る長さ方向に延びた前部フレーム１２を含んでいる。

前後部のフレーム１２．１４はそれぞれ従来技術の伝動
、駆動および車軸々受を含んでいてそれぞれフレーム１
２，１４の横方向軸線を中心として回転するよう取付け
た１対の複式駆動車輪１８．２０に支持されている。

台２３を有する総体的に符号２２で示した運転手の制御
部所がフレーム１２におおいかぶさり部分の上方に垂直
に間隔をあけである。

本発明の一実施例に係る転倒保護構造体２４は後述する
方法で装着手段２６により前部フレーム１２に取付けら
れる。

構造体２４はトラクタが転倒した際に着座した運転手を
保護するため運転手の制御部所２２を包囲している。

保護構造体２４はそれぞれが上端部が右側と左側の脚３
０Ｌ、３０Ｒに分かれている直立の脚３０Ｕを有してい
る４つのほぼ同様な三脚部材３０を含んでいる（ここで
、右狽吸び左側の脚３０Ｌ、３０Ｒとは、車輌１０の右
側及び左側という意味ではなく、各直立の脚３０Ｕの上
端部の脚３０Ｌ、３０Ｒがほぼ水平方向でそれぞれ異な
る方向に分岐して伸びていることを示すために付けたも
のである。

三脚部材３０は好ましいのは約６．３ないし１２．７ｍ
ｍ（０，２５ないし０．５０インチ）の厚味範囲の平た
い金属板をほぼＹ字形に打抜き、次いで成形ダイスで第
２図に示した如く開放したＵ字溝の断面を有する如く成
形される。

素材打抜きと成形との利点は広範囲な種々の形状および
寸法の車輌用に種々の長さ、高さおよび幅の転倒保護構
体を単に整形（トリミング）作業を追加するだけで作れ
る。

同じ打抜きダイスが種種厚味の異なる金属を打抜きでき
、同じ成形ダイスが種々の厚味に素材を成形できまた整
形作業で脚を種々の長さに仕上げできるということであ
る。

それぞれの三脚部材３０の脚３０Ｒ，３０Ｌを他の三脚
部材３０の脚３０Ｌ、３０Ｒに連結し４つの３脚部材３
０が底部が開放している直立の脚３０Ｕを有する箱状枠
組を形成するようになるまで溶接することにより保護構
造体２４は組立てられる。

脚の端部を溶接することにより枠組の比較的に弱い溶接
４合部をトラクタの転倒中一般に荷重が集中する２又部
、すなわち、角部から離れた個所に位置させる。

更にまた、底部が開放されているので角部が大きくたわ
むことができ従って折損または局部的にゆがむことによ
る角部の破損の可能性を減少する。

４つの直立の脚３０Ｕの下端部にはこれら脚に設けた孔
に差込まれた４つの従来技術の振動吸収ゴムブッシング
３４を含む装着手段２６が設げである。

容易に取外せるボルト３６が４つのゴムブッシング３４
に差込まれ枠組を前部フレーム１２に着脱自在に取付け
る。

枠組が前部フレーム１２に取付けられると、フレーム１
２は枠組の底部を閉じ転倒保護構造体２４を完成する。

従って、４つの三脚部材３０は頂部のみで互いに接続さ
れ脚３０Ｕは枠組が前部フレーム１２に装着されるまで
は「自由」でいられる。

従来の保護構造体は−般に、直立の脚３０Ｕの下端部が
車輌の前後方向に伸びる部材や横断方向に伸びる部材に
よって相互に連結されており、このような構造のものと
比べると、上記の如くフレーム１２に装着されるまで底
部が開放された構造の本発明に係る保護構造体は、重量
が少く、取付作業が容易で、安価にできるという利点を
有している。

トラクタの転倒の際には、構造体２４の２又部すなわち
、頂部角部の曲げモーメントが最大となり直立の脚３０
Ｕの下方に行くに従い曲げモーメントが順次に減少して
装着手段２６における曲げモーメントが最小となる。

この原理により２又部におけるＵ−字形断面部分の断面
モジュールを最大にし直立の脚３０Ｕの下方に行くに従
い断面モジュールを漸次に減少し装着手段２６における
断面モジュールを最小にする。

第１図に示した保護構造体２４では２文部の断面モジュ
ールは脚３０の下端部における断面モジュールの約３倍
である。

第３図には、本発明の他の実施例に係る転倒保護構造体
４０が示しである。

この保護構造体は２対の異なる三脚部材４２．４４を有
しており、三脚部材４２はそれぞれ上端部分が左側と右
側の脚４２Ｌ、４２Ｒに分かれている直立の脚４２Ｕを
有し他方三脚部材４４はそれぞれ上端部が右側と左側の
４４４Ｒ，４４Ｌに分かれている不規則な形状の直立の
脚４４を有している。

脚４４Ｕは車輪の如きトラクタの部品用の間隙を形成す
る。

この形状は三脚部材を溶接する直前に追加の成形作業に
より得られる。

第３図に示した実施例では、打抜きした素材は第４図に
示した如（Ｌ字状析面に成形される。

このような断面形状にすると、Ｕ字形断面のものに比べ
て断面モジュールが小さくなるが、窓ガラスの如き補助
的部品を簡単に直接的に装着できる。

第５図には、転倒保護構造体の更に別の実施例が符号１
２４で示しである。

この構造体１２４は２つの異なる箱形枠組１２６，１２
８で構成されている。

枠組１２６はほぼ同じの４つの三脚部材１３０を前記し
た如き方法で溶接して製造され、枠組１２８に堅固に装
着されている。

枠組１２８は３脚部材１３０とは異なるがそれと同様な
方法で作られた４つのほぼ同様な三脚部材１３２を溶接
して作られている。

三脚部材１３０の直立の脚はそれぞれ三脚部材１３２の
対応する直立の脚に溶接され三脚部材１３２の直立の脚
の下部の内側に差込んだ垂直のボルトとブッシング（図
示せず）により前部フレームに固着される。

脚が枠組１２８の底部に向けて内向きにテーパ状になっ
ているので車輪の如きトラクタの部品のための間隙を形
成する。

【図面の簡単な説明】

第１図は車輌に装着された転倒保護構造体の左側斜視図
、第２図は第１図の２−２線に沿う断面図、第３図は変
形例の転倒保護構造体の斜視図、第４図は第３図の４−
４線に沿う断面図、第５図は更に変形した転倒保護構造
体の斜視図である。 １０・・・車輌、１２．１４・・・フレーム手段、１８
゜２０・・・車輌手段、２６・・・装着手段、３０・・
・三脚部材、３０Ｌ、３０Ｒ・・・左側と右側の脚、３
０Ｕ・・・直立の脚。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 車輪により支持された長さ方向に延びているフレー
   ム手段を有している車輌用の転倒保護構造体において、
   それぞれが上端部で右側と左側の脚に２又に分かれてい
   る直立の脚を有している複数の三脚部材を備え、それぞ
   れの三脚部材がその右側の脚で第１の隣接した三脚部材
   の左側の脚に、また左側の脚で第２の隣接した三脚部材
   の右側の脚に堅固に接続され、直立の脚の下端部には当
   該三脚部材を上記フレーム手段に装着する手段を有して
   いることを特徴とする車輌の転倒保護構造体。 ２ 上記三脚部材を４個備えてなる特許請求の範囲第１
   項に記載の保護構造体。 ３ それぞれの三脚部材の直立の脚がその２又部からそ
   の下端部にまで変化する断面モジュールを有している特
   許請求の範囲第１項若しくは第２項に記載の保護構造体
   。 ４ それぞれの三脚部材の直立の脚がその２又部からそ
   の下端部にまで減少する断面モジュールを有している特
   許請求の範囲第３項に記載の横揺れ保護構造体。 ５ 三脚部材の脚が開放した断面を有している特許請求
   の範囲第４項に記載の横揺れ保護構造体。 ６ 開放した断面がＵ字形である特許請求の範囲第５項
   に記載の横揺れ保護構造体。 ７ 開放した断面がＬ形断面である特許請求の範囲第５
   項に記載の横揺れ保護構造体。 ８ 車輪により支持された長さ方向に延びているフレー
   ム手段を有してい車輌用の転倒保護構造体において、そ
   れぞれが上端部で右側と左側の脚に２又に分かれている
   直立の脚を有している複数の上部三脚部材と、各上部三
   脚部材に対応する複数の下部三脚部材で、それぞれの下
   端部が右側と左側の脚に２又に分かれている直立の脚を
   有している下部三脚部材とを有し、上部三脚部材のそれ
   ぞれが、その右側の脚で第１の隣接した上部三脚部材の
   左側の脚に、また左側の脚で第２の隣接した上部三脚部
   材の右側の脚に堅固に接続され、且つ直立の脚の下端部
   が対応する下部三脚部材の直立の脚の上端部に堅固に接
   続され、また、下部三脚部材のそれぞれが、その右側の
   脚で第１の隣接した下部三脚部材の左側の脚に、また、
   その左側の脚で第２の隣接した下部三脚部材の右側の脚
   に堅固に接続され、これら下部三脚部材がその直立の脚
   の下端部にそれらを前記フレーム手段に固ｉする手段を
   有してなる転倒保護構造体。 ９ 上部三脚部材及び下部三脚部材をそれぞれ４個備え
   てなる特許請求の範囲第８項に記載の保護構造体。