JPH063030Y2 - アウトリガボックスの支持構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、クレーン車等のボックス型閉断面構造のシャ
シフレームの各サイドメンバ間に横設するアウトリガボ
ックスの支持構造に関する。

（従来技術とその問題点） 現場での機動性を重視したクレーン車として、ラフテレ
ンクレーン車やオールテレンクレーン車が知られてお
り、これらのクレーン車は、機動性確保の為に全輪駆動
機能（４ＷＤ）、全輪操舵機能（４ＷＳ）を備えると共
に、剛性確保の為にシャシフレームはボックス型閉断面
構造とさている。又、クレーン作業時にはシャシフレー
ムの先後端に横設されるアウトリガを車幅方向に張り出
し、更にアウトリガ先端のジャッキを下方に伸長させて
地面を押圧し、車体をささえる。

ところで、シャシフレームの先端はキャリヤハウスが載
置配設される為に、後端は視認性向上の為に夫々シャシ
フレームの強度部材であるアッパプレートを下方に傾斜
して形成される構造となっている。そして、アウトリガ
を収納するアウトリガボックスの先端をシャシフレーム
に支持する補強用のアウトリガステーは、一端をアウト
リガボックスの先端上面に沿って固設され、他端をシャ
シフレームのアウタプレートに当該先端上面と略平行に
固設されている。このため、アウトリガの地面への押圧
による反力が、前記アウトリガステーを介してシャシフ
レームのアウタプレートに直接伝達され、当該アウタプ
レートを変形させる力として作用し、シャシフレームの
強度を損うおそれがあるという問題がある。

本考案は、上述の問題点を解決するためになされたもの
で、ボックス型閉断面構造をなすシャシフレームのアッ
パプレートが傾斜する位置に横設されるアウトリガボッ
クスのアウトリガの先端のジャッキからの力をアウトリ
ガステーを介してシャシフレームのアッパプレートに無
理なく伝達させて当該シャシフレームのアウタプレート
に加わる力をなくすようにしたアウトリガボックスの支
持構造を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するために本考案によれば、ボックス型
閉断面構造をなすシャシフレームのアッパプレートが下
方に傾斜する位置において当該シャシフレームの底面に
横設されるアウトリガボックスの先端と前記シャシフレ
ームとの間にアウトリガステーを介在させて当該アウト
リガボックスを支持するアウトリガボックスの支持構造
において、前記アウトリガステーの上板の一端を前記ア
ウトリガボックスの先端上部に、他端を前記シャシフレ
ームのアッパプレートの傾斜せる側縁に沿って夫々固着
する構造としたものである。

（作用） クレーン作業時には、前後左右のアウトリガを側方に張
り出し、各アウトリガの先端のジャッキによりシャシフ
レームを水平に支持固定する。この時の各ジャッキから
の力がアウトリガボックス先端に上方向の荷重として作
用し、この荷重はアウトリガステーの上板を介してシャ
シフレームのアッパプレートに無理なく伝えられる。こ
れにより、前記アウトリガの先端のジャッキからの力が
前記シャシフレームのアウタプレートに加わることを防
止されて当該アウタプレートの変形を防止される。

（実施例） 以下本考案の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。

第１図は、本考案を適用したオールテレンクレーン車の
外観を示し、オールテレンクレーン車１は、略全長に亘
るシャシフレーム２にターンテーブル３を介してクレー
ン４を架装され、シャシフレーム２の前端にはキャリヤ
ハウス５が、前記ターンテーブル３には、クレーン４と
共に旋回するクレーンハウス６が夫々載置配設され、各
ハウス５、６においてクレーン車１の運転操作が可能と
されている。

シャシフレーム２の前後端の各底面には、前部アウトリ
ガボックス７、後部アウトリガボックス８が横設され、
これらのアウトリガボックス７、８内には、夫々左右両
側にアウトリガ９、１０が進退可能に収納されている。
そして、アウトリガボックス７、８間に、且つこれらの
アウトリガボックス７、８に隣接して大径シングルタイ
ヤ１１、１２が取り付けられている。

シャシフレーム２は、左右のサイドメンバ２０、２０
と、該サイドメンバ２０、２０の各前後端を連結する図
示しないクロスメンバから構成される。サイドメンバ２
０及びクロスメンバは、夫々アッパプレート２０ａ、ア
ウタプレート２０ｂ、インナプレート（図示せず）及び
ロアプレート２０ｃとから成るボックス型閉断面構造と
され、前記クロスメンバも同様にボックス型閉断面構造
とされている。そして、左右の各サイトメンバ２０、２
０及び前記前後の各クロスメンバの各アッパプレート、
アウタプレート、インナプレート及びロアプレートは、
夫々互いに連続的に熔着により接続されシャシフレーム
の捩り剛性を高めている。又、左右の各サイドメンバ２
０、２０の前端はキャリヤハウス５を搭載する為に、後
端は視認性の向上を図る為に夫々アッパプレート２０ａ
が下方に傾斜して形成されている。尚、各サイドメンバ
２０と各クロスメンバの各アッパプレート及び各ロアプ
レートは強度部材である。

アウトリガボックス８の一側、例えば左側は、第２図乃
至第４図に示すように、サイドメンバ２０のロアプレー
ト２０ｃの後端の底面に上面を固着され且つ両端をサイ
ドメンバ２０より車幅方向に突出して横設されている。
当該アウトリガボックス８は、上板８ａ、側板８ｂ、８
ｃ及び底板８ｄとから成るボックス型閉断面構造で、そ
の先端８ｅは、二股とされている。

アウトリガボックス８の先端８ｅには、夫々ストラット
１３、１３が固設されている。ストラット１３は、上下
方向に長い鋼板で略下半分に亘ってアウトリガボックス
８の先端８ｅに対応する形状の切欠部を形成され、当該
先端８ｅに図示のように強固に熔着固定されている。
尚、ストラット１３の上端は、サイドメンバ２０のアッ
パプレート２０ａよりも低くされている。

アウトリガステー１４の上板１５は、例えばアウトリガ
ボックス８と同幅の略矩形状で所定の板厚を有する鋼板
で、その他端中央部には切欠部が形成されアウトリガボ
ックス８の上板８ａに対応する形状とされており、一端
をサイドメンバ２０のアッパプレート２０ａとアッパプ
レート２０ｂとの熔着部分の当該アッパプレート２０ａ
の側縁に沿って、他端をストラット１３のサイドメンバ
２０に対向した面に夫々熔着固定されている。アッパプ
レート２０ａの後端は下方に傾斜し、且つストラット１
３もアッパプレート２０ａより低く配設れている為に、
アウトリガステー１４の上板１５は、後方及び外方に向
かって下方に傾斜してアウトリガボックス８の先端をサ
イドメンバ２０のアッパプレート２０ａに支持してい
る。又、この支持構造では、アウトリガステー１４の上
板１５と、アウトリガボックス８の上板８ａと、これら
のアウトリガステー１４の上板１５の両側に各上端を、
アウトリガボックス８の上板８ａの両側に各下端を夫々
固着される略三角形のプレート１６、１７とによりボッ
クス型閉断面構造とされて、アウトリガボックス８をよ
り強固にサイドメンバ２０に支持している。

尚、当該後部アウトリガボックス８の右側及び前部アウ
トリガボックス７の左右の各先端とサイドメンバ２０の
アッパプレート２０ａの間も、上述と同様にアウトリガ
ステーにより支持れている。

以下、作用を説明する。

前後左右の各アウトリガ９、１０は、クレーンの作業時
には夫々アウトリガボックス７、８から左右の車幅方向
に張り出し、各アウトリガ９、１０の先端のジャッキを
下方へ伸長させてシャシフレーム２を水平に支持固定す
る。この結果、各アウトリガ９、１０の先端のジャッキ
が地面を押圧する反力として、各アウトリガボックス
７、８の各先端は上方向の荷重を受ける。即ち、例え
ば、アウトリガボックス８の先端８ｅに加わる荷重は、
各ストラット１３、１３とアウトリガステー１４の上板
１５とを介してサイドメンバ２０のアッパプレート２０
ａに無理なく伝えられる。この結果、前記各アウトリガ
９、１０の先端のジャッキからの力がシャシフレーム２
のサイドフレーム２０ｂに加わることを防止され、当該
サイドメンバ２０の変形が防止される。

（考案の効果） 以上説明したように本考案によれば、アウトリガステー
の上板の一端をアウトリガボックスの先端上部に、他端
を前記シャシフレームのアッパプレートの傾斜せる側縁
に沿って夫々固着するので、アウトリガを張り出して本
体のシャシフレームを支持固定する場合にアウトリガボ
ックスの先端に加わる荷重をサイドメンバの強度部材で
あるアッパプレートに無理なく伝達することができ、こ
の結果、当該サイドメンバを変形させることがなく、且
つ強度を確保することができ、サイドメンバの補強が不
要となる等の優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るアウトリガボックスの支持構造を
適用したオールテレンクレーン車の外観を示す側面図、
第２図は本考案に係るアウトリガボックスの支持構造の
一実施例を示す要部拡大斜視図、第３図は第２図の側面
図、第４図は第２図の後面図である。 １…オールテレンクレーン車、２…シャシフレーム、
７，８…アウトリガボックス、８ａ…上板、８ｂ，８ｃ
…側板、８ｄ…底板、９，１０…アウトリガ、１３…ス
トラット、１４…アウトリガステー、１５…上板、１
６，１７…プレート、２０…サイドメンバ、２０ａ…ア
ッパプレート、２０ｂ…アウタプレート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ボックス型閉断面構造をなすシャシフレー
   ムのアッパプレートが下方に傾斜する位置において当該
   シャシフレームの底面に横設されるアウトリガボックス
   の先端と前記シャシフレームとの間にアウトリガステー
   を介在させて当該アウトリガボックスを支持するアウト
   リガボックスの支持構造において、前記アウトリガステ
   ーの上板の一端を前記アウトリガボックスの先端上部
   に、他端を前記シャシフレームのアッパプレートの傾斜
   せる側縁に沿って夫々固着することを特徴とするアウト
   リガボックスの支持構造。