JPS5923223Y2 - ヘツド装置

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【考案の詳細な説明】いわゆるヘリカルスキャン形のＶＴＲにおいて、スロー
、スチル、クイック等の特殊再生を行う場合や、高密度
記録テープを再生する際のトラッキングサーボを行う場
合に、磁気ヘッドの取付部に電歪素子（バイモルフ板）
を設けてヘッドの高さを制御することが行われている。

すなわち第１図Ａ、Ｂ、Ｃにおいて、バイモルフ板
１の一端に磁気ヘッド２Ａ、２Ｂが取り付けられると共
に、他端が接着剤３により基板４に取り付けられる。

そしてバイモルフ板１に駆動電圧を供給する端子５が導
出される。

なお、バイモルフ板１に電圧が供給されたとき、そのレ
ベル及び極性に応じてヘッド２が矢印６で示すように、
トラックの幅方向に偏移するように、バイモルフ板１の
分極の方向が選定される。

この装置において、バイモルフ板１は一端が固定された
板体である。

このためこれを振動させて使用する場合に、共振点での
Ｑの値が非常に大きい。

従って共振モード以外のモードのバイモルフ板１を使用
する場合には、不要振動をダンピングさせる必要がある
。

なお、共振周波数はバイモルフ板１の形状、大きさ等に
より異なるが、通常ＩＫＨｚ前後の周波数であって、所
望の振動の周波数より充分高い。

そこで従来から、図中に示すようにバイモルフ板１と基
板４との間にダンパー材７を設け、このダンパー材７に
てバイモルフ板１の不要振動が除去されるようにしてい
る。

すなわち図の例ではダンパー材７は立方体形状のゴム片
であって、このダンパー材７を基板４を折り曲げて形成
した支持部４ａに取り付け、このダンパー材７にてバイ
モルフ板１を両側から挟持するようにしている。

ところがこの装置の場合、バイモルフ板１とダンパー材
７との接触面の状態及び押し当て方によって、ダンピン
グ効果が大きく変化し、再現性、確実性、信頼性に欠け
る。

また第２図Ａ、Ｂ、Ｃに示すように、バイモルフ
板１の両面に所定の厚さのゴム板８を接着し、これにて
ダンピングを行わせる方法もあるが、この場合にはダン
ピング効果がゴム板８の厚さに敏感に影響され、ゴム板
８の製造に高い精度を必要とし、製造が極めて困難であ
る。

本考案はこのような点にかんがみ、簡単な構成で良好な
ダンピング効果が得られるようにしたものである。

以下、図面を参照しながら、本考案の一実施例について
説明しよう。

第３図Ａ、Ｂ、Ｃにおいて、９はゴム等の弾性材か
らなる柱である。

この柱９には第４図に拡大して示すようにバイモルフ板
１と対向する面にくさび形の切欠部９１が設けられる。

そしてこの切欠部９１にバイモルフ板１の側部１１が挿
入され、この側部１１の上端１２及び下端１３が切欠部
９１の上側及び下側の傾斜面９２．９３に対接される。

従ってこの装置において、バイモルフ板１の不要振動は
柱９でダンピングされる。

こうしてバイモルフ板１の不要振動のダンピングが行わ
れるわけであるが、本考案によれば、バイモルフ板１の
端部１２，１３が柱９の傾斜面９２．９３に対接される
ようにし、これらが線接触しているので、傾斜面９２．
９３の工作は比較的荒くても良く、工作精度を余り高く
する必要はない。

また、バイモルフ板１が傾斜面９２．９３に対接してい
るので、バイモルフ板１は傾斜に沿って比較的自由に動
くことができ、バイモルフ板１の所望の振動を阻害しな
い。

なお、上述の例では柱９をバイモルフ板１の両側に設け
た場合について示しであるが、これは片側のみでも良い
。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来の装置の構成図、第３図は本考案
の一例の構成図、第４図はその説明のための図である。１はバイモルフ板、９は弾性材からなる柱である。

【実用新案登録請求の範囲】