JPS5923108Y2 - 杭の無騒音、無振動埋設装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は既製杭を無騒音、無振動で地中に埋設する装置に
関するものである。

杭を地中に無騒音、無振動で埋設するに際しスパイラル
オーガーを直接土中に進入させて削孔した後、該部に既
製杭を挿入する工法は、その削孔に当りスパイラルオー
ガーの螺旋翼によって孔壁面に損傷を与え、土が崩壊落
下して杭が円滑に挿入出来ない欠点があることから近年
ではスパイラルオーガーを鋼管等のケーシング内に装入
したケーシングパイプ付スパイラルオーガーの工法が改
良策として使用されている。

然し、此の場合の装置として掘削土壌中に礫か゛混入し
ていると之れがケーシング内につまりスパイラルオーガ
ーを損傷する場合が起り、又ケーシング内に土砂礫がつ
まってその除去作業に多大の労力、時間、経費を浪費し
、更にケーシングは全長にわたり同心円である為、全周
面が削孔土砂に接触して摩擦力が大きく、又そのケーシ
ングに設けた貫窓が削孔面に密着回転するので、オーガ
ー中空軸先端から注出した孔壁崩壊防止溶液が孔壁とケ
ーシングとの間に滲出されにくいこと・、孔壁面に塗り
つける作用が弱く孔壁面の崩壊を防ぐには未だ不充分で
ある。

本案は之等上記の欠点を除去すべくなされたもので、ケ
ーシングの周辺摩擦を減少し、しかもケーシングと削孔
壁面との間に孔壁崩壊防止溶液を容易に滲出させると共
に均一強固に塗付けて孔壁崩壊防止と既製杭の円滑な挿
入による安定した埋設を可能とするものである。

以下本案の実施例を図面に基いて説明する。

鋼管１の下部先端から管軸方向に、土質に応じて削孔に
必要な可能な限り短い長さｌを残して、その上方を段部
２を付してや・小径管部３となし、前記ｌの範囲の鋼管
１に所要間隔を存して数段に間欠部５を設けると共に該
鋼管の両外側に管軸方向に沿って断面円弧状縦長鋼板６
，６を溶接して外方突出彎曲面７，７を形威し、下部鋼
管の径は前記外方突出彎曲面７，７の回転によって描く
円より小径となし、また間欠部５，５に於ける両袖長鋼
板６，６の両側縁を帯板８を以って環状に連結して広い
空間部９，９を設け、更に小径管部３に所定間隔を存し
排土孔１０を設けてケーシング１１を構成し、此のケー
シング内に、中空軸１２の先端に噴出孔１３を設け、且
つ中空軸１２に螺旋翼１４を備えたスパイラルオーガー
等の削孔機１５を内装して、削孔機１５とケーシング１
１との頂端に駆動装置（図示しない）を装着して両者が
夫々反対方向に回転するようになした装置である。

図中４はケーシングヘッドに設けた掘削刃、１６はジヨ
イント部である。

本装置による杭の施工に当っては、削孔機１５及びケー
シング１１を相互に逆回転するようなした装置を以って
、該装置を回動せしめて中空軸１２を通してベントナイ
ト溶液等の所謂のり状溶液を先端噴出孔１３より噴出せ
しめながら地中の削孔作業を開始する。

而して上記のり状溶液は削孔による礫や粘土の掘削土壌
と共に攪拌されながら螺旋翼１４によりケーシング１１
内を上昇し、排土孔１０を通じて地上に排出されるもの
である。

此の際ケーシング１１は回転しながら下降するがケーシ
ング１１の下部の所定長さｌのみや・大径とし且つ両外
側に円弧状縦長鋼板６，６が突設されているので、第５
図の仮線に示す様に之等縦長鋼板６，６の外方突出彎曲
面７，７により削孔した孔壁面ａが摺擦され、この縦長
鋼板６と６の間の下部鋼管１は縦長鋼板６．６の外方突
出彎曲面７，７の回転によって描く円より小径である為
孔壁面ａとの間に断続的に空隙が出来、従って前記のり
状溶液が空間部９，９を通してケーシング１１と孔壁面
ａとの間に容易に滲出され、又ケーシング１１は下部の
所定長さｌを残して上方かや・小径管部３とされている
ので孔壁面との間に遊隙があり、排土孔１０が密着回転
しないので之れからののり状溶液の滲出が容易となり、
のり状溶液がスムーズに孔壁面全般に回り、前記断面円
弧状長鋼板６．６の外方突出彎曲面７，７によるこて作
用により孔壁面全面にのり状溶液を均−且つ強固に塗布
するもので、その作用はケーシング１１の下部の最少限
必要な所定長さｌの範囲のみで行われるものである。

このようにして所期の深さの削孔が完了すると、削孔機
１５と共にケーシング１１を孔内より引上げて既製杭を
孔内に挿入埋設するものである。

本案は上記の様な横取であって、鋼管の下部先端から掘
削に必要最小限の長さｌを残してその上方をや・小径管
部となし、そのｌの範囲内に数段に間欠空間部を設ける
と共に外周の両側に沿って断面円弧状縦長鋼板を溶接し
て外方に突出彎曲面による突条部を形成してなるケーシ
ング内に、中空軸先端に噴出孔を有するスパイラルオー
ガー等の削孔哉を内装して、削孔機とケーシングとを相
互に芯回転しつつ削孔する様にしたものであるから、ケ
ーシング下部の所定長さ範囲内に設けた縦長鋼板の外方
突出彎曲面をなす突条部のみが削孔壁面を摺擦し、周囲
に断続的に空隙が生ずるので、削孔機先端より噴射した
孔壁崩壊防止溶液等ののり状溶液が間欠空間部を経て孔
壁面とケーシングとの間に滲出が極めて容易となり、又
ケーシングの先端の所定長さｌの範囲の下部鋼管外径及
びｌの長さより上方の鋼管外径は縦長鋼板の外方突出彎
曲面の回転によって描く円より小径で削孔壁面との間に
遊隙があり、且つ間欠空間部よりベントナイト溶液等が
遊隙に容易に滲出し潤滑剤の役割りをするので、従来の
如く全長が同心円のケーシング及び下部のみ大径管とし
た鋼管製ケーシングに比べ、土壌との周辺摩擦、抵抗を
著しく減少出来、又全長方向に多大の空間部を設けて縦
長籠体状としたケーシングのような回転に対する捻れが
発生せず、丈夫で且つ排土も良好であり、削孔能率を促
進し得られしかも滲出したのり状溶液は所定長さ範囲の
前記縦長鋼板の外方突出彎曲面によるこて作用により孔
壁面に均−且つ強固に塗り付ける事が出来て削孔壁の損
傷、土砂の落下を極めて小範囲内の摺擦作用で充分に防
止出来、孔壁土砂の落下による既製杭挿入支持地盤の弱
化並びに円滑な挿入を妨げる等の欠点を確実且つ容易に
解消出来る等作業性に優れた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案装置に使用する本考案のケーシングの正面
図で一部を切断する。 第２図は第１図のＥ部の拡大正面図、第３図は第１図Ａ
−Ａ線の断面図、第４図は同Ｂ□Ｂ線の断面図、第５図
は同ＣＣ線の断面図、第６図は本案装置の説明的断面図
。 １・・・・・・鋼管、２・・・・・・段部、３・・・・
・・小径管部、５・・・・・・間欠部、６・・・・・・
断面円弧状縦長鋼板、７・・・・・・外方突出彎曲面、
８・・・・・・帯板、９・・・・・・空間部、１０・・
・・・・排土孔、１１・・・・・・ケーシング、１２・
・・・・・中空軸、１３・・・・・・噴出孔、１５・・
・・・・削孔機。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鋼管の先端から管軸方向に土質に応して掘削に必要最小
   限の長さｌを残しその上方を段部を付してや・小径管部
   となし、此のｌの範囲に上下に所定間隔を置いて数段に
   間欠部を設けると共に、前記ｌの範囲の鋼管の両外側に
   沿って断面円弧状縦長鋼板を溶接して外方突出彎曲面を
   形威し、下部鋼管の径は前記外方突出彎曲面の回転によ
   って描く円より小径となし、前記各間欠部の両袖長鋼板
   にわたり帯板を以って環状に連結して広い空間部を設け
   、更に小径管部に所定間隔を存し排土孔を設けて構成し
   たケーシング内に、中空軸先端に噴出孔を有するスパイ
   ラルオーガー等の削孔機を内装して削孔機とケーシング
   とを相互に逆回転可能ならしめた無騒音、無振動埋設装
   置。