JP3579869B2 - プレボーリング式杭埋設方法およびそれに使用される掘削ロッド - Google Patents

プレボーリング式杭埋設方法およびそれに使用される掘削ロッド Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、地盤に縦孔を掘削した後該縦孔内に鋼管杭、PHC杭、中実コンクリート杭等の既成杭を挿入埋設して基礎杭等を形成するプレボーリング式杭埋設方法およびそれに使用される掘削ロッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の杭埋設方法およびそれに使用される掘削ロッドの一例として、中空ロッドの下端に掘削ヘッドを接続すると共にロッド外周面に多数の撹拌羽根を突設し、上記掘削ヘッド下端にはベントナイト溶液吐出口を設けてなる掘削撹拌ロッドを使用し、まず上記掘削ロッドの回転により地盤に縦孔を掘削しつつ、ロッド下端からベントナイト溶液を吐出して孔壁崩壊を防止しつつ掘進し、所定深さまで掘進したら縦孔下端に拡大孔を掘削すると共に、その内部に固化液を注入して固化液混合ソイルを形成し、ついで上記掘削ロッドを引き抜いた後既成杭を上記縦孔内に挿入して杭下端部を上記固化液混合ソイルに回転圧入し、それにより杭下端部に拡大球根を固着させる方法が知られている。
【0003】
しかし、この従来方法では、えられた杭の鉛直支持力は杭下端の球根に依存しており、杭の原地盤との周面摩擦力が鉛直支持力に反映されることはほとんど期待できない。これを改善するため、上記縦孔内への既成杭の挿入後、該杭の周囲に固化液を注入し、該固化液により杭の原地盤との結合を強める対策が採られたが、大量の固化液を消費するばかりでなく、作業に手間がかかり、作業能率を低下させる欠点があった。
【0004】
また、さきの従来方法では、掘削孔内に吐出されたベントナイト溶液が掘削完了後縦孔内にベントナイト混合泥水として大量に残留し、これが既成杭挿入時に地上に大量に溢出し、そのままでは環境を害うこととなるので、上記溢出泥水を回収して安全に処理する面倒な対策が必要である。さらに、掘削された縦孔内壁面にはボイド、クラック等が露出しているため、これらを通じて、注入されたベントナイト溶液の相当量が無駄に消失してしまう不利益もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本願請求項1の発明は、埋設された既成杭の原地盤との結合を強めて既成杭の周面摩擦力を高めると共に、既成杭の縦孔への挿入時に地上への泥水の溢出を減少させることを課題とし、
【0006】
本願請求項2の発明は、上記請求項1の発明の課題に加え、埋設された既成杭の原地盤との結合をさらに強めてその周面摩擦力をさらに増大させると共に、ボイド、クラック等からの固化液の無駄な消失をおさえることを課題とし、
【0007】
本願請求項3の発明は、上記請求項1または2の発明の課題に加え、埋設された既成杭の鉛直支持力をさらに増大させることを課題とする。
【0008】
また本願請求項4の発明は、上記請求項2の方法発明を有効に実施することのできる掘削ロッドを提供することを課題とし、
【0009】
本願請求項5の発明は、上記請求項3における請求項2に記載の方法発明を有効に実施することのできる掘削ロッドを提供することを課題とする。。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する手段として、本願請求項1の発明は、
縦孔を掘削し、該縦孔内に既成杭を埋設するプレボーリング工法において、
上記縦孔の掘削についで、固化液噴射ノズルから固化液を上記縦孔内周面に噴射させつつ該噴射ノズルを上記縦孔軸心について回転させると共に縦孔軸方向へ移動させ、それにより上記縦孔内周面がわから地盤内に食いこむ固化液の混合した土壌からなる固化液混合ソイル帯を縦孔内周面に沿ってらせん状に連続形成し、
次に、上記縦孔内に、上記固化液混合ソイル帯と接すべき太さの既成杭を挿入し、それにより上記固化液混合ソイル帯の硬化により形成されるほぼらせん状の硬化ソイル帯によって上記既成杭を原地盤と強固に結合する、
プレボーリング式杭埋設方法を提案し、
【0011】
本願請求項2の発明は、
上記請求項1の発明において、上記縦孔の掘削についで、回転塗りコテを上記縦孔内周面にほぼ当接または接近させつつ縦孔軸心について回転させると共に縦孔軸方向へ移動させ、それにより掘削土砂を縦孔内周面に塗りつけつつほぼ平らに均し、
ついで、上記固化液噴射ノズルから固化液を上記縦孔の土砂塗りつけ均し内周面に噴射させつつ該噴射ノズルを上記縦孔軸心について回転させると共に縦孔軸方向へ移動させ、それにより上記縦孔の土砂塗りつけ均し内周面から地盤内に食いこむ固化液混合ソイル帯を縦孔内周面に沿ってらせん状に連続形成する、プレボーリング式杭埋設方法を提案し、
【0012】
本願請求項3の発明は、
上記請求項1または2の発明において、上記縦孔の掘削を支持層まで行い、そこで該支持層に上記縦孔の下端と連続する拡大孔を掘削すると共に該拡大孔内の土砂に固化液を混合して根固め用固化液混合ソイルを形成し、
上記縦孔内への既成杭の挿入時に、該杭の下端部を上記拡大孔内の固化液混合ソイル内に圧入し、それにより上記固化液混合ソイルの硬化によって上記既成杭下端部に固着する拡大球根を形成する、プレボーリング式杭埋設方法を提案する。
【0013】
また本願請求項4の発明は、
ロッド本体の下端に掘削ヘッドを接続し、
上記掘削ヘッドより上方において、上記ロッド本体から上記掘削ヘッドの掘削半径とほぼ同径またはそれより若干小径の複数枚の塗りコテ板を、その板面をほぼ上下に向けた状態で、放射状に突出すると共に、各塗りコテ板の放射突出面を平滑な塗りコテ面に形成し、
上記塗りコテ板の上位または下位に、固化液を放射方向へ噴射すべき固化液噴射ノズルを設けた、
掘削ロッドを提案し、
【0014】
本願請求項5の発明は、
上記請求項4の発明において、上記掘削ヘッドに、上記縦孔よりも大径の拡大孔を掘削する拡大掘り手段および根固め用固化液を上記拡大孔に供給する手段を備えた、掘削ロッドを提案する。
【0015】
上記請求項1の発明において、「上記縦孔の掘削についで、固化液噴射ノズルから固化液を上記縦孔内周面に噴射させ」とは、縦孔を掘削していく過程で、それに追随して掘削したての縦孔の内周面に固化液を噴射していく場合、および所定の縦孔の掘削を完了した後該縦孔内周面に固化液を噴射する場合を含む。
【0016】
上記請求項2の発明において、「上記縦孔の掘削についで、回転塗りコテを上記縦孔内周面にほぼ当接または接近させつつ縦孔軸心について回転させ」とは、縦孔を掘削していく過程で、それに追随して掘削したての縦孔内周面に塗りコテを当接等させつつ回転させる場合、および所定の縦孔掘削を完了した後該縦孔内周面に塗りコテを当接等させつつ回転させる場合のいずれか一方または両方を行う場合を含む。
また、「…塗りつけつつほぼ平らに均し、ついで上記固化液噴射ノズルから固化液を上記縦孔の土砂塗りつけ均し内周面に噴射させ」とは、上記塗りコテで土砂を塗りつけ均していく過程で、それに追随して塗りつけ均したての内周面に固化液を噴射していく場合、および縦孔全長の内周面に土砂の塗りつけ均しが完了した後該内周面に固化液を噴射する場合を含む。
【0017】
上記請求項5の発明において、「拡大掘り手段および根固め用固化液を上記拡大孔に供給する手段」には、根固め用固化液を高圧噴射するノズルであって、その噴射圧力により拡大掘りを行うと同時に固化液の供給を行うもの、開閉自在の拡大刃および根固め用固化液の低圧噴射ノズル、その他種々のものが適宜使用される。
以下図面を参照して本願発明の実施例について説明する。
【0018】
【実施例】
請求項1の方法
まず、使用される掘削装置について説明する。図1、2において、ベースマシン(1)の前端部にリーダマスト(2)を垂直に支持し、該マスト(2)に全長にわたって敷設されたガイドレール(3)、(3)に、モータおよび減速機からなる回転駆動部(4)を摺動自在に支持させると共に、該駆動部(4)をトップシーブ(5)から垂下したワイヤロープにより昇降自在に吊支し、この駆動部(4)の回転出力軸に掘削ロッド(6)の上端を接続してある。
【0019】
使用される掘削ロッド(6)は、中空ロッド本体(7)の下端に、軸外周にらせん掘削羽根を設け、該掘削羽根の下端に多数ビットを突設してなる掘削ヘッド(8)を接続し、ロッド本体(7)の外周に多数の撹拌羽根(9)…を突設し、そして上記掘削ヘッド(8)の掘削羽根下部における外周辺部に固化液噴射ノズル(10)を放射方向へ向けて設置してある。上記ノズル(10)には、ロッド本体(7)および掘削ヘッド(8)の軸に縦通された固化液供給管が接続され、該供給管を経て外部から固化液が所望圧力で圧送される(図示略)。
【0020】
上記駆動部(4)の始動により掘削ロッド(6)を回転させ、図2(イ)のようにその掘削ヘッド(8)により地盤に縦孔を掘削しつつ、掘削土砂は上方へ搬送し、ついで撹拌羽根(9)…によりこれを撹拌破砕しながら掘進していく。
【0021】
所定深さの縦孔(H)が掘削されたら掘削ロッド(6)の回転を停止し、ついで同図(ロ)のように噴射ノズル(10)からセメントミルク等の固化液を本例では中程度の圧力で縦孔(H)内周面に噴射させながら、掘削ロッド(6)を逆回転させつつ上方へ徐々に引抜いていく。
【0022】
上記固化液の噴射により縦孔(H)内周面に食いこむ溝を掘りこみつつ該溝内に固化液とともに縦孔内の掘削土砂を投入し、それにより縦孔(H)内周面がわから原地盤(G)内へ食いこむ固化液混合ソイル塊を形成し、このソイル塊が、掘削ロッド(6)の逆回転と引き抜き移動に伴って、同図(ロ)に点線で示すように縦孔内周面に沿ってらせん状に連続する固化液混合ソイル帯(S)を形成していく。
【0023】
一例として、掘削ロッド(6)の引き抜き速度=1.5m/min、掘削ロッドの回転数=20r.p.mとすると、らせん状固化液混合ソイル帯(S)の1ピッチ=7.5cmであった。
【0024】
上記掘削ロッド(6)を縦孔(H)から引き抜き、縦孔全長の内周面に固化液混合ソイル帯(S)が形成されたら、上記ソイル帯(S)の硬化前に該ソイル帯(S)と接しうる径の本例では鋼管杭からなる既成杭(P)を上記縦孔(H)内に挿入する。
【0025】
上記固化液の噴射は直接縦孔内周面に行われ、該固化液の大半が固化液混合ソイル帯(S)の形成に充当されるから、縦孔底部に残留する余剰液が少量にとどまり、それにより上記既成杭の縦孔(H)内への挿入時に縦孔から、溢出する泥水が少くてすむ。
【0026】
上記ソイル帯(S)が硬化してらせん状硬化ソイル帯(S’)に形成されると、同図(ハ)のように該硬化ソイル帯(S’)が上記既成杭(P)の外周面と原地盤(G)を結合する。この場合上記らせん状硬化ソイル帯(S’)1本の横断面についてみると、同図(ハ)に示すように原地盤(G)に食いこむほぼ山形をなす傾向にあるから、該硬化ソイル帯(S’)は原地盤(G)に対し広い表面積で付着して強固に結合することとなり、しかも本例では、らせん巻きされた硬化ソイル帯(S’)の各ピッチ分が杭(P)がわ端部で互に上下に連結しているから、杭(P)の外周面全面に結合すると共に、該硬化ソイル帯(S’)自身の強度も向上し、これらが相まって杭(P)を原地盤(G)に強固に結合して周面摩擦力を増大させる。
【0027】
請求項2の方法
使用される掘削ロッド(6a)は請求項4の発明によるもので、図3(イ)、(ロ)に示すように撹拌羽根根なしの中空ロッド本体(7a)の下端に第2中空ロッド本体(11a)を、その下端に掘削ヘッド(8a)を順次接続し、上記第2ロッド本体(11a)の外周面に、上記掘削ヘッド(8a)の掘削半径より若干小径で横断面三角形状の一対の塗りコテ板(12a)、(12a)を、その板面を上下方向に向けた状態で直径方向に放射状に突設すると共に、両塗りコテ板の放射突出面を平滑な塗りコテ面(13a)、(13a)に形成し、この塗りコテ板(12a)、(12a)の上位すなわち両塗りコテ板の上端部外側部に固化液噴射ノズル(10a)、(10a)を設け、他の構造は図1、2と実質的に同一である。
【0028】
掘削ロッド(6a)を回転させて掘削を開始すると共に噴射ノズル(10a)、(10a)からセメントミルク等の固化液を中程度の圧力で噴射させると、図3(イ)のようにまず掘削ヘッド(8a)により地盤に縦孔(Ha)を掘削しつつ掘削土砂を上方へ搬送し、ついで回転する塗りコテ板(12a)、(12a)により縦孔(Ha)内の相当量の掘削土砂を縦孔内周面に塗りつけ、次第に相当密度に圧密させると共に表面を平らに均していく。上記土砂の塗りつけにより縦孔に露出するボイド、クラック等を閉塞する。次に、上記の土砂を塗りつけ均された縦孔内周面に、回転する噴射ノズル(10a)、(10a)から固化液が噴射され、それにより縦孔内周面にらせん状の固化液混合ソイル帯(Sa)を形成していく。その際ボイド、クラック等が閉塞されているので、固化液が無駄に消失されることがない。
【0029】
本発明の場合、塗りコテ板(12a)、(12a)により土砂を塗りつけ、平らに均した面に固化液を噴射するので、えられたらせん状固化液混合ソイル帯(Sa)の各ピッチ分の断面形状が全体として均整な山形となる傾向にある。
【0030】
次に、上記掘削ロッド(6a)を引き抜き、上記ソイル帯(Sa)の硬化前に該ソイル帯(Sa)と接しうる径の鋼管杭からなる既成杭(Pa)を同図(ハ)のように上記縦孔(Ha)内に挿入する。
【0031】
上記ソイル帯(Sa)が硬化すると、各ピッチ分の断面形状が均整な山形をなすらせん状硬化ソイル帯(S’a)によって杭(Pa)の全外周面と原地盤(Ga)をほぼ均等な結合力でむらなく強固に結合し、それにより全体としてむらなく周面摩擦力を増大させる。
【0032】
図4は請求項2の発明の他の実施例で、これに使用される掘削ロッド(6b)は、固化液噴射ノズル(10b)を図2の例と同様に掘削ヘッド(8b)に設け、他の構造は図3(イ)、(ロ)と実質的に同一のものである。
【0033】
掘削ロッド(6b)を回転させて図4(イ)のように掘削ヘッド(8b)による縦孔(Hb)掘削と掘削土砂の上方への搬送、および塗りコテ板(12b)、(12b)による土砂の縦孔内周面への塗りつけと均しを行っていく。
【0034】
所定深さの縦孔(Hb)を掘削したら、掘削ロッド(6b)を逆回転させつつ徐々に引き抜くと共に、噴射ノズル(10b)から固化液を中程度の圧力で孔壁面に噴射していく。上記噴射時には、縦孔(Hb)の内周面はさきの縦孔掘進時と引き抜き時の2回にわたり塗りコテ板(12b)、(12b)による土砂の塗りつけと均しを受けているから、かなり高密度に圧密されると共に表面を均整に均されており、従って固化液混合ソイル帯(Sb)の各ピッチ分の断面形状がさらに均整となる。
【0035】
掘削ロッド(6b)の引き抜き後同図(ハ)のように既成杭(Pb)を挿入する。上記ソイル帯(Sb)が硬化すると、各ピッチ分の断面形状が均整ならせん状硬化ソイル帯(S’b)が形成され、それによって杭(Pb)と原地盤(Gb)を均整な結合力でむらなく強固に結合する。
【0036】
請求項3の方法
これに使用される掘削ロッド(6c)は請求項5の発明よるもので、図5に示すように拡大掘り用固化液高圧噴射ノズル(14c)を掘削ヘッド(8c)の下部に備え、他の構造は図4(イ)、(ロ)と実質的に同一のものである。
【0037】
上記掘削ロッド(6c)の回転により図4(イ)と同様に縦孔(Hc)の掘削と、縦孔内周面への土砂の塗りつけ均しを行っていき、掘削ヘッド(8c)が支持層(G’c)に若干食いこんだら、そこから拡大掘り用噴射ノズル(14c)よりセメントミルク等の固化液を高圧で放射方向へ噴射しながら支持層(G’c)内へさらに掘進していき、それにより図5(イ)のように上記固化液の高圧噴射により支持層に上記縦孔(Hc)より大径の拡大孔(Rc)を掘削すると共に、該拡大孔(Rc)内の掘削土砂に固化液を混合して根固め用固化液混合ソイル(Wc)を形成する。
【0038】
所定深さの拡大孔(Rc)と混合ソイル(Wc)を形成したら、掘削ヘッド(8c)を拡大孔(Rc)から引き上げ、その位置から同図(ロ)のように噴射ノズル(10c)より固化液を縦孔(Hc)内周面に中程度の圧力で噴射させながら、掘削ロッド(6c)を逆回転させつつ徐々に引き抜いてらせん状固化液混合ソイル帯(Sc)を形成する。
【0039】
掘削ロッド(6c)の引き抜き後、上記根固め用混合ソイル(Wc)およびらせん状混合ソイル帯(Sc)の硬化前に、図6のように中空コンクリートの既成杭(Pc)を縦孔(Hc)内に挿入し、その下端部を上記根固め用混合ソイル(Wc)内に圧入する。上記混合ソイル(Wc)の硬化により拡大球根(W’c)が形成され、該球根が杭(Pc)の下端部に固着され、また上記混合ソイル帯(Sc)の硬化により上記各例と同様にらせん状硬化ソイル帯(S’c)が杭(Pc)の全外周面を原地盤(Gc)に結合して強固な周面摩擦力を杭に付与し、それらが相まって杭(Pc)の鉛直支持力をさらに強化する。
【0040】
【発明の効果】
本願請求項1の発明によれば、縦孔の掘削についで該縦孔内周面にらせん状固化液混合ソイル帯を形成し、これを、縦孔内に既成杭の挿入後に、原地盤に食いこんで該原地盤に広い表面積で付着するらせん状硬化ソイル帯に硬化させることにより、上記既成杭を原地盤に強固に結合させることができ、それにより埋設された既成杭の周面摩擦力を増大させ、杭の鉛直支持力の向上を実現できるのである。また本発明によれば、固化液の噴射は直接縦孔内周面になされ、該固化液の大半を固化液混合ソイル帯の形成に充当するから、既成杭の縦孔内への挿入時に地上に溢出する泥水を少量に止めることができる利点がえられる。
【0041】
本願請求項2の発明によれば、上記請求項1の発明の効果に加え、掘削後の縦孔内周面に塗りコテにより土砂を圧密に塗りつけつつほぼ平らに均し、ついで該土砂塗りつけ均し面に固化液を噴射することにより、原地盤に食いこむ各断面形状がほぼ均整ならせん状固化液混合ソイル帯を形成することができ、それにより全長にわたってほぼ均整な断面形状のらせん状硬化ソイル帯によって既成杭の全周面を原地盤にむらなくほぼ均等な結合力で強固に結合させることができ、それに伴い既成杭の周面摩擦力をさらに増大させ、杭の鉛直支持力のさらなる向上を実現できる。また本発明によれば、土砂の塗りつけ均しにより縦孔内に露出するボイド、クラック等を閉塞することができ、それにより噴射される固化液のそれらからの無駄な消失を阻止することができる利点もある。
【0042】
本願請求項3の発明によれば、上記請求項1または2の発明の効果に加え、挿入された既成杭の下端部に拡大球根を形成することにより、埋設された既成杭の鉛直支持力をさらに向上させることができる。
【0043】
本願請求項4の発明によれば、上記請求項2の発明を有効に実施することができる。
【0044】
本願請求項5の発明によれば、上記請求項3の発明を有効に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】掘削装置の側面図である。
【図2】請求項1の発明の実施例を示し、
(イ)掘進工程の一部の断面図である。
(ロ)引き抜きおよび固化液噴射工程の同上断面図である。
(ハ)既成杭挿入工程の同上断面図である。
【図3】請求項2の発明の実施例を示し、
(イ)掘進および固化液噴射工程の一部の断面図である。
(ロ)塗りコテ板部の拡大横断面図である。
(ハ)既成杭挿入工程の一部の断面図である。
【図4】請求項2の発明の他の実施例を示し、
(イ)掘進工程の一部の断面図である。
(ロ)引き抜きおよび固化液噴射工程の同上断面図である。
(ハ)既成杭挿入工程の同上断面図である。
【図5】請求項3の発明の実施例を示し、
(イ)拡大掘り工程の一部の断面図である。
(ロ)引き抜きおよび固化液噴射工程の同上断面図である。
【図6】既成杭挿入および根固め工程の同上断面図である。
【符号の説明】
6、6a、6b、6c 掘削ロッド
7、7a、7b、7c ロッド本体
8、8a、8b、8c 掘削ヘッド
10、10a、10b、10c 固化噴射ノズル
12a、12b、12c 塗りコテ板
13a、13b、13c 塗りコテ面
14c 拡大掘り用固化液高圧噴射ノズル
H、Ha、Hb、Hc 縦孔
P、Pa、Pb、Pc 既成杭
S、Sa、Sb、Sc らせん状固化液混合ソイル帯
S’、S’a、S’b、S’c らせん状硬化ソイル帯
G、Ga、Gb、Gc 原地盤
G’c 支持層
Rc 拡大孔
Wc 根固め用固化液混合ソイル
W’c 拡大球根

Claims (5)

  1. 縦孔を掘削し、該縦孔内に既成杭を埋設するプレボーリング工法において、
    上記縦孔の掘削についで、固化液噴射ノズルから固化液を上記縦孔内周面に噴射させつつ該噴射ノズルを上記縦孔軸心について回転させると共に縦孔軸方向へ移動させ、それにより上記縦孔内周面がわから地盤内に食いこむ固化液の混合した土壌からなる固化液混合ソイル帯を縦孔内周面に沿ってらせん状に連続形成し、
    次に、上記縦孔内に、上記固化液混合ソイル帯と接すべき太さの既成杭を挿入し、それにより上記固化液混合ソイル帯の硬化により形成されるほぼらせん状の硬化ソイル帯によって上記既成杭を原地盤と強固に結合する、
    プレボーリング式杭埋設方法。
  2. 上記縦孔の掘削についで、回転塗りコテを上記縦孔内周面にほぼ当接または接近させつつ縦孔軸心について回転させると共に縦孔軸方向へ移動させ、それにより掘削土砂を縦孔内周面に塗りつけつつほぼ平らに均し、
    ついで、上記固化液噴射ノズルから固化液を上記縦孔の土砂塗りつけ均し内周面に噴射させつつ該噴射ノズルを上記縦孔軸心について回転させると共に縦孔軸方向へ移動させ、それにより上記縦孔の土砂塗りつけ均し内周面から地盤内に食いこむ固化液混合ソイル帯を縦孔内周面に沿ってらせん状に連続形成する、上記請求項1に記載のプレボーリング式杭埋設方法。
  3. 上記縦孔の掘削を支持層まで行い、そこで該支持層に上記縦孔の下端と連続する拡大孔を掘削すると共に該拡大孔内の土砂に固化液を混合して根固め用固化液混合ソイルを形成し、
    上記縦孔内への既成杭の挿入時に、該杭の下端部を上記拡大孔内の固化液混合ソイル内に圧入し、それにより上記固化液混合ソイルの硬化によって上記既成杭下端部に固着する拡大球根を形成する、上記請求項1または2に記載のプレボーリング式杭埋設方法。
  4. ロッド本体の下端に掘削ヘッドを接続し、
    上記掘削ヘッドより上方において、上記ロッド本体から上記掘削ヘッドの掘削半径とほぼ同径またはそれより若干小径の複数枚の塗りコテ板を、その板面をほぼ上下に向けた状態で、放射状に突出すると共に、各塗りコテ板の放射突出面を平滑な塗りコテ面に形成し、
    上記塗りコテ板の上位または下位に、固化液を放射方向へ噴射すべき固化液噴射ノズルを設けた、
    掘削ロッド。
  5. 上記掘削ヘッドに、上記縦孔よりも大径の拡大孔を掘削する拡大掘り手段および根固め用固化液を上記拡大孔に供給する手段を備えた請求項4に記載の掘削ヘッド。
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