JPH0240151Y2 - - Google Patents

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JPH0240151Y2
JPH0240151Y2 JP1985099449U JP9944985U JPH0240151Y2 JP H0240151 Y2 JPH0240151 Y2 JP H0240151Y2 JP 1985099449 U JP1985099449 U JP 1985099449U JP 9944985 U JP9944985 U JP 9944985U JP H0240151 Y2 JPH0240151 Y2 JP H0240151Y2
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auger
hole
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outer diameter
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Description

【考案の詳細な説明】 〈技術分野〉 この考案は、地盤に対する穴の掘削用オーガー
に関し、各種建築物や構築物の基礎杭を埋め込む
為に地盤に掘削する、杭穴等の垂直穴を掘削する
ために使用する、回転自在な掘削用オーガーに関
している。
〈従来技術〉 地盤に対して、上記したような垂直穴を掘削す
る方法としては、従来アースドリル、ベノト等に
よる施工方法があるが、何れも掘削装置が大掛り
になつて、施工コストが高くつき、比較的小径の
穴や浅い穴を掘削する場合には、不便なものであ
つた。
特に、地盤耐力の小さい地盤、即ち軟弱地盤等
においては、地盤に堅い岩や礫等は含まれていな
い場合がほとんどであるから、掘削に要する力は
小さくて済み、上記した大掛りな装置を使用せず
とも、簡単なドリル等でも掘削は可能になるはず
である。
ところが、上記軟弱地盤等では、掘削した穴の
壁が崩れ易く、数メートル以上の深さで掘削を行
うと、穴壁が崩れて正確な穴形状が得られず、満
足のいく穴が掘削できない問題がある。
例えば、第6図および第7図には、電柱等の建
て込みに使用する、穴堀建柱車のオーガーaを使
用して、軟弱地盤Eに穴hを掘削した場合を示し
ている。即ち、オーガーaを回転させながら、地
盤E内に捩込んで掘削すると、第6図に示すよう
に、地盤Eに捩込んだオーガーaの先端によつ
て、穴h部分の土が削り取られる際に、穴h周辺
の地盤eも撹乱され、地中における圧密状態から
開放されて、もともと軟弱な地盤が、さらに軟弱
で崩れ易くなつてしまう。
また、第7図に示すように、オーガーaを抜き
上げ、掘削土mを排土しようとすると、オーガー
a下部に形成される穴h内の空間が減圧状態にな
り、穴周辺の軟弱な地盤層eの一部が崩れ落ち
て、穴hの底に残土s(スライム)となつて溜る。
また、地盤Eに地下水がある場合には、減圧状態
の空間に周辺から地下水を吸い込む作用もあり、
穴h周辺の地盤eがさらに軟弱になつて、穴h内
に大量に落ち込み、残土sが増えることになる。
即ち、上記掘削方法の問題点としては、穴周辺
の地盤eが撹乱されて、圧密状態の地盤が緩んで
しまうこと、穴壁の崩れが多く、所定寸法の穴h
が得られず、穴形状が不正確になること、穴壁の
崩れによつて排土量が多くなること、穴底に溜る
残土sが多くなり、その残土sの排出も困難なこ
と等があり、このままでは、実用不可能である。
そして、上記掘削方法の問題点を解決するため
には、穴内に適宜ケーシングを挿入したり、穴内
に注水して、穴内の水位を常に地盤面よりも高く
保ちながら掘削作業を行つて、穴壁の崩れを防ぐ
等、穴壁の崩れを防止するための、特別な手段を
施さなければならず、結局従来の大掛りな施工方
法と同じような手間や設備を要することになる。
また、上記改善策のうち、穴内に水やベントナ
イト混合水等を注入して、穴壁を加圧状態に維持
する方法は、水等の注入排出装置が大掛りにな
り、特に土と一緒になつて排出される、泥水等の
廃液は、周辺環境に漏出して公害を発生させるこ
とがないように、確実に回収しなければならず、
設備コストが高くつく欠点がある。また、上記水
等が地盤内に浸入すると、却つて周辺の地盤を軟
弱化する結果になり、複数の穴を並設して掘削す
る場合には、先に掘削した穴に隣接して、新たな
穴を掘削することが困難になる問題もあつた。
〈目的〉 そこで、この考案の目的としては、上記従来技
術の問題点を解消し、掘削した穴壁の崩れが少な
く、しかも簡単かつ低コストで掘削できる、オー
ガーを提供することにある。
〈構成〉 そして、上記目的を達成するための構成として
は、オーガー下端に、土を穴壁側に押し付ける圧
密板を設けてあり、該圧密板は、オーガー下端か
ら上方へ向けて拡開状に掘削部外周に取付けられ
てなる傾斜部と、掘削した土を上方へ送り上げる
リード部の外径に沿つて直立状に取付けられてな
る垂直部とから形成されていることを特徴として
いる。
〈実施例〉 次いで、この考案の実施例について、図を参照
しながら以下に説明する。
第1図〜第3図に示すオーガー1は、通常の穴
堀建柱車に装備されているものと、基本的には略
同様の構造を有し、回転軸10の下方に、中空の
オーガー軸11を取付け、オーガー軸11の下部
先端には、尖鋭に突出形成した錐先部12が設け
てあり、この錐先部12を地盤に突き刺すことに
よつて、オーガー1全体が垂直に掘削降下するよ
うにガイド作用を果す。錐先部12の上部には、
半径方向に水平に延出した、一対の切刃部13が
設けてあり、切刃部13の外周端部には、先端の
尖つた掘削爪14が設けてある。この掘削爪14
および切刃部13で、穴底の土を削り取つて掘削
する。なお、上記切刃部13および掘削爪14か
らなる掘削部の外径は、掘削する穴径よりも少し
小さく形成してある。また、切刃部13の上部に
は、掘削する穴径と略同一外径で、螺旋状に巻回
形成された薄板状のリード部15を設けてあり、
オーガー1の回転に伴つて、掘削した土をリード
部15の螺旋形状に沿つて、上方へ送り上げる。
上記したオーガー1の基本構造については、通
常のオーガーと同様の構造で実施でき、錐先部1
2等の形状は適宜変更可能である。
次に、2は曲面板状の圧密板であり、切刃部1
3と掘削爪14からなる掘削部、およびリード部
15の外周に、直径方向で相対向する2個所に設
けてあり、圧密板2の下端は切刃部13の外径に
沿つた略弧状をなし、この下端から上方へ向けて
拡がつた傾斜部20と、傾斜部20の上端に連成
されて、略リード部15の外径に沿つた垂直部2
1とを形成してある。従つて、圧密板2の下端は
掘削部、即ち切刃部13の外径HIと略同一径で、
圧密板2の上部はリード部15の外径、即ち掘削
する穴の外径HOと略同一径になる。さらに、図
示した圧密板2では、第3図に示すように、圧密
板2の周方向において、オーガー1の回転方向に
対して、先端側になる部分が、後端側になる部分
よりも、少し内側に入り、先端側から後端側に向
けて、周方向に沿つて外径が大きくなつて、後端
部分が掘削する穴の外径と同一になるように形成
している。この外径の変化によつて、圧密板2を
穴壁に対して滑らかに押し付けることができ、地
盤に対する圧密効果が向上する。
次に、オーガー軸11の上端付近には、中心部
に形成された中空部に通じる、圧縮ガスの導入口
16を形成し、オーガー軸11の下端には中空部
に通じて、切刃部13付近に開口する圧縮ガスの
吹き出し口17が形成してある。そして、圧縮ガ
スの導入口16にはゴムホース30の一端を接続
し、ゴムホース30の他端は、回転軸10に取付
けたロータリージヨイント31に接続してある。
また、ロータリージヨイント31には、圧縮ガス
の供給源に接続された供給配管32が連結してあ
る。従つて、圧縮ガスを、供給配管32から、ロ
ータリージヨイント31、オーガー軸11の中空
部を経て、吹き出し口17からオーガー1の先端
に、吹き出し自在に構成している。なお、ロータ
リージヨイント31は、掘削作業中、常時回転し
ているオーガー1に対して、圧縮ガスを供給する
ために、ゴムホース30側はオーガー1と共に回
転し、供給配管32側は静止したままで、互いに
摺動可能に形成してあつて、内部空間を圧縮ガス
が通過可能に構成したものである。
以上のような構造を有する掘削装置を使用す
る、穴の掘削方法について、第4図および第5図
によつて説明する。
まず、第4図に示すように、オーガー1全体を
回転させながら、目的の地盤4に捩込むと、通常
のオーガーと同様に、先端の錐先部12が地盤4
に突き刺さり、掘削爪14および切刃部13から
なる掘削部で土を削り取つて、掘削土40をリー
ド部15の螺旋に沿つて、オーガー1の上方に送
り上げながら、オーガー1自体は徐々に下降して
いく。
そして、従来の掘削方法であれば、切刃部13
周辺の土は、掘削時に撹乱されて圧密状態から開
放されるが、図示した実施例では、掘削部におい
ては、切刃部13の外径分の土のみを掘削し、切
刃部13の周辺の土は、オーガー1の下降に伴
い、圧密板2のうちの傾斜部20に沿つて、徐々
に外周側に押し付けられ、最終的には垂直部21
の外径に相当するまで、外周の地盤4側に押し付
けられて圧密状態になつて、穴41の内壁を構成
するので、穴壁周辺には圧密状態から開放された
軟弱層は形成されず、穴壁より外方の地盤4全体
が圧密状態のままで維持される。
圧密板2は、オーガー1の下端から上方へ向け
て拡がつた状態で、切刃部13等の掘削部外周に
取付けられてなる傾斜部20と、掘削した土を上
方へ送り上げるリード部15の外径に沿つて直立
状に取付けられた垂直部21とからなり、圧密板
2は、その外径を周方向で、変化させてなるもの
ゆえ、削土は、オーガー1の下降に伴い、圧密板
2のうちの上記傾斜部20によつて、徐々に外周
側に押し付けられ、最終的には垂直部21の外径
に相当するまで外周の地盤4側に押し付けられ、
圧密状態となり、穴41の内壁を構成する。
したがつて、圧密板2を上記のように傾斜部2
0と垂直部21で形成し、圧密板2の外径を周方
向で変化させてなるこの考案の穴掘削用オーガー
によれば、削土を無理なくスムーズに外周側に押
し付けることができ、穴壁周辺には圧密状態から
開放された軟弱層は形成されず、穴壁より外方の
地盤4全体を圧密状態のままで維持できるものと
なる。
こうして、オーガー1を所定の深さまで地盤4
に捩込んで、穴41を掘削した後、第5図に示す
ように、オーガー1を抜き上げて、リード部15
上方に溜つた掘削土40を地上に排出する。
そして、穴41の下部が密閉された状態のまま
でオーガー1が抜き上げられるので、穴41下方
の掘削土40が排出された後の空間が、減圧状態
になつてしまうので、オーガー1先端の圧縮ガス
吹き出し口17から、圧縮空気等の圧縮ガスを吹
き出して、穴41内の空間に圧縮ガスを充填補給
し、穴41内が減圧状態にならず、常に加圧され
た状態になるようにしておく。
オーガー1を完全に抜き上げて、掘削土40を
排出してしまえば、穴の掘削工程は終了し、圧縮
ガスの供給も停止する。但し、実際の穴41の掘
削では、同一の穴41位置で上記掘削工程を繰り
返して、より深い穴41を掘削する。
以上に述べた、この考案のオーガーを使用する
掘削方法のうち、圧縮ガスとしては、圧縮空気を
使用すれば、通常の建設現場にある、エアコンプ
レツサー等の供給源を利用できて、特別な装置が
いらず、コスト的にも安価になるので好適である
が、建築施工に使用される、汎用の窒素ガス、そ
の他のガスを使用してもよい。
圧縮ガスの加圧圧力としては、穴41の内壁が
崩れない為には、穴底の土圧以上に加圧しておけ
ばよいが、具体的には、地盤4の性質や穴41の
深さによつて異なる。一般的には、土の密度は約
2.8g/cm3以下であるが、余裕をみて3g/cm3
想定し、この密度分が穴底に土圧として加わつて
いるとすれば、 穴底にかかる土圧 (推定最大値)Kg/cm2=3g/cm3×穴の深さ
(m)×10-1 となり、例えば、穴の深さ4mで1.2Kg/cm2、深
さ10mでも3.0Kg/cm2であり、この土圧程度の圧
力で加圧すればよいことになるので、圧縮空気源
として、前記したエアコンプレツサーで充分に供
給できる圧力である。
なお、圧縮ガスの供給時期としては、オーガー
1を抜き上げる際に、穴1内が減圧状態になつて
穴壁が崩れないようにする為には、上記抜き上げ
時のみに、圧縮ガスを供給すればよいが、オーガ
ー1を下降させる掘削工程においても、圧縮ガス
をオーガー1の先端から吹き出し、周辺の地盤層
を加圧しておけば、地盤層が圧密状態から開放さ
れ難くなる為、穴41の周辺地盤が軟弱化するの
を防止する効果がある。
また、圧密板2の幅や長さについては、圧密板
2の面積が広くなる程、周辺の地盤4を押し付け
易いが、圧密板2の面積が広くなり過ぎると、オ
ーガー1の回転抵抗が増加したり、重量も増大す
るので、通常の施工では、幅が100〜160mm程度、
長さはリード部15の1ピツチ分程度に形成して
おくのが好ましい。
圧密板2の形成位置および形成個数としては、
1枚だけでも、地盤4に対する圧密効果はある
が、図示したように、複数枚の圧密板2をオーガ
ー1の中心に対して対称的に配置するのが、オー
ガー1がブレたりせず、地盤4に対して平均的に
押し付けることができ、穴41の芯ズレを防いで
垂直度を正確に施工でき、好ましい実施となる。
なお、図では2枚の圧密板2を取付けているが、
3枚以上でも勿論実施可能である。但し、圧密板
2を複数枚設ける場合でも、掘削土40を排土す
るためのリード部15については、従来通り1条
で充分である。
そして、穴41に対する圧密量の割合は、掘削
部となる切刃部13の外径HI、または圧密板2
の下端外径と、穴径HO、即ちオーガー1のリー
ド部15の外径または圧密板2の上端外径との比
で表され、圧密割合を多くする程、地盤層が外周
側に強く押し付けられて、堅く崩れ難い圧密状態
になり、掘削土40による排土も少なくなるが、
それに伴つて掘削に要するオーガー1の回転トル
ク、およびオーガー1を下降させるための軸力が
大きくなつてしまい、施工装置の能力として過大
なものが必要になつたり、大きな掘削抵抗によつ
てオーガー1が偏心し、穴41の垂直度が低下す
る等の問題が生じる。従つて、具体的な圧密割合
の設定は、掘削する土の性状、例えば剪断強さ、
空隙比、含水比等を検討して決定しなければなら
ない。
一般的な施工においては、穴41の内面形状と
切刃部13の外形との面積比を圧密比とすれば、 圧密比=[HI2/HO2]=1.2〜2.0 程度の範囲で実施するのが好ましい。
以上に述べた掘削方法のうち、最終的に形成さ
れる穴41の穴壁を崩さないためには、オーガー
1の抜き上げ時における、圧縮ガスの吹き込みは
有効であるが、地盤4の状態等によつては、圧縮
ガスの吹き出しを行わない場合もある。
また、この考案のオーガー1は、先に例示した
穴堀建柱車のオーガーを使用する方法だけでな
く、同様の構造を有するオーガーを使用する掘削
方法、例えばアースオーガーマシンやボーリング
マシン等による掘削施工にも適用できるものであ
る。例えば、アースオーガーマシンによる掘削施
工の場合、従来はオーガー先端からペントナイト
混合水等の掘削液を注入して、掘削土を掘削液と
共に地上に排出していたが、この掘削液の代り
に、圧縮ガスを吹き込めば、より一層好適であ
る。従つて、圧縮ガスは掘削工程中、常時吹き込
むことになる。
さらに、この考案のオーガー1で掘削する穴4
1としては、小規模な建築物、例えば一般住宅等
の基礎杭となる、比較的小さな内径で浅い垂直孔
を、軟弱な地盤に掘削する場合に、最も有効なも
のであるが、その他種々の建築あるいは土木施工
において必要とされる、各種の穴の掘削にも適用
できるものである。
〈効果〉 以上のごとく構成された、この考案のオーガー
1によれば、オーガー1の先端に圧密板2を設け
ておくことによつて、掘削した土の一部を穴壁の
外周側に押し付けて圧密することができるので、
穴壁周辺の土が軟弱化することがなくなり、穴壁
の崩れを防ぐことができる。また、圧密板2で土
を押し付けて穴壁を形成するので、穴41の内面
形状は圧密板2の形状に沿つて非常に正確に形成
され、堅く強度的に優れると共に正確な形状の、
良好な穴41を掘削することができる。
しかも、圧密板2を設けることによつて、切刃
部13等の掘削部の外径HIを、穴41の外径HO
よりも小さくできるので、掘削土40が減少し、
排土量も少なくて済むので、地上に排出した掘削
土40の処分コストも低減されることになる。
〈実験例〉 上記した、この考案の効果を実証するために、
具体的にオーガー1を製作して、地盤に対する穴
の掘削を行つた。
施工地盤4としては、標準貫入試験によるN値
=0〜3であり、特に、地表GLより2m付近は
有機質を多く含む極軟弱層で、N値は0であつた
(地下水位はGL−700mm)。
また、上記極軟弱層を除き、深さ5m程度まで
の土の性状は、以下の通りである。
一軸圧縮強度=0.4Kg/cm2 含 水 比 =148wt% 湿潤体積重量=1.25g/cm3 間 隙 比 =4.05 比較例 穴堀建柱車(愛知車両製D−705E型)に、オ
ーガーとして、外径350φ、オーガー軸全長(穴
堀建柱車の回転軸を含む)、リード部のピツチ
(軸方向)0.2mのものを取付け、最終掘削深さ4
mを目標にして、掘削を開始した。
掘削途中で、GL−3mまでオーガーを捩込ん
で排土すると、地下水を多量に含んだ周辺の土が
流入してきて、穴底はGL−2mより深くならず、
穴径のみが拡大し、穴周辺の大規模な崩壊の恐れ
が発生した。掘削作業を中止し、穴内にコンクリ
ートを流し込んで固化させ、穴の形状を測定した
ところ、地下水を含む軟弱層で穴壁が大きく崩れ
て流動化してしまい、それ以上の掘削が不可能に
なつたことが判明した。
従つて、このような軟弱地盤に対しては、通常
のオーガーでは、掘削不可能である。
実験例 次に、第1図〜第3図に示す構造の圧密板2を
取付けて、他の条件は比較例と同一条件で掘削し
た。従つて、オーガー先端からの圧縮ガスの吹き
出しは行つていない。
また、穴径350mmφ、切刃部外径310mmφで、圧
密比は1.27で実施した。
穴が浅い段階では問題は無いが、GL−4mま
でオーガーを捩込んで、抜き上げた際に、GL−
1.5m付近以下で、穴壁の崩れが発生し、穴底に
約500mm程度の残土(地下水と混じつた泥水)が
残つた。
従つて、比較例に比べて、圧密板2の効果が顕
著に発揮でき、充分に実用可能であることが、判
明した。
実験例 実験例の圧密板2を装着したオーガー1に、
吹出し口17を形成して、圧縮ガスを吹き出し可
能に構成して、掘削を行つた。なお、圧縮ガスの
吹き出しは、オーガー1の抜き上げ時のみ、オー
ガー1にエアホースを接続して、圧力2.5Kg/cm2
の圧縮空気を吹き出した。
掘削作業は、最終の穴深さ4mまで何ら問題無
く行え、穴形状としては、GL−1.5m,−2m付
近に若干の崩れが発生したが、残土もなく、良好
な穴が掘削できた。
従つて、圧密板2に加えて、圧縮ガスの吹き出
し口17を設けておくことの効果が、極めて優れ
たものであることが実証できた。
実験例 さらに、上記実験例のオーガー1および圧密
板2に代えて、切刃部外径250mmφのものを作成
した。また、穴堀建柱車の回転軸10に、第1図
に示すような、ロータリージヨイント31を取付
けて、圧縮空気配管32を接続したままで、掘削
作業を行えるようにした。圧縮空気の加圧圧力
は、2.5Kg/cm2で、オーガー抜き上げ時のみ吹き
出す方法と、掘削作業中常時吹き出す方法の、両
方で掘削を行つた。
合計4本の穴を掘削したが、何れも穴底の残土
は100mm以下で、穴壁の崩れもほとんど無く、前
記実験例と同様に、良好な穴が得られた。ま
た、排土量は実験例の約1/2で、圧密板2によ
る排土量の削減効果も実証できた。
従つて、この実験を行つた地盤の場合、実験例
の圧密比1.27に比べて、この実験例の圧密比
1.96のほうが、良い結果が得られることが判明し
た。
なお、圧縮空気の吹き出しは、オーガー1の抜
き上げ時のみでも、常時吹き出しでも大差なく、
何れの場合も良好な結果が得られた。
【図面の簡単な説明】
図はこの発明の実施例を示すものであり、第1
図はオーガーの断面図、第2図は先端部分の拡大
斜視図、第3図は底面図、第4図および第5図は
順次施工状態を示す断面図、第6図および第7図
は従来例の施工状態を順次示す断面図である。 1……オーガー、11……オーガー軸、13…
…切刃部、17……圧縮ガス吹き出し口、2……
圧密板、4……地盤、41……穴。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 1 オーガー下端に、土を穴壁側に押し付ける圧
    密板を設けてあり、該圧密板は、オーガー下端
    から上方へ向けて拡開状に掘削部外周に取付け
    られてなる傾斜部と、掘削した土を上方へ送り
    上げるリード部の外径に沿つて直立状に取付け
    られてなる垂直部とから形成されていることを
    特徴とする地盤に対する穴の掘削用オーガー。 2 掘削部の外径を穴径よりも小さく形成し、圧
    密板の下端外径を掘削部の外径と同一に形成
    し、圧密板の上端外径を穴径と同一に形成して
    いる上記実用新案登録請求の範囲第1項記載の
    地盤に対する穴の掘削用オーガー。 3 掘削部の外径Hlと穴径Hoとから、[(Hl)2
    (HO)2]で表される圧密比が、1.2〜2.0の範囲
    にある上記実用新案登録請求の範囲第1項記載
    の地盤に対する穴の掘削用オーガー。 4 オーガー先端に、圧縮ガスの吹き出し口を設
    けている上記実用新案登録請求の範囲第1項記
    載の地盤に対する穴の掘削用オーガー。
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