JPS5921322Y2 - ボ−ルねじ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は例えば工作機械などに使用されるボールねし
に関するものである。

従来ボールねしは工作機械のテーブルなどの送りの際、
送りを円滑に行なうために使用されているが、この種の
ものは軸方向に比較的大きな荷重が加わるものを対象と
しているため、ねじ軸に嵌合されるナツトに設けた鋼球
の循環路が著しく長く形成されている。

すなわち、ねじ軸の谷部と鋼球との接触面積を多くして
推力を高めるようにしていた。

したがって、その循環路の構成が複雑であって、その製
作に多くの時間を必要とし、かつ長い循環路内に多くの
鋼球を挿入しなければならなず、多くの材料を必要とし
て製品が高価になるなどの多くの欠点があった。

さらに最近の工作楠械なとでは荷重が小さな機械が多く
なり、推力をそれ程高くする必要がなく、このようなも
のに使用する簡単なものがなかった。

この考案は上記従来のもののもつ欠点を排除し、構成が
著しく簡単であって、製作が容易で製品を安価に提供す
ることができるものでありながら、鋼球を大径のものに
することによりかなりの高推力を必要とするものにも使
用することができるボールねじを提供することを目的と
するものである。

この考案を図面に示す実施例を参照しながら説明する。

第１図はこの考案のボールねじの一実施例を示す斜視図
、第２図はナツトの側面図、第３図はカバ一部材を取外
した状態のナツトを示す側面図、第４図は要部の縦断面
図である。

各図において１はボールねしであって、このボールねじ
１はねじ軸２とナツト３とを具備している。

前記ねじ軸２は歯先４ａが幅広に形成されている角ねし
、台形ねし、丸ねじ等が使用できる。

前記ナツト３にはねじ軸２を貫通する貫通孔５が形成さ
れているとともに前記ナツト３の一側面６ （ねじ軸２
の軸線方向と交叉する方向）はねじ軸２のリード角とほ
ぼ同一角度に形成されている。

この一側面６には貫通孔５の外周部であって、かつ前記
貫通孔５の一部に開口部７を有する円形の循環路８が側
面６に沿って形成されている。

この円形の循環路８内には複数個の鋼球９が嵌合されて
いて、その鋼球９の一部であって、かつその一部の鋼球
の一部分が前記開口部７より貫通孔５内に突出している
。

そしてこの突出部がナツト３の貫通孔５内に挿入される
わし軸２の谷部４ｂに係合されることとなる。

また前記ナツト３の側面６の貫通孔５を挾んだ相対向す
る位置には位置決め用のピン１０，１０がそれぞれ設け
られているとともにこれらのピン１０．１０に近接した
位置にねし穴１１．１１がそれぞれ形成されている。

前記ナツト３の円周方向の一部循環路８の開口部７に対
応する位置には切欠部１３が形成されている。

さらに前記ナツト３の一側面６の外方にはカバ一部材１
４が貫通孔１２にねじなどの緊締具１５を介して固着さ
れて、ナツト３に設けた円形の循環路８内に挿入された
複数の鋼球９が外方に飛出すのを防止しており、循環路
８内に挿入された複数の鋼球９は循環路８内において自
転および公転することとなる。

また前記カバ一部材１４の一側面１６は前記ナツト３の
一側面６と軸線方向とのなす角がほは′同一角度に形成
されていて、ナツト３にカバ一部材１４を取付けた状態
においては円柱形状をなすように構成されている。

さらにカバ一部材１４の一側面１６側には前記ナツト３
の一側面６に設けた一対の位置決め用ピン１０、１０を
嵌合する嵌合孔１７．１７が貫通孔１８を挾んだ相対向
する位置にそれぞれ形成されている。

１９はカバ一部材１４の外周部に設けた切欠部である。

このボールねじの組付けは、ねじ軸２にナツト３を螺合
させた状態で循環路８内に鋼球９を配置し、カバ一部材
１４を位置決め用ピン１０を利用してナツト３に挿入し
て鋼球９を挾み、ねじ止めすることによって行なわれる
。

なお上記実施例においては、ナツト３の環状の循環路８
を円形に形成したものを示しているがこれに限定するも
のではなく、内部に挿入される鋼球が自転および公転す
ることができるものであれば適宜の形状とすることがで
きるものであり、またナツト３とカバ一部材１４との分
離面をねじ軸２のリード角とほは゛同一に形成したもの
について述べているが、これに限定するものではなく、
鋼球９を挿入する環状の循環路８がほぼねし軸２のノー
ド角とほぼ一致していればよく、その分離面は必らずし
も一致させる必要は全くないものである。

さらに環状の循環路８およびこれに挿入される鋼状の大
きさはそれぞれ適用する工作機械などの種類に合せて適
宜決定されるものである。

上記のように構成したボールねじ１を工作機械などの送
り装置に使用する場合には、例えばナツト３及びカバ一
部材１４の両切大部１３及び１９を下にして固定し、ね
じ軸２を水平状態として、このねじ軸２を適宜の駆動装
置（図示せず）により回転させると、このねじ軸が往復
動することになる。

この際、ナツト３の環状の循環路８内に挿入された複数
の鋼球９の一部であって、かつその鋼球９の一部が貫通
孔５の下方内壁面より突出してねじ軸２のねし溝に係合
し、荷重を受けながらねし軸２の回転に応じて自転しな
がら公転することになるので、ねじ軸２の往復動は極め
て円滑に行なわれることになる。

又、逆にねじ軸２を固定した状態でこれを回転駆動する
ことによりナツト３をねじ軸２の軸線方向に往復動させ
るようにしてもよい。

更に、ねじ軸２を垂直方向に立てて使うか、あるいは斜
めにして使う場合にあっても円滑な送りが行なわれるも
のであることは言うまでもない。

なお上記実施例は単なる一例にすぎず、各部材につき同
一の機能をもつ他の部材に置換えることができることは
言うまでもない。

この考案は上記のように構成したので、従来のものに比
べて循環路の長さが著しく短かく、その構成が著しく簡
単であって、その加工作業がきわめて簡単であり、また
その循環路内に挿入される複数の鋼球の数を従来のもの
に比べて著しく減少させることができて、製品を安価に
提供することができる。

さらにこの考案のボールねしは工作機械などにおいてあ
まり推力を必要としないものに使用されることとなるが
、循環路およびこれに挿入される鋼球の径を大きくする
ことにより、耐久性を向上させることができて、比較的
推力の高いものにも適用することかで゛きるなどの多く
の優れた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のボールねじの一実施例を示す斜視図
、第２図はナツトの側面図、第３図はカバ一部材を取外
した状態のナツトを示す側面図、第４図よ要部の縦断面
図である。 １・・・ボールねし、２・・・ねじ軸、３・・・ナツト
、４・・・歯先 ５，１８・・・貫通孔、６，１６・・
・一側面、７・・・開口部 ８・・・循環路、９・・・
鋼球、１０・・・ピン、１１・・・ねし穴１２・・・貫
通孔、１３．１９・・・切欠部、１４・・・カバ一部材
、５・・・緊締具、１７・・・嵌合孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ねじ軸と、このねじ軸に嵌合する貫通孔を備えるととも
   にこの貫通孔の外周部のねし軸のリード角とほぼ同一の
   傾きをなして形成され、かつ前記貫通孔の一部に開口部
   を有する環状の循環路を形成したナツトと、このナツト
   の循環路に複数個嵌合され、かつその一部が前記開口部
   より貫通孔内に突出してわし軸の谷部に係合される鋼球
   とを具備していることを特徴とするボールねし。