JPS59210966A - 高導電性スチレン系樹脂組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、機械的強度、特に耐衝撃性に優れた高導電性
スチレン系樹脂組成物に関するものである。

スチレン単独重合体やスチレンを主成分とする共重合体
およびゴム補強をした耐衝撃性ポリスチレンやＡＢＳ樹
脂（ブタジェン系ニジストマーにスチレン単量体及びア
クリロニトリル単量体をグラフト重合した重合体）など
のスチレン系樹脂は、その成形加工性や機械的強度、電
気絶縁性が優れていることから、成形材料として多くの
用途分野に使用されている。しかし、一方では導電性が
ないことが、静電気を帯びたり電磁波による問題を引き
起こすなど、種々の問題を引き起こす原因ともなってい
る。

この為にスチレン系樹脂においても他の樹脂と同様に、
樹脂に充分なる電磁波遮蔽効果をも有する様な高導電性
を付与する試みがなされている。

従来から樹脂にカーボン繊維ツ２やカーボン繊維、金属
コートガラス繊維、金属繊維、金属フレーク、金属粉な
どの高導電性フィラーを充填すれば高導電性が得られる
ことはよく知られている。そして、これらの高導電性フ
ィラーの中でも、金属フィラーがコストと導電性付与能
のバランスの良さから広く活用されている。

スチレン系樹脂の高導電化も金属フィラーを充填するこ
とによシ行なわれているが、これまでのスチレン系樹脂
に金属フィラーを充填すると、高導電性は得られるもの
の、機械的強度、特に耐衝撃性がベースのスチレン系樹
脂の強度に比べて大幅に低下するという欠点があり、か
かる欠点の改良が望まれていた。

本発明者等は、かかる欠点を改良すべく、ベース樹脂と
なるスチレン系樹脂の改質について鋭意検討した結果、
不飽和ジカルボン酸無水物で変性したスチレン系樹脂、
即ち、不飽和ジカルボン酸無水物を共重合したスチレン
系樹脂、又は上記の如き通常のスチレン系樹脂に不飽和
ジカルボン酸無水物を共重合したスチレン系樹脂を一定
量ブレンドしたスチレン系樹脂組成物をベース樹脂とし
て使用すれば、かかる欠点が改良されるばかりか、一部
の機械的性質は、ベースのスチレン系樹脂に比べても向
上することを見い出し本発明に到達した。

即ち、本発明は、共重合した不飽和ジカルボン酸無水物
を２〜３５重量％含有する不飽和ジカルボン酸無水物共
重合スチレン系樹脂又はその樹脂組成物と金属フィラー
とからなることを特徴とする特に耐衝撃性に優れた高導
電性スチレン系樹脂組成物に関するものである。

本発明の目的は、高導電性のスチレン系樹脂組成物を提
供することであシ、本発明の意義は、従来の高導電性ス
チレン系樹脂組成物に於て改良が望まれていた機械的強
度、特に耐衝撃性を、高導電性になんら悪影響を与える
ことなく改良した点にある。

本発明に使用する不飽和ジカルボン酸を共重合したスチ
レン系樹脂とは、スチレン、α−メチルスチレン、ｏ−
、ｍ−、ｐ−メチルスチレン等のビニル芳香族化合物と
、不飽和ジカルボン酸無水物と、必要に応じて上記のビ
ニル芳香族化合物と共重合可能なビニルモノマー及び／
又はゴム状エラストマーからなる重合体で、上記のビニ
ル芳香族化合物が不飽和ジカルボン酸無水物を除いたも
のの５０重量係以上を占めるものである。不飽和ジカル
ボン酸無水物としては、無水マレイン酸、無水シトラコ
ン酸等が挙げられる。上記のビニル芳香族化合物と共重
合可能なビニルモノマーとしては、アクリロニトリル。

メタクリロニトリル、アクリル酸及びそのエステル類、
メタクリル酸及びそのエステル類が挙げられる。また、
ゴム状エラストマ〜としては、特に限定はなく、耐衝撃
性スチレン系樹脂の製造に一般に用いられるものを使用
すれば良い。

本発明におけるベースの不飽和ジカルボン酸無水物共重
合スチレン系樹脂又はその樹脂組成物とは、上記の如き
不飽和ジカルボン酸を共重合したスチレン系樹脂単独又
は通常のスチレン系樹脂に不飽和ジカルボン酸無水物を
共重合したスチレン系樹脂を一定量ブレンドしたものを
意味し、例えば、ゴム補強をした耐衝撃性スチレン・無
水マレイン酸共重合樹脂単独又はスチレン・無水マレイ
ン酸共重合樹脂や上記の耐衝撃性スチレン・無水マレイ
ン酸共重合樹脂をＡＢＳ樹脂や耐衝撃性ポリスチレン樹
脂に一定１量ブレンドしたものであシ、不飽和ジカルボ
ン酸無水物共重合スチレン系樹脂又はその樹脂組成物中
の共重合した不飽和ジカルボン酸の含有量が２〜３５重
量係、好ましくは２．５〜２５重量係のものである。不
飽和ジカルボン酸の含有量が６５％を超えると組成物の
流動性が極端に悪く実用的でない。又、不飽和ジカルボ
ン酸の含有量が２重量係以下の場合には、目的どする機
械的強度、特に耐衝撃性の改良された高導電性樹脂組成
物が得られないので不適当である。

本発明の組成物において充填される金属フィラーとは、
鉄、ステンレス、ニッケル、アルミニウム、銅、黄銅な
どから製造される繊維状物。

フレーク状物、粉状物など一般に樹脂に高導電性を付与
する為に用いられているものを包含し、特に限定される
ものではない。金属フィラーの充填量についても特に限
定されるものではなく、目的とする導電性を付与するに
必要な量を充填すればよい。また、二種類以上の金属フ
ィラーを併用することも出来、又他の導電性フィラーを
併用しても一向に差支えない。

次に本発明の高導電性スチレン系樹脂組成物の製造方法
について説明するが、本組成物の製造方法は、従来から
行なわれている高導電性樹脂組成物の製造方法と何ら変
るものではない。

即ち、例えば、ベース樹脂と金属フィラーを通常実施さ
れているブレンド法でトライブレンドした後に、通常の
押出機等で溶融混練してベレット化すればよい。ただし
、金属フィラーとして金属繊維を使用する場合には、金
属繊維が破砕されないだめの工夫、例えば、押出機を使
用する時には、金属繊維をベント部より添加する表か、
押出機の構造を金属繊維の破砕が起とシにくいものにす
るとかすれば、同じ導電性を得るに必要々金属フィラー
の充填量を減少させることができる。

このようにして得られた本発明の組成物は、これまでの
スチレン系樹脂を使用した高導電性スチレン系樹脂組成
物に於て欠点となっていた機械的強度、特に耐衝撃性が
ベースのスチレン系樹脂の強度より大幅に低下するとい
う欠点が改良されたばかりか、一部の機械的性質は、ベ
ースのスチレン系樹脂に比べても向上することが見い出
されだのである。

即ち、これ才でのスチレン系樹脂、例えば耐衝撃性ポリ
スチレン樹脂やＡＢＳ樹脂樹脂６置成物は、体積固有抵
抗が１０　Ω・（７）台という優れた導電性を有するも
のの、耐衝撃性（アイゾツト衝撃強度）がベース樹脂で
ある耐衝撃性ポリスチレン樹脂やＡＢ８樹脂の耐衝撃性
の約６割にまで低下するという欠点があった。ところが
、本発明によりなる高導電性スチレン系樹脂組成物にお
いては、驚くべきことに、高導電性をなんら損うことな
く、耐衝撃性もベース樹脂の耐衝撃性をほぼ保持するこ
とが出来る。しかも、Ａｕｓ樹脂に対し高導電性を得る
に必要な量だけのアルミニウム繊維やアルミニウムフレ
ークを充填すると、組成物の引張強度はＡＢＳ樹脂の引
張強度よシも小さくなるが、本発明の組成物においては
、組成物の引張強度がベース樹脂であるＡＢＳ樹脂の引
張強度よりも大きくなる。同様のことが、金属フィラー
としてアルミニウムフレークを使用した系の曲げ強度に
ついても言える。

これらの効果の要因は、ベース（マトリックス）樹脂の
高極性無水マレイン酸根と金属フィラーとの相互作用に
よるものと推察される。しかし、その詳細は未だ明らか
でない。

本発明により得られる高導電性スチレン系樹脂組成物は
、静電防止材（導電アース）や電子部品ケースなどの導
電性を利用する用途１面状発熱体や電極など電気抵抗を
利用する用途，コンピューターやＴＶゲームのハウジン
グなど電磁波シールド性を利用する用途，放熱樹脂材料
。

機械的強度を要する構造材料など多くの用途に有利に使
用できる。

以下実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれ
らの実施例に限定されるものではない。

実施例−１ スチレン９２重量係と無水マレイン酸８重量係よりなる
ビニル単量体１００重量部を１５重量部のポリブタジェ
ン系エラストマーの存在下に無水マレイン酸単量体の逐
次添加法によりグラフト共重合し、不飽和ジカルボン酸
変性樹脂（以下Ａ樹脂と略す）を得た。

得うしたＡ樹脂６０重量係とアルミニウム繊維（アイシ
ン精機株式会社製、太さ９０μｍ，長さ３ｍｍ）４０重
ｆｔ％を配合し、−軸押出機により溶融混練してベレッ
ト化した。このベレットをインラインスクリュー型の射
出成形機で成形して試験片を作成し、アイゾツト衝撃強
度及び体積固有抵抗を測定した。また、アルミニウム繊
維を配合しないＡ樹脂のみのアイゾツト衝撃強度も測定
した。結果を表−１に示す。

比較例−１ 市販されている耐衝撃性ポリスチレン樹脂（三井東圧化
学株式会社製商品名トーボレックスＨニー８５５）６０
重量％と実施例−１で使用したアルミニウム繊維４０重
量％を配合し、実施例−１と同様にして試験片を作成し
てアイゾツト衝撃強度及び体積固有抵抗を測定した。ま
た、アルミニウム繊維を配合しない耐衝撃性ポリスチレ
ン樹脂のアイゾツト衝撃強度も測定した。

結果を表−１に示す。

実施例−２ メチレフ８５重量係と無水マレイン酸１５重舒％を無水
マレイン酸単量体の遅次添加法によシ共重合し、不飽和
ジカルボン酸変性樹脂（以下Ｓ樹脂と略す）を得た。

得られたＳ樹脂１２重量％とＡ　Ｂ　Ｓ樹脂（ダイセル
化学工業（株）製、商品名セビアンＶ−５００）４８重
量条及び実施例−１で使用したアルミニウム繊維４０重
量係を配合し、実施例−１と同様にして試験片を作成し
てアイゾツト衝撃強度及び体積固有抵抗を測定した。ま
た、アルミニウム繊維を配合しないＢ樹脂２０重量係と
ＡＢＳ樹脂８０重量％の配合物のアイゾツト衝撃強度も
測定し７た。結果を表−１に示す。

比較例−２ 実施例−２で使用したＡ　Ｂ’Ｓ樹脂樹脂６置重量係を
配合し、実施例−１と同様にして試験片を作成してアイ
ゾツト衝撃強度及び体積固有抵抗を測定した。また、ア
ルミニウム繊維を配合し表いＡＢＳ樹脂のみのアイゾツ
ト衝撃強度も測定した。結果を表−１に示す。

実施例−３及び比較例−３ 人樹脂４２重量％と黄銅繊維（アイシン精機株式会社製
、太さ／、　Ｏｐｍ　、長さ３１１１ｉ）５８重量係を
配合し、実施例−１と同様にして試験片を作製して物性
値を測定した。また黄銅繊維を配合しないＡ樹脂のみの
物性値も測定した。結果を表−２１表−５に示す。

比較例−４及び比較例−５ 実施例−２で使用したＡＢＥＩ樹脂４樹脂４チ配合し、
実施例−１と同様にして試験片を作成して物性値を測定
した。また、黄銅繊維を配合しないＡＢＳ樹脂のみの物
性値も測定した。結果を表−２１表−３に示す。

実施例−４ Ａ樹脂５２重量％と実施例−１で使用したアルミニウム
繊維４８重量％を配合し、実施例−１と同様に１〜て試
験片を作成して物性値を測定した。結果を表−２９表−
３に示す。

比較例−６ 実施例−２で使用したＡＢＳ樹脂樹脂５置重量係を配合
し、実施例−１と同様にして試験片を作製して物性値を
測定した。結果を表−２。

表−３に示す。

実施例−５ Ａ樹脂６０重量％とアルミニウムフレーク（ＴＲＡＮＳ
ＭＢＴ　０ＯＲＰＯＲＡＴ工ＯＮ製、ｌｚＸ　１．ａＷ
ｆｉＸ　２５　ｐｍ　）４０重景係を配合し、実施例−
１と同様にして試験片を作製して物性値を測定した。結
果を表−２１表−３に示す。

比較例−７ 実施例−２で使用したＡＢＳ樹脂樹脂６置４０重−ｉ％
を配合し、実施例−１と同様にして試験片を作製して物
性値を測定した。結果を表−２１表−３に示す。

■三−そ、′註ネ市１−１巳ＴＪ□Ｐ　　（自発）昭和
５　り　’ト５月１６１：Ｉ ＩＲ，許１ｊｌ、、：宮　名杉和夫　殿！！＋ｊ９ｊ’
ｉ昭５８−１１５２１１１；シ２、　発明の名称 １：：ｊ導電性スチＬ・ン系樹脂組成物、ウ　　袖１１
″を・１°ろ賢 ゛旧１１との閏１系　　特許出願人 （２！１０）クイセル化学上１〜株代会７１１１代哩人 東京都中央区１１木枯横山町ＩＱ）３中井ヒル明♀Ｉｌ
ｌ　’ｌ’！ｉの発明のｉ′ｒ細な説明の憫０、　　７
市１１　　の１人１等 （１）　　明♀１１目’、：４Ｕ！ｒ：　７行ｌ不飽和
ソカルポン酸ｊをＩ不飽和ジカルボン１砂無水物」と、
１１正（１）同５　ｊ’ｊ　７　ｉＪ：−不飽和ジカル
ボン酸−１を］−不飽和シカルボン酸無水４クリ」とｉ
ｉ］正（１）　　同５頁−Ｆから３行［不飽和ジカルボ
ン酸。

を［不飽和ジカルボン酸無水物」と訂＋ＩＥ（１）同５
頁下から１行［−不飽和ジカルボン酸１を１不飽和ジカ
ルホン酸無水物］とｉｊ１’Ｊ’ＦｔＩｔ　　間〔１頁
２行「不飽和ジカルボン酸−１を１不飽和ジカルボン酸
無水物−１と訂正 （１）同８頁下から４行「である八Ｂ　Ｓ樹脂：・をｉ
’ｉｌｌ　ｌｉ余 （１）　　同！］　、１を下から２行「ポリフタツエン
系上うスＨ−ｔ−−１ヲ７ポリブタシエンエラス１〜マ
ー（と１＋］正

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 共重合した不飽和ジカルボン酸無水物を２〜３５重量係
   含有する不飽和ジカルボン酸無水物共重合スチレン系樹
   脂又はその樹脂組成物と金属フィラーとからなることを
   特徴とする高導電性スチレン系樹脂組成物。