JPS5920464Y2 - 凍結防止用水栓 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、寒冷時において水道管内の凍結を防止させ
るように工夫した凍結防止用水栓に関するものである。

寒冷時においては水道管内の凍結が生じ、このため給水
不能となって不便をきたし、又甚だしい場合には水道管
の破裂事故を起こすことがある。

そしてこの水道管内の凍結を防止する手段が従来種々工
夫されているが、凍結防止効果の面、費用の面、取扱い
面等で不十分なものが多がった。

又、従来の凍結防止手段として蛇口部に設けた水栓（カ
ラン）をわずかに緩めて少量の水を出し放しにしておく
という方法があるが、この場合、その田こ凍結現象が確
実に起こるならばよいが、予想に反して凍結現象が生じ
ないときには、出し放しの水が無駄になるという難点が
ある。

そこで本案では、気温（水温）が０℃に近づくと自動的
に止水パツキンが弛緩して自動的に少量Ｃ水を流出させ
るようにし、水の出し放し状態を必要最少限にして水の
無駄を極力少なくさせようとするものである。

以下本案を図面に示す実施例に基づき説明する。

第１図は、内部に凍結防止構造を組み込んだ木栓Ａを示
しており、その構造は、水栓本体１の内部を隔壁２によ
り流入路３と流出路４とに区割させ、かつ上記隔壁２に
は両流路３，４の連通口５を開口させ、かつ上端にハン
ドル６を取付けたスピンドル７を水栓本体１の上側部に
設けた立上げ筒１′内に螺合させ、かつ上記連通口５に
開閉自在に対向させた止水パツキン８をコマ９の下面に
取付けるとともに、同コマ９のコマ軸９′を上記スピン
ドル７の下端内部に摺動自在に遊嵌させ、がっ同スピン
ドル７の下端突出部７′をコマ９の上側面に面接させる
ようにした構造となっている。

そしてこの水栓Ａを閉栓させるには、ハンドル６を右方
向に回動してスピンドル７を下降させ、かっこのスピン
ドル７の下降によりコマ９を押圧しなから止水パツキン
８を連通口５に圧接してこの連通口５を閉鎖させるもの
である。

又開栓させるにはハンドル６を左方向に回動してスピン
ドル７を上昇させながらコマ９への押圧を解いて、この
コマ９を流入路３からの水圧によって上昇させることに
より連通口５を開放させるものである。

尚、１０で示すものは止水パツキン８の取付はボルト、
１１は同ナツト、１２は連通口５の上縁部に形成した突
縁、１３は立上げ筒１′の上端朴周に螺着したキャップ
ナツト、１４はキャップナツトパツキン、１５はワッシ
ャー、１６はハンドル取付はボルトである。

そして、上記した水栓Ａの内部に凍結防止構造を組み込
むのであるが、その凍結防止構造は、水栓Ａの構成部品
たるコマ９の内部に拡縮自在に構成したガス室１７を形
成し、かつ同ガス室１７内に沸点が０−１０℃程度のガ
スを封入させ、同ガスの液化に伴なう圧力低下によりガ
ス室１７を収縮させて、このガス室１７の収縮に連動し
て止水パツキン８の止水状態を弛緩させることにより少
量の水を流出させるようにした構造となっている。

そしてこの場合、上記ガス室１７の拡縮構造は、第２図
に示すようにコマ９の外周を蛇腹壁１７ ａに形成した
構造となっている。

又、封入ガスとしては、例えば冷媒ガス或いはエアゾー
ル噴射剤として一般的に用いられているフロンガス（特
にＲ−２１：沸点８．９℃、Ｒ−１１４：沸点３．６℃
）等がある。

又、第３図は凍結防止構造の他例を示しており、この場
合は、バンドル６の内部にガス室収納空間１８を形成し
、かつ同空間１８内にガス室１７を収納させるとともに
、ガス室１７の下面に連動軸１９を垂設させて、同連動
軸１９をスピンドル７の内部に形成したガイド孔２０に
上端から挿入させ、かつ同連動軸１９の下端をガイド孔
２０の下端から挿入したコマ軸９′の上端に面接させる
ように構成され、そしてこの場合にはバンドル６の回動
に伴なうスピンドル７の下降に伴なって、連動軸１９が
コマ軸９′を押圧しながら閉栓させることから第１図の
水栓とは異なりスピンドル７の下端突出部は切除されて
いる。

又、ガス室１７の拡縮構造は、第３図に示すように外周
壁を蛇腹壁１７ｂに形成した構造としてもよく、又第４
図に示すように底板を波状板１７ Ｃに形成した構造と
してもよい。

尚、第４図中２１で示すものはガス封入圧の調整ネジで
ある。

尚、本実施例では、ガス室１７をコマ９の内部、或いは
バンドル６の内部に形成されたものを示しているが、こ
れに限定されることはなく、例えば、止水パッキン８自
体の内部に形成してもよく、水栓Ａにおける適宜の構成
部品を選定してその内部に形成させることができる。

従って、収縮状態のガス室１７にガスを封入してこのガ
ス室１７を拡張状態にさせ、そしてこの状態で゛水栓Ａ
を通常に使用するものである。

そして、夜間の冷え込み等によって気温がガスの沸点以
下に下ると、このガスが液化し、この液化に伴ないガス
室１７内の圧力が低下してガス室１７が収縮することに
なる。

そしてこのガス室］７が収縮すると、これに連動して止
水パツキン８の止水状態が弛緩され、流入路３からの圧
力によってノ々ツキン８を押し上げながら連通口５を若
干開口させて少量の水を流出路４に流出させることにな
る。

このように気温（水温）がガスの沸点以下に下がった状
態では水は出し放しの状態となって水道管内の水に流動
が生じることから水の凍結は防止されるのである。

そして凍結の心配がないガスの沸点以上に気温が上昇す
ると、ガスの気化してガス室１７内の圧力を上昇させて
このガス室１７を拡張させるから止水パツキン８の押圧
力が向上して、止水パツキン８による止水が施こされて
水の流出は自動的に停止することになる。

上述のように本案によれば、気温が０℃付近に下がると
、自動的に少量の水を出し放し状態にさせて凍結を防止
させ、又、気温が上昇すると自動的に止水が施こされる
から水の出し放しか必要最少限となって水の無駄を防止
できるし、又これらの操作力用動的に行えるので使用者
は通常に水栓を使用するだけで凍結防止のための別設の
操作を行う必要がないという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案実施例の凍結防止用水栓を示す断面図、第
２図はガス室の一例を示す断面図、第３図は凍結防止構
造の他例を示す断面図、第４図はガス室の他例を示す断
面図である。 Ａ・・・・・・水栓、１・・・・・・水栓本体、３・・
・・・・流入路、４・・・・・・流出路、５・・・・・
・連通口、６・・・・・・ノスンドル、７・・・・・・
スピンドル、８・・・・・・止水パツキン、９・・・・
・・コマ、１７・・・・・・ガス室。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水栓Ａの適宜構成部品の内部に拡縮自在に構成したガス
   室１７を形成し、かつ同ガス室１７内に沸点がＯ〜１０
   ℃程度のガスを封入させ、同ガスの液化に伴なう圧力低
   下によりガス室１７を収縮させて、このガス室１７の収
   縮に連動して止水パツキン８の止水状態を弛緩させるこ
   とにより少量の水を流出させるように構成したことを特
   徴とする凍結防止用水栓。