JPS5916875Y2 - 原子炉圧力容器の遮蔽壁開口部の開閉装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は原子炉圧力容器の遮蔽壁に形成された開口部の
開閉装置に係り、特に原子炉格納容器内の有効スペース
の増大化が図れるようにした原子炉圧力容器の遮蔽壁開
口部の開閉装置に関する。

一般に、原子炉圧力容器は放射線を遮蔽する遮蔽壁で囲
繞された状態で原子炉格納容器内に収容されている。

上記遮蔽壁には通常ＩＳＩ （供用期間中検査）用等の
開口部が形成され、この開口部にはこれを開閉するシー
ルドプラグ扉が設けられている。

ところが、従来では上記シールドプラグ扉が格納容器と
遮蔽壁との間隙内に開扉するように構成されていたため
、上記格納容器内の有効スペースが狭められていた。

すなわち、第１図に示す如く、原子炉格納容器１内に収
容された原子炉圧力容器２の外周部には所定間隙を設け
て保温材３．遮蔽壁４が形成され、この遮蔽壁４には上
記圧力容器２から導かれた再循環水管５が貫通する開口
部６が形成されている。

この開口部６は、これを開閉するシールドプラグ扉７を
有し、このシールドプラグ扉７は上記格納容器１側の開
口部６両側における遮蔽壁４にはヒンジ８，８を介して
取付けられ、開扉時に格納容器１と遮蔽壁４との間隙内
に観音開きするように構成されている。

ところで、上記格納容器１と遮蔽壁４との間隙内には配
管や機器等が多くてスペースが狭いことから、シールド
プラグ扉７の開扉時にあっては頗る有効スペースが狭め
られて、保守点検等の作業性が悪くなり、このため、作
業者の被爆対策上からも好ましくないと思われる。

また、シールドプラグ扉６が格納容器１側の外開き構造
では内圧に耐え難く、このため、上記再循環水管５が破
断してシールドプラグ扉６に内圧がかかることを考慮し
てのストッパ要素が数多く必要になって、開閉操作に多
くの時間がかかると共に、安全上にも好ましくないと思
われる。

本考案は上記事情に着目して、それを有効的に解決すべ
く創案されたものである。

本考案の目的とするところは、遮蔽壁の開口部を確実に
開閉することができることは勿論、原子炉格納容器内の
他端器との干渉を完全に避けることができ、上記格納容
器内の有効スペースの増大化が図れ、もって、作業性お
よび安全性をより向上させることができる原子炉圧力容
器の遮蔽壁開口部の開閉装置を提供することにある。

以下に、本考案の好適一実施例を第２図以降の図面に従
って詳述する。

第２図において、１０は沸騰水形原子炉の原子炉格納容
器（以下単に格納容器と称す）で、その内部に原子炉圧
力容器（以下単に圧力容器と称す）１１゜再循環設備（
図示せず）等の原子炉−次系設備を収容している。

圧力容器１１の外周部には所定間隙Ｓを存してこれを囲
繞する如く遮蔽壁１２が環状に配設されており、図示例
では圧力容器１１と遮蔽壁１２との間にそれぞれから離
間した状態で保温材１３が配設されている。

遮蔽壁１２は原子炉からの放射線を遮るためのもので、
表面が鋼板で被覆されたコンクリートから成り、その所
定部、すなわち圧力容器１１に接続され半径方向乃至外
方向へ突出した再循環水管１４が貫通する部分には、こ
れを中心に第３図に示す如く正面矩形状の開口部１５が
穿設されている。

この開口部１５はｌ５Ｉ（供用期間中検査）用出入［」
で、ＩＳＩ乃至保守点検時以外はこれに開閉自在に設け
られたシールドプラグ扉１６で閉塞されて、中性子等の
放射線が漏洩しないようになっている。

シールドプラグ扉１６は観音開きをするように左右の扉
片１６ ａ 、１６ ｂから構成され、両扉片１６ａ、
１６ｂのヒンジ部１７ ａ 、１７ ｂは上記圧力容器
１１側の開口部縁１５ ａ 、１５ ｂに取外し可能に
設けられている。

すなわち、扉片１６ ａ 、１６ ｂはヒンジ部１７
ａ 、１７ｂ側の基端部が曲面状に突出形成されており
、これに対して開口部縁１５ａ、１５ｂは第２図に示す
如く、開口部１５の両側縁における圧力容器１１側角部
をそれぞれ扇状に切欠き、これらの切欠き面に遮蔽効果
の減少を補うための彎曲状の厚鋼板１８ ａ 、１８
ｂを張設して構成され、両側切欠き部のそれぞれに左右
の扉片１６ ａ 、１６ ｂのそれぞれの回転中心が位
置するようにヒンジ部１７ａ、１７ｂが配設されている
。

ヒンジ部１７ ａ 、１７ ｂは第３図中破線で示す如
く、扉片１６ ａ 、１６ ｂの基端部上下部に設けら
れ、一枚の扉片１６ ａまたは１６ｂが上下２個のヒン
ジ部１７ ａ 、１７ ａまたは１７ｂ、１７ｂを介し
て開口部縁１５ａまたは１５ｂに保持されており、また
、それぞれがメンテナンスを容易に威し得るように取外
し可能な構成になっている（図示省略）。

一方、開口部１５には第２図、第３図に示す如く、再循
環水管１４と略同−巾乃至若干中挟の中央固定板１９が
、上記再循環水管１を上下方向から挾持すべく掛は渡し
て設けられている。

この中央固定板１９は左右の扉片１６ ａ 、１６ ｂ
に挾持された状態で一直線上になるように開口部１５に
配設されており、この断面は圧力容器１１側の辺が中挟
の台形状に形成されている。

そして、シールドプラグ扉１６を構成する扉片１６ａ、
１６ｂの自由端部先端は断面台形状の中央固定板１９の
斜辺に合致するように傾斜させて形成され、閉扉時に中
央固定板１９に係合するように構成されている。

尚、シールドプラグ扉１６を具体的に構成する場合は、
まず、開口部１５の巾Ａの決定後、圧力容器１１、保温
材１３．再循環木管１４等と干渉しないよう扉片１６ａ
、１６ｂの巾Ｂ、Ｂを決め、ライで扉片１６ａ、１６ｂ
に見合った中央固定板１９の巾Ｃを決める。

次に、上記構成の開閉装置の作用を述べる。

遮蔽壁１２の開口部１５を閉塞するシールドプラグ扉１
６は開口部１５にて格納容器１０側から圧力容器１１側
へ付勢することで、両側開口部縁１５ａ。

１５ｂを中心に圧力容器１１と遮蔽壁１２との間隙Ｓ内
具体的には保温材１３と遮蔽壁１２との間隙内に観音開
きする。

また、シールドプラグ扉１６を閉扉する場合は、開扉方
向と逆方向に各扉片１６ ａ 、１６ ｂを回動すると
、それぞれの自由端部先端が中央固定板１９に衝止保合
して開口部１５を閉塞する。

従って、シールドプラグ扉１６の扉片１６ａ、１６ｂが
閉扉時に中央固定板１９によって格納容器１０方向への
回動が抑制されるため、格納容器１０内の他機器と干渉
することが絶対になく、シかも、例えば遮蔽壁１２内で
再循環水管１４の溶接部が破断して、圧力容器１１側か
ら格納容器１０側への内圧が掛かってもストッパ要素を
必要とせずに確実に開口部１５を閉塞することができる
。

尚、第３図中符号２０は遮蔽壁１２の圧力容器１１側側
壁に取付けられた足場である。

上記実施例において中央固定板１９は開口部１５に固定
した構成としたが着脱自在であっても良く、その形状が
截頭円錐形状であっても良い。

また、上記実施例では開口部を再循環水管１４が貫通す
る部分の開口部１５について説明したが、遮蔽壁１２に
形成された開口部であるならば場所は限定されない。

更に、シールドプラグ扉１６を左右の扉片１６ ａ 、
１６ ｂに分けて、中央固定板１９に係合する観音開き
構成としたが、中央固定板１９はなくても良く、片開き
にするなど実施例に限定されるものではない。

以上要するに本考案によれば次のような顕著な効果を奏
する。

（１）開口部を開閉するシールドプラグ扉がヒンジ部を
介して原子炉圧力容器と遮蔽壁との間隙内に開扉するた
め、開扉時に原子炉格納容器内の他機器との干渉を完全
に避けることができる。

（２）従って、原子炉格納容器内の有効スペースの増大
が図れ、保守点検等の作業性が向上する。

（３）遮蔽壁の開口部を確実に開閉することができるこ
とは勿論であり、シールドプラグ扉を原子炉圧力容器側
に開く所謂内開き構成としたため、内圧に対して頗る強
く、従来に比してストッパ要素を遥かに減少させること
ができ、安全性もより向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置の横断面図、第２図は本考案の好適一
実施例を示す開閉装置の横断面図、第３図は第２図のＩ
ＩＩ−ＩＩＩ線に沿う正面図である。 図中、１１は原子炉圧力容器、Ｓは所定間隙、１２は遮
蔽壁、１５は開口部、１５ ａ 、１５ ｂは開口部縁
、１６はシールドプラグ、１７ ａ 、１７ ｂはヒン
ジ部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 原子炉圧力容器に所定間隙を設けて、これを囲繞する遮
   蔽壁に形成された開口部の開閉手段において、上記圧力
   容器側の開口部縁に、該開口部を開閉するシールドプラ
   グ扉のヒンジ部を設けて、該シールドプラグ扉を上記圧
   力容器と遮蔽壁との間隙内に開扉するように構成したこ
   とを特徴とする原子炉圧力容器の遮蔽壁開口部の開閉装
   置。