JPS5916088B2 - ハイキタ−ボカキユウキオソナエタ エンジン ノ カソクセイコウジヨウソウチ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は排気ターボ過給機を備えたエンジンの加速性を
向上するための装置に関するものである。

排気ターボ過給機を備えたエンジンはシリンダ室（燃焼
室）内に空気を強制圧送してシリンダ室空気密度を高め
空気過剰率を向上させエンジン出力を増大している。

排気ターボ過給機はエンジンの排気ガスで高速回転駆動
されて空気を強制圧送するものであるから、エンジン出
力が低い場合には排気ターボ過給機の回転も低くなって
いる。

そのために、エンジンを加速（燃料噴射量を増加）する
と、排気ターボ過給機の追随性が悪いのでその噴射量に
見合う回転数まで排気ターボ過給機の回転が増加するの
に時間差（２〜３秒）が生じ、その時間差の間はシリン
ダ室に圧送される空気量が不足して空気過剰率が低下し
てしまうから、加速性が悪くなると共に、黒煙を発生し
てしまうという不具合を有している。

本発明は上記の事情に鑑みなされたものであり、その目
的は、エンジンを加速した時に排気弁の開き始めを過渡
的に早くして排気ターボ過給機の回転を早く上昇できる
ようにした排気ターボ過給機を備えたエンジンの加速性
向上装置を提供することである。

以下図面を参照して本発明の詳細な説明する。

排気弁１はブツシュロッド２で上下揺動されるロックア
ーム３によって開閉操作され、ブツシュロッド２は揺動
腕４の凹部５に嵌合しである。

揺動腕４は回転軸６の偏心軸部７に嵌合支承され、揺動
腕４の下部彎曲部８にはメタル９が張設され、このメタ
ル９にカムシャフト１０のカム１１が当接している。

回転軸６は第３図に示す如く、シリンダ１２のピストン
ロッド１３にリンク１４を介して枢着連結され、ピスト
ンロッド１３が伸縮作動すると正逆回転動される。

このシリンダ１２のピストンロッド１３はバネ１５でス
トッパ１６に当接付勢され、バネ室１Ｔと圧力室１８に
は管路１９が接続連通されている。

そして、バネ室１Ｔと管路１９とは絞り２０、開閉弁２
１を介して連通しである。

この管路１９には燃料噴射系統の供給燃料が導入しであ
る。

この実施例では燃料噴射系統がカミンズエンジンの燃料
噴射系統のように、噴射ノズルに低圧燃料を供給し、噴
射ノズルのプランジャを押し下げて噴射する型式となっ
ているから、供給燃料の圧力はスロットルンバの変位に
比例した圧力となる。

次に作動を説明する。

一定の出力で駆動している時には、シリンダ１２のバネ
室１７と圧力室１８との圧力が等しいからピストンロッ
ド１３はバネ１５によりストッパ１６に当接する位置と
なり回転軸６は図示位置となるので、揺動腕４が図示位
置となり、カムシャフト１００回転により排気弁１は設
定タイミングで開閉作動される。

この状態から図示しないスロットルンバを操作して出力
を増加すべく加速すると、前記供給燃料の圧力が増加す
る。

供給燃料の圧力が増加すると圧力室１８内の圧力が瞬時
に上昇するが、バネ室１７内の圧力は絞シ２０のために
時間差を有して上昇するので、その時間差の間にピスト
ンロッド１３は図中左方に押動されて回転軸６をθ度だ
け反時計方向に回転する。

回転軸６がθ度反時計方向に回転すると、回転軸６の中
心６ａと軸部７の中心７ａとがＥだげ偏心しているから
揺動腕４は左方に移動する。

すると、ブツシュ９とカムシャフト１０のカム１１との
接触時期が前記の正常時よりも早くなるので、排気弁１
の開く時期が早くなる。

排気弁１が早く開くと、第４図に示す如く排気ガスの脈
動幅が大きくなる。

このことは、第５図に示すサバナサイクルでｄ点をｄ′
点の位置に早め見かけ上のエンジン膨張比を小さくする
ことにより開弁時の温度、圧力が下記表１に示すように
なることから明らかである。

この脈動幅の増大によシ熱落差が増加し排気ターボ過給
機の回転（出力）が増大するから、加速してから直ちに
排気ターボ過給機の回転（出力）が追随増大し空気過剰
率の低下を起すことがなく、エンジンの加速性を向上で
きると共に、黒煙発生を防止できる。

つまり、排気弁１の開放時期を２０早くした場合には入
口平均圧力は１．７ ｋｔｇ／、ｃｍ２ となり、早め
ない場合には入口平均圧力は１．６ ｋｇ／ｃｒｔｔ２
となるから、下記表２に示すように排気ターボ過給
機の仕事量は１．５６係増加した。

本発明は以上の様になり、エンジン出力加速時には燃料
噴射系統の供給燃料が急激に増加し、“シリンダ１２の
バネ室１７と圧力室１８とに供給されるが、バネ室１７
には絞り２０のために時間遅れを持って供給されること
になり、エンジン出力加速時には圧力室１８内の圧力が
急激に上昇するので、ピストンロッド１３がバネ１５に
抗して移動されるから、排気弁１の開く時期が正常時よ
りも早くなる。

したがって、エンジン出力加速時に排気ターボ過給機の
追随遅れを防止して空気過剰率が低下することを防止で
きるから、排気ターボ過給機を備えたエンジンにおいて
加速時の加速性能を向上できると共に、黒煙発生を防止
できる。

また、加速してから一定時間経過するとシリンダ１２の
バネ室１７内に絞り２０を通して燃料が流入してバネ室
１７内の圧力と圧力室１８内の圧力とが同一となるので
、ピストンロッド１３はバネ１５で初期位置に復帰し、
排気弁１は正常時の開閉タイミングで開閉される。

したがって、加速終了後には正常に排気弁１を開閉でき
る。

また、通常の排気弁開閉機構に揺動腕４と回転軸６とシ
リンダ１２とリンク１４とを設ければよく、構造簡単で
あると共に、通常の排気弁開閉機構を利用して製作でき
るのでコスト的にも有利である。

また、シリンダ１２のバネ室１７と圧力室１８とに通路
を介してエンジンの燃料噴射系統の供給燃料を供給する
ようにしたので、燃料噴射系統とシリンダ１２とが遠く
離れていて旭ホース等で連通ずれば良く、シリンダ１２
を任意の位置に設置できるから設計の自由度が増して好
ましい。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は全体斜視
図、第２図はその■−■線断面図、第３図は回転軸に回
転変位を与える機構の説明図、第４図は排気ターボ過給
機の入口波形を示す表図、第５図はサバナサイクルを示
す表図である。 １は排気弁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 回転軸６の偏心軸部７に揺動自在に支承した揺動腕
   ４の一端部をカムシャフト１０のカム１１に、回転軸６
   が一方向に回転すると揺動腕４とカム１１との接触時期
   が早くなるように当接し、該揺動腕４には排気弁１を開
   閉するブツシュロッド２を連接してカムシャフト１０が
   回転すると揺動腕４が揺動してブツシュロッド２を介し
   て排気弁１を開閉する・ように構成すると共に、前記回
   転軸６と、バネ１５で一方向に押動維持されたシリンダ
   １２のピストンロッド１３とをリンク１４を介してピス
   トンロッド１３がバネ１５に抗して移動すると回転軸６
   が一方向に回転するように連結し、前記シリンダ１２の
   バネ室１７と圧力室１８と通路を介してエンジンの燃料
   噴射系統の供給燃料を供給し、かつバネ室１７の通路に
   は絞り２０を設けたことを特徴とする排気ターボ過給機
   を備えたエンジンの加速性向上装置。