JPS5915979B2 - 熱間圧延において圧延による疵発生の少ないステンレス合金 - Google Patents
熱間圧延において圧延による疵発生の少ないステンレス合金Info
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- JPS5915979B2 JPS5915979B2 JP55090012A JP9001280A JPS5915979B2 JP S5915979 B2 JPS5915979 B2 JP S5915979B2 JP 55090012 A JP55090012 A JP 55090012A JP 9001280 A JP9001280 A JP 9001280A JP S5915979 B2 JPS5915979 B2 JP S5915979B2
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Description
【発明の詳細な説明】
ステンレス鋼のようなオーステナイト合金は従来より鋼
塊から分塊圧延する場合等で熱間加工性が悪く、割れを
起こし、特に高合金鋼になると大型鋼塊からの製造が困
難になることが知られ種種の研究がなされて来た。
塊から分塊圧延する場合等で熱間加工性が悪く、割れを
起こし、特に高合金鋼になると大型鋼塊からの製造が困
難になることが知られ種種の研究がなされて来た。
こうして高合金鋼でも割れを防止する手段が講じられ、
製造不可というケースはまれになりつつあるが小さな割
れは発生することがある。一方連続鋳造が進むと共に厚
手鋳造材の熱間加工性にも共通の問題があり、小さな割
れ疵や後述するヘゲ疵を発生することがある。こうして
製造可否にかかわるような大きな割れの問題とは別に、
連鋳片や鋼塊のように凝固組織を熱間圧延する場合熱間
圧延後、酸洗すると板の表面に非常に浅いヘゲ疵が局部
的に散在し、局部手入や全面研削を必要とするケースが
厚板、薄板、パイプ等にみられる。これらのヘゲ疵は歩
留り低下はもちろん、精整再工程を必要とし、ひどい場
合には注文サイズに合わないで不合格となる。本発明者
はこの微少疵やヘゲ疵(以下ヘゲ疵という。)の原因を
追求していくうちにこれらは後述するような熱間加工性
が劣ることから生ずる一種の熱間加工割れであることを
見出した。これらのヘゲ疵は熱間加工性の点では製造可
否にかかわる程の問題ではないにしても、通常大量に生
産されるSUS3O4のような鋼種にも時時生ずること
から、大きな技術課題であると言わねばならない。例え
ばSUS3l6の連鋳片を全面2mm皮むきして、12
00℃以上に加熱後圧延した場合、ヘゲ疵発生のひどい
場合には酸洗後板の表裏面の主としてエッジサイド15
0mm程度に全面発生し、深さは最大2〜5mに達し、
数が多く密集している。従って製造するにはこの部分を
全面研削しなければならない。このようなヘゲ疵はホッ
トコイル等にも発生することがある。これらの現象につ
いて本発明者はヘゲ疵の実態、発生原因を鋼種、製造法
について詳細に検討した結果次の事項が明らかになった
。
製造不可というケースはまれになりつつあるが小さな割
れは発生することがある。一方連続鋳造が進むと共に厚
手鋳造材の熱間加工性にも共通の問題があり、小さな割
れ疵や後述するヘゲ疵を発生することがある。こうして
製造可否にかかわるような大きな割れの問題とは別に、
連鋳片や鋼塊のように凝固組織を熱間圧延する場合熱間
圧延後、酸洗すると板の表面に非常に浅いヘゲ疵が局部
的に散在し、局部手入や全面研削を必要とするケースが
厚板、薄板、パイプ等にみられる。これらのヘゲ疵は歩
留り低下はもちろん、精整再工程を必要とし、ひどい場
合には注文サイズに合わないで不合格となる。本発明者
はこの微少疵やヘゲ疵(以下ヘゲ疵という。)の原因を
追求していくうちにこれらは後述するような熱間加工性
が劣ることから生ずる一種の熱間加工割れであることを
見出した。これらのヘゲ疵は熱間加工性の点では製造可
否にかかわる程の問題ではないにしても、通常大量に生
産されるSUS3O4のような鋼種にも時時生ずること
から、大きな技術課題であると言わねばならない。例え
ばSUS3l6の連鋳片を全面2mm皮むきして、12
00℃以上に加熱後圧延した場合、ヘゲ疵発生のひどい
場合には酸洗後板の表裏面の主としてエッジサイド15
0mm程度に全面発生し、深さは最大2〜5mに達し、
数が多く密集している。従って製造するにはこの部分を
全面研削しなければならない。このようなヘゲ疵はホッ
トコイル等にも発生することがある。これらの現象につ
いて本発明者はヘゲ疵の実態、発生原因を鋼種、製造法
について詳細に検討した結果次の事項が明らかになった
。
1)ヘゲ疵は熱間加工中の変形能の低下にもとづく割れ
であり、凝固時のγ粒界に沿って発生する。
であり、凝固時のγ粒界に沿って発生する。
この点従来の割れと同じである。2)連鋳材、鋼塊材に
共通する現象である。
共通する現象である。
3)鋳造凝固時のγ粒界には主として硫化物が偏析し、
割れはこの硫化物に沿って起こっている。
割れはこの硫化物に沿って起こっている。
すなわち、これらの割れは浅《、製造可否を決める程の
ものではなく、ある温度域で加工性が低下するための問
題であり、この観点から本発明者らは鋭意検討を重ねた
結果合金設計上の工夫や熱間加工中の工夫を厳密にする
ことで十分疵の発生を防止出来ることが判明した。即ち
、本発明は所望の目的を有する鋼を製造する際に、問題
となるヘゲ疵の発生を防止するため、Sと共にPや0に
着眼し、これらの元素にもとづ《合金成分の調整,を行
って、工業的に安価なステンレス鋼を製造することを目
的とするものであり、その要旨とするところは下記のと
おりである。(1)重量パーセントでCO.OOl〜0
.20係,Si’0.1〜6.0%,MnO.l〜10
.0%,Pく0.06%, S<0.01% , Cr
l5.O〜35.0係,NilO.O〜35.0係,N
O.OOl〜0.50%, O<0.01%に加えてM
O<6.0%,Cu4.O% , Nb<1.0%の何
れか1種又は2種以上を含み残呉実質的にFeからなる
ステンレス合金において、δAd= 3 ( Cr+M
O+1.5Si+0.5Nb) 2.8( Ni+”
/2Mn+’/2Cu)−84( C+N)−19.8
で決まるδdが4%以下で、かつ35×(チP)十25
0X(チS)+100x(チO)−0.IX(チδd)
く1.67を満たすことを特徴とする熱間圧延において
圧延による疵発生の少ないステンレス合金。
ものではなく、ある温度域で加工性が低下するための問
題であり、この観点から本発明者らは鋭意検討を重ねた
結果合金設計上の工夫や熱間加工中の工夫を厳密にする
ことで十分疵の発生を防止出来ることが判明した。即ち
、本発明は所望の目的を有する鋼を製造する際に、問題
となるヘゲ疵の発生を防止するため、Sと共にPや0に
着眼し、これらの元素にもとづ《合金成分の調整,を行
って、工業的に安価なステンレス鋼を製造することを目
的とするものであり、その要旨とするところは下記のと
おりである。(1)重量パーセントでCO.OOl〜0
.20係,Si’0.1〜6.0%,MnO.l〜10
.0%,Pく0.06%, S<0.01% , Cr
l5.O〜35.0係,NilO.O〜35.0係,N
O.OOl〜0.50%, O<0.01%に加えてM
O<6.0%,Cu4.O% , Nb<1.0%の何
れか1種又は2種以上を含み残呉実質的にFeからなる
ステンレス合金において、δAd= 3 ( Cr+M
O+1.5Si+0.5Nb) 2.8( Ni+”
/2Mn+’/2Cu)−84( C+N)−19.8
で決まるδdが4%以下で、かつ35×(チP)十25
0X(チS)+100x(チO)−0.IX(チδd)
く1.67を満たすことを特徴とする熱間圧延において
圧延による疵発生の少ないステンレス合金。
(2)重量パーセントでCO.OOl〜0.20チ,S
iO.l〜6.0%, MnO.l〜10.0% ,
P<0.06% , S<0.01%, Crl5.O
〜35.0係,NilO.O〜35.0係,NO.OO
l〜0.50% , O<0.01%に加えてMOく6
.0%,Cu<4.0% , Nb<1.0%及びSn
<0.1%の何れか1種又は2種以上を含み残部実質的
にFeかもなるステンレス合金において、δd=3 (
Cr+MO+1.5Si+0.5Nb)−2.8(N
i+”/2Mn+”/2Cu)−84( C+N)−1
9.8で決まるδdが4%以下で、かつ35X(%P)
+250X(チS)+100x(チ0)−0.1x(%
δd)−20X(チTi)−60×(%Zr)−600
x(%Ca)<1.67を満すようにTiO.OO5〜
0.i%,ZrO.OO5〜0.1% , CaO.O
OO5〜0.050%の1種以上を含有することを特徴
とする、熱間圧延において圧延による疵発生の少ないス
テンレス合金。
iO.l〜6.0%, MnO.l〜10.0% ,
P<0.06% , S<0.01%, Crl5.O
〜35.0係,NilO.O〜35.0係,NO.OO
l〜0.50% , O<0.01%に加えてMOく6
.0%,Cu<4.0% , Nb<1.0%及びSn
<0.1%の何れか1種又は2種以上を含み残部実質的
にFeかもなるステンレス合金において、δd=3 (
Cr+MO+1.5Si+0.5Nb)−2.8(N
i+”/2Mn+”/2Cu)−84( C+N)−1
9.8で決まるδdが4%以下で、かつ35X(%P)
+250X(チS)+100x(チ0)−0.1x(%
δd)−20X(チTi)−60×(%Zr)−600
x(%Ca)<1.67を満すようにTiO.OO5〜
0.i%,ZrO.OO5〜0.1% , CaO.O
OO5〜0.050%の1種以上を含有することを特徴
とする、熱間圧延において圧延による疵発生の少ないス
テンレス合金。
以下本発明を説明する。
上述したような割れに対する対策を検討するために本発
明者らは現場実験を重ねる一方で、研究手段として熱間
衝撃試験を実施して、割れ評点を現場実験結果と対応さ
せた。
明者らは現場実験を重ねる一方で、研究手段として熱間
衝撃試験を実施して、割れ評点を現場実験結果と対応さ
せた。
その結果熱間衝撃試験の割れ評点を小さくするような諸
対策がヘゲ疵防止策になり得ることを確かめた。第1図
はこの対応を示している。
対策がヘゲ疵防止策になり得ることを確かめた。第1図
はこの対応を示している。
SUS3l6の厚板圧延でのヘゲ疵発生率(ヘゲ発生枚
数/圧延枚数)と熱間衝撃試験における平均評点(12
50℃加熱後空冷しつつ、1200℃,1150℃,1
100℃,1050℃でJISZ2242にもとづく熱
間衝撃を加えた試片の評点を合計した後試験本数で割っ
たもの)で1.5以下になるとヘゲ疵の発生はほとんど
生じない。
数/圧延枚数)と熱間衝撃試験における平均評点(12
50℃加熱後空冷しつつ、1200℃,1150℃,1
100℃,1050℃でJISZ2242にもとづく熱
間衝撃を加えた試片の評点を合計した後試験本数で割っ
たもの)で1.5以下になるとヘゲ疵の発生はほとんど
生じない。
尚評点は、第2図に示すように割れなしをO、小さな割
れ発生を1、折れを5として、その間を2,3,4と区
分して評価している。このようにして熱間衝撃試験にお
ける評点と成分の関係を調べた結果第3図に示すように
割れを起こす主因はSであり、したがってS量が最も影
響することがわかると共に、Pも悪影響があることを見
出した。
れ発生を1、折れを5として、その間を2,3,4と区
分して評価している。このようにして熱間衝撃試験にお
ける評点と成分の関係を調べた結果第3図に示すように
割れを起こす主因はSであり、したがってS量が最も影
響することがわかると共に、Pも悪影響があることを見
出した。
更にOについても同様の傾向があることがわかった。し
たがってS,p,Oを極力低減することが効果的ではあ
るが限実的にはコストの大巾上昇をともなう。二方連鋳
片ならびに鋼塊のように凝固組織の特性を研究するうち
、オーステナイト合金の凝固時にS,p,O等が局部偏
析を起こしてγ粒界に偏析することから凝固時にδフエ
ライトが存在することが有効であることを確認した。
たがってS,p,Oを極力低減することが効果的ではあ
るが限実的にはコストの大巾上昇をともなう。二方連鋳
片ならびに鋼塊のように凝固組織の特性を研究するうち
、オーステナイト合金の凝固時にS,p,O等が局部偏
析を起こしてγ粒界に偏析することから凝固時にδフエ
ライトが存在することが有効であることを確認した。
すなわちδd=3CCr十MO+ 1.5Si+0.5
Nb)−2.8(Ni+”/2Mn+’/2Cu)−9
8( C+N)−19.8で求まるδdが負から正に増
大するにつれてヘゲ疵が減少する(第4図)。しかしこ
のδdの効果もその値が4%を超えるとなくなり又Sや
P量で影響される。Sの悪影響を防止するには、Sその
ものを低減すると同時に安定な硫化物形元素であるZr
,Ca,Ti等の添加が効果的である(第5図)。ただ
これらの元素は極めて活性であり、ノズル詰りの原因に
もなりやすいので、なるべく微量添加が望まし《、かつ
複合添加が望ましい。もち論これらの添加の前にはSi
,Mn、や微量A7により十分脱酸しておくことが必要
である。このようにして高合金鋼の熱間加工温度での変
形能低下に原因するヘゲ疵や割れ疵の防止に対して有効
な手段を求めて研究しすでに述べた通りδD,S量、P
量、0量や硫化物安定化元素の添加等の影響を定量的に
把握した。
Nb)−2.8(Ni+”/2Mn+’/2Cu)−9
8( C+N)−19.8で求まるδdが負から正に増
大するにつれてヘゲ疵が減少する(第4図)。しかしこ
のδdの効果もその値が4%を超えるとなくなり又Sや
P量で影響される。Sの悪影響を防止するには、Sその
ものを低減すると同時に安定な硫化物形元素であるZr
,Ca,Ti等の添加が効果的である(第5図)。ただ
これらの元素は極めて活性であり、ノズル詰りの原因に
もなりやすいので、なるべく微量添加が望まし《、かつ
複合添加が望ましい。もち論これらの添加の前にはSi
,Mn、や微量A7により十分脱酸しておくことが必要
である。このようにして高合金鋼の熱間加工温度での変
形能低下に原因するヘゲ疵や割れ疵の防止に対して有効
な手段を求めて研究しすでに述べた通りδD,S量、P
量、0量や硫化物安定化元素の添加等の影響を定量的に
把握した。
以上の要因を織り込んで要因分析を繰り返し、最も経済
的にヘゲ疵防止を達成する定量的対策を検討した結果、
以下の数式を満すように合金設計し、かつ微量元素を添
加することが極めて有効であることが判明した。
的にヘゲ疵防止を達成する定量的対策を検討した結果、
以下の数式を満すように合金設計し、かつ微量元素を添
加することが極めて有効であることが判明した。
熱間衝撃平均評点をYとすると、
Y=a+35x(%P)+250X〔%s)−+−TO
Ox(%O〕−0.1x(%δCnll!)−20xC
%Ti〕−60x〔%Zr)−600X(%Ca)であ
らわされる。
Ox(%O〕−0.1x(%δCnll!)−20xC
%Ti〕−60x〔%Zr)−600X(%Ca)であ
らわされる。
ここに成分量は重量係であり、〔チδi)=3 ( C
r十MO+1.5Si+0.5Nb)−2.8CNi+
1/2Mn+’/2Cu) −84(C十N)−19.
8である。ここに定数aは合金量や脱酸元素と量によっ
て影響をうけるがその程度は小さく、a=−0.17で
表わし得る。この評点Yが1.5以下においてヘゲ疵の
発生がないことから結局1.67く35x(%P)+2
50x(o!)S)+XOOx(%0)−0.IX(%
δ!)−20(%Ti)−60(%Zr)−600X(
%Ca)を満すことが必要である。
r十MO+1.5Si+0.5Nb)−2.8CNi+
1/2Mn+’/2Cu) −84(C十N)−19.
8である。ここに定数aは合金量や脱酸元素と量によっ
て影響をうけるがその程度は小さく、a=−0.17で
表わし得る。この評点Yが1.5以下においてヘゲ疵の
発生がないことから結局1.67く35x(%P)+2
50x(o!)S)+XOOx(%0)−0.IX(%
δ!)−20(%Ti)−60(%Zr)−600X(
%Ca)を満すことが必要である。
以上の式から明らかなようにP,Sや0が極めて低い場
合でδ(0n1(イ)が正で大きい場合には硫化物安定
化元素は不要であったり、わずかな添加や脱酸度の調整
で上式を満すが、PやSを低減してもオーステナイトが
安定でδdが負の場合にはTi,Zr,Ca等の相当量
の添加や複合添加の必要なことを示している。
合でδ(0n1(イ)が正で大きい場合には硫化物安定
化元素は不要であったり、わずかな添加や脱酸度の調整
で上式を満すが、PやSを低減してもオーステナイトが
安定でδdが負の場合にはTi,Zr,Ca等の相当量
の添加や複合添加の必要なことを示している。
こうして割れ原因を根本的に追求した結果、合金成分か
ら直接判定し得るところまで定量化、数式化した点に特
徴があり、数式にしたがって、P,S量や0量及びδd
をもとに必要とされる微量添加成分量が判定し得ること
になり、熱間加工性の対策を確立した。
ら直接判定し得るところまで定量化、数式化した点に特
徴があり、数式にしたがって、P,S量や0量及びδd
をもとに必要とされる微量添加成分量が判定し得ること
になり、熱間加工性の対策を確立した。
このようにして熱間加工性の良否を定量化したことで、
種種の用途に使用されるステンレス鋼例えば耐熱用なり
、耐食用なりの合金設計の場合にもそのベースとして活
用出来ることになる。
種種の用途に使用されるステンレス鋼例えば耐熱用なり
、耐食用なりの合金設計の場合にもそのベースとして活
用出来ることになる。
以下に本発明の構成要件の限定の根拠について除べる。
Cは耐食性には低い程よ<0.001%を下限とし耐熱
性については多い程よ<0.20%を上限とした。
Cは耐食性には低い程よ<0.001%を下限とし耐熱
性については多い程よ<0.20%を上限とした。
Siは0.1%未満では脱酸が不十分であり、他方耐酸
化性の点では多い程望ましいが、6係をこえると脆化が
大きくなるので上限を6係とした。
化性の点では多い程望ましいが、6係をこえると脆化が
大きくなるので上限を6係とした。
Mnも0.1%未満では脱酸が不十分であり、他方オー
ステナイトの安定化には多い方が望ましいが、効果が飽
和するので上限を10%とした。Pは低ければ低い程望
ましくしたがってPOO6係以下とした。
ステナイトの安定化には多い方が望ましいが、効果が飽
和するので上限を10%とした。Pは低ければ低い程望
ましくしたがってPOO6係以下とした。
これを超えると耐食性が劣化する。Sは凝固時γ粒界に
偏析してヘゲ疵の主因となるので、低ければ低い程望ま
しく、80.01%以下とした。
偏析してヘゲ疵の主因となるので、低ければ低い程望ま
しく、80.01%以下とした。
これを超えると他の手段を講じても熱間加工性が悪い。
0もSと同様にヘゲ疵を助長し、低い方が望ましく、精
錬法や脱酸法で低減する。
0もSと同様にヘゲ疵を助長し、低い方が望ましく、精
錬法や脱酸法で低減する。
したがって0は0.01係以下とした。Crはステンレ
ス鋼としてその耐食性の点から15%以上は必要で35
係をこえると加工が困難となる。
ス鋼としてその耐食性の点から15%以上は必要で35
係をこえると加工が困難となる。
Niは高合金オーステナイトステンレス鋼としての組成
安定化のために必要であるが、例えばSUS3l6等の
高合金鋼ではJIS規格にあるように10.0%以上が
必要であり、一方35係を超えると高価になるので、上
限は35.0%とした。
安定化のために必要であるが、例えばSUS3l6等の
高合金鋼ではJIS規格にあるように10.0%以上が
必要であり、一方35係を超えると高価になるので、上
限は35.0%とした。
MOはステンレス鋼の耐酸性、耐孔食性を高める上で有
効で用途によって6係まで選択添加し得る。
効で用途によって6係まで選択添加し得る。
Cuも耐酸性に有効で用途によって4係まで選択添加出
来る。
来る。
Nはオーステナイトフオーマ一として有効であるが0.
5係をこえると気泡を発生する。
5係をこえると気泡を発生する。
下限は0.001%としたがこれ以下は技術的に困難で
ある。Nbは炭化物安定化元素として有効で用途によっ
て選択添加する。
ある。Nbは炭化物安定化元素として有効で用途によっ
て選択添加する。
1係以下としたのはこれを超えると脆化するためである
。
。
以上の成分はδd= 3 ( Cr+MO+ 1.5S
i+0.5Nb)−2.8(Ni+’/2Mn+’/2
Cu)−84(C十N)−19.8で示されるδdを通
してヘゲ疵に影響する。
i+0.5Nb)−2.8(Ni+’/2Mn+’/2
Cu)−84(C十N)−19.8で示されるδdを通
してヘゲ疵に影響する。
δdが負である程粒界偏析成分を低減あるいは硫化物安
定化対策を強化しないとヘゲ疵発生が起こりやすく、δ
dが正になると、凝固時SやPやOの分布を均一化して
効果的であるが4を超えると逆に悪化する。Tiは硫化
物を安定化して効果があり、Pの高い場合にも、Sと結
合して、δdと相まってヘゲ発生を防止する。
定化対策を強化しないとヘゲ疵発生が起こりやすく、δ
dが正になると、凝固時SやPやOの分布を均一化して
効果的であるが4を超えると逆に悪化する。Tiは硫化
物を安定化して効果があり、Pの高い場合にも、Sと結
合して、δdと相まってヘゲ発生を防止する。
下限0.005%未満では効果が小さく、0.1係をこ
えると効果が飽和する。Zrも同様の作用を何し、下限
0.005%未満では効果が小さく、0.1%をこえる
と効果が飽和する。Caも同様の作用を有し、下限0.
0005%未満では効果が小さく、0.050%をこえ
ると効果が飽和する。
えると効果が飽和する。Zrも同様の作用を何し、下限
0.005%未満では効果が小さく、0.1%をこえる
と効果が飽和する。Caも同様の作用を有し、下限0.
0005%未満では効果が小さく、0.050%をこえ
ると効果が飽和する。
耐食性の点でSnの選択添加が望まし<0.1%をこえ
ると効果が飽和する。
ると効果が飽和する。
次に本発明の実施例について説明する。
表1に示す通り本発明鋼A−Gは電気炉一AOD、ある
いは電気炉一VACで溶製され、必要なTi,Zr,C
aは電気炉中、AODあるいはVAC内、あるいは取鍋
に塊状及び粉体(Arをキャリヤーにして)で添加され
た。
いは電気炉一VACで溶製され、必要なTi,Zr,C
aは電気炉中、AODあるいはVAC内、あるいは取鍋
に塊状及び粉体(Arをキャリヤーにして)で添加され
た。
その後、連鋳片あるいは鋼塊とされて熱間加工にまわさ
れたが、連鋳片では厚板のヘゲ疵が対象になり分塊材で
は割れ、ヘゲを含めた研削率が対象にされた。比較鋼は
同一の製造ルートを経たものである。表中の指数Yは前
述した通り、Y=35X[%P)+250X〔係S)+
100X〔係0)−0.IX〔係δAyl〕−20x(
%Ti)−60x[%Zr]−600x[%Ca)−0
.17に相当するものである。本指数が1.5より小さ
い本発明鋼はヘゲ発生率や研削率がきわめて小さくなる
が、1.5よりも大きい比較鋼はヘゲの発生や研削率が
大きい。以上の実施例からも明らかな通り、高合金鋼の
熱間加工性を根本的に解決した技術である。本発明は熱
間加工性の基本にさかのぼるもので、鋼種としてはステ
ンレスをはじめ高合金鋼には基本的に成立し、かつ一つ
の数式で表わせるところに特徴がある。さらに本発明は
プロセスに関しても、溶製法.凝固法.加熱圧延法ある
いは加熱をしない連鋳一直接圧延にも適用されうる。
れたが、連鋳片では厚板のヘゲ疵が対象になり分塊材で
は割れ、ヘゲを含めた研削率が対象にされた。比較鋼は
同一の製造ルートを経たものである。表中の指数Yは前
述した通り、Y=35X[%P)+250X〔係S)+
100X〔係0)−0.IX〔係δAyl〕−20x(
%Ti)−60x[%Zr]−600x[%Ca)−0
.17に相当するものである。本指数が1.5より小さ
い本発明鋼はヘゲ発生率や研削率がきわめて小さくなる
が、1.5よりも大きい比較鋼はヘゲの発生や研削率が
大きい。以上の実施例からも明らかな通り、高合金鋼の
熱間加工性を根本的に解決した技術である。本発明は熱
間加工性の基本にさかのぼるもので、鋼種としてはステ
ンレスをはじめ高合金鋼には基本的に成立し、かつ一つ
の数式で表わせるところに特徴がある。さらに本発明は
プロセスに関しても、溶製法.凝固法.加熱圧延法ある
いは加熱をしない連鋳一直接圧延にも適用されうる。
又製品の種類としては板、条、線、管の何れにも適用さ
れ5るものである。
れ5るものである。
第1図は熱間衝撃テストの平均評点とSUS3l6厚板
でのヘゲ発生比率の関係を示す図、第2図は熱間衝撃試
験片の割れ評点を示す金属断面模式図、第3図は熱間衝
撃テストの平均評点に対するS@とP(イ)の影響を示
す図、第4図は熱間衝撃テづトの平均評点に対するδd
の影響を示す図、第5図は熱間衝撃テストの平均評点に
対する硫化物安定化元素添加の効果を示す図である。
でのヘゲ発生比率の関係を示す図、第2図は熱間衝撃試
験片の割れ評点を示す金属断面模式図、第3図は熱間衝
撃テストの平均評点に対するS@とP(イ)の影響を示
す図、第4図は熱間衝撃テづトの平均評点に対するδd
の影響を示す図、第5図は熱間衝撃テストの平均評点に
対する硫化物安定化元素添加の効果を示す図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量パーセントでC0.001〜0.20%、Si
0.1〜6.0%、Mn0.1〜10.0%。 P≦0.06%、S≦0.01%、Cr15.0〜35
.0%、Ni10.0〜35.0%、N0.001〜0
.50%、0≦0.01%に加えてMo≦6.0%、C
u≦4.0%、Nb≦1.0%及びSn≦0.1%の何
れか1種又は2種以上を含み残部実質的にFeからなる
ステンレス合金において、δcal=3(Cr+Mo+
1.5Si+0.5Nb)−2.8(Ni+1/2Mn
+1/2Cu)−84(C+N)−19.8で決まるδ
calが4%以下で、かつ35×(%P)+250×(
%S)+100×(%O)−0.1×(%δcal)≦
1.67を満たすことを特徴とする熱間圧延におおいて
圧延による疵発生の少ないステンレス合金。2 重量パ
ーセントでC0.001〜0.20%、Si0.1〜6
.0%、Mn0.1〜10.0%、P≦0.06%、S
≦0.01%、Cr15.0〜35.0%、Ni10.
0〜35.0%、N0.001〜0.50%、0≦0.
01%に加えてMo≦6.0%、Cu≦4.0%、Nb
≦1.0%及びSn≦0.1%の何れか1種又は2種以
上を含み残部実質的にFeからなるステンレス合金にお
いて、δcal=3(Cr+Mo+1.5Si+0.5
Nb)−2.8(Ni+1/2Mn+1/2Cu)−8
4(C+N)−19.8で決まるδcalが4%以下で
、かつ35×(%P)+250×(%S)+100×(
%O)−0.1×(%δcal)−20(%Ti)−6
0×(%Zr)−600(%Ca)≦1.67を満すよ
うにTi0.005〜0.1%、Zr0.005〜0.
1%、Ca0.0005〜0.050%の1種以上を含
有することを特徴とする、熱間圧延において圧延による
疵発生の少ないステンレス合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP55090012A JPS5915979B2 (ja) | 1980-07-03 | 1980-07-03 | 熱間圧延において圧延による疵発生の少ないステンレス合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP55090012A JPS5915979B2 (ja) | 1980-07-03 | 1980-07-03 | 熱間圧延において圧延による疵発生の少ないステンレス合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5716153A JPS5716153A (en) | 1982-01-27 |
JPS5915979B2 true JPS5915979B2 (ja) | 1984-04-12 |
Family
ID=13986746
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP55090012A Expired JPS5915979B2 (ja) | 1980-07-03 | 1980-07-03 | 熱間圧延において圧延による疵発生の少ないステンレス合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5915979B2 (ja) |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59182956A (ja) * | 1983-04-02 | 1984-10-17 | Nippon Steel Corp | 熱間加工性のすぐれた高合金ステンレス鋼 |
JPS60211054A (ja) * | 1984-04-03 | 1985-10-23 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | 熱間加工性が優れたオ−ステナイトステンレス鋼 |
JPS6126759A (ja) * | 1984-07-17 | 1986-02-06 | Kawasaki Steel Corp | 熱間加工性に優れたオ−ステナイト系ステンレス鋼 |
US4765957A (en) * | 1986-12-29 | 1988-08-23 | Carondelet Foundry Company | Alloy resistant to seawater and other corrosive fluids |
JPH0694057B2 (ja) * | 1987-12-12 | 1994-11-24 | 新日本製鐵株式會社 | 耐海水性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼の製造方法 |
US5474737A (en) * | 1993-07-01 | 1995-12-12 | The United States Of America As Represented By The Secretary Of Commerce | Alloys for cryogenic service |
EP2103705A1 (fr) * | 2008-03-21 | 2009-09-23 | ArcelorMittal-Stainless France | Procédé de fabrication de tôles d'acier inoxydable austenitique à hautes caractèristiques mécaniques |
WO2012102330A1 (ja) | 2011-01-27 | 2012-08-02 | 新日鐵住金ステンレス株式会社 | 合金元素節減型二相ステンレス熱延鋼材、合わせ材として二相ステンレス鋼を具備するクラッド鋼板、およびそれらの製造方法 |
SI2737961T1 (sl) * | 2011-07-29 | 2017-05-31 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Metoda za izdelavo avstenitnega nerjavnega jekla |
TWI460293B (zh) * | 2011-10-21 | 2014-11-11 | Nippon Steel & Sumikin Sst | 雙相不銹鋼、雙相不銹鋼鑄片、及雙相不銹鋼鋼材 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5435171A (en) * | 1977-08-24 | 1979-03-15 | Aishin Kako Kk | Chemical reaction apparatus using electron beam application |
-
1980
- 1980-07-03 JP JP55090012A patent/JPS5915979B2/ja not_active Expired
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5435171A (en) * | 1977-08-24 | 1979-03-15 | Aishin Kako Kk | Chemical reaction apparatus using electron beam application |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5716153A (en) | 1982-01-27 |
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