JPS5915756Y2 - ハツチカバ−の自立格納装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は貨物船などのハツチカバーの自立格納装置に関
する。

第１図に示すように、互に連結した４枚のパネルｌａ、
ｌｂ、ＩＣ，ｌｄにて形成したハツチカバー１を、油圧
シリンダ２にて作動するリフティングアーム３を用いて
開閉作動させ、特に開作動したときにこれら各パネル１
ａ〜１ｄを同図仮想線にて示すように、折畳んだ状態で
起立格納させるようにした装置にあっては、パネルの起
立状態を安定に支持格納する構成が必要とされる。

このため、従来では起立されたパネル１ａ〜１ｄの側方
にポスト等を立設し、このポストに設けたストッパによ
りパネルを起立支持させるようにしたものが提案されて
いるが、デツキ上面に対する積荷スペースを減少させる
と共に、荷役の邪魔になる等の問題が生じていた。

従って、本出願人は上記問題を解決するために、ハツチ
カバーのヒンジ部を延長してストッパを形成する一方、
このストッパと係脱する保合ブロックを摺動自在に設け
、この保合ブロックを摺動して前記ストッパに係合させ
ることによりハツチカバーを自立させるようにした自立
格納装置を先に提案した。

しかしながら、この装置においては、前記した１個の保
合ブロックを二段階操作することによってハツチカバー
の完全自立を行なうようにしたものであるため、一段階
操作したときに前記ストッパと保合ブロックとの保合面
にハツチカバーの前傾力が作用して摩擦抵抗力を生じ、
保合ブロックの二段階目の操作が困難になるという欠点
において改善すべきものであった。

本考案は上記に鑑みなされたもので、保合ブロックを一
段階用及び二段階用と夫々独立操作及び独立作用し得る
ように独立して設けることにより、前述した点を解決し
てハツチカバーの自立格納操作を更に容易に行なうこと
ができるハツチカバーの自立格納装置を提供することを
目的とする。

以下、第２図乃至第６図を用いて本考案装置を説明する
。

尚、第１図と同一部には同一符号を付しである。

前記パネル１ａ〜１ｄは相互間に設けたヒンジにて折り
畳み可能に連結し、図における最右端のパネル１ａの末
端のみ回転軸４にてテ゛ツキ５に枢支している。

この回転軸４にはリフティングアーム３も上下回動可能
に枢支しており、伸縮作動可能な油圧シリンダ２にて該
リフティングアーム３と前記パネル１ａとを連結してい
る。

そして、前記パネル１ａの右端ヒンジ部は略真直に延長
してストッパ６を形成し、またリフティングアーム３の
右端にも同様にしてストッパ７を形成する。

これら各ストッパ６．７は、第３図及び第４図に示すよ
うに、ヒンジボックス８内において回転軸４の軸方向に
並んで回動進入できるように構成する。

この場合、ストッパ６と７の長さはストッパ７を幾分長
くさせることが好ましい。

ヒンジボックス８はデツキ５上に固設した枠体として形
成し、回転軸４と平行に配設した一対のガイド８ａ、８
ｂに沿って夫々係合ブロック９，１０を摺動可能に内装
している。

これら各保合ブロック９，１０は図外の油圧アクチュエ
ータ等に連設したロッド１１，１２の操作により第４図
の上下方向に移動できる。

また、第３図から明らがなように、後方に配置した係合
ブロック９の高さは保合ブロック１０の高さよりも大と
なっている。

なお、前述した様なストッパ６．７や保合ブロック９，
１０はハツチカバー１の両側に設けられるのであり、ハ
ツチカバーの両側において自立作用を行なうようになっ
ている。

また、図中、１３はパネル１ａが起立したときにヒンジ
ボックス８の上面８Ｃに着座してパネル１ａを垂直に起
立させるようパネル面に対して直角に形成した着座面、
１４はリフティングアーム３の先端部分に係合して転動
するようにパネル１Ｃに軸支したローラである。

以上の構成になるハツチカバーの自立格納装置の作用を
説明すれば、第２図の状態がらテ゛ツキ面に当接するリ
フティングアーム３に反力をとって油圧シリンダ２を伸
長駆動すると、パネル１ａと１ｂが引き上げられて起立
し始め、さらにパネルＩＣ，ｌｄはハツチ上を引き寄せ
られるように移動する。

このようにして、油圧シリンダ２が伸び切ると、第５図
のようにパネル１ａと１ｂは完全に起立し、この状態で
係合ブロック９を摺動してストッパ６の上辺６ａが保合
ブロック９の前側面９ａに当接させてパネルｌａ、ｌｂ
を固定してからこんどは油圧シリンダ２を収縮作動させ
る。

すると、リフティングアーム３は回転軸４を中心として
時計方向に回動を始め、このときパネル１Ｃのローラ１
４と係合してパネル１Ｃと１ｄを前記パネルｌａ、ｌｂ
の側方に第６図のように起立させる。

ここで、保合ブロック１０を摺動してストッパ７の上辺
７ａを係合ブロック１０の前側面１０ａに当接させるこ
とにより、リフティングアーム３の前傾、即ちパネル１
ｃ、１ａの復動を防止するのである。

以上の作用において前記各係合ブロック９，１０は相互
に干渉しないような構成となっているため、夫々の操作
は他方の保合ブロックの状態如何によらず独立して行な
うことができるので、最初に保合ブロック９にてストッ
パ６と係合し、パネルｌａ、ｌｂの前傾力が該保合当接
面に作用して摩擦力が作用して保合ブロック９の摺動が
困難になっても、他方の保合ブロック１０はこれに拘ら
ず軽快に作動させることができ、リフティングアーム３
のストッパ７との前述した保合操作を可能にするのであ
る。

因みに、本出願人が先に提案したものは保合ブロック９
と１０を一体化した状態のものであるため、ストッパ６
との保合後におけるストッパ７との保合操作が困難にな
っていたのである。

なお、ハツチカバーの後方への転倒に対しては、着座面
１３がヒンジボックス８に着座していることにより有効
である。

以上のように本考案によれば、ハツチカバーのストッパ
に係合するブロックと、リフティングアームのストッパ
に係合するブロックとを別体に形成して夫々独立操作で
きるようにしたから、特にハツチカバー自立格納操作の
最終操作であるリフティングアームのストッパとの保合
操作を、ハツチカバーのストッパとの保合操作と同様に
軽快に行なうことができる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はハツチカバーを説明する側面図、第２図は本考
案の自立格納装置を備えたハツチカバーの側面図、第３
図は要部拡大図、第４図はその平面図、第５図及び第６
図は作用を説明するための側面図である。 １・・・ハツチカバー １ａ〜ｌｄ・・・パネル、２・
・・油圧シリンダ、８・・・リフティングアーム、４・
・・回転軸、６，７・・・スＩ・ツバ ８・・・ヒンジ
ボックス、９゜ １０・・・保合ブロック。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハツチカバーをヒンジ部より一体に延長してストッパを
   形成する一方、このハツチカバーを開閉作動するリフテ
   ィングアームをヒンジ部より延長して一体のストッパを
   形威し、これら各ストッパをヒンジボックスの内部へ回
   動進入自在になす一方、ヒンジボックスの内部に各スト
   ッパに対してそれぞれ独立して係脱する係合ブロックを
   摺動自由に配設し、かつ保合ブロックはハツチカバー及
   びリフティングアームを起立状態に維持する部位にて各
   ストッパとそれぞれ係合するように構成されていること
   を特徴とするハツチカバーの自立格納装置。