JPS5913077Y2 - 記録紙巻付回転ドラム装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、インクジェットプリンタや高速ファクシミリ
装置等における記録紙巻付回転ドラム装置に関し、詳し
くは、記録紙を押える紙止着バーが高速回転時に浮かな
いように改良した記録紙巻付回転ドラム装置に関するも
のである。

前述したようなプリンタ等の回転ドラムに記録紙を巻き
付け、この記録紙の前後端を２本の紙止着バーでそれぞ
れ押えることによって記録紙を回転ドラム密着させる装
置は、例えば、第１図及び第２図に示すように、回転ド
ラム１ａの表面に配置した紙止着バー５ａ、５ａを回転
ドラム１ａの中心方向にスプリング１２により付勢し、
このスプリング１２を含む図示しない紙止着バー離接機
構により、紙止着バー５ａ、５ａを回転ドラム１ａの表
面に離接するようにして回転ドラム１ａ表面の記録紙１
３を着脱するようにしており、より具体的には、たとえ
ば特開昭４９−９８９０９号公報に記載されたものがあ
る。

しかし、斯様な紙止着機構では、回転ドラム１ａが高速
回転すると、紙止着バー５ａ、５ａに遠心力が作用し、
各紙止着バー５ａ、５ａの中央は、矢印Ｃ方向へ撓む現
象を呈することが判明した。

また、これがため、記録紙１３のゆるみとこれに記録さ
れる画像の質の低下を生起することも判明した。

この現象は、広幅の紙を用いるため紙止着バー５ａ、５
ａの左右の支持位置間の距離を長くしなければならない
場合や高速プリントのため回転ドラム１ａの回転を一層
高速化しなければならない場合に顕著となるのである。

即ち、紙止着バー５ａ、５ａの中央の撓み量は、左右の
支持位置間距離の４乗に比例し、また、回転速度の２乗
に比例するので、記録紙の広幅化や記録の高速化には大
きな問題となる。

これを解決するために、紙止着バー５ａ、５ａの厚さを
増すことも考えられるが、記録紙の端に皺や癖がつきや
すくなること、紙端の記録できない部分が広くなること
、回転ドラム１ａに形成する溝が深くなるので回転ドラ
ム１ａが厚肉、重量化すること等の新たな問題点が生じ
るため、結局紙止着バー５ａ、５ａの厚さを制限せざる
を得ない。

そこで本考案は、紙止着バーの支持間距離を長くしたり
回転ドラムを高速回転させたりしても、紙止着バーの厚
みを増すことなく、遠心力により紙止着バーが浮かない
ようになした記録紙巻付回転ドラム装置を提供すること
を目的とする。

この目的を達成するための本考案は、回転ドラム、該回
転ドラムの表面に対して離接自在な紙止着バー、及び該
紙止着バーの両端に係合し紙止着バーを回転ドラム表面
に対し離接する機構を有してなる記録紙巻付回転ドラム
装置において、前記紙止着バーが磁性体で形成され、前
記回転ドラムの内方に回転ドラムの半径方向に移動自在
に支持された磁石体が設けられ、該磁石体は一定の遠心
力が作用したとき回転ドラムの半径方向外方に向って移
動し、前記紙止着バーを回転ドラム表面に対して吸引せ
しめる関係に位置されている記録紙巻付回転ドラム装置
を特徴とするものである。

次に第３図〜第５図により本考案の実施例を説明する。

回転ドラム１は、図示しない像形成手段に記録紙巻き付
は面２を対向させて位置しており、図示しない動力源に
より回転駆動される。

この回転ドラム１の表面には、記録紙の前後端部を固定
するための第１、第２の溝３，４が軸方向に平行に設け
られている。

これら第１、第２の溝３，４には、第１、第２の紙止着
バー５，６が離接自在に位置している。

即ち、記録紙は、まず、第１の紙止着バー５と第１の溝
３との間にその前端部を挾まれ、回転ドラム１の回転に
伴って、記録紙の中間が記録紙巻き付は面２に巻かれる
。

この際、回転ドラム１の巻き付けのための回転中には、
第２の紙止着バー６が位置を固定した状態で回転ドラム
１表面の記録紙上に圧接していて、回転ドラム１に巻か
れる記録紙をしごいて記録紙巻き付は面２に密着させる
役目を果す。

このような役目を果した後、第２の紙止着バー６は、回
転ドラム１が１回転して原位置に戻った時、記録紙の後
端部をしごきながら第２の溝４内に入り、この記録紙の
後端部を固定する。

これらの第１、第２の紙止着バー５．６の動作は、図示
しない紙止着バーの離接機構により行なわれる。

前述したようにして、記録紙を回転ドラム１の表面に巻
き付けた後、回転ドラム１を回転させながら記録紙に画
像を形成するのであるが、本考案ではこの時に、第１、
第２の紙止着バー５，６が遠心力等により浮かないよう
に次のように構成されている。

即ち、第３図に示すように、円筒状の回転ドラム１の第
１、第２の溝３，４が位置する表面には、この回転ドラ
ム１内に貫通する窓７が形成されている。

また、第４図から判るように回転ドラム１の中心位置を
軸方向に貫通する回転軸８の前記窓７と対向する位置に
は、ガイド軸９がドラムの半径方向に軸線を向けて固定
されている。

前記ガイド軸９には、磁石体１０が軸方向に移動自在に
嵌合されており、この磁石体１０は、スプリング１１に
より常時回転軸８の方向に付勢されている。

一方、前記第１、第２の紙止着バー５，６は磁性体で形
成されており、回転ドラム１の窓７の部分で第１、第２
の紙止着バー５，６に磁石体１０が回転ドラム１の回転
速度によって、すなわち遠心力の大小に応じて結合した
り、結合を解除されるようにスプリング１１の強さが調
整されている。

即ち、回転ドラム１の回転速度が一定の速度に達すると
、磁石体１０の遠心力がスプリング１１の力に優って第
５図矢印り方向へ移動して、この磁石体１０が窓７の裏
面に当接した時に第１、第２の紙止着バー５゜６に接す
るか極めて近接して第１、第２の紙止着バー５，６を磁
石体１０で吸引し、また、回転ドラム１の回転速度が一
定の速度よりも遅くなった時に磁石体１０に作用する遠
心力が弱まってスプリング１１の力の方が優って磁石体
１０が第４図矢印Ｅ方向へ移動して第１、第２紙止着バ
ー５，６と磁石体１０との結合が解かれる関係にある。

従って、回転ドラム１が高速回転することによって、第
１、第２の紙止着バー５，６が遠心力により外方へ撓も
うとしても磁石体１０の吸引力によりそれを阻止するこ
とができ、また、回転ドラム１が停止して第１、第２の
溝３，４から第１、第２の紙止着バー５，６が外れる時
には、磁石体１０の吸引力が第１、第２の紙止着バー５
，６に作用しないので、第１、第２の紙止着バー５，６
のドラム表面からの離脱を容易にする。

なお、この実施例のように、磁石体１０や窓７等を１箇
所にする場合には、この磁石体１０等の位置が第１、第
２の紙止着バー５，６の中央部分に位置するように配置
するのが好ましい。

また、磁石体１０や窓等を回転ドラム１の複数箇所に配
置することもできる。

以上のように本考案によれば、磁石体の吸引力により高
速回転中の遠心力による紙止着バーの撓み（浮き上り）
を防止できる。

従って、高速で記録をしたり紙中を広くしたりしても、
回転ドラムに巻き付けた記録紙がゆるんだり外れたりす
ることがなく、高精度な画像を得ることができる。

また、紙止着バーの厚みを薄くすることができるので重
量が軽減され、紙止着バーの回転ドラムの押付力や磁石
体の吸引力を弱くすることができる。

更にこれに伴って、回転ドラムの表面に紙を押えるため
の溝がある場合には、この溝を浅くすることができるの
で、紙端に悪い癖や皺が生じることがなく排紙が容易に
なる。

また、前記溝が浅くなれば、回転ドラムの回転中に溝部
が引き越す乱気流が少なくなるので像形成手段がインク
ジェットの場合には、インク流の乱れを少なくでき良質
な画像が得られる。

更に、前記溝が浅ければ工作が容易になるとともに回転
ドラムの薄肉化を計ることができる。

一方、紙止着バーは、例えば炭素繊維入りの樹脂等高価
な材料を使用する必要がなく、しかも、磁石体の紙止着
バーへの吸引動作を、外部から制御しなくても回転ドラ
ムの回転数に応じて行なうことができるので、構造簡単
にして安価な装置を提供できる等数々の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来装置を示すものであって、第１図
はその正面図、第２図はその側面図、第３図〜第５図は
本考案の一実施例を示すものであって、第３図はその斜
視図、第４図は第３図ＩＶ−ＩＶ線の一部断面図、第５
図は第４図に相当する作用を説明するための一部断面図
である。 １・・・・・・回転ドラム、５・・・・・・第１の紙止
着バー６・・・・・・第２の紙止着バー、１０・・・・
・・磁石体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転ドラム、該回転ドラムの表面に対して離接自在な紙
   止着バー、及び該紙止着バーの両端に係合し紙止着バー
   を回転ドラム表面に対し離接する機構を有してなる記録
   紙巻付回転ドラム装置において、前記紙止着バーが磁性
   体で形成され、前記回転ドラムの内方に回転ドラムの半
   径方向に移動自在に支持された磁石体が設けられ、該磁
   石体は一定の遠心力が作用したとき回転ドラムの半径方
   向外方に向って移動し、前記紙止着バーを回転ドラム表
   面に対して吸引せしめる関係に位置されていることを特
   徴とする記録紙巻付回転ドラム装置。