JPS5912513Y2 - 冷凍サイクル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は圧縮機の圧縮室にガスインジエクションを行わ
せるバイパス回路を有する冷凍サイクルに関し、その目
的とするところは、弁体内のメイン弁を常時開放方向に
付勢するスプリングを有する通電時開放形パイロット電
磁二方弁を、バイパス回路に設けることにより、ガスイ
ンジエクション時における冷媒の脈動に起因する異常音
の発生を防止した冷凍サイクルを提供するにある。

以下本考案の一実施例につき、第１図および第２図を参
照して説明する。

第１図は冷房能力を３段に切替なしうるようにしたもの
で、図において１は圧縮機、２は室外側熱交換器、３は
減圧装置（これを図示のように３ａ，３ｂと名付けるこ
ととする）、４は気液分離器、５は室内側熱交換器で、
これら圧縮機１、室外側熱交換器２、減圧装置３、気液
分離器４、室内側熱交換器５を冷媒管６を介して連通ず
るとともに、前記気液分離器４から後述する通電時開放
形パイロット電磁三方弁７を介して、圧縮機１のシリン
ダ内にガス冷媒を噴射させるバイパス回路８が設けられ
ている。

なお、９もまた後述する通電時開放形パイロット電磁三
方弁で、この二方弁９を介してバイパス回路８と圧縮機
１吸込管とが連結されている。

そうして、二方弁７および二方弁９をいずれも閉とし、
圧縮機１を付勢し、この冷凍サイクルを運転すると、圧
縮機１から吐出した冷媒は実線矢印で示すように、凝縮
器として作用する室外側熱交換器２にて放熱凝縮され、
減圧装置３ａにて減圧されたのち気液分離器４に貯溜さ
れ、液冷媒のみが減圧装置３ｂから蒸発器として作用す
る室内側熱交換器５を経て圧縮機１に戻り、室内側熱交
換器５における熱交換により冷却された空気が室内に吹
出され、室内の令房を行う。

上記二方弁７を開とし、二方弁９を閉とすると、気液分
離器４に貯溜されたガス冷媒の一部が破線矢印で示すよ
うに、バイパス回路８を経て圧縮機１のシリンダ内に噴
射され、ガスインジエクションが行われ冷房能力を向上
させる。

また逆に、二方弁７を閏とし、二方弁９を開とすると、
圧縮機１のシリンダ内で圧縮中の冷媒の一部がこの二方
弁９を通って低圧側にバイパスされることにな？、前記
とは逆に冷房能力を低下させる。

つまり、二方弁７，９の操作により冷房能力の３段切替
がなされることになる。

上記バイパス回路８に介挿される前述の通電時開放形電
磁二方弁７，９は第２図のように構或されている。

１１は弁体で、この弁体１１内にはピストン１２、プラ
ンジャ１３、およびスプリング１４．１５が設けられ、
プランジャ１３はスプリング１４により常時押下げられ
ている。

１６はコイルで、このコイル１６に通電が行われると、
プランジャ１３はスプリング１４の力に抗して引上げら
れ、パイロット弁１７が開いて、出口管１８とピストン
１２上側のスペースがつながり、そのスペース内の圧力
が下る。

一方、ピストン１２の下側の大部分には入口管１９の高
圧がかかつているので、ピストン１２上下の圧力差が生
じ、これとスプリング１５の付勢力によりピストン１２
は重力にさからいながら押上げられ、メイン弁２０が開
き入口管１９と出口管１８が導通する。

上記人目管１９にはバイパス回路８を経て冷媒が流入す
るが、ここに流れる冷媒には大きな脈動があり、また、
相当量の流量があるため、この冷媒の脈動がピストン１
２を上下に動かし、はげしく当るので異常音を発生する
おそれがあるが、スプリング１５の付勢力によりピスト
ン１２の浮上と弁前後の圧力差は関係なくなり、流量の
変化にかかわらず、コイル１６への通電によりプランジ
ャ１３が引上げられると、ピストン１２はスプリング１
５により押上げられ、その状態を保持し、メイン弁２０
が開放される。

そうして、コイル１６への通電をやめると、プランジャ
１３はスプリング１４により押下げられパイロット弁１
７を閉じ、ピストン１２上下スペースの圧力差によりス
プリング１５の力に抗してピストン１２を押下げ、メイ
ン弁２０を閉止する。

このように構或された通電時開放形パイロット電磁三方
弁７，９を用いることにより、ガスインジエクションお
よび圧縮中の冷媒を低圧側にバイパスする際におけるピ
ストン１２の上下動に起因する異常音の発生を防止でき
、さらに、このバイパス回路８にマフラ２１を介挿する
ことにより、その効果を向上させることができる。

上記は、冷房専用の冷凍サイクルについて説明したが、
第１図と同一部分を同一符号で表わした第３図に示す冷
暖房兼用のサイクルについても同様で、四方弁２２、暖
房用減圧装置３Ｃ、逆止弁２３，２４を図示のように介
拝することにより、二方弁７を流れる冷媒の脈動に起因
する異常音の発生を防止することができる。

以上のように本考案によれば、弁体内のメイン弁を常時
開放方向に付勢するスプリングを有する通電時開放形パ
イロット電磁二方弁を、バイパス回路に設けるようにし
たので、インジエクションの際冷媒の脈動に起因する異
常音の発生を防止することができ、効率のよい快適な空
調環境が得られる。

また、開弁時の操作電力がパイロット弁を押上げるだけ
の小容量で良く、かつコイルが小形小容量の通電時開放
形パイロット電磁二方弁を使用したので、大能力運転時
のガスインジエクションが長時間継続する場合であって
も、無駄な電力を消費することがないとともに装置全体
のコンパクト化が可能となり安価になる等実用上有益な
効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案冷凍サイクルの一実施例を示すサイクル
説明図、第２図は第１図における通電時開放形パイロッ
ト電磁二方弁の概略構造断面図、第３図は他の実施例を
示す冷凍サイクル説明図である。 ７，９・・・・・・通電時開放形パイロット電磁二方弁
、１２・・・・・・ピストン、１３・・・・・・プラン
ジャ、１４， １５・・・・・・スプリング、２０・・
・・・・メイン弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 圧縮機、室外側熱交換器、減圧装置、気液分離器、室内
   側熱交換器などを冷媒管を介して連通し気液分離器でガ
   ス化した冷媒の一部を圧縮機の圧縮室内に噴射させるバ
   イパス回路を有する冷凍サイクルにおいて、コイル通電
   時プランジャを駆動することによって開弁されるパイロ
   ット弁と、このパイロット弁の開弁時に弁体の入口管お
   よび出口管の圧力差で開弁されるメイン弁と、このメイ
   ン弁を常時開放方向に付勢するスプリングとを有する通
   電時開放形パイロット電磁二方弁を、前記バイパス回路
   に設けたことを特徴とする冷凍サイクル。