JPS6136134Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、空気調和機などに用いられ冷凍能
力の増加をはたすガスインジエクシヨンサイクル
装置の改良に関する。

空気調和をはたす冷凍サイクルにあつては、冷
凍能力の増加を目的としてガスインジエクシヨン
サイクルを併用したものが知られている。このガ
スインジエクシヨンサイクルは、蒸発器に流入さ
れる冷媒のうち、ほとんど吸熱に寄与しない気体
（ガス冷媒）を抽出して圧縮機の圧縮部へ戻し、
液体（液冷媒）だけ蒸発器に送り、圧縮機および
蒸発器の能力の向上を図ろうとするものである。

そして、このガスインジエクシヨンサイクルを
構成するガスインジエクシヨンサイクル装置とし
ては、従来から第１図に示すようなものが採用さ
れている。

これは、冷凍サイクルａを構成するキヤピラリ
などの絞りい装置ｂの吐出側冷媒循環路ｃ上に気
液分離器ｄを設けてなり、この気液分離器ｄで分
離された吸熱に寄与しないガス冷媒をインジエク
シヨンパイプｅを通して圧縮機ｆの圧縮部（図示
しない）にインジエクシヨン（回収）するように
なつている。なお、図においてｇは蒸発器、ｉは
凝縮器である。

ところで、この種のインジエクシヨンサイクル
においては、冷凍能力を高めるべく、ガス冷媒の
回収率の追求が課題とされている。

ところが、上述したような気液分離器ｄで分離
されたガス冷媒をその圧力で直接、圧縮部へイン
ジエクシヨンするガスインジエクシヨンサイクル
では、圧力の高い冷媒、たとえば中間圧の冷媒ま
では、その冷媒の圧力でインジエクシヨンを達成
することができるが、こと、蒸発器ｇの入口側の
低圧の冷媒にあつては、圧力が低いためにインジ
エクシヨンに供することはできず、この点がイン
ジエクシヨンサイクルにおいて問題とされてい
る。

この考案は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、高圧のガス冷媒を
吸引媒体としたエゼクタを用いて、蒸発器の入口
側における低圧側のガス冷媒までも回収する構造
にして、吸熱に寄与しないガス冷媒の回収率の向
上を図り、冷凍能力の向上をはたすことができる
ようにしたガスインジエクシヨンサイクル装置を
提供しようとするものである。

以下、この考図を図面に示す一実施例にもとづ
いて説明する。第２図中１は、圧縮機２、凝縮器
３、絞り装置としてのキヤピラリ４、蒸発器５を
順次冷媒循環路６で連絡して構成された冷凍サイ
クルである。そして、この冷凍サイクル１のキヤ
ピラリ４の吐出側、すなわちキヤピラリ４と蒸発
器３の入口部との間には、ガスインジエクシヨン
サイクル７が設けられる。このインジエクシヨン
サイクル７について説明すれば、図中８は高圧側
気液分離器で、この高圧側気液分離器８は、キヤ
ピラリ４の前段の中間圧にあたる冷媒循環路６上
に設けられる。そして、この高圧側気液分離器８
の前段には、減圧装置としてのキヤピラリ９が設
けられ、キヤピラリ９から蒸発器５に至る間に低
圧部１０を構成している。そして、この低圧部１
０上に上記高圧側気液分離器８と直列に低圧側気
液分離器１１が設けられ、中間圧および低圧の２
段分離系を構成している。そして、これら高圧側
気液分離器８および低圧側気液分離器１１の各気
体吐出部は、それぞれ連絡パイプ１２ａ，１２ｂ
を介してエゼクタ１３の各入口部１３ａ，１３ｂ
に連結されている。またエゼクタ１３の出口部１
３ｃは、インジエクシヨンパイプ１４を介して上
記圧縮機２の圧縮部（図示しない）に連結され、
高圧側気液分離器８で分離される圧力の高いガス
冷媒を吸引媒体として低圧側気液分離器１１で分
離される低圧のガス冷媒を前記ガス冷媒と共にシ
リンダ（図示しない）内にインジエクシヨンする
ことができるようになつている。なお、１５は低
圧側気液分離器１１で分離された液冷媒を所定の
圧力に減圧して蒸発器５に送るためのキヤピラリ
である。

次に、このように構成されたインジエクシヨン
サイクル装置の作用について説明する。まず、圧
縮機２を運転することにより、冷媒の圧縮が行な
われる。そして、圧縮機２から吐出した高圧の冷
媒は、圧縮機３へ至る。そして、凝縮を終えた冷
媒は、キヤピラリ４でインジエクシヨン圧に絞ら
れ、高圧側気液分離器８に至る。そして、この高
圧側気液分離器８で、湿り状の冷媒が液体分と気
体分とにそれぞれ分離され、高い圧力を存したガ
ス冷媒は連絡パイプ１２ａを通してエゼクタ１３
へ導びかれて高速ガスと化す。

一方、高圧側気液分離器８で分離された高い圧
力の液冷媒は、吐出後、さらにキヤピラリ９で減
圧され、低圧と化す。そして、この液冷媒は、低
圧側気液分離器１１に至り、ここで再度、液体分
と気体分とにそれぞれ分離される。そして、分離
された低圧のガス冷媒は、上記高速ガス化の変化
によつて生じたエゼクタ１３内の負圧により連絡
パイプ１２ｂを介してエゼクタ１３側へ吸引さ
れ、高速ガスと共に混合される。ついで、この混
合ガス冷媒は、高圧のガス冷媒による吸引効果に
より、インジエクシヨンパイプ１４を通して圧縮
機２の圧縮部へ送られ、インジエクシヨンポード
（図示しない）から圧縮行程中のシリンダ（図示
しない）内へインジエクシヨンされる。

他方、低圧側気液分離器１１で分離された液冷
媒は、キヤピラリ１５で所定の圧力にまで減圧さ
れたのち、蒸発器５を介して圧縮機２へ戻ること
になる。

しかして、インジエクシヨンサイクルとして
は、圧力の高いガス冷媒のエネルギーを利用し
て、インジエクシヨンには不適な低い圧力のガス
冷媒を高圧のガス冷媒とともに圧縮機２の圧縮部
にインジエクシヨンするインジエクシヨンサイク
ルが構成されることになる。

したがつて、吸熱に寄与しない低圧のガス冷媒
までもインジエクシヨンが可能となり、ガス冷媒
の回収効率の向上を図ることができる。

よつて、インジエクシヨン量の増加、および蒸
発器５内の圧力損失の低下、すなわち圧力を高く
取ることができ、冷凍能力の増大化および低入力
をはたすことができる。

なお、この考案は実用新案登録請求の範囲に記
載されたものにもとづき種々変化が可能なことは
もちろんである。

以上説明したようにこの考案によれば、冷凍サ
イクルの絞り装置の吐出側に、高圧側気液分離器
およびそれと直列に減圧装置を介在して低圧側気
液分離器を設け、エゼクタで、高圧側気液分離器
で分離された高圧のガス冷媒のエネルギーを利用
してインジエクシヨンには不適な低圧側のガス冷
媒を低圧側気液分離器から吸引して圧縮機の圧縮
部へインジエクシヨンする構造としたから、低圧
のガス冷媒までもインジエクシヨンが可能とな
り、吸熱に寄与しないガス冷媒の回収効率の向上
を飛曜的に図ることができる。

したがつて、インジエクシヨン量の増加および
蒸発器における圧力損失の低下を図ることができ
るとともに、また、蒸発器側の圧力を高くするこ
とができ、冷凍サイクルの能力の向上および低入
力をはたすことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のガスインジエクシヨンサイクル
装置を示す構成図、第２図はこの一実施例のガス
インジエクシヨンサイクル装置を示す構成図であ
る。 １……冷凍サイクル、２……圧縮機、３……凝
縮機、４……キヤピラリ（絞り装置）、５……蒸
発器、６……冷媒循環路、８……高圧側気液分離
器、９……キヤピラリ（減圧装置）、１１……低
圧側気液分離器、１３……エゼクタ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 圧縮機、凝縮器、絞り装置、蒸発器を冷媒循環
   路で順次連絡してなる冷凍サイクルと、この冷凍
   サイクルの絞り装置の吐出側冷媒循環路上に設け
   た高圧側気液分離器およびその高圧側気液分離器
   に減圧装置を介して直列に連絡する低圧側気液分
   離器と、各入口部が上記高圧側および低圧側気液
   分離器の各気体吐出部とそれぞれ連絡し、出口部
   が上記圧縮機の圧縮部に連絡し、高圧側気液分離
   器で分離される高圧のガス冷媒を吸引媒体として
   上記低圧側気液分離器で分離される低圧のガス冷
   媒を前記高圧ガス冷媒と共に圧縮部へインジエク
   シヨンするエゼクタとを具備したことを特徴とす
   るガスインジエクシヨンサイクル装置。