JPS5912509Y2 - 太陽熱集熱装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は太陽熱を利用した太陽熱集熱装置に関するもの
である。

一般に太陽熱を利用した給湯機においては、蓄熱槽の中
間に電気ヒータ等の補助加熱機を設け、これよ一り上方
を補助加熱蓄熱部（電気温水器部分）、下方を太陽熱蓄
熱部としている。

しがしながら、この方式では電気温水器部分と太陽熱蓄
熱部の容量が各々固定されているため、給湯負荷の使用
実態に適合し得なかった。

つまり、給湯負荷は冬期に最大となり、一般住宅の場合
、３７０１程度の電気温水器の使用量であり、これに対
し、夏期では２００１程度の使用量という具合に年間を
通じて大きく変動するものであり、したがって補助加熱
蓄熱部を最大である３７０ｌに設定すると、冬期以外で
は不必要に大容量の湯をためることになり、その結果、
放熱ロスによる損失が多くなるとともに、効率が低下す
る原因となっていた。

また太陽熱集熱量は蓄熱容量の大きさによって大きく変
化するもので、容量が大きい程集熱量も増加するため、
実際に給湯で使用する量以外はなるべく太陽熱蓄熱部の
容量を大きくする方が有効であるが、上記の方式ではそ
の容量を自由に変化させることができなかった。

本考案は上記従来の欠点を解決するためになされたもの
で、以下、本考案をその実施例を示す図面にもとづいて
説明する。

第１図において、１は蓄熱槽で、この蓄熱槽１には下方
内部に熱交換器２を設置し、かつ下部側壁には給水口３
を設け、さらに上部天面には給湯口４を設けている。

前記熱交換器２は配管５を介して循環ポンプ６、集熱器
７に接続されて集熱回路を構或している。

また蓄熱槽１の略中間位置には補助加熱機８への送り管
９が接続され、かつ蓄熱槽１の上方位置には補助加熱機
８を経て昇温された湯の戻り管１０が接続されており、
さらに戻り管１０の途中には、補助加熱機８の湯温検出
器１１により制御され、がっ設定温度以上のときに開或
する電動開閉弁１２を設け、前記補助加熱機８から蓄熱
槽１へ循環する湯温を一定に保っている。

前記蓄熱槽１は略中間部以下を太陽熱蓄熱部とし、かつ
それ以上を補助加熱蓄熱部としているもので、この補助
加熱蓄熱部の一部には、夏期の１日当たりの給湯量に相
当する容量を有する上方位置に第１温度検出器１３を設
け、かつ中間期に相当する位置に第２温度検出器１４を
設け、さらに冬期の１日当たりの給湯量に相当する容量
を有する下方位置に第３温度検出器１５を設けている。

第２図は電気回路を示したもので、１６は３つの切換接
点１６ａ， １６ｂ， １６Ｃを有する手動の切換スイ
ッチで、第１、第２、第３温度検出器１３， １４．１
５を介して補助加熱機８のバーナ１７に接続されている
。

上記構或において動作を説明する。

冬期においては、切換スイッチ１６を第３の切換接点１
６Ｃに接続すると、第３温度検出器１５と連動して補助
加熱機８のバーナ１７が運転される。

これにより昇温された湯は蓄熱槽１の最上部から蓄えら
れ、がっ高温水部は徐々に下方に移行し、そして第３温
度検出器１５の位置に達すると、第３温度検出器１５の
接点が開或してバーナ１７の運転を停止する。

これにより、第３温度検出器１５の位置より下方の容量
が太陽熱蓄熱部となる。

つまり、冬期は給湯使用量が多いため、補助加熱蓄熱部
の容量を多くしたもので、これにより太陽の集熱量が少
ない冬期における太陽熱蓄熱部の容量を少なくすること
ができる。

また夏期においては、切換スイッチ１６を第１の切換接
点１６ ａに切換えると、第１温度検出器１３と連動し
て補助加熱機のバーナ１７が運転される。

これにより昇温された湯は蓄熱槽１の最上部がら蓄えら
れ、かつ高温水部は徐々に下方に移行し、そして第１温
度検出器１３の位置に達すると、第１温度検出器１３の
接点が開威してバーナ１７の運転を停止する。

これにより、第１温度検出器１３の位置より下方の容量
が太陽熱蓄熱部となる。

つまり、夏期は給湯使用量が少ないため、補助加熱蓄熱
部の容量も少なくしたもので、これにより太陽の集熱量
が多い夏期における太陽熱蓄熱部の容量を多くすること
ができる。

そしてまた中間期においては、切換スイッチ１６を第２
の切換接点１６ｂに切換えると、上記と同様の動作が行
なわれる。

なお、第１、第２、第３温度検出器１３， １４． １
５の設定温度はすべて同一であり、また補助加熱機８内
の湯温検出器１１の設定温度よりは若干低い温度に設定
されている。

また上記実施例においては、送り管９は蓄熱槽１の中間
位置に設けていたが、第３温度検出器１５の位置より下
方であれば、どこに設けても同様の効果が得られること
は言うまでもない。

以上のように本考案によれば、補助加熱蓄熱部の一部に
上下位置関係が異なる複数個の温度検出器を設け、この
複数個の温度検出器のいずれか１個を手動の切換スイッ
チにより選択して補助加熱機の運転と連動させるように
しているため、季節に応じて補助加熱蓄熱部の容量と太
陽熱蓄熱部の容量を任意に調節可能となり、その結果、
冬期以外は補助加熱蓄熱部の容量を小さくできるため、
給湯に使用しない無駄な容量からの放熱ロスもなく、非
常に省エネルギーな補助加熱手段を提供することができ
る。

また太陽熱による集熱量の多い夏期は太陽熱蓄熱部の容
量を大きくすることができるため、集熱効率も大巾に向
上させることができる。

そしてまた各々の容量の調節は複雑な操作をすることな
く、切換スイッチを手動操作するのみで簡単に行なうこ
とができ、しかもその構或はきわめて簡単であるため、
安価にして信頼性の高いものを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第「図は本考案の一実施例を示す太陽熱集熱装置のシス
テム図、第２図は同装置の電気回路図である。 １・・・・・・蓄熱槽、８・・・・・・補助加熱器、９
・・・・・・送り管、１０・・・・・・戻り管、１３，
１４， １５・・・・・・複数個の温度検出器、１６
・・・・・・切換スイッチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 蓄熱槽の略中間部と上方部を連通ずる接続管を蓄熱槽の
   外側に位置して設け、かつこの接続管の途中には一定温
   度に達した湯が前記蓄熱槽内に循環するように制御する
   補助加熱機を設け、前記蓄熱槽の略中間部以下を太陽熱
   蓄熱部とし、かつそれ以上を補助加熱蓄熱部とした太陽
   熱集熱装置において、前記補助加熱蓄熱部の一部に上下
   位置関係が異なる複数個の温度検出器を設け、この複数
   個の温度検出器のいずれか１個を手動の切換スイッチに
   より選択して前記補助加熱機の運転と連動させることに
   より、前記補助加熱蓄熱部の容量と太陽熱蓄熱部の容量
   を任意に調節可能としたことを特徴とする太陽熱集熱装
   置。