JPS5912083Y2 - 継目無鋼管製造用ミルにおけるプラグ

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【考案の詳細な説明】本考案は、エロンゲーターミル、プラグミル等、継目無
鋼管製造用ミルにおけるプラグに関するものである。

継目無鋼管製造用ミルにおけるプラグは、継目無鋼管の
製造時に高温下で非常に高い圧力を受けるため、表面の
摩耗、局部的なエグレ、焼き付き等を生じ使用不能とな
る。

従来、前述の如き表面の摩耗、局部的なエグレ、焼き付
き等によるプラグの寿命低下を改善すべく、プラグに熱
処理を施し、その表面に酸化層を生或させ、それにより
プラグの寿命延長を図っていた。

そしてプラグ表面の酸化層の生戒状態および使用による
剥離状態によって、プラグの寿命に太きく影響すること
が知られている。

さて、この種のプラグは、鋳造され、かつ機械加工され
て精密に仕上げられるのであるが、本考案者は精密仕上
げされたプラグの寿命を一層延長すべく種々研究、実験
を重ねてきた。

我々は、先ず、鋳造されたままのプラグと、精密仕上げ
されたプラグとを熱処理して、それ等の表面に酸化層を
生威させ、その生或状態および使用による剥離状態を比
較した。

その結果、鋳造されたままのプラグにおける表面酸化層
の生或状態は、精密仕上げされたプラグにおける表面酸
化層の生或状態よりも極めて良好であり、かつ鋳造され
たままのプラグにおける表面酸化層の方が剥離し難いこ
とが知見された。

これは、プラグの表面粗度に深い関係があると思料する
が、しかしながら、鋳造されたままのプラグを熱処理し
て、継目無鋼管製造用ミルにおけるプラグとして使用す
ることは、寿命の点で優れてはいても、真円度等の寸法
精度の点で製品品質に悪影響を及ぼすので避けざるを得
ない。

そこで我々は、精密仕上げされたプラグの表面粗度を、
鋳造されたときのプラグの表面粗度と同程度にすること
により、爾後の熱処理による表面酸化層の生戊状態およ
び使用による剥離状態を改善でき、プラグの寿命を一層
延長できることに或功したのである。

以下に本考案によるプラグの実施例を図面に基づき説明
する。

図において１は本考案によりなるプラグであって、この
プラグ１は、所要の形状に鋳造されたものを機械加工に
よって精密に仕上げ、この精密仕上げされたものをサン
ドブラスト処理して、その表面に、鋳造時のものの表面
粗度と同程度の梨地面１ａを形或し、さらに熱処理して
表面に酸化層１ｂを生或させて或る。

なお、上記実施例ではサンドプラスト処理を行なう場合
を説明したが、ショットブラストまたはグリッドブラス
ト処理を行なっても差支えない。

このようにして或る本考案のプラグと、精密仕上げされ
、熱処理された従来のプラグとを、実際の継目無鋼管製
造用ミルに使用したときの寿命の比較を下記第１表に示
す。

上記第１表から明らかな如く、本考案のプラグは、エロ
ンゲーターミルに使用した場合、従来のプラグよりも１
．７倍、またプラグミルに使用した場合、従来のプラグ
よりも１．５倍の寿命が得られ、継目無鋼管の生産性向
上に寄与できるのである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案によるプラグの実施例を示す斜視図である。１・・・・・・プラグ、１ａ・・・・・・梨地面、１ｂ
・・・・・・酸化層。

【実用新案登録請求の範囲】