JPS5911755Y2 - 脱水兼用洗濯機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は回転槽の回転時における異常揺動に対処ずるた
めの安全装置の構造を改良した脱水兼用洗濯機に関する
。

例えば外箱内に回転槽を揺動自在に吊持するようにした
所謂一重槽構造の脱水兼用洗濯機では、回転槽の回転時
における異常揺動に対処するために、回転槽が一定の振
幅を越えて揺動した場合に回転槽に衝突されて回動変位
する検知レバーを設けると共に、この検知レバーの変位
に応答して回転槽駆動用のモータへの通電を断つ安全ス
イッチを設けている。

ところが一般には、前記安全スイッチを蓋スイッチとし
ても利用するようにしているため、検知レバー及びこれ
を回動可能に支持する取付部材の他に多くの部品を必要
とし、このため組立てにも多くの手間を要し、製造コス
トが高騰化するという問題があった。

本考案は上記の事情に鑑みてなされたもので、部品点数
を大幅に削減することができ、組立ても簡単に行うこと
ができる脱水兼用洗濯機を提供することを目白勺とする
。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

まず第１図乃至第４図に示す第１実施例において、１は
外箱で、これは下部箱体２及び上部箱体３とから構威さ
れ、両者を仕切板４により仕切って上部箱体３内を水受
室５としている。

６は下部箱体２内に吊り棒７を介して揺動自在に吊持し
た支持板、８は水受室５内に単独で配置されハウジング
９により支持板６と一体的に揺動するように支持された
回転槽、１０はこの回転槽８内底部に配設した攪拌翼、
１１は支持板６に配設したモータであり、このモータ１
１の回転はクラッチ機構１２により回転槽８及び攪拌翼
１０に選択的に伝達される。

前記回転槽８は、底壁及び周壁を無孔状に形或すると共
に、周壁をテーパ状に形威して、回転時に内部の水を遠
心力によら揚水して上部から水受室５内に放出するよう
になっている。

１３は仕切板４に形或され水受室５内に放出された水を
排水ホース１４を介して外部に排出する排水ホースであ
る。

１５は外箱１の上部に被着した蓋枠で、これには回転槽
８内に臨む洗濯物出入用の開口部１６を形威していると
共に、下部には回転槽８の上部位を囲繞する環状の防水
カバー１７を取付けている。

１８は外箱１上部に存する開口部即ち蓋枠１５の開口部
１６を開閉すべく回動可能に枢支した開閉蓋で、その枢
支側の一端部には掛止部たる掛止片１９を一体に突設す
ると共にこの掛止片１９に連続して該掛止片１９よりも
低位の段面部１９ ａを一体に延設している。

２０は蓋枠１５の後方部位に一体に形威した操作箱で、
その傾斜前面をタイマ装置２１を取付けたパネル板２２
によって閉鎖している。

さて、２３は取付部２４及び検知レバー２５並びに作動
レバー２６の三者をプラスチックの一体或形によって形
或して或る作動体で、詳細には検知レバー２５の上端部
を取付部２４に円弧状の屈曲部２７を介して回動可能に
連接すると共に、作動レバー２６の基端部を検知レバー
２５の上方寄りの部位に円弧状の屈曲部２８を介して回
動可能に連接して或るもので、取付部２４には長孔２９
を形或し、検知レバー２５の中間部には防滴板３０を同
時或形により一体に形威し、作動レバー２６の中間部に
は弾性片３１を同時戊形により一体に形威している。

また、屈曲部２７及び２８を除く取付部２４検知レバー
２５及び作動レバー２６の略全体には補強用のリブ３２
を同時或形により一体に突設している。

そして自由状態にあっては、取付部２４と検知レバー２
５とのなす角度αは鈍角になっており、また検知レバー
２５と作動レバー２６とのなす角度βは鋭角になってい
る。

而して、取付部２４を操作箱２０の背部内側に一体に突
設された座部３３に取付けるべく、検知レバー２５の下
端部を操作箱２０の底部に形或された透孔３４及び防水
カバー１７に形或された透孔３５に挿通して水受室５内
に突出させて回転槽８上部に対向せしめると共に、作動
レバー２６の自由端部を掛止片１９上に掛止させ、そし
て取付部２４の長孔２９にねじ３６を挿通してこれを座
部３３に締付けて固定する。

この取付状態にあっては、検知レバー２５は取付部２４
及び作動レバー２６とのなす角度が共に略直角となるよ
うに回動した状態にあり、これがために屈曲部２７は弾
性変形した状態にあってその復元力により検知レバー２
５を常時矢印Ａ方向に回動付勢していると共に、屈曲部
２８も弾性変形した状態にあってその復元力により作動
レバー２６を常時下方従って矢印Ｂ方向に回動付勢して
いる。

尚、検知レバー２５の矢印Ａ方向の回動限界位置は透孔
３４の前縁部がストッパ３７として作用することにより
規制される。

また、検知レバー２５の防滴板３０は透孔３４を閉鎖し
ており、これにより水受室５から操作箱２０内への水滴
の侵入を防止するようにしている。

３８は操作箱２０内に取付板３９を介して取付けられモ
ータ１１の通電路を開閉する蓋スイッチ兼用の安全スイ
ッチで、これは作動レバー２６の弾性片３１の上方に位
置し、常にはその作動子３８ ａが作動レバー２６の弾
性片３１により弾性的に押圧されてモータ１１の通電路
を閉威している。

而して、洗剤洗い又はすすぎ洗い後の脱水運転において
、回転槽８が洗濯物の不均一な分布等によって不平衡荷
重を受けつつ回転すると、回転槽８は異常揺動を惹起し
て規定の振幅を越えるようになる。

すると、回転槽８はその揺動によって検知レバー２５の
下端部分に衝突するため、検知レバー２５は屈曲部２７
の弾発力に抗して反矢印Ａ方向に回動して作動レバー２
６を矢印Ｃ方向に移動させ、これにより作動レバー２６
の自由端部が掛止片１９から外れて作動レバー２６は屈
曲部２８の弾発力により矢印Ｂ方向に回動し段面部１９
ａに受けられる。

このため、安全スイッチ３８の作動子３８ Ｈに対する
弾性片３１の押圧が解除されるため、安全スイッチ３８
は開放作動してモータ１１への通電を断ち回転槽８を停
止させる。

そしてこのモータ１１の断電状態は作動レバー２６が段
面部１９ ａに受けられていることによって維持される
。

このようにして運転が中断された場合には、開閉蓋１８
を開いて洗濯物の分布を是正し、その上で再び開閉蓋１
８を閉じる。

すると、掛止片１９が作動レバー２６の自由端部に当接
して、作動レバー２６を屈曲部２８の弾発力に抗して反
矢印Ｂ方向に回動させ、これにより弾性片３１が安全ス
イッチ３８の作動子３８ ａを弾性的に押圧するため、
安全スイッチ３８は閉或状態に復帰して再びモータ１１
に通電し、回転槽８を再回転させる。

以上のように構威した本実施例によれば、取付部２４、
検知レバー２５及び作動レバー２６の三者をプラスチッ
クの一体或形によって形戒するようにしたので、これら
を夫々別体としていた従来に比べて部品点数が減少し、
これにより組立てもきわめて容易に行うことができ、し
かも従来のように組立て誤差或は組立て不良等による動
作不良の問題も生じない。

更に検知レバー２５の取付部２４を外箱３に取付けられ
ている操作箱３の座部３３に固定するようにしたので、
外箱３と取付部２４との間に多数の部材が介在されて組
込まれる場合とは異なり、外箱３に吊持された回転槽８
が所定量揺動したとき検知レバー２５に当接するように
調節しながら取付部２４を固定する作業が容易となり、
その調節精度も高くなる。

また検知レバー２５はプラスチック製であるので、回転
槽８が大きく揺動して検知レバー２５に当接したとして
も、検知レバー２５自身が弾性的に撓むことによってそ
の大きな揺動による過大な力を吸収でき、折損等の虞れ
がない。

その上、開閉蓋１８には掛止片１９及び段面部１９ａを
設け、開閉蓋１８の閉鎖回動によって掛止片１９が作動
レバー２６に当接してこれを上方に回動させるようにす
ると共に、回転槽８が異常揺動して検知レバー２５に当
接してこれを回動変位させると作動レバー２６が掛止片
１９から外れて段面部１９ ａに受けられるようにした
ので、開閉蓋１８の開閉に連動して安全スイッチ３８を
開閉できると共に、回転槽８が異常揺動した場合には安
全スイッチ３８を開放状態にしてモータ１１を断電状態
に維持でき、そして洗濯物の分布を是正すべく一担開閉
蓋１８を開くと段面部１９ ａが作動レバー２６から離
れるため検知レバー２５が元の状態に戻り、その後開閉
蓋１８を閉じると作動レバー２６が掛止片１９に当接さ
れて上方に回動し安全スイッチ３８を閉或するようにな
るため、脱水運転の再開操作が簡単である。

また、本実施例のように各屈曲部２７及び２８を弾性変
形状態にして、その弾発力により夫々検知レバー２５を
矢印Ａ方向に回動付勢し、作動レバー２６を矢印Ｂ方向
に回動付勢するようにした場合には、検知レバー２５及
び作動レバー２６を夫々矢印Ａ方向及び矢印Ｂ方向に回
動付勢するための発条体を別に設ける必要がなくなる。

更に、本実施例のように作動レバー２６に弾性片３１を
一体に形或するようにした場合には、安全スイッチ３８
の作動子３８ ａを弾性的に押圧するための別体の板ば
ねを不要にすることができる。

尚、上記実施例では所謂一重槽構造のものについて説明
したが、これに限らず回転槽を外槽と共に外箱内に配設
する所謂二重槽構造のものであってもよい。

また、検知レバー２５及び作動レバー２６の補強は上記
実施例のようなリブ３２によるものに限らず、検知レバ
ー２５及び作動レバー２６の戒形時に金属板等をインサ
ート或形によって埋設するようにしてもよい。

次に第５図及び第６図は本考案の第２実施例を示すもの
で、検知レバー４０を取付部４１に屈曲部としてセルフ
ヒンジ作用を有する薄肉部４２を介して連接すると共に
、作動レバー４３を検知レバー４０に屈曲部としてセル
フヒンジ作用を有する薄肉部４４を介して連接するよう
にして、取付部４１及び検知レバー４０並びに作動レバ
ー４３をプラスチックの一体戊形により形威し、そして
、作動レバー４３と操作箱２０底部との間に引張スプリ
ング４５を張架して、そのばね力により検知レバー４０
を常時矢印Ａ方向に回動付勢すると共に、作動レバー４
３を常時矢印Ｂ方向に回動付勢し、更に安全スイッチ３
８を作動レバー４３から横方向にずらして配置し、一端
部を固定され他端部を作動レバー４３上に当接させた板
ばね４６によって安全スイッチ３８の作動子３８ ａを
弾性的に押圧させるように構威したものである。

また、４７は検知レバー４０に取着した別体の防滴板で
ある。

その他の構或は第２図及び第３図と同様であるので、同
一部分には同一符号を付して説明を省略する。

このように構或しても前記第１実施例と同様の効果を得
ることができる。

本考案は以上説明したように、取付部及び検知レバー並
びに作動レバーの三者をプラスチックの一体或形により
形威したので、部品点数を減少させることができ、これ
により組立作業も簡単に行うことができ、安価に製作し
得、しかも精度良く或形できるので、組立誤差或は組立
不良による動作不良の問題を解消でき、更には検知レバ
ーの取付位置の調節が容易で且つ回転槽の異常揺動によ
る検知レバーの折損の虞れがなく、また開閉蓋の開閉に
より安全スイッチを開閉できると共に、回転槽或は外槽
が異常揺動したとき運転停止状態の維持が確実で且つ運
転再開操作も洗濯物の分布是正のための開閉蓋の開閉操
作だけで済み使い勝手に優れる等の優れた効果を奏する
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案の第１実施例を示し、第１図
は脱水兼用洗濯機全体の縦断面図、第２図は要部の拡大
縦断面図、第３図は第２図中ＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿う横
断面図、第４図は作動体単体の拡大縦断面図であり、ま
た第５図及び第６図は本考案の第２実施例を示す第２図
及び第３図相当図である。 図面中、１は外箱、５は水受室、８は回転槽、１１はモ
ータ、１６は開口部、１８は開閉蓋、１９は掛止片（掛
止部）、１９ａは段面部、２０は操作箱、２３は作動体
、２４．４１は取付部、２５．４０は検知レバー、２６
．４３は作動レバー、２７，２８は屈曲部、３０ ．４
７は防滴板、３１は弾性片、３３は座部（取付部位）、
３８は安全スイッチ、３８ ａは作動子、４２．４４は
薄肉部（屈曲部）である。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １．外箱内に外槽と共に又は単独で揺動自在に設けられ
   モータにより回転される回転槽と、この回転槽に臨む開
   口部を開閉すべく回動可能に枢支され枢支側端部に掛止
   部を設けると共にこの掛止部に連続して該掛止部よりも
   低位の段面部を設けた開閉蓋と、前記外箱の上部に設け
   られた操作箱に固定される取付部に屈曲部を介して回動
   可能に連接するようにして該取付部と共にプラスチック
   の一体或形により形戊され自由端部を前記外箱内に突出
   させた検知レバーと、この検知レバーに屈曲部を介して
   回動可能に連接するようにして該検知レバーとの同時戊
   形により一体に形或され前記開閉蓋の閉鎖回動に伴う前
   記掛止部の当接により上方に回動する作動レバーと、こ
   の作動レバーの上下回動に応答して前記モータを通断電
   する安全スイッチとを具備し、前記外槽又は回転槽が異
   常揺動により前記検知レバーに当接してこれを回動変位
   させると前記作動レバーが前記掛止部から外れて下方に
   回動し前記段面部に受けられるようにして威る脱水兼用
   洗濯機。
2. ２．検知レバーの屈曲部が弾性変形状態にあってその復
   元弾発力により検知レバーを外槽又は回転槽の当接によ
   る回動方向とは逆方向に回動付勢すると共に、作動レバ
   ーの屈曲部が弾性変形状態にあってその復元弾発力によ
   り作動レバーを下方に回動付勢していることを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項に記載の脱水兼用洗濯
   機。
3. ３．作動レバーが安全スイッチの作動子を弾性的に押圧
   する弾性片を一体に有していることを特徴とする実用新
   案登録請求の範囲第１項及び第２項のいずれかに記載の
   脱水兼用洗濯機。