JPS5911243Y2

JPS5911243Y2 - 異物付着防止機能を備える給水弁

Info

Publication number: JPS5911243Y2
Application number: JP3603179U
Authority: JP
Inventors: 浩一田島
Original assignee: 株式会社東京暖冷器製作所
Priority date: 1979-03-20
Filing date: 1979-03-20
Publication date: 1984-04-06
Also published as: JPS55135866U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、例えば水洗便所の給水等に用いられる給水弁
に関する。

従来のこの種の給水弁は、本体の上下方向をなす通水孔
の下端に設けた環縁状弁座の下端を、弁体が圧接閉止し
て、給水を遮断するようになっている。

しかし、このような従来の構戊の給水弁においては、通
水孔の下端に設けた環縁状弁座の下端や、この環縁状弁
座に圧接して流路を遮断する弁体に、水中に含まれる異
物が付着して、弁座に対して弁体が完全に圧着しなかっ
たり、或は付着異物によって弁体等が腐蝕する恐れがあ
る等の欠点がある。

本考案は、このような欠点を除去するべく改良した異物
付着防止機構を備える給水弁を提供することを目白勺と
するもので゛ある。

この目的を達戊するため、本考案においては、本体上下
方向をなす通水孔の下端に設けた環縁状弁座の下端を、
弁体が圧接閉止して、給水を遮断するようにした給水弁
において、前記通水孔の上部に、上端が閉塞された上下
方向をなすシリンダ室を形威して、その中にピストンを
、上下方向に摺動可能として嵌合し、かつ該ピストンの
下端に連設されたロツドの下端に、前記ピストンが下降
したとき、前記通水孔内に嵌合し得るように、前記通水
孔の内径にほぼ等しい外径とした円板を連設し、該円板
の外周に多数の縦凹溝を切設するとともに、前記ピスト
ン、ロツドおよび円板を貫通する貫通孔を形威し、さら
に、前記円板が下降したとき、該円板における前記貫通
孔の下端に突入可能なように、前記弁体の上面に突起を
形或してある。

本考案のこのような構或により、弁体の開き始めには、
円板が通水孔内に位置し、円板により水中に含まれたご
み等の異物を捕捉するとともに、弁体が大きく開いた際
には、シリンダ室内の圧力が、通水孔の上流側の圧力よ
り小となって、その差圧により、ピストンが上昇して、
円板が持ち上げられ、その際の給水の急激な流出により
、円板上の異物は洗い流され、しかもそのとき弁体は弁
座からかなり開いているので、異物が弁体等に付着する
恐れはない。

さらに、弁体が完全に閉じる直前には、シリンダ室内の
圧力が上流側圧力にほぼ等しくなるのでピストンと円板
とが下降し、弁体の開き始めと同様に、円板により、ご
み等の異物を捕捉する。

本考案のこのような作用により、弁体に異物が付着する
恐れはなくなり、清掃の手間を省けるという効果を奏す
ることができる。

以下、本考案を添付図面に示す実施例に基づいて説明す
る。

本体１の上下方向をなす通水孔２の下端に設けた環縁状
弁座３の下端を、弁体４が圧接閉止して、給水を遮断す
るようにした給水弁において、通水孔２の上部に、上下
方向をなすシリンダ室５を形威して、その中にピストン
６を、上下方向に摺動可能として嵌合し、かつ該ピスト
ン６の下端に連設されたロツド７の下端に、ピストン６
が下降したとき、通水孔２内に嵌合し得るように、通水
孔２の内径にほぼ等しい外径とした円板８を連設し、該
円板８の外周に多数の縦凹溝９・・・を切設するととも
に、ピストン６、ロッド７および円板８を貫通する貫通
孔１０を形威し、さらに、円板８が下降したとき、該円
板８における貫通孔１０の下端に突入可能なように、弁
体４の上面に突起１１を形戊してある。

１２は入口側流路、１３は出口側流路で、互いに通水孔
２を介して連通している。

１４は弁蓋で、下面中央に、シリンダ室５に連続する圧
力室１５をなす凹部１４ａを備え、かつ本体１の上端
に、適宜のパッキング１６を介して螺着されている。

ピストン６は、弁蓋１４の下端によって、上方へのそれ
以上の移動を制限されるとともに、シリンダ室５の下端
に形威された縮径段部１７によって、それ以上下方へ移
動するのを制限されている。

弁体４は、例えばフロート（図示略）の作動により上
下動するようにした弁棒１８の上端における拡径頭部１
８ａの上面に埋設され、弁棒１８とともに上下動する
。

なお、縦凹溝９・・・は、深さがＱ．５ｍ／ｍ程度のも
のを、ローレット加工によって、円板８の外周に切設す
るのがよい。

次に、上述した構或の本考案装置を、ボールタップ使用
の給水弁に組込んで、例えば水洗便所の給水に用いる場
合の作動について説明する。

閉弁時には、第１図に示すように、弁体４は環状弁座３
に密接し、かつ人口側流路１２内の圧力は、ピストン６
と本体１との間隙を経て、圧力室１５内へ伝達されるた
め、ピストン６は下降して、円板８は通水孔２内に位置
し、貫通孔１０の下端は、弁体４における突起１１によ
り閉塞された状態となっている。

この状態から、タンク（図示略）内の水位が下り、フロ
ートとともに弁棒１８および弁体４が下りはじめると、
弁体４と環縁状弁座３との間に次第に間隙が生じ、これ
によって給水が開始される。

この開弁初期の状態では、まだ貫通孔１０は突起１１に
より閉じられているため、ピストン６には、自重とその
上下面の面積差等により、下向きの付勢力が与えられて
いる。

したがって、このとき円板８はまだ通水孔２内に位置し
、給水は、円板８外周の縦凹溝９を介してわずかづつし
か出口側流路１３内に流出せず、給水中に含まれるごみ
等の異物は、円板８によって捕捉される。

さらに弁体４が下降し、かつピストン６の下端が縮径段
部１７に当接して、突起１１が貫通孔１０の下端から離
れると、圧力室１５と通水孔２下部とが、貫通孔１０を
介して導通される。

このとき、通水孔２の下部は、静圧がほとんど無に等し
い出口側流路１３に開放しており、しがも通水孔２の大
部分は、円板８によりほとんど閉塞されているので、入
口側流路１２と出口側流路１３との圧力差は極めて大き
くなっている。

この状態で、圧力室１５と通水孔２の下部とが導通され
ると、圧力室１５内の水は、貫通孔１０を介して、通水
孔２および出口側流路１３へと流出し、圧力室１５内の
圧力は、出口側流路１３内の圧力とほぼ等しくなり、ピ
ストン６の上下面における圧力均衡が崩れて、ピストン
６は、入口側流路１２内の圧力により、上方に移動させ
られる。

ピストン６の上昇に伴って、円板８も上昇し、この円板
８が通水孔２を離れると、通水孔２が完全に開いて、給
水は勢いよく流れる。

このとき、それまで円板８の上面又は周縁に付着してい
た異物は、この給水の急激な流出により洗い流される。

上昇したピストン６は、その上端が弁蓋１４の下端に当
接した位置で停止し、それに伴って、円板８も、通水孔
２より上方に離れた適宜の位置で停止する。

タンク内の水位が上昇し、フロート、弁棒１８、弁体４
等が上昇しはじめると、環縁状弁座３と弁体４との間隙
が次第に狭くなり、それに伴って、通水孔２内の圧力は
、入口側流路１２内の圧力に次第に近づいてくる。

それに伴って、圧力室１５内の圧力も次第に上昇し、ピ
ストン６の上面における面積圧と、ピストン６等の自重
との合計が、ピストン６の下面における入口側流路１２
の圧力による面積圧より大となると、ピストン６および
円板８は下降し、弁体４による完全な閉弁前に、円板８
は通水孔２内に嵌人する。

その後、給水中の異物は、この円板８により捕捉される
ので、閉弁時に異物が環縁状弁座３と弁体４との間に介
入する恐れはなくなる。

弁体４がさらに上昇すると、突起１１は、下降してきた
円板８における貫通孔１０の下端に突入して、貫通孔１
０を完全に閉塞し、その後、弁体４が環縁状弁座３に密
接して、閉弁する。

以上から明らかなように、本考案の装置においては、給
水はじめにおいて、水中に含まれたごみ等の異物を円板
により捕捉し、大きく開弁したとき、この異物を流出さ
せ、また、閉弁前にも、給水はじめの場合と同様に、円
板により水中の異物を捕捉するので、弁体や弁座に異物
が付着するのが防止され、かつ清掃の手間も省け、極め
て便利である。

また、本考案の装置においては、円板は、開弁および閉
弁に伴う通水孔およびその上下の流路における差圧等に
より、自動的に所望どおりに移動するので、円板を弁体
に連係させたり、円板用の制御手段を別に設けたりする
必要がなく、構造も簡単で、かつ安価に製造できるなど
の利点もある。

なお、ピストン６の作動をより確実にするために、圧力
室１５内に圧縮ばねを装設して、ピストン６に下向力を
付加しておくこともある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の装置の一例の閉弁時の状態を示す中
央縦断正面図、第２図は、第１図の線ＩＩＩＩに沿う横
断平面図、第３図は、その開弁時の状態を示す第１図と
同様な中央縦断正面図である。１・・・本体、２・・・通水孔、３・・・環縁状弁座、
４・・・弁休、５・・・シリンダ室、６・・・ピストン
、７・・・ロッド、８・・・円板、９・・・縦凹溝、１
０・・・貫通孔、１１・・・突起、１２・・・入口側流
路、１３・・・出口側流路、１４・・・弁蓋、１４ａ
・・・凹部、１５・・・圧力室、１６・・・パッキング
、１７・・・縮径段部、１８・・・弁棒、１８ａ・・
・拡径頭部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

本体１の上下方向をなす通水孔２の下端に設けた環縁状
弁座３の下端を、弁体４が圧接閉止して、給水を遮断す
るようにした給水弁において、前記通水孔２の上部に、
上端が閉塞された上下方向をなすシリンダ室５を形或し
て、その中にピストン６を、上下方向に摺動可能として
嵌合し、かつ該ピストン６の下端に連設されたロツド７
の下端に、前記ピストン６が下降したとき、前記通水孔
２内に嵌合し得るように、前記通水孔２の内径にほぼ等
しい外径とした円板８を連設し、該円板８の外周に多数
の縦凹溝９・・・を切設するとともに、前記ピストン６
、ロッド７および円板８を貫通する貫通孔１０を形威し
、さらに、前記円板８が下降したとき、該円板８におけ
る前記貫通孔１０の下端に突入可能なように、前記弁体
４の上面に突起１１を形戊したことを特徴とする異物付
着防止機能を備える給水弁。