JPS589821Y2 - トラクタ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、安全フレーム付トラクタに関し、更に詳述す
ればリアフェンダの取付構造を改良したトラクタを提案
したものである。

従来の安全フレーム付トラクタにあっては、門形の安全
フレームは左右両リアフェンダの内側に、該安全フレー
ムの周基端部が位置するようにして、両リアフェンダと
は独立的に取付けられていた。

従って、左右のリアフェンダ内に位置し、且つ安全フレ
ームの柱部間に位置する操縦席に座した運転者の動作空
間が安全フレームの柱部によって、制限されるという難
点があった外、リアフェンダについてみると、リアフェ
ンダは比較的広面積を有するにも拘らず薄板よりなるた
め専用の補強を施す必要があった。

本考案は斯かる事情に鑑みてなされたものであって、後
車軸ケースの左右両端部夫々に門形の安全フレームをそ
の左右柱部の各基端部において取付ける一方、後輪をそ
の円周方向の適長に亘って覆うべく構成された２個のリ
アフェンダ半休が柱部を挾み、柱部が２個のリアフェン
ダ半休よりなるリアフェンダを貫通するように固着する
ことにより、操縦席に座した運転者の動作空間を広くと
れ、しかもリアフェンダ専用の補強を省略したトラクタ
を提供することを目的とし、以下に本箸案をその実施例
を示す図面に基いて詳述する。

第１図は、本考案に係るトラクタの斜視図である。

図において、５はエンジンカバー、４，４は前輪、３，
３は後輪、６は前記左右の後輪３，３の中間部に位置す
る操縦席、７は操舵輪である。

１は右柱部１ｒ及び左柱部１ｔと梁部１ｕとからなる門
形の安全フレームであり、右柱部１ｒ、左柱部１を夫々
の基端部は夫々後車軸ケース８（第３図参照）の左右端
部に固着されている。

２はリアフェンダであって左右の後輪３を夫々その上部
において覆うように取付けである。

第２図及び第３図は夫々安全フレーム１の右柱部１ｒの
基端部周りを機体前方から示す分解斜視図及び組立図で
ある。

右柱部１ｒは鉄材を中空角柱状に形成してなるものであ
って、その基端部には矩形の座板１ｆがその略中央部に
おいて溶着されている。

この座板１ｆは右柱部１ｒの底面よりも大きな矩形をな
し、右柱部１ｒを溶着した部分の外側方にはＵボルト９
．９を用いて座板１ｆを後車軸ケース８に取付けるため
の貫通穴９１が２対穿設されている。

リアフェンダ２は、これを前後に、すなわち該リアフェ
ンダが覆うべき後輪３の上部の円周方向に２分割した形
状のリアフェンダ半体２ａ、２ｂよりなる。

前側のリアフェンダ半体２ａは、後輪３の前上部１／４
の部分の約２／３を機体内側方から覆うべく、後輪の形
状に沿わせて湾曲加工した薄鋼板であり、後端部を右柱
部１ｒの前半部に係入させるために、該後端部における
、垂直部２１ａから水平部２３ａにかげての湾曲部には
所要寸法の切欠部２２ａが形成されており、筐た、後下
端部を前記座板１ｆの内側突出部上に載置係合させるた
めに、この部分には所要寸法の切除部２４ａを形成しで
ある。

そして垂直部の後端部には、右柱部１ｒの略中央部にリ
アフェンダ半体２ａを螺着するためのバカ穴２５ａが複
数個穿設されている。

また水平部の後端部には、後述するリアフェンダ半体２
ｂの水平部の前端部と重合連結するためのバカ穴２６ａ
が２個穿設されている。

後側のリアフェンダ半体２ｂは、後輪３の後上部１／４
部分の約１／２を機体内側方から覆うべく、後輪の形状
に沿わせて湾曲加工した薄鋼板であり、前端部を右柱部
１ｒの後半部へ係入させるために、該前端部における、
垂直部２１ｂから水平部２３ｂにかげての湾曲部には所
要寸法の切欠部２２ｂが形成されており、また、前下端
部を前記座板１ｆの内側突出部上に載置係合させるため
に、この部分には所要寸法の切除部２４ｂを形成しであ
る。

そして垂直部の前端部には右柱部１ｒの略中央部にリア
フェンダ半体２ｂを螺着するためのバカ穴２５ｂが複数
個穿設されている。

また水平部の前端部は、前述したリアフェンダ半体２ａ
の水平部の後端部と重合連結するために、段違いに盛上
げ形成され、この部分にバカ穴２６ｂが２個穿設されて
いる。

そして、左側のリアフェンダ及び安全フレーム１の左柱
部１ｔも夫々上述の右側のリアフェンダ及び右柱部と同
様に構成されている。

叙上の如き安全フレーム１及びリアフェンダ２０機体へ
の取付手順を、第３図及び第４図に基いて説明する。

１ず、安全フレーム１の左右柱部１ｔ、１ｒの下端部々
に取付けられた座板１ｆを夫々後車軸ケース８の左右端
部に位置させ、各２本のＵボルト９を下方から貫通穴９
１に挿通し、貫通穴９１から上方に突出したＵボルト９
の上端部にナツトを螺合して、Ｕボルト９で車軸ケース
８を締め付けるようにして安全フレーム１を固着する。

次に、前側のリアフェンダ半体２ａは、前記切欠部２２
ａを柱部１７，１ｒ夫々の前半部に係入し、前記切除部
２４ａを座板１ｆの内側突出部上に載置し、垂直部２１
ａの後端部を複数の前記バカ穴２５ａが柱部１．／、、
１ｒ夫々の略中央部に対応する位置に螺設された複数の
ネジ穴に一致するように、柱部１７，１ｒに対面させた
上で、バカ穴２５ａを挿通させた小ボルトをこのネジ穴
に螺入して柱部１ｔ、１ｒに取付ける。

更に、後側のリアフェンダ半体２ｂは、前記切欠部２２
ｂを柱部１ｔ、１ｒ夫々の後半部に係入し、前記切除部
２４ｂを座板１ｆの内側突出部上に載置し、垂直部２１
ｂの前端部を複数の前記バカ穴２５ｂが柱部１ｔ、１ｒ
の略中央部に対応する位置に螺設された複数のネジ穴に
一致するように柱部１ｔ、ｌｒに対面させて該前端部を
前記リアフェンダ半体２ａの後端部と、突合わせるよう
にし、更に、水平部２３ｂを、前記リアフェンダ半体２
ａの水平部２３ａの後端部の上に重ね合わせて、各２個
のバカ穴２６ａ及び２６ｂを夫々一致させた上で、重な
り合った上側のバカ穴２６ｂから両バカ穴２６ ａ ｔ
２６ ｂに挿通させた小ボルトの突出した下端部にナ
ツトを螺合してリアフェンダ半体２ａとリアフェンダ半
体２ｂとを連結固着すると共に、前記バカ穴２５ｂには
小ボルトを挿通させて、柱部１ｔ、Ｉｒのネジ穴にこの
小ボルトを螺入し、柱部１ｔ、Ｉｒとリアフェンダ半体
２ｂとの固着を行う。

而して本考案に係るトラクタにおいては、柱部１ｔ、ｌ
ｒがリアフェンダ２を貫通するようにして固着して取付
けられる構成となるので、左右の柱部間の間隔が広くと
れ、操縦席に座した運転者の動作空間が広くなる。

またリアフェンダ２は柱部１１．Ｉｒの基端部に溶着さ
れた座板１ｆの内側突出部において、リアフェンダ半体
２ａ及び２ｂの切除部２４ａ及び２４ｂが夫々載置され
た状態で柱部に取付げられているので、リアフェンダ半
体２ａ及び２ｂは安全フレームを柱部１ｔ。

１ｒの前後方向から補強することになり、特に走行中に
おける安全フレームの揺動が防止される。

一方、リアフェンダ２についてみると、このリアフェン
ダは安全フレーム１の柱部１ｔ、１ｒに固着されている
ので、この柱部がリアフェンダの補強の役目を果たし、
特に専用の補強を施す必要が無くなる。

更にリアフェンダは２分割構造となつているので、車軸
周りの保守の際には、一方のリアフェンダ半休のみを取
外すのみで足りる等本考案は幾多の利点を有している。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すものであって、第１図は本
考案に係るトラクタの斜視図、第２及び第３図は夫々安
全フレームの右柱部の基端部周りを機体前方から示す分
解斜視図及び組立図、第４図は安全フレームの右柱部の
基端部周りを機体内側から示す暗示図である。 １・・・・・・安全フレーム、１７，１ｒ・・・・・・
柱部、１ｆ・・・・・・座板、２・・・・・・リアフェ
ンダ、２ａ、２ｂ・・・・・・リアフェンダ半休、３・
・・・・・後輪、８・・・・・・後車軸ケース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 後車軸ケースの左右両端部夫々に、門形の安全フレーム
   をその左右柱部の各基端部において取付ける一方、後輪
   をその円周方向の適長に亘って覆うべく構成された２個
   のリアフェンダ半休を夫々車体の前後方向から前記柱部
   を挾み、柱部が２個のリアフェンダ半休よりなるリアフ
   ェンダを貫通するように該柱部に固着すると共に、両リ
   アフェンダ半休を連結固着したことを特徴とするトラク
   タ。