JPS588971B2 - 射出吹込成形方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、射出吹込成形方法に係る。

一般に、容器には遮蔽性が要求される。

換言すれば、ガス、液体、蒸気に対して透過性が低く、
容器の内容物の減量を最少にすると共に空気や水の浸入
による内容物の劣化を最少にするようなものでなければ
ならない。

又、容器は充分な機械的性質を持つことが必要である。

輸送中、使用中または貯蔵中に於ける損傷を防止でき、
かつ内圧に耐え得る強度が必要である。

例えば、内容物が圧力を持つもの例えば炭酸飲料の場合
に於ける如く炭酸ガスによって加圧されている場合には
、この圧力に抵抗できるに充分な強度をもつ必要がある
。

しかしながら、合成樹脂材料で充分な強度をもつ物品を
作るには容器の壁を厚くしなければならず、そして遮蔽
効果が優れた材料は高価でもあるので、か５る材料から
厚い壁をもつ容器をつくることは経済的ではない。

又、各合成樹脂はそれぞれ品質的に長短をもち、外観に
優れたもの、強度に優れたもの、耐化学的性質に優れた
もの、遮蔽性に優れたもの等各種あり、使用目的に応じ
て各種樹脂を組合せて使用することが有利である。

本発明は、各種合成樹脂を組合せてサンドインチ構造の
物品を成形する方法、特に遮蔽性等にすぐれた容器等の
成形方法を提供する。

本発明による射出吹込成形方法は、２種の合成樹脂を予
備中空成形体の型キャビテイに射出して予備中空成形体
を射出成形し、次にガス圧により更に大きな吹込成形用
型キャビテイに一致させる様に膨張させる射出吹込成形
方法に於で、予備中空成形体の型キャビテイに第１の合
成樹脂の一部だけを最初に射出し、次いで第１の合成樹
脂をさらに射出しつ５同時に且つ同心円状に第２の合成
樹脂を射出することにより、第１の合成樹脂の表層と、
型キャビテイの端部まで達した第２の合成樹脂の薄い内
核層を有する予備中空成形体を成形することを特徴とし
、特に同時に射出する第１の合成樹脂量が同時に射出す
る第２の合成樹脂量より多いことを特徴とする。

２種の合成樹脂からなるサンドインチ構造物品の成形法
としては、すでに種々の方法が提案されている。

一般には、第１の合成樹脂を型キャビテイに射出し、次
いで第２の合成樹脂を射出してサンドインチ構造体を成
形する。

しかし、この方法では、サンドイツチ型物の内核に、高
価な樹脂を均一に薄く封入したい場合には好ましくない
結果となることが多い。

本発明によれば、遮蔽性等にすぐれた樹脂を内核に薄く
、均一に入れた容器等の物品を射出吹込成形することが
できる。

以下、本発明を添付図面を参照しながら説明する。

第１乃至４図は、射出吹込成形に於て、予備中空成形体
の型キャビテイ内の樹脂充填状態を示したものである。

第１図を参照して、ゲート３より第１の合成樹脂１を射
出し、次いで第２の合成樹脂２を射出して、サンドイン
チ構造成形体を成形した状態が示してある。

この時、第２の合成樹脂２の射出量を減少させると、第
２図に示す如く第２の合成樹脂２はゲート附近のみに内
核として溜まり、均一な薄い内核とはならない。

本発明の方法、すなわち、第１の合成樹脂の一部だけを
最初に射出し、次いで第１の合成樹脂をさらに射出しつ
５同時に且つ同心円状に第２の合成樹脂を射出すると、
第４図に示す如く、第１の合成樹脂の表層と、型キャビ
テイの端部まで達した第２の合成樹脂の均一な薄い内核
をもつ成形体が得られる，第３図は、第１の合成樹脂の
一部だけを最初に射出し、次いで第１の合成樹脂を射出
しつ５同時に且つ同心円状に第２の合成樹脂を射出し始
めた状態を示したものである。

この時同時に射出する第１の合成樹脂量が同時に射出す
る第２の合成樹脂量より多いと、第２の合成樹脂は表皮
として型物の表面に出ることはなく、薄い均一な内核と
して入る効果が更に促進される。

これは、第１の合成樹脂が常に第２の合成樹脂を包みつ
５型キャビテイを進行してゆくのが一層容易になるから
であると考えられる。

型キャビテイに第１の合成樹脂の一部だけを最初に射出
し、次いで第１の合成樹脂をさらに射出しつ＼同時に第
２の合成樹脂を射出する方法としては、種々の装置を使
用して行うことができるが、例えば、第５図に示す可動
マンドレルを使用した装置が有利である。

第５図を参照して、射出シリンダ４に可動マンドレル７
をはさんで、先端から順次第１の樹脂１２、第２の樹脂
１３を充填する。

第１の樹脂１２は押出機５で弁１１を経て、ノズル部８
と可動マンドレル７の間に注入され、注入量に応じて可
動マンドレル７は後退する。

第２の樹脂１３は射出できるスクリュー６により可動マ
ンドレル７とスクリュー６の間に注入される。

スクリュー６は第１，第２の樹脂の注入量に応じて後退
スる。

可動マンドレルには１０で示す弁をもち、注入樹脂が後
方には流れぬ様にされている。

一定量の各樹脂が射出シリンダに充填された後、スクリ
ュー６に高圧前進力が加わり、型キャビテイに連るノズ
ル部８より射出される。

スクリュー６に高圧前進力が加わると、まず第１の樹脂
１２が射出され、可動マンドレルの前部９が射出シリン
ダの前部１４に達すると、射出シリンダ前部１４と可動
マンドレル前部９の間隔が小さくされているため、第１
の樹脂１２の射出速度が低下し、同時に第２の樹脂１３
が可動マンドレル７の通路を通って同心円状に射出され
る。

同時に射出される第１の樹脂量と第２の樹脂量は、可動
マンドレル前部９と射出シリンダ前部１４の間隔の大き
さ、及び可動マンドレルγ内の通路の大きさ等により調
節され得る。

予備中空成形体を膨張させるには、この予備中空成形体
が成形できるような状態にある間にこの予備中空成形体
の内側に加圧ガスをかけることによって行われる。

一般に、この膨張用ガス圧をかける前、またはかけてい
る最中に、各合成樹脂を型キャビテイに射出した温度か
らこの予備中空成形体がまだ成形可能である温度にまで
予備中空成形体を冷却する。

この冷却を行なうには、適尚な温度にある液体、例えば
オイルを、型材内部に設けた通路内を循環させることに
よって行ってもよい。

又合成樹脂を配向させることも可能で、樹脂の配向が生
ずる温度で吹込成形を実施することによってその物品の
強度を高めることができる。

吹込成形工程を実施するには、予備中空成形体を他の大
きな型に移すか或いは又、射出成形に用いた型を型開き
等の操作により型キャビテイを拡大すること等により実
施することができる。

本発明に適用される樹脂は、一般に射出成形し得る樹脂
が全て用いられる。

サンドインチ構造体としては、表層に耐候性、光沢、耐
化学薬品性、耐衝撃性の一つ又は二つ以上に優れた樹脂
、内核に遮蔽性にすぐれた樹脂等が好適に使用される。

遮蔽性にすぐれた樹脂として、塩化ビニルー塩化ビニリ
デン共重合体、エチレンー酢酸ビニル共重合体の酸化物
、アクリロニトリル含量の高いＡＳ樹脂等が好適に使用
される。

次に実施例を示す。

実施例 第５図に示す可動マンドレルをもつ成形装置を用いてサ
ンドインチ構造の予備中空成形体を成形し、次いで該予
備中空成形体を更に大きな吹込成形用型キャビテイの隅
々にまで拡張させて射出吹込成形品を得た。

第１の合成樹脂としてアクリロニトリル３０重量％、ス
チレン７０重量％より成る共重合体樹脂、第２の合成樹
脂としてアクリロニトリル７５重量％、スチレン２５重
量％より成る遮蔽性にすぐれた共重合体樹脂をそれぞれ
用い、本文にて説明した方法によりサンドインチ構造の
予備中空成形体を成形し、次いでガス圧により更に大き
な型キャビテイに一致させる様に膨張させ遮蔽性にすぐ
れた第２の合成樹脂が内核に均一に入った射出吹込成形
品を成形した。

【図面の簡単な説明】

第１乃至４図は、型キャビテイ内の樹脂充填状態をそれ
ぞれ示す概略図、第５図は本発明の方法を実施するに適
した成形装置の一例を示す概略断面図である。 １，２……樹脂、３……ゲート、４……射出シリンダ、
５……押出機、６……スクリュー、７……可動マンドレ
ル、８……ノズル部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ２種の合成樹脂を予備中空成形体の型キャビテイに
   射出して予備中空成形体を射出成形し、次にガス圧によ
   り更に大きな吹込成形用型キャビテイに一致させる様に
   膨張させる射出吹込成形方法に於で、予備中空成形体の
   型キャビテイに第１の合成樹脂の一部だけを最初に射出
   し、次いで第１の合成樹脂をさらに射出しつつ同時に且
   つ円心円状に第２の合成樹脂を射出することにより、第
   １の合成樹脂の表層と、型キャビテイの端部まで達した
   第２の合成樹脂の薄い内核層を有する予備中空成形体を
   成形することを特徴とする射出吹込成形方法。 ２ 同時に射出する第１の合成樹脂量が、同時に射出す
   る第２の合成樹脂より多いことを特徴とする特許請求の
   範囲第１項記載の射出吹込成形方法。