JPS588897Y2 - 直接噴射式ディ−ゼル機関におけるスワ−ル強度調節装置を備えた吸気管 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、スワール強度調節手段を備えた内燃機関にお
ける吸気管に関する。

小型高速の直接噴射式ディーゼル機関では、吸気ポート
あるいは吸気弁を工夫して適当な強さのスワール（吸気
の旋回渦流）が発生するようにし、噴霧燃料の良好な燃
焼を図っている。

したがって、該機関にとっては、スワールの強さくスワ
ール比ともいう）が直接機関の性能を左右する重要な因
子となってくる。

ところが、スワール比が、最適であるときには、上述の
ように、燃料の良好な燃焼にスワールは役立つのである
が、これが過度なときには、噴霧された燃料はスワール
に乗って大きく流されて燃料粒子同志が重合して大粒の
燃料となってしまい、良好な燃焼を期待することができ
ない。

また、スワール比が過少（旋回渦流が弱い）のときには
。

噴霧燃料は殆んど拡散することができず、このときも、
円滑な良好な燃焼を期待することができない。

このように、スワール装置をもつ機関では、そのスワー
ル比が適度でないと却って機関の性能を劣化することに
なる。

そのため、機関の組立て途中で、スワール比を計測して
、それがその機関に最適であるかどうかをチェックし、
最適でないときは、修正を施していた。

ところが、この修正作業は、例えば、吸気ポートの頭部
の球状面を削ってその形状を変更する等の機械加工によ
っていたため、スワール強度を測定しながらの修正加工
は不可能であり、また、切削粉の処理が困難であるとい
う不都合な点をもっている。

本考案は、このような不都合を解消したスワール強度調
整可能なスワール装置をもった直接噴射式ディーゼル機
関の提供を目的とするものであって、スワールを発生さ
せるために、機関の吸気弁杆ガイドの下端部を吸気管路
に突出させると共に、外部からその突出量を調整可能に
構成し、ガイド下端部の吸気管路内への突出量の調整に
より、スワール強度の調整を行うようにした点を特長と
するものであり本考案によれば、スワール強度の測定中
に、その調整が可能であり、しかもその調整に際して機
械加工を伴わないから、上述の従来例の不都合な点は克
服できることになる。

以下１図面ｌこより、本考案の実施例を説明する。

第１図において、１は機関のシリンダ・ヘッドで、内部
には吸気管路２が穿設されており、その一端には燃焼室
に連る吸気弁座３が設けられている。

吸気弁座３の直上には、その中心の貫通孔により吸気弁
（図示せず）の弁杆を案内するガイド４が設けられる。

該ガイド４の外周にはネジが刻設され、一方該ガイド４
のネジｌこ螺合するメネジがガイド受部５に刻設されて
いる。

６はロックナツトである。

この装置において、ガイド４を回転することにより、該
ガイド４の位置即ちガイド４の下端部と吸気管路２との
間即ち符号７で示した個所の断面形状を、例えば第２図
の状態から、第３図の状態に変化することができる。

このような、吸気管路２の一部の断面形状を変化させる
ことにより、吸気管路を経て吸入される吸気の旋回（ス
ワール）の強度を調整することができることは明らかで
あるから、本実施例によれば外部からガイド４を回転し
、その先端の吸気管路内への突出量を調整することによ
り、機関のスワール強度の調整が可能となる。

なお、最適値が選定された後は、ロックナツト６により
、ガイド４を固定しておくものとする。

さらに、第４，５図により第２実施例を説明する。

この第２実施例にあっては、ガイド下端部のみを上下動
させて突出量を調整できるようになっティる。

第４．５図において、１２は、シリンダ・ヘッドに固着
した吸気弁ガイドであって、該ガイド１２の下端にはカ
ラー１３がクリップ１４を介して螺合している。

そして、このカラー１３を吸気ポート入口部或は弁座部
よりテコ式１具を挿入して、この工具によって回転する
ことにより、カラー１３の吸気管路２内への突出量を調
節することができる。

実際には、最初組立時に、カラー１３を最も突出した位
置にしておき、スワール強度測定中に、カラー１３を後
退することにより、所定のスワール強度をうるようにす
るという手順で調整するのが望ましい。

上述の第１実施例、およびこの第２実施例の場合には、
ネジ調整によって吸気管路２への突出量を微調整できる
から、スワール発生状態を正確にコントロールできる。

上記各実施例により説明した如く、本考案では吸気管路
に突出したスワール発生部材の、吸気弁杆のガイド下端
部の吸気管路への突出量を、外部から、スワール強度を
測定しながら、調整するようにしたから、量産の機種を
、その組立工程中に、適正値のスワール強さが得られる
よう（こ、調節することができる。

したがって、本考案によれば、従来のものに比べて、ス
ワール強度の調節が極めて効率良く行うことができ、さ
らに、切削等の機械加工を伴わないから、切削粉等の処
理を必要とせず、極めて容易に、かつ安価にスワール強
度の調節が可能となり、その実用的効果は著大である。

さらに、吸気弁杆のガイドを利用するので、特別な部材
を必要とせず、構成が簡単で、安価でかつ一旦設定した
スワール強度は機関の運転時による振動時によって変化
するおそれはない。

なお、付言しておくと、一般に、スワール発生部材の吸
気管路内への突出量を増加すると、スワール強度は犬と
なり、後退させるとスワール強度は弱くなるものであり
、このことは、本考案の上記各実施例のものにおいても
同様である。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すもので、第１図は第１実施例
の断面側面図、第２，３図は第１図のＡ矢視図、第４図
は第２実施例の断面側面図、第５図は同様部拡大図であ
る。 １・・・・・・シリンダ・ヘッド、２・・・・・・吸気
管路、３・・・・・・吸気弁座、４・・・・・・弁杆ガ
イド、６・・・・・・ロックナツト、１２・・・・・・
吸気弁ガイド、１３・・・・・・カラー１４・・・・・
・クリップ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機関の吸気弁杆ガイドの下端部を吸気管路に突出させる
   と共に、外部からその突出量を調整可能に構成し、該突
   出量の調整によりスワール強度の調整を行うようにした
   直接噴射式ディーゼル機関におけるスワール強度調節装
   置を備えた吸気管。