JPS5827060Y2 - 直接噴射式デイ−ゼル機関におけるスワ−ル強度調節装置を備えた吸気管 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、スワール強度調節手段を備えた内燃機関にお
ける吸気管に関する。

小型高速の直接噴射式ディーゼル機関では、吸気ポート
あるいは吸気弁を工夫して適当な強さのスワール（吸気
の旋回渦流）が発生するようにし、噴霧燃料の良好な燃
料を図っている。

したがって、該機関□とっては、スワールの強さくスワ
ール比ともいう）が直接機関の性能を左右する重要な因
子となってくる。

ところが、スワール比が、最適であるときには、上述の
ように、燃料の良好な燃焼にスワールは役立つのである
が、これが過度なときには、噴霧された燃料はスワール
に乗って大きく流されて燃料粒子同志が重合して大粒の
燃料となってしまい、良好な燃焼を期待することができ
ない。

また、スワール比が過小（旋回渦流が弱い）のときには
、噴霧燃料は殆んど拡散することができず、このときも
、円滑な良好な燃焼を期待することができな１０ このように、スワール装置をもつ機関では、そのスワー
ル比が適当でないと却って機関の性能を劣化することに
なる。

そのため、機関の組立て途中で、スワール比を計測して
、それがその機関に最適であるかどうかをチェックし、
最適でないときは、修正を施していた。

ところが、この修正作業は、例えば、吸気ポートの頭部
の球状面を削ってその形状を変更する等の機械加工によ
っていたため、スワール強度を測定しながらの修正加工
は不可能であり、また、切削粉の処理が困難であるとい
う不都合な点をもっている。

そこで、吸気管路内にその横断面形状に合致する案内板
を揺動自在に設けて、該案内板を外部から揺動操作して
吸気管路に流れる空気流を変えてスワール強度を調整す
るようにしたものが提案されている。

しかしながら、案内板を利用するために不安定であり、
一旦スワール強度を設定しても、機関の運転中に振動な
どにより若干揺動して、スワール強度が変化するおそれ
がある。

すなわち、スワール強度の調整が容易に行なえるものの
、スワール強度を正確にコントロールできない問題を有
している。

本考案は、このような不都合を解消したスワール強度調
整可能なスワール装置をもった直接噴射式ディーゼル機
関の提供を目的とするものであって、スワールを発生さ
せるために、吸気管路に弾性材料からなる筒状のスワー
ル発生体を嵌着して、これを外部から簡単な操作により
変形してスワール強度の調整を行なうようにした点を特
長とするものであり、本考案によれば、スワール強度の
測定中に、その調整が可能であり、しかもその調整に際
して機械加工を伴わず、また一旦設定したスワール強度
は機関の運転中振動等を受けても変化するおそれがない
から、上述の従来例の不都合な点は克服できることにな
る。

以下、図面により、本考案の実施例を説明する。

第１図ａ及び第２において、１は機関のシリンダ、ヘッ
ドで、内部には吸気管路２が穿設されている。

吸気管路２の一部には、弾性材料（例えば硬質ゴム）か
ら成るスワール発生体３が取付けられている。

該スワール発生体３は、中央部に楕円形状の吸気通路３
ａをもっている。

そして、シリンダ、ヘッド１を貫通して穿設されたネジ
孔４に螺合するネジ杆５の先端が、スワール発生体３の
外壁面の一部に接触するように設けられている。

この装置において、ネジ杆５を外部から回転してネジ杆
５を押進すると、スワール発生体３は、ネジ杆５の先端
によりその一部が押圧されて変形し、第１図す及び第３
図のような状態となる。

スワール発生体３は吸気管路２中に設けられており、し
かもその中央部は吸気通路３ａを構成しているから、ネ
ジ杆５によるスワール発生体３の変形により、吸気の通
路の形状は変化をうけることになり、その結果、スワー
ルの強度が変化することになる。

そして、ネジ杆５の締付けの調節により、スワールの強
度が調節できることは、明らかである。

また、弾性材料からなるスワール発生体３の変形状態を
ネジ５により維持している限り、スワール強度は変化し
ない。

以上説明したように、本考案によれば、機関の吸気管路
に弾性材料からなる筒状のスワール発生体を同軸状に嵌
着すると共に、機関のシリンダヘッドを貫通して穿設さ
れたネジ孔に螺合するネジ杆の先端を前記スワール発生
体の外壁面の一部に接触するように設けて、ネジ杆によ
りスワール発生体の変形度合を外部から、スワール強度
を測定しながら、調整するようにしたから、量産の機種
を、その組立工程中に、適正値のスワール強さが得られ
るように調節することができる。

したがって、本考案によれば、従来のものに比べて、ス
ワール強度の調節が極めて効率よく行なうことができ、
さらに、切削等の機械加工を伴わないから、切削粉等の
処理を必要とせず、極めて容易に、かつ安価にスワール
強度の調節が可能となり、その実用的効果は著大である
。

また、吸気管路にスワール発生体を同軸状に嵌着するよ
うにしたので、吸気管路を鋳造するのに従来のものの鋳
型をそのまま使用できて、製造設備に変更を加えるよう
なことをしなくてもすみ、またスワール発生体の嵌着部
はシリンダヘッドのネジ孔に対応する位置に簡単に決定
できることから、シリンダヘッドの製造およびスワール
発生体の組込み作業も容易である。

さらに、ネジ杆の微調整によりスワール発生体の変形度
合を滑らかにかつ正確にコントロールすることができる
上に、ネジ杆によって該変形度合を確実に維持すること
ができる。

換言すれば、スワール強度を円滑かつ正確にコントロー
ルすることができ、一旦設定されたスワール強度は機関
の運転時の振動等により変化するようなおそれはない。

なお、付言しておくと、一般に、スワール発生体の変形
度合を増加すると、スワール強度は大となり、後退させ
るとスワール強度は弱くなるものであり、このことは、
本考案の上記実施例のものにおいても同様である。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ、ｂは本考案の実施例を示すもので、第１図ａ
は通常の状態を示す側面視断面説明図、第１図すは同上
作動状態を示す側面視断面説明図、第２図は第１図ａの
■−■視断面説明図、第３図は第１図すのＩ−１視断面
説明図である。 １・・・・・・シリンダヘッド、２・・・・・・吸気管
路、３・・・・・・スワール発生体、４・・・・・・ネ
ジ孔、５・・・・・・ネジ杆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機関の吸気管路に弾性材料からなる筒状のスワール発生
   体を同軸状に嵌着すると共に、機関のシリンダヘッドを
   貫通して穿設されたネジ孔に螺合するネジ杆の先端を前
   記スワール発生体の外壁面の一部に接触するように設け
   て、前記ネジ杆の先端で前記スワール発生体を変形させ
   ることによりスワール強度の調整を行なうようにした直
   接噴射式ディーゼル機関におけるスワール強度調節装置
   を備えた吸気管。