JPS588886B2 - ロカホウホウ オヨビ ソウチ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はスラリーを濾過する方法及び装置に関するもの
である。

更に詳細には、セミバッチ操作によりスラリーを濾過す
る方法及び装置に関するものである。

鉄粉を還元剤とする還元反応で得られた反応液より使用
済みの鉄粉を濾過する場合等スラリーの濾過を必要とす
る場合がしばしばあるが、従来はかかる濾過にヌツチェ
法、フィルタープレス法、葉状濾過法、水平板型加圧濾
過法等が一般に用いられて来た。

しかしながら、これらの方法においては、濾過後のケー
キの取扱いが困難であったり、分解掃除、組立てに時間
、労力を要したり、濾過器内に残留するスラリーの処理
が不可能である等の欠陥があり、十分なものとは言い得
なかった。

そこで、袋状濾材をジャケット付タンク中に収め、この
袋状濾材中にスラリーを供給し、加圧するか或いは袋状
濾材外を減圧にして濾過せしめ、更に瀘材中に残留する
スラリーを処理するために加圧ガスを供給してケーキの
含液率を一層低下せしめ、しかる後に袋状濾材を引き上
げケーキを取り出すという濾過方法が使用されるに至っ
た。

しかしながら、かかる袋状濾材を用いた濾過方法におい
ても、濾材中に残留するスラリーを処理し、更にケーキ
の含液率を低下せしめるために加圧ガスを袋状濾材中に
供給した場合、スラリーは袋状濾材の底部に残留するた
め、加圧ガスは濾過抵抗の小さい側部よりショートパス
によって袋状濾材外に逃げてしまい、結局残留スラリー
の処理が不可能となり、ケーキの含液率を低下せしめる
ことが出来ず、その結果原液の除去、ケーキの取出し等
の取扱いが極めて困難となり、作業性が悪いという欠陥
を残していた。

本発明は、スラリーを完全に濾過しうる濾過方法及び装
置を提供することを目的とする。

本発明の別の目的は、含液率の小さいケーキを得ること
の出来る濾過方法及び装置を提供することを目的とする
。

本発明の他の目的は、濾過後のケーキの取扱いが容易と
なるような濾過方法及び装置を提供することを目的とす
る。

本発明のかかる目的は、濾過室を仕切板により側面部と
底部とに分割し、該仕切板の上端を袋状濾材の底部に堆
積したケーキの上表面の上方に位置せしめることにより
達成される。

以下、添付図面に基き、本発明の実施態様について詳細
に説明を加える。

第１図は本発明の好ましい実施態様を示す濾過装置の概
略図である。

第１図において、１は濾過タンク、２は濾過すべきスラ
リー、３は濾液、４は濾液タンク１中のスラリー又は濾
液の温度を調節するためのジャケット、５は袋状に構成
された濾材、６は濾過板、７は側面部濾過室、８は底部
濾過室、９は側面部濾過室７及び底部濾過室８を二分す
る仕切板、１０はスラリ−２の濾過タンク１への供給口
、１１は濾液３の側面部濾過室排出口、１２は濾液３の
底部濾過室排出口、１３は濾過タンク１内の圧力を測定
する圧力計、１４はジャケットへの熱媒又は冷媒の入口
、１５はその出口である。

また１６はケーキである。

濾過すべきスラリ−２はスラリー供給口１０より濾過タ
ンク１に加圧されつつ供給される。

ここに加圧するのは、瀘過速度を高めるためである。

加圧方法としては、加圧ポンプによる方法やスラリーを
貯めたタンク内に加圧ガスを供給して加圧する方法等が
適しているが、必ずしもこれらに限らず、公知の加圧方
法が用いられ得る。

濾過タンク１内の圧力は圧力計１３により検出され、濾
過圧力が所望の値となるようにスラリー２の供給がコン
トロールされる。

濾過圧力は濾過すべきスラリーの種類、必要な濾過速度
等により適当な値が異なり、一概に決定しがたいが、濾
過タンク１、濾材５等の機械的強度を考慮して一般に１
０ｋｇ／ｃｍ’以下、とくに２〜３ ｋｇ／ｃｍ’以下
とするのが適当である。

またジャケット４に熱媒又は冷媒を入口１４より供給し
てスラリー２又は濾液３の温度を調節して、結晶の析出
、粘度の過度の上昇、或いは分解等の防止が図られる。

スラリ−２は側面部枦過室７及び底部濾過室８で枦過せ
しめられる。

ここに側面部瀘過室７及び底部濾過室室は仕切板９によ
り二分されている。

また濾材５は瀘過板６及び仕切板９に密着しうるような
柔軟な材質により構成されていることを要し、更に化学
的安定性があって瀘過開始後十分時間が経過した後にも
、その細孔上に粒子の架橋現象が生じて泥過抵抗が大き
くなることのないようなものであることが要求される。

かような要求を満たす濾材５としては、たとえば、繊維
状物質が好ましく、ナイロン、ポリ塩化ビニル、塩化ビ
ニルー塩化ビニリデンコポリマー、ポリエステル、ポリ
アクリル等の合成繊維や木綿、綿などの天然繊維が望ま
しい。

また濾過板６は化学的安定性があり濾液３が通過するに
十分な孔が設けられているもので、かつ瀘過圧力に耐え
られる機械的強度を有するものであることが必要である
。

孔の大きさは濾過すべきスラリーの種類、濾過速度等に
より異なるので一概に決定しがたいが、通常０．２〜３
ｃｍ、好ましくは０．３〜１ｃｍ、更に好ましくは０．
４ 〜０． ６ｃｍ程度の径のものが用いられる。

仕切板９もまた瀘過圧力に耐えうる機械的強度と耐蝕性
を備えたものであることが要求される。

このように濾過室が二分されているため、スラリ−２中
のケーキ１６が沈降性の場合はケーキ１６の大部分が底
部に堆積するので、側面部に堆積するケーキは少なくな
り、その結果側面部瀘過室７での濾過抵抗が小さくなっ
て高速で濾過することが可能となる。

このようにして濾過が終了した場合には、側面部濾過室
排出口１１を閉じ、スラリー供給口１０より加圧ガスを
供給して濾材５中に残留しているスラリ−２を更に濾過
し、ケーキ１６中の含液率を減少せしめる。

このとき仕切板９の上端はケーキ１６の上表面より上方
に位置していることが要求される。

もし、仕切板９の上端がケーキ１６の上表面より下方に
あると、加圧ガスが瀘過抵抗の少ない側面部濾過室７よ
りケーキ１６を経て底部濾過室排出口１２ヘショートパ
スしてしまうため、残留スラリ−２の濾過を効率的にお
こなうことが極めて困難となってしまうからである。

ここに堆積すべきケーキの量は予め知ることが出来るの
で、仕切板の位置を設定することは容易である。

この際ケーキがすべて濾材底部に堆積するとして仕切板
の位置を設定すれば、安全側となるので十分である。

このように仕切板９により濾過室を二分し、側面部濾過
室排出口１１を閉じて、加圧ガスを供給することにより
、ケーキ１６の含液率を十分に小ならしめることが可能
となる。

したがってケーキ１６の取扱いも極めて容易となる。

この場合の加圧ガスの加圧の程度もスラリ−２について
前述したところと同様である。

また加圧ガスとしては、濾過すべきスラリーと反応しな
いものであれば、いかなる気体でも良いが、取扱いの安
全性を考慮すると、窒素、二酸化炭素、希ガス等が適当
であり、更に経済性を考慮すると窒素が最も適している
。

ついで洗浄液をスラリー供給口１０より供給しケーキ１
６を洗浄する。

この際、側面部に堆積するケーキ１６を洗浄するときは
、側面部濾過室排出口１１を開け、底部濾過室排出口１
２を閉じ、底部に堆積するケーキ１６を洗浄するときは
、側面部濾過室排出口１１を閉じ、底部濾過排出口１２
を開けて、洗浄液を供給する。

こうして、ケーキ１６の洗浄が終了した後、瀘過タンク
１の蓋をあけ、上部より袋状濾材５を引き上げてケーキ
１６を取り出す。

このように、袋状濾材５の引き上げによりケーキ１６を
取り出しうるので、ケーキの取扱いは極めて容易である
。

本発明は以上の実施態様に限定されることなく種々の変
更が可能である。

たとえば、前記実施態様においては、スラリ−２を加圧
状態で供給しているが、スラリ−２を加圧することなく
、濾過タンク１の排出側を減圧として濾過速度を高める
ことも可能である。

また濾過終了後において前記実施態様においては加圧ガ
スを濾過タンク１内に供給しているが、代わりに底部濾
過室排出口１２外を減圧とすることにより、ケーキ１６
の含液率を減少せしめることも出来る。

これらはスラリ−２を加圧状態で供給したから、ケーキ
１６の含液率を減少せしめるためにも加圧ガスを供給す
る方法を採らねばならないという訳ではなく、これらは
自由に組み合わせうる。

本発明によれば、濾過タンク内に残留するスラリーを完
全に濾過することが出来、したがって含液率の低いケー
キを得ることが可能となるから、ケーキの取扱いが極め
て容易となる。

以下、本発明の効果を一層明瞭ならしめるため比較例及
び実施例を掲げる。

比較例 第１図に示される濾過装置の仕切板を取り去った濾過装
置を用いて、第１表に示される組成のスラリーの濾過を
おこなった。

ここに濾過タンクとしては内径４ ０ ０ ｍｍ，高さ
６６０ｍｍのステンレス製円筒状タンクを用い、濾過板
は厚さ３ｍｍのステンレス板とし、濾過板の孔径は５ｍ
ｍとした。

また濾材としてはナイロン繊維を用いた。

他の濾過条件は第２表に示される如きものとした。

濾過終了後、ゲージ圧で０．５ｋｇ／ｃｍ’に加圧した
窒素ガスをスラリー供給口より供給し、残留スラリーの
処理をおこなった。

その結果、ケーキ上に２ ２ ｌｉｔのスラリーが残り
、完全な処理は出来なかった。

実施例 比較例と同一の装置に第１図の如く厚さ３ｍｍのステン
レス製仕切板を設けて濾過をおこなった。

スラリー及び濾過条件は比較例と全く同一とした。

濾過終了後、ゲージ圧で０．５ｋｆ／ｃｍ’に加圧した
窒素ガスをスラリー供給口より供給し、残留スラリーの
処理をおこなった。

その結果、残留スラリーはすべて処理出来、ケーキの含
液率も３０％（乾燥ケーキ基準）であって十分に含液率
を減少せしめることが出来た。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施態様を示す枦過装置の略断面図で
ある。 １・・・・・・濾過タンク、２・・・・・・スラリー、
３・・・・・・濾液、４・・・・・・ジャケット、５・
・・・・・袋状濾材、６・・・・・・瀘過板、７・・・
・・・側面部濾過室、８・・・・・・底部濾過室、９・
・・・・・仕切板、１０・・・・・・スラリー供給口、
１１・・・・・・側面部濾過室排出口、１２・・・・・
・底部瀘過室排出口、１６・・・・・・ケーキ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 濾過タンク中に袋状濾材を収め、これにスラリーを
   供給することによりスラリーを濾過する方法において、
   濾過室を仕切板により側面部と底部とに二分し、該仕切
   板の上端を前記袋状濾材底部に堆積したケーキの上端面
   より上方に位置せしめ前記側面部の排出口を閉止し、か
   つ前記濾過タンクを加圧もしくは排出側を減圧すること
   により、前記ケーキの含水率の低減を図ることを特徴と
   する濾過方法。 ２ 濾過タンク中に袋状濾材を収め、これにスラリー供
   給口よりスラリーを供給して濾過する装置において、濾
   過室を側面部及び底部に分割する仕切板を有し、それぞ
   れの濾過室に開閉自在の排出口を備え、かつ該仕切板上
   端を前記袋状濾材の底部に堆積するケーキ上表面より上
   方に位置せしめ、前記濾過タンクを加圧もしくは排出側
   を減圧可能な手段を具備して成り、前記ケーキの含水率
   の低減を図ることを特徴とする濾過装置。