JPS588081B2 - 電気絶縁油 - Google Patents

電気絶縁油

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JPS588081B2
JPS588081B2 JP11568275A JP11568275A JPS588081B2 JP S588081 B2 JPS588081 B2 JP S588081B2 JP 11568275 A JP11568275 A JP 11568275A JP 11568275 A JP11568275 A JP 11568275A JP S588081 B2 JPS588081 B2 JP S588081B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は(A)パラフィン基原油または混合基原油を所
定の精製処理して得られる鉱油および(B)鉱油の潤滑
油留分を固体吸着剤処理した精製油ならびに(C)ナフ
サ等の炭化水素類を接触改質する際に副生する重質の改
質油を水素化精製して得られる高芳香族炭化水素を含む
新らしい高級電気絶縁油に関するものである。
さらに本発明は発明者らが先に特願昭49−13698
3として出願したパラフィン基あるいは混合基原油より
電気絶縁油を製造するために炭化水素の改質反応に副生
する沸点250ないし400℃の成分を含む留分の水素
化精製油を添加する方法の改良法に関するものである。
すなわち先願発明ではパラフィン基または混合基原油を
蒸留した沸点280〜400℃に含まれる留分を少なく
とも水素化精製および溶剤脱ろう処理を行うことにより
得られる鉱油のいおう分を0.5wt%以下としたが、
いおう分は装置の腐食性、電気特性などを改善させるた
めに、さらには、使用後の絶縁油の廃棄による環境汚染
の点からも、より少ないことが望ましい。
しかしながら、先願発明において鉱油中のいおう分を0
.2wt%以下のように低いおう含量とすると、過酷な
使用条件に耐え、しかもJIS酸化安定性試験の酸価が
0.2KOH■/g付近の高級な絶縁油を工業的に製造
するのはかなり困難を生ずる場合がある。
たとえば、先願発明において、このような低いおう含有
量の基油を用いる場合には、基油100部に対してより
高価な高芳香族油を100部近くのかなり多量に使用す
ることが要求される。
本発明は、基油となる鉱油のいおう分を0. 2 w
t%以下さし、それに一定量の高芳香族油を添加し、さ
らに他の成分として本発明でいう鉱油の潤滑油留分の固
体吸着剤処理油を一定量加えることにより電気絶縁油と
しての性状がさらに向上し高級な電気絶縁油を製造しう
ろことを初めて見い出したことに基づくものである。
今日、各種の絶縁油が市場に出されているが、量的にそ
の大部分は鉱油系絶縁油である。
この理由は合成法により得られる絶縁油に比べ鉱油系絶
縁油は石油留分を主原料とするため比較的安価に多量に
供給できるからである。
合成絶縁油は一部特殊な用途に限定される。
しかるに、従来この鉱油系絶縁油は、例えばガソリンや
灯油のようにあらゆる原油から大差なく製造され得るよ
うな製品では決してない。
鉱油系絶縁油を製造するには実際には原油の選択が最も
大切である。
すなわち、原油の比重、引火点および粘度が一定の範囲
内にあり、通常凝固点が低くしかもいおう含有率の少な
いナフテン基原油が実用上必要とされていた。
特にこの種の原油を使用しないで、例えばパラフィン基
又は混合基原油を用いると原油を蒸留して得られる絶縁
油に用いる留分(一般に減圧留出油のうち最も軽質なも
のに相当する留分)の流動点が通常−30℃程度(JI
S規格−27.5℃)に達せず、実用され得ないからで
ある。
一方、ナフテン基原油を用いる場合であっても、蒸留留
出した留分が直ちに絶縁油として使用されるのではない
これらのナフテン基原油を精製して得られる基油はその
ままでは酸化特性がかなり不良である。
その改良法としてたとえば異種の鉱油を各種調合する方
法(特公昭36−10133号、特公昭36−1858
4号、特公昭41−3589号)、鉱油の釜残油より分
離し精製した油を添加する方法(特公昭35−2981
号)あるいは溶剤抽出のエキストラクトを添加して酸化
特性を改良させる(米国特許3,6 4 0,3 6
8号)ことなどが公知となっている。
すなわち、これら公知の電気絶縁油の製造方法は、実際
にはナフテン基原油を用いる場合について、その改良方
法を開示しているもので、パラフィン基原油または混合
基原油を原料として電気絶縁油を具体的に製造して満足
した絶縁油を得ることを示す例はきわめて少ない。
パラフィン基原油を用いる方法としては、例えば脱ろう
処理後に特別に精留して流動点の低い絶縁油を得る方法
が開示されている(特公昭49−46123号)。
しかしながらこの方法においては脱ろう後に特別に精留
して中心沸点部分のみを製品とするので収率が悪く、不
必要な留分にも脱ろう処理を施すので脱ろう設備を大き
くしなければならない。
また、芳香族含量が14%程度と非常に限定された精製
油を用いているにすぎず、また酸化防止剤を添加するこ
とにより製品絶縁油を得ている。
さて昨今の石油危機以来、ナフテン基原油の高騰が甚し
く、わが国において安価に入手することはきわめて困難
になっており、ナフテン基原油に代わり、パラフィン基
および世界的に埋蔵量の多い中東系原油に代表される混
合基原油より、公害発生源とならない新しい手法で、経
済的に安価に絶縁油を製造するための技術開発の要請は
ますます強くなってきた。
しかしながら、パラフィン基原油または混合基原油から
の絶縁留分けナフテン基原油のそれと比較して流動点が
きわめて高いため、通常の潤滑油の精製に採用されてい
るような溶剤脱ろう方法では採用され得る流動点の製品
を得ることはできない。
もつとも、深冷による溶剤脱ろうまたは尿素脱ろう方法
によれば実験室的には不可能とは考えられないが、経済
的にきわめて不利であるので、工業的には採用され難い
また、中東系原油で代表される混合基原油からの留分は
いおう含有量が多く、もちろんそのままでは明らかに不
適であり、逆に脱硫処理をより厳密に行うとすると、酸
化安定性が低下するのみならず水素ガス吸収性などの性
状が低下する等のことが懸念される。
このように、パラフィン基原油または混合基原油からの
留分は絶縁油としての適応性がまず欠除しているため、
従来この種の原油からの留分を絶縁油として使用する試
みはほとんど成功しておらず、したがってこの種の留分
を絶縁油として用いた場合の酸化安定性、電気特性など
の点について実際には全く明らかにされていない。
本発明者らは以前より、パラフィン基および混合基原油
を原料として絶縁油を製造する場合の技術的問題点を解
明するため鋭意研究してきた結果、パラフィン基および
混合基系基油の絶縁油留分の特徴を初めて明らかにする
ことができた。
さらに本発明者らは後述するようにこの留分を所定の精
製処理して得られる鉱油と、鉱油の潤滑油留分を固体吸
着剤で処理した精製油およびナフサ等の炭化水素類を貴
金属触媒の存在下で改良して得られる重質の改質油留分
を所定の精製処理した高芳香族炭化水素油とを混合する
ことにより電気絶縁油として予期しないすぐれた性状を
有する組成物が得られることを見い出し本発明を完成す
るに至った。
本願発明は、(A)パテフィン基原油または混合基原油
を蒸留した沸点(常圧換算)280〜400℃の留分を
含む鉱油を少なくとも、水素化精製および溶剤脱ろう処
理を行なうことにより得られるいおう含有量0.2wt
%以下、流動点−10〜−25℃。
窒素含量100ppm以下の鉱油94〜70wt%およ
び(B)鉱油の潤滑油留分を固体吸着剤処理した精製油
1〜10wt%を混合しさらに(C)ナフサ等の炭化水
素類を貴金属触媒の存在下で400ないし600℃で改
質反応を行なわせる際に副生物として製造される沸点(
常圧換算)250ないし400℃の成分を含む留分を水
素化精製処理および必要に応じて蒸留して得られる高芳
香族炭化水素油5〜20wt%を含む新らしい電気絶縁
油に関するものである。
すなわち、本発明の特徴はパラフィン基原油または混合
基原油から得られる鉱油を基油とする絶縁油を製造する
ことにある。
本発明の他の特徴は、硫酸洗浄など、廃棄物が排出しな
い水素化精製法により絶縁油を得ることにある。
また本発明の他の特徴は、混合基原油又はパラフィン基
原油からの絶縁油留分を水素化処理および溶剤脱ろう処
理の二種の精製処理を必須に行なうことにより、所定の
低いおう含有量および所定の低窒素含有量の精製油を得
てすぐれた電気特性、熱安定性を有する絶縁油材に使用
することにある。
また本発明の他の特徴は鉱油の潤滑油留分ならびにナフ
サ等の炭化水素類を貴金属触媒の存在下で改質する際に
副生ずる重質の留分を水素化精製処理して得られる高芳
香族炭化水素油を前記のパラフィン基原油または混合基
原油からの絶縁油材と所定量組合せて新らしい電気絶縁
油を得ることにある。
以下、本発明の内容をさらに詳細に説明する。
本発明はまず、パラフィン基原油または混合基原油から
の沸点(常圧換算)280〜400℃の留分を含む鉱油
を用いる。
ここでパラフィン基原油または混合基原油とは、通常原
油の流動点が−40℃より高い原油で、さらに詳しくは
[石油便覧J1972年度版(石油春秋社発行)第19
頁に記載されているように、その原油の第1鍵留分(灯
油留分)のAPI比重が33より大であり、またその原
油の第2鍵留分(減圧40mmHgでの沸点275〜3
00℃留分)のAPI比重が20よりも大きいものであ
って、ナフテン基原油とは明らかに区別されるものであ
る。
これらの代表的なものとしてペンシルバニア原油、ミナ
ス原油などのパラフィン基原油、アラビャンライト、ア
ラビアンメデイヤム、カフジなどの中東原油に多くその
例を見る混合基原油(中間基原油)がある。
本発明においてはアラビャンメディアムなどのアラビャ
系原油が好ましく使用される。
本発明においては、この原油を蒸留して沸点(常圧換算
)280〜400℃の留分を含む鉱油を得る。
蒸留は常圧蒸留または減圧蒸留のいずれでも良い。
常圧蒸留の場合は塔底付近から、減圧蒸留の場合は塔頂
付近から得る。
次にこの留分に対して水素化精製および溶剤脱ろう処理
を行なう。
この二種の処理の順序は適宜変換できる。
ここで言う280〜400℃の留分を含む鉱油とは約8
0Wt%以上この沸点範囲のものを含む鉱油で、通常残
部はこの沸点範囲外の近似沸点を有するものである。
本発明で言う水素化精製は各種水素化触媒を用いて鉱油
中の不純物である不飽和結合、いおう、窒素などを水素
化し除去することで、通常水素化に用いられる触媒は、
ボーキサイト、活性炭素、珪藻土、ゼオライト、シリカ
、アルミナまたはシリカアルミナ等の無機固体を担体と
して用い周期律表第IB族、第■族、第■族金属を金属
、酸化物又は硫化物の形で担持させたものである。
担持金属の具体的な例としては酸化コバルト、酸化ニッ
ケル、酸化モリブデン、硫化タングステン、硫化ニッケ
ル、硫化コバルトおよびこれらの金属の複合酸化物、複
合硫化物、またはこれらの混合物などである。
本発明においては、酸化アルミニウム含有担体上に担持
された酸化ニッケルおよび酸化モリブデンを予備硫化し
て得られる触媒が特に好ましく用いられる。
水素化精製処理における反応温度は通常230〜400
℃好ましくは300〜360℃である。
低温では反応率が悪く、高温では分解などの副反応が起
り色相、流動点に悪影響をおよぼす。
圧力は通常25〜150kg/cm2好ましくは35〜
80kg/cm2Gである。
液空間速度は0.5〜5好ましくは0.5〜3また水素
は供給鉱油1klに対して100 〜10,000Nm
3、好ましくは200〜1 0,0 0 0Nm3の範
囲で用いる。
次に本願発明で言う溶剤脱ろう処理は、鉱油中のワック
ス分を固化除去し、所定流動点の鉱油を得るもので、通
常使用される溶剤はベンゼン・トルエン・アセトンまた
はベンゼン・トルエン・メチルエチルケトン等の混合溶
剤である。
本発明における脱ろう処理条件のうち、溶剤の組成(ケ
トン分と芳香族分の割合)はメチルエチルケトンの場合
40〜50%、アセトンを使用する場合30〜50係程
度の混合率である。
溶剤比は脱ろうフィルターに供給する溶液(油+溶剤)
の粘度がほぼ一定となるように溶剤を加えることによっ
て定めることができる。
本発明の鉱油の精製処理においては、好ましくはさらに
溶剤精製処理および固体吸着剤処理を組合せて使用する
ことができる。
ここで言う溶剤精製処理は、フルフラール、液体二酸化
いおう、フェノール等の芳香族を選択的に溶解する溶剤
と上記鉱油とを接触させる処理である。
本発明においてはフルフラールを用いる場合が好適であ
り、通常接触温度50〜100℃好ましくは60〜90
℃、鉱油に対する溶剤の割合は0.3〜2.01好まし
くは0.5〜17の範囲において使用される。
また、ここで言う固体吸着剤処理は、活性白土酸性白土
、フラース土などと鉱油と接触させる処理で、通常約5
0〜80℃で30分ないし数時間接触させる。
接触方法として、パーコレーション法、コンタクト法な
どが採用される。
本発明においては、このような精製処理によりパラフィ
ン基原油または混合基原油の所定留分を処理して、いお
う含有量0.2wt%以下、流動点−10〜−25℃、
窒素含有量100ppm以下とすることが特徴である。
後記するように、ここでいおう含有量が0。
2%より多い鉱油の潤滑油留分の固体吸着剤処理の精製
と本発明の高芳香族油をそれぞれ所定量混合した場合に
酸化安定性に対して充分向上した性能が発揮されない。
また、窒素含有量が100 ppmより多いと、長期間
使用した場合に、安定性がわるく、電気特性が急激に低
下する欠点のあることが初めて見出された。
また、流動点が−10℃より高いと、製品絶縁油として
満足すべき流動点のものが得られない。
またここで−25℃より低い流動点の鉱油を得ることは
、前記したように、精製処理特に脱ろう処理工程に過度
の負担がかかり、工業的に絶縁油を製造することにおい
て有利でない。
もちろん、本発明の絶縁油のこの鉱油成分だけでは流動
点、またしばしば水素ガス吸収性、酸化安定性などの性
状において合格(JIS規格に)するものではない。
しかしながら、後記するごとく、本発明の鉱油の潤滑油
留分と特定の高芳香族炭化水素油の所定量をこの精製鉱
油に組合せることにより、これらの点は解決されて満足
のいく、さらにはきわめてすぐれた性状を有する電気絶
縁油を得ることができる。
本発明の(B)油は鉱油の潤滑油留分を固体吸着剤処理
した精製油である。
ここで言う固体吸着剤処理とは、前記した(A)油の精
製に使用することができる固体吸着剤処理と同様な処理
である。
ここで、固体吸着剤処理の前に溶剤精製処理、脱ろう処
理、硫酸精製処理などを単独あるいは組み合せて行うこ
とができる。
ここでいう溶剤精製処理および溶剤脱ろう処理は前記し
た(A)油に採用され得る条件と同様の処理である。
また硫酸精製処理は通常鉱油の硫酸処理と同様な方法で
行われる一が廃硫酸が排出されるので好ましくは溶剤精
製処理や溶剤脱ろう処理が採用される。
(B)油のいおう分は通常約0.5〜2wt%であり好
ましくは0.2〜1.5wt係である。
本発明においては前記したように(A)油も固体吸着剤
処理を行う場合は(A)油と(B)油を混合した後に同
時に吸着剤処理を行うことができる。
この(B)油の量は1〜10wt%混合するのが好まし
く1wt%より少ないと酸化安定性が不十分であり、ま
た1.0wt%より多いと、耐腐食性、熱安定性の面で
問題がでる。
本発明において、(C)油として使用する高芳香族炭化
水素は次のようにして得られるものである。
すなわち、炭化水素類好ましくは沸点60ないし200
℃の炭化水素類たとえば直留ナフサあるいは分解ガソリ
ンを水素加圧下で、約500℃で触媒に接触させ改質反
応を行なわせ次いで蒸留し沸点(常圧換算)250〜4
00℃の成分を含む留分が本発明の高芳香族炭化水素油
である。
この改質反応に使用されている触媒は貴金属系触媒すな
わち白金属元素単独あるいはそれとGe,SH,Re,
Fe,Ni,Pbハロゲンなどの元素の1種または2種
以上を組合せたものを固体担体たとえばアルミナ、ある
いはシリカ・アルミナ担体に担持させたものが用いられ
る。
また、この改質反応は一般に次の条件で行なわれる。
すなわち反応圧力10〜50atm,反応温度400〜
600℃、水素循環量は原料1klに対し100〜15
00Nm3、LHSV0.5〜5hr−1、の条件であ
る。
また本発明でいう高芳香族炭化水素油は炭素数が約10
以上でほとんどが多環芳香族炭化水素であり、その化学
組成の一例を示すと、アルキルベンゼン、アルキルナフ
タリン、アルキルテトラリン等を主成分として、さらに
ビフエニル、アセナフテン、フルオレン類等と若干の三
環芳香族類(例えば数%)を含む。
さらに三環以上の高炭素含有成分はあらかじめ蒸留して
ボトムとしてカットされているならば、後で行なう水素
化処理における負担が軽減されるという点で好ましい。
また従来、該炭化水素油は、その利用はほとんどがその
まま改質ガソリンの一部として利用されているまた自家
燃料あるいは溶剤として一部使用されている。
他方最近ようやくこの重質の改質油の利用について研究
が行なわれるようになり、低級オレフインでアルキル化
して電気絶縁油、塑性加工油、フラツシングオイルおよ
び溶剤などの使用する例が見られる(特願昭48−43
403、同48−13283、同49−1.7402、
など)。
本発明は重質の改質油をアルキル化などの工程を経ない
で水素化精製処理のみですぐれた芳香族性の高い電気絶
縁油基材を提供することにある。
以下にさらに詳細を述べる。
例えば、ナフサを400ないし600℃の温度で貴金属
触媒の存在下で接触的に改質して高オクタン価ガソリン
あるいはベンゼン、トルエンあるいはキシレン類等の芳
香族炭化水素を製造する際に副生物として得られる沸点
(常圧換算)250〜400℃の成分を含む重質の留分
が原料として用いられる。
ここで含むとは、約80wt%以上この沸点範囲内のも
のを含むことである。
この留分はそのままでは色相が悪く、不安定で電気絶縁
油基材としては電気特性、耐熱性、酸化安定性などの点
で不充分である。
本発明はこの留分を特定の条件で水素化精製処理をする
ことにより鉱油系基油と調合した場合に予想もされ得な
かった特性が発揮されることを見出したものである。
水素化精製に用いられる触媒は前記したパラフィン基ま
たは混合基原油からの鉱油の水素化精製処理の際に使用
することができるものと同種の触媒が使用されるが、好
ましくはアルミナ含有担体にニッケル、コバルト、モリ
ブデンから選ばれた酸化物、硫化物を担持したものが採
用される。
望ましくはアルミナ担体に担持された酸化ニッケル、一
酸化モリブデンを予備硫化したものを使用することであ
る。
反応圧力は20〜100kg/cm2G好ましくは25
〜60kg/cm2G、反応温度230〜400℃好ま
しくは260〜350℃、使用する水素は供給油1kl
に対し100〜10,000Nm好ましくは200〜1
,000Nm3である。
水素化精製においては供給油中の芳香族の完全な核水素
化が行なわれないような条件で実施する。
そのため触媒や反応条件を適当に選択することが好まし
い。
上記のように重質の改質油から比重d■0.980ない
し1.000屈折率n■1.56ないし1.60、また
比分散220ないし240の高芳香族炭化水素油が得ら
れ、本発明の電気絶縁油基材として使用される。
なお、本発明の絶縁油に使用される前記特定の鉱油と、
ここで記載した改質油からの高芳香族油はいずれも水素
化精製を行なうことが必要であり、しかもその水素化精
製の条件は前記したようにほぼ同等のものが採用され得
るものであるから、それぞれの油を単独で水素化精製す
れば、本願発明で言うそれぞれ特定の絶縁油基材が得ら
れるような条件の場合、鉱油および改質油からの芳香族
油をあらかじめ所定の混合比で混合して水素化すること
ができ、この水素化で得られるものが、本発明のB油を
所定量混合して本発明の絶縁油として、またさらに別に
製造した本発明で言う基材と所定の範囲で混合して本発
明の絶縁油として得ることができる。
次に本発明で言う特定の鉱油に対し添加すべき高芳香族
炭化水素の量は、通常鉱油94〜70wt係に対し、鉱
油の潤滑油留分を固体吸着剤で処理した精製油1〜10
wt%および高芳香族油5〜20wt%の範囲に調合す
る。
これにより品質面できわめて良好な絶縁油を製造できる
ことが明らかになった。
この場合、調合によって得られる製品絶縁油の流動点が
−27.5℃以下となるように高芳香族油の混合量を増
減させることができ、本発明においてはこの範囲内の所
望の混合比を選べば、すぐれた絶縁油を得ることができ
る。
高芳香族油の混合量が5wt%より少ないと基油の流動
点にもよるが、流動点の降下割合が小さくまた水素ガス
吸収性の改良、酸化安定度の改良等の性質において劣り
、また、20wt%より多く添加することは、酸化安定
性がそれ以上改善されない場合があり高価となり経済的
にも不利である。
(A)油に(B)油あるいは(C)油をそれぞれ単独に
混合した場合にも酸化安定性はそれぞれ改良されるが、
それらはいずれも本発明に比べると劣るのに対して、本
発明のように(B)油および(C)油をともに(A)油
と調合することによりはじめて極めて優れた酸化安定性
を有する高級な電気絶縁油を製造しうろことを初めて見
い出したものである。
また本発明ではこれら3成分を混合した後の全いおう分
が0.35%以下であることが好ましい。
いおう含量が0.35wt%より多いと耐腐食性が悪く
なり、課電下において銅板腐食が進行し、絶縁油装置に
使用されている金属材料に腐食が起こるおそれがあり、
実用上の問題が生じる。
本発明では全いおう分が0.05〜0.3wt%がさら
に好ましい。
次にいくつかの実施例をあげて、本発明の内容をさらに
具体的に説明するがこれらの実施例は本発明を説明する
ものであって本発明はこれらに制限されるものではない
実施例 1 け)混合基原油より基油(A−1油)の製造中東系原油
(アラビアンメディアム)の常圧残渣油を減圧蒸留して
得られる常圧換算沸点290〜396℃の留分(流動点
3℃)を原料とし、先ずフルフラール処理(溶剤比15
0容量%、温度50〜80℃)し約70容量受の収率で
、ラフイネートを得た。
次に市販のニッケルーモリブデンーアルミナ触媒が充て
んされている水素化精製装置に送入し、圧力5 0kg
/cm2G反応温度320℃、液空間速度( LHSV
) 1.0、原料油1lに対し水素4 0 0Nm3
の条件で処理した。
常法どおり、低沸点留分をストリツピングで除去した後
、脱ろう装置に送入(溶剤、メチルエチルケトンートル
エン55:45、溶剤比200容量%、脱ろう温度−3
0℃)し流動点−20℃を有する脱ろう油を得た。
この脱ろう油について白土処理した後のおもな性状は次
の表1A−1油らんのとおりであった。
すなわち、このA−1油より高級の電気絶縁油を製造す
るには流動点(− 2 7. 5℃以下)、JIS酸化
安定度(酸価0.2KOH■/g以下スラッジ0.15
wt%以下)の面で改良を要することが明らかになった
次に本発明に基づく鉱油の潤滑油留分の固体吸着剤によ
る精製油(B−1油)と高芳香族炭化水素油(C−1油
)の製造法とそれらを混合基系原油(A−1油)に各種
の割合でそれぞれ混合した場合の電気絶縁油としての評
価結果を述べる。
さらに比較例としてA−1油にB−1油あるいはC−1
油をそれぞれ単独で加えた場合の基油に対して3つの油
の調合効果が発揮されない例を述べ、本発明の価値を一
層明確にする。
(2)鉱油の潤滑油留分から固体吸収剤処理した精製油
B−1油の製造 上に述べた減圧蒸留油を溶剤比160容量%温度50〜
80℃の条件でフルフラール処理し、このラフイネート
をA−1油と同じく脱ろうおよび白土処理を行って得た
(3)重質改質油から基油(C−1)の製造ナフサを白
金−レニウムー塩素−アルミナ触媒( 0.3wt %
Pt , 0.3wt%Re ,0.6wt%Cl−r
−Al2O3)の充てんされた多段の反応塔よりなる接
触改質装置に導入し、反応温度480〜520℃、反応
圧力15kg/cm2G、水素循環量は供給油1klに
対し300Nm3、油の供給速度(LHSV)2hr−
1で反応させ、得られた改質油を蒸留して沸点(常圧換
算)250〜400℃の留分を捕集した。
この油の性状は比重d■1.0 0 7 3、屈折率n
201.6028、粘度(100°F)d 3.185cst,Cwt%92.9、Hwt%7.1
、分留性状は20%留出温度258℃、50%留出温度
275℃、90%留出温度330℃であった。
次いでこの留分をニッケル(Ni03.Owt%)一モ
リブデン( Mo 0 31 4 wt%)一アルミナ
触媒を充てんした流通式反応管に導入し、反応圧力3
5 kg/cr?t G ,反応温度300℃、液空間
速度(LHSV)3、原料油1klに対し水素500N
m”の条件で水素化精製をした。
得られた精製油を減圧蒸留し常圧換算沸点250〜35
0℃留分を採用し、活性白土で23kg/Iclで60
℃で30min処理して不純物を除去した。
この油の性状は比重d,:00.988,屈折率n′d
1,5 7 8、粘度(30℃)4,175、(75℃
) 1.6 4 0、流動点−50℃以下、引火点13
5℃で、n−d−M分析法では%CA61.8、%CN
21.8、%C 16.4であり分留性状は20%留
出温度が267℃、50%留出温度が282゜C190
%留出温度が320℃であった。
(4)電気絶縁油の製造 基油(A−1油)に対し鉱油の潤滑油留分の白土処理油
(B−1油)および高芳香族炭化水素(C−1油)をそ
れぞれ所定量調合した場合の一般性状および電気絶縁油
として評価した結果を表1に示した。
表1から明らかなようにA−1油単独の場合の欠点であ
ったJIS酸化安定度、流動点および水素ガス吸収性は
著しく改良され後述するようにA−1油にB−1油ある
いはC−1油をそれぞれ単独に加えた場合よりもさらに
その効果が著るしいことが見い出された。
さらに長期間の使用の場合の劣化の程度を表わす熱安定
度試験( ASTMD−1 9 3 4 )の結果も大
幅に改良される効果があることが見い出され、混合基系
基油を主体とする電気絶縁油の製造法が確立された。
比較例−1 比較例としてA−1油95wt%にB−1油5wt%を
加えた結果を表−1に示す。
表から明らかなように酸化安定性はかなり改良されるが
本発明の絶縁油である3者を混合した場合よりは劣り、
また、水素ガス吸収性、流動点などについても本発明の
方がより良好な結果を与える。
比較例−2 比較例−2としてA−1油9owt%にC−1油を1o
wt%を加えた結果も酸化安定性はかなり改良されるが
、本発明の絶縁油である3者を混合した場合より劣り高
級絶縁油を得るにはさらに改良が必要である。
(表−1)実施例 2 (1)混合基原油より基油(A−2)の製造中東系原油
の常圧蒸留残渣油を減圧蒸留し沸点(常圧換算)280
〜380℃留分を原料としてまずメチルエチルケトンー
トルエンを溶媒(50:50)として溶媒比150%、
脱ろう温度−30℃において脱ろう処理を行ない流動点
−25℃の脱ろう油を得た。
この脱ろう油のいおう分は2.15wt%であった。
次に実施例1で用いたニッケルーモリブデンーアルミナ
触媒を用い水素圧7 0 kg/cm2G,反応温度3
40℃、油送入量(触媒容量当り)毎時0.7(LHS
V0.7)、水素5 0 0 Nm3/原料油1kl、
の反応条件において水素化精製を行ない、軽質分をスト
リツピングして基油(A−2油)を製造した実施例1と
同じ条件で白土処理をした基油の一般性状と絶縁油評価
を行ない表2に示した。
基油(A−2油)の性状で改良を要する点は(1)流動
点(2)J I S酸化安定度(特に酸価)(3)熱安
定性である。
流動点、JIS酸化安定度については水素化の反応温度
を上昇させると不良になる傾向を示し、熱安定性につい
ては反応温度を上昇させ、精製度を上げても市販のナフ
テン系電気絶縁油に比べ見劣りすることが明らかになっ
た。
(2)鉱油の潤滑油留分から固体吸着剤処理した精製油
(B−2油)の製造 実施例−2の(1)で述べた脱ろう油を水素化精製を行
わずに実施例−1で述べた方法で白土処理を行い製造し
た。
(3)電気絶縁油の製造 そこで本発明に基づく脱ろう油(B−2油)および高芳
香族炭化水素油(実施例1に記載のC−1油)を基油(
340℃反応油、A−2油)に対して各種の割合で混合
し電気絶縁油として評価した結果を表2に示す。
A−2油単独では欠点であった流動点、JIS酸化安定
度および熱安定度が3者を混合することにより予想もさ
れなかったほど容易に改良されることが見い出された。
実施例 3 スマトラ原油(パラフィン系原油)の常圧蒸留残渣油を
減圧蒸留して得られた沸点(常圧換算)295〜372
℃留分を原料(炭素環分析結果%CA12.5,%CN
21.9,%C45.6)として溶剤比100%、温度
50〜70℃でフルフラール処理し、ラフイネートをコ
バルトーモリブデンーアルミナ触媒( 3 %Co0
1 5 %MoOa)を用い温度300℃、水素分圧
3 5 kg/cyyf.G 1液空間速度( LHS
V ) 3 h r−1、原料油1klに対し水素36
0Nm3で水素化精製を行なった。
得られた精製油についてメチルエチルケトンートルエン
(65:35)を溶媒として温度−30℃で脱ろう処理
を行ないパラフィン系基油を製造した。
その性状を表4に示す。
この基油(A−4油)について電気特性を測定したとこ
ろ、流動点が高く、JIS酸化安定度も不良で、さらに
水素ガス吸収性も良くない結果て、JIS2号絶縁油規
格に外れることが明らかになった。
この基油(A−3油)に本発明に基づく鉱油の潤滑油留
分の白土処理油として実施例−1に示したB−1油を、
さらに高芳香族炭化水素油として実施例−1に示したC
−1油をそれぞれ調合した結果を表−3に示す。
流動点の大幅な低下、JIS酸化安定性の向上、および
水素ガス吸収性の向上などの基油で性状の劣る項目は全
て改良され、優れた高級の電気絶縁油がパラフィン系基
油からも製造しうろことが初めて見い出された。
比較例−3 また比較のために実施例−3のA−3油に実施例1で記
載したC−1油のみを加えた例を比較例−3として示す
JIS酸化安定性はかなり改良されるが本発明の3者調
合油に比べると劣り、高級絶縁油としてはさらに改良が
必要であった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1(A)パラフィン基原油または混合基原油を蒸留した
    沸点(常圧換算)280〜400℃の留分を含む鉱油を
    少なくとも水素化精製および溶剤脱ろう処理を行なうこ
    とにより得られるいおう含有量0.2wt%以下流動点
    −10〜−25℃、窒素含有量100ppm以下の鉱油
    94〜70wt%および(B)鉱油の潤滑油留分を固体
    吸着剤処理した精製油1〜10wt%を混合しさらに(
    C)炭化水素類を貴金属系触媒の存在下で400ないし
    600℃で改質反応を行なわせる際に副生物として製造
    される沸点(常圧換算)250ないし400℃の成分を
    含む留分を水素化精製処理して得られる高芳香族炭化水
    素油5〜20wt%を含む電気絶縁油。
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