JPS587828Y2 - 速度発電機内蔵小型直流電動機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は調芯軸受を円板状押え板でケースに取りつけ
た速度発電機内蔵小型直流電動機に関する。

従来この種の小型直流電動機の調芯軸受は、第１図のよ
うに、カップ状のステータケース１の底面に、調芯軸受
３が受は入れられる外方に突出した凹陥部を設けて調芯
軸受３を落し込み、調芯軸受３の一側に軸受押えバネ１
４をあてて、バネ押え板１５で押圧し、バネ押え板１５
は上記ステータケース１の底面にネジ１６でネジ止めさ
れている。

上記調芯軸受３がバネ押え板１５で取りつけられたステ
ータケース１の内側には、くし歯状ヨーク５と速度発電
機用コイルがコイルボビン１１に巻かれて挿入されて取
りつけられ、くし歯状ヨーク５に臨むように回転軸１に
固定された速度発電機用マグネット８が配置されている
。

上記小型直流電動機が組立てられるときは、ステータケ
ース１の内懐の深いカップ状の内底に調芯軸受３と軸受
押えバネ１４が入れられて、バネ押工板１５がネジ止め
され、さらに速度発電機用コイルのコイルボビン１１と
くし歯状ヨーク５が挿入取りつけられてのち、回転軸Ｉ
が挿入されている。

したがって、調芯軸受取付は部分をあらかじめ組立てる
必要があり、組立工数がかかると共に、調芯軸受部分の
修正が難しい等の欠点がある。

本考案の目的は、上記の点に鑑み、くし歯状ヨークに係
合される円板状押え板で調芯軸受を取りつけ、組立工数
と部品点数を削減すると共に、組立を容易にした速度発
電機内蔵小型直流電動機を提供することにある。

本考案の特徴は、中央に軸受押え用弾性片部、外側にヨ
ークとの当り部とヨークの逃げ部に嵌まる複数の突起部
を有する円板状押え板限、ケースと発電機部のヨークで
挾持し、軸受押え用弾性片部とケースの嵌合部間に挿入
された調芯軸受を調芯支持したことにある。

以下、図示の実施例によって本考案を説明する。

速度発電機を内蔵した小型直流電動機は、第２図で小型
直流電動機のケースがステータケース１とブラシホルダ
ケー２２で構成され、一方のケースが他方のケースに嵌
合固定されている。

ステータケース１は内懐の深いカップ状に形成され、底
面中心には調芯軸受３を受は入れる嵌合部１ａが外方に
向けて突出されて、中心に透孔が穿設されている。

上記調芯軸受３にほぼ球の中心孔に直角な平行な２面で
カットされた形状とし、上記嵌合部１ａの円弧壁に球壁
の一部が密接されている。

嵌合部１ａからケース内方に突出した調芯軸受３には円
板状押え板４の軸受押え用弾性片部４ａが当接されてい
る。

上記円板状押え板４の下方には、速度発電機部のくし歯
状ヨーク５がステータケース１内に嵌合固定されている
。

＜シ歯状ヨーク５の下方のステータケース１内には電動
機の円筒形ステータマグネット６が固定されている０上
記ブラシホルダケース２の中心底面には他の軸受カ取り
つげられるとともに、ブラシを取りつげたブラシホルダ
が内挿固定されている。

上記調芯軸受３と上記ブラシホルダケース２に取りつげ
た他の軸受には回転軸７が挿通軸支されている。

ケース１゜２内の回転軸７には速度発電機用マグネット
８と、コイルが巻線された回転子９と、図示されない整
流子が嵌合固定されている。

上記速度発電機用マグネット８はマグネットホルダー８
ａとカラー１０で回転軸７に固定されて、カラー１０で
回転子９からの間隔がもたれている。

速度発電機用マ・グネット８の外方には上記くし歯状ヨ
ーク５が臨まされ、回転子９の外方には上記ステータマ
グネット６が配置されている。

上記図示されない整流子には、図示されないブラシが摺
接されて、回転子９のコイルに給電される。

上記円板状押え板４は合成樹脂材で形成され、中心に透
孔が穿設されて、その周りには上記軸受押え用弾性片部
４ａが、そ、の外側にはくし歯状ヨーク５との当り部４
ｂが肉厚に上記軸受押え用弾性片部４ａと一体に成形さ
れて、全体が円板状に形成されている。

第３図で上記当り部４ｂの上面には、くし歯状ヨーク５
の逃げ部５ｃに嵌まる複数の突起部４ｃが一体に形成さ
れている。

また上記軸受押え用弾性片部４ａには調芯軸受３との接
触面が形成されるように数本の切溝４ｄが設けられてい
る。

上記発電機部のくし歯状ヨーク５は、上下のくし歯状ヨ
ーク５１，５２で構成され、上下のくし歯状ヨーク５１
，５２の作る外方空間には、速度発電機用のコイルが巻
線されたコイルボビン１１が嵌合されている。

くし歯状ヨーク５１，５２は、ヨークの円板部分５ａの
中心から切り起こされた複数本のくし歯５ｂが設けられ
、切り起こされたくし歯５ｂは一方方向に折り曲げられ
ている。

くし歯とくし歯の間の円板部分５ａには逃げ部５ｃが形
成されている。

上下のくし歯５ｂを組合せるときは、下側のくし歯とく
し歯の間に上側のくし歯が入り込み、相互に噛合うよう
に構成されている。

上記円板状押え板４と上記くし歯状ヨーク５を組合せる
ときは、一方のくし歯状ヨーク５のくし歯５ｂの折り曲
げ基部５ｂ’に円板状押え板４の当り部４ｂが当接され
、突起部４ｃはヨーク５の逃げ部５ｃに嵌合される。

突起部４ｃの間隔は、くし歯５ｂ−１げ部５ｃの間隔を
考慮の上設定される。

上記＜シ歯状ヨーク５が、ステータケース１にカシメ、
溶着、ネジ止め等で固着されると、円板状押え板４はく
し歯状ヨーク５とステータケース１の底面間に挾持され
ると共に、＜シ歯状ヨーク５に対し円板状押え板４の位
置決めがなされる。

仮りに回転軸７０回転で調芯軸受３に回転力が与えられ
ても、円板状押え板４は回転されず、軸受押え用弾性片
部４ａと上記ステータケース１の嵌合部１ａで調芯軸受
３は挾持されると共に、嵌合部１ａの円弧壁と弾性片部
４ａの接触面で調芯支持される。

上記円板状押え板４とくし歯状ヨーク５の組合せは、ス
テータケース１に調芯軸受３を挿入後、あらかじめ上記
両者を組合せてステータケース１内に挿入し、くし歯状
ヨーク５をステータケース１に固着してもよいし、調芯
軸受３、円板状押え板４、一方のくし歯状ヨーク５、コ
イルボビン１１、他方のくし歯状ヨーク５と一個づつス
テータケース１内に挿入して組立てもよい。

調芯軸受３はステータケース１内に姿勢を考慮して挿入
されれば、以後他の部品を乗積させることによって調芯
支持される。

第４図は円板状押え板４に設けた突起部４ｃの変形例で
、突起部４ｃの上部にコ字形溝４ｅを形成し、突起部４
Ｃがくし歯状ヨーク５の逃げ部５ｃに嵌合されたとき、
この逃げ部５ｃの上方のくし歯５ｂ間に挿入される他方
の＜シ歯状ヨークのくし歯５ｂを、上記コ字形溝４ｅに
受げ入れれば、上下のくし歯の間隔が規定され、他の度
当り部材や、規定部材を用いずに両くし歯の間隔が定め
られる。

本考案は上述のように構成されたから、円板状押え板の
当り部をくし歯の折り曲げ基部に当接させると、突起部
が丁度逃げ部に嵌り込まれて位置決めがなされ、円板状
押え板はヨークをステータケースに固定することで組付
けが完了されるから、組立てが簡単容易化される。

また新規に円板状押え板を用意すれば、他は従来の部品
が利用できて、押えバネやバネ押え板、ネジなどの部品
点数が削減され、内懐の深いカップ状のステータケース
底面にネジ止めする等の難作業が廃止されて、組立作業
効率が著しく改善される。

さらに押えバネ、バネ押え板を円板状押え板に置換える
ことにより、電動機の軸線方向の長さ寸法が縮小される
等の種種の効果を備えた速度発電機内蔵小型直流電動機
が得られる。

【図面の簡単な説明】 第１図は従来の調芯軸受取付機構を備えた速度発電機内
蔵小型直流電動機のケースの一部を破断して内部が示さ
れた側面図、第２図は本考案の速度発電機内蔵小型直流
電動機のケースの一部を破断して内部が示された側面図
、第３図は同ステータケース、調芯軸受、円板状押え板
、くし歯状ヨー久発電機用コイルボビンの分解斜視図、
第４図は同上円板状押え板に設けられた突起部の変形斜
視図イとくし歯の組合せ要部説明図口である。 １・・・・・・ステータケース、１ａ・・・・・・嵌合
部、２・・・・・・ブラシホルダケース、３・・・・・
・調芯軸受、４・・・・・・円板状押え板、４ａ・・・
・・・軸受押え用弾性片部、４ｂ・・・・・・当り部、
４ｃ・・・・・・突起部、４ｄ・・・・・・切溝、５．
５Ｌ５２・・・・・・くし歯状ヨーク、５ａ・・・・・
・ヨーク円板部分、５ｂ・・・・・・くし歯、５ｂ’・
・・・・・（し歯折り曲げ基部、５ｃ・・・・・・逃げ
部、６・・・・・・ステータマグネット、７・・・・・
・回転軸、８・・・・・・速度発電機用マグネット、９
・・・・・・回転子、１０・・・・・・カラー１１・・
・・・・コイルボビン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中央に軸受押え用弾性片部、外側にヨークとの当り部、
   ヨークの逃げ部に嵌まる複数の突起部とを有する円板状
   押え板と、底面中心に調芯軸受の嵌合部を有するカッ７
   状ケースと、該ケースに内蔵する速度発電機部と、調芯
   軸受とを有し、上記ケースと速度発電機部のヨークとで
   上記円板状押え板を位置出し挾持し、上記押え板とケー
   スとで調芯軸受を調芯支持したことを特徴とする速度発
   電機内蔵小型直流電動機。