JPS586611Y2 - 加圧鋳造機における加圧成形装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は加圧鋳造機にあ・いて、鋳造品を型内で熱間鍛
造類似の手段で加圧穿孔等する如くした加圧成形装置に
関する。

更に詳細には、型の製品造型部の一部に対称的に加圧杆
及び受圧杆を設け、溶湯充填後型内にある鋳造品の一部
分を上記加圧杆の降下動で加圧しつつ受圧杆の降下で穿
孔等し、熱間鍛造類似の手段で該部分の組織の緻密化を
図りつつ鋳造作業時に取付孔、軸孔等を加圧する如くし
た加圧成形装置に関する。

ダイキャスト鋳造や金型鋳造等の鋳造品に取付孔、軸受
孔等を設ける場合、鋳造後に機賊加工を行うか、鋳造時
に型内に中子をセントしておいて鋳抜き孔を成形する。

以上の倒れに釦いても、孔成形部を単純に鋳抜くか穿孔
するものであシ、方、孔成形部は取付孔や軸孔等として
用いられるため強度、剛性を要求される。

特にアル□ニウム合金鋳物等では上記孔成形部の強度、
剛性が充分に得られ難く、単純に孔成形をこの部分の組
織をその１まにして機械加工による穿孔、中子による鋳
抜きを行ったのでは実用上充分な強度、剛性が得られ難
い。

本考案者等は鋳造品の孔成形における上記問題点に鑑み
、これを有効に解決すべく本考案金なしたものである。

本考案の目的とする処は、型の製品造型部の一部に対称
的に加圧杆及び受圧杆を設け、溶湯充填後型内にある鋳
造品の一部を上記加圧杆の降下動で加圧しつつ受圧杆の
降下によシ穿孔、凹状部底形を行うようにした加圧鋳造
機における加圧成形装置を提供する。

従って本考案の目的とする処は、上記加圧杆と受圧杆の
作動により、加圧杆側に設けた鋳造品の当該部分と一体
の突出部を熱間鍛造類似の手段で加圧しつつ穿孔等し、
穿孔部分等の組織の緻密化を図り、実用上充分の強度、
剛性を有する孔成形部を有する鋳造品を得る如くした加
圧鋳造機における加圧成形装置を提供する。

次に本考案の好適一実施例を添付図面に従って詳述する
。

第１図は加圧鋳造機の概略を示す一部分の縦断面図で、
加圧鋳造機１は上型２及び下型３からなる。

型２，３は上下に分割さへ下型３は固定台４上にあって
固定とし、上型２が上下動する。

型２．３の側方に偏した位置には型面から分割され、型
合せ状態で一体となり、同心の溶湯スリーブ５が設けら
れ、スリーブ５の上下の各部材６，７の夫々には加圧用
プランジャピストン８と受圧側カウンタピストン９とが
嵌装され、スリーブ５内に注入貯溜された溶湯を型間の
造型部、即ち製品キャビティに加圧充填スる。

以上の型２，３の型合せ面には造型部１０が形成され、
造型部１０は湯道１１によりスリーブ５の開口１２に連
通接続されるとともに、造型部１０の一部には孔成形部
を成形する凹部１３，１４がこれと連続する如く設けら
れ、成形凹部１３゜１４は同一部分に夫々上方へ、下方
へ対称的に設けられている。

この成形凹部の上部のもの１３の孔成形部上には更に肉
盛用の凹部１５が上方に突設され、凹部１５の中央部上
には上方へロッド孔１６が縦通設置されている。

このロッ）’ＪＬ１６には緊密に摺動自在に加圧ロッド
１７が縦通嵌挿され、ロッド１７は上型２上方に設けた
シリンダ装置１８に繋げられている。

一方、下部の成形凹部１４の中央部で上記ロッド１７と
向い合う位置の底には同心的に縦通孔１９が設けられ、
これに受圧ロッド２０が緊密に嵌挿され、ロッド２０は
下部にフランジ部２１を備え、これが孔１９の下部に設
けた膨大部２２の肩部にスプリング２３の上動弾圧力で
接し、ロッド２０の上端面は凹部１４の底と同一水平面
に保持される。

以上にかいて、ロッド１７の径に対し凹部１５の径が若
干大きく、又凹部１５の径に対しロッド２０の径は若干
大きい。

第１図は型２，３の造型部１０内に溶湯が加圧充填され
た状態を示し、第２図は穿孔後の状態を示している。

第３図乃至第６図は加圧成形工程を順を追って示してい
る。

次に上記図にもとづいて加圧成形工程を説明すると、第
１図及び第３図に示される如く溶湯の加圧充填でこれが
造型部１０内に充填され、造型部の一部をなす凹部１３
，１４にも連続して充填され、鋳造品Ｗの孔成形部Ｗ１
を構成する。

この成形部Ｗ１の中央部上部には上記凹部１５により連
続して突状部Ｗ２が一体に成形される。

鋳造品Ｗがある程度冷却した状態で加圧ロッド１７を降
下動させる。

これにより突出部Ｗ２は成形部Ｗ１の対応する部分に鍛
圧類似の作用で押し込ｌれ、ロッド１７による押込力で
成形部Ｗ１のこの部分は下方へ加圧される。

加圧力が受圧側ロッド２０のバネ荷重を越えると降下し
、ロッド１７ 、２０の相対的降下動で成形部ｗｌのこ
の部分の肉はこの間に挾ｌれて下方へ打ち抜かれ、孔Ｗ
３が形成される。

この過程で上記突出部Ｗ２の肉は孔Ｗ３の周辺部にも押
し込ｌれ、孔周辺部は軸方向への圧縮に伴う半径方向へ
の組織の流動により緻密化されることとなり、孔周辺部
は打抜除肉による強度低下を防止され、この部分は鍛圧
されたことと同様なり、強度剛性はアンプする。

又これと併せて孔周辺部に仮令巣があっても、上記組織
の流動でこれは埋められ、実用上支障ない程度迄補正さ
れる。

第４図は孔成形完了状態を示す。孔成形後加圧側ロッド
１７は上昇し、孔Ｗ３から抜脱されるが、既述の如くロ
ッド１７に対しロッド２０の径が大きく、打抜かれた円
柱状の残材Ｗ４は加圧により径が増大しており、ロッド
２０のスプリング２３による上動弾圧が与えられていて
も、孔Ｗ３下端周辺に引っかかってこれが内部に浸入し
ない。

この状態を第５図で示した。爾後鋳造品を取り去ること
により残材Ｗ４は上昇し、これを払い出す。

この状態を第６図で示した。以上図示実施例では孔Ｗ３
を成形したが、ロッド１７の降下動を中途で止める如く
ストローブを設定することにより孔に代え凹部を成形す
ることができ、これにより得られた凹部は組織が緻密化
され、スラスト、ラジアル両方向の強度、剛性がアップ
し、軸端を支持する軸受部等として用いることができる
。

以上で明らかな如く本考案によれば、鋳造品を型内に残
留させたま１適当な温度迄降下後金内部分を含んで加圧
し、穿孔等するようにしたため、穿孔部周辺は熱間鍛造
類似の作用で組織が緻密化され、取付孔、軸受孔、閉塞
軸受部等の強度、剛性を大幅にアンプすることができ、
実用上強度、剛性に優れる穿孔部を有する鋳造品を得る
ことができる。

又上記により仮令孔成形部に鋳巣等があっても、上記に
よりこれが補正されるとともに、型内で熱間鍛造類似の
作業で上記を行うため、組織の流動性も良く、取付孔、
軸受孔等に必要な緻密な組織を容易に得ることができる
他、爾後の面倒、煩雑な穿孔機械加工を要することなく
鋳造工程で孔成形が行え、作業上、量産性、工程の省略
、省力化の点でも好１しく、実用性に富む。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図は加圧鋳
造機の要部を示す縦断側面図、第２図は孔成形状態の要
部の図、第３図乃至第６図は孔成形を工程順に示した要
部の拡大図である。 尚図面中１は加圧鋳造機、２，３は型、１０は造型部、
１５は余肉用凹部、１７，２０は加圧杆及び受圧杆、Ｗ
は鋳造品である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 加圧鋳造機の型の型合せ面に設けられる造型部の一部の
   一方に加圧杆を、他方のこれの対向位置に上記加圧杆に
   よる加圧で没入する弾支された受圧杆を夫々設置すると
   ともに、加圧杆が臨む一方の造型部に余肉部用凹部を設
   け、前記加圧杆、受圧杆間部の鋳造品の一部を該凹部内
   の全内部と併せて加圧しつつ穿孔等するようにしたこと
   を特徴とする加圧鋳造機における加圧成形装置。