JPS6211929Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 開示技術は粉末成形プレスにおける上ラムの上
昇動作中に突出しロツドを作動させるようにした
技術分野に属する。

而して、この考案は上パンチを持ち上げるため
の上ラムを上昇させると共に下型を押し下げるた
めの引下げロツドを下降させるようにした粉末成
形プレスに関する考案であり、特に、上ラムに引
下げロツドと連動する突出しロツドを設け、上パ
ンチの抜出しパンチを下降させて下型の孔パンチ
を該下型に相対的に下降するようにした粉体成形
プレスに係る考案である。

＜従来技術＞ 周知の如く、孔を有するワークの粉末成形プレ
スは第１イ図、第１ロ図、第１ハ図に示す態様の
ものが用いられており、該種態様のものはヨーク
１を引き下げる方式のものであつて、第１イ図に
示す様にヨーク１を上げた状態でキヤビテイ２へ
粉体を供給し、次いで第１ロ図に示す様にキヤビ
テイ２内の粉体を圧縮して製品Ｗを成形し、最後
に第１ハ図に示す様にヨーク１を下げて、製品Ｗ
を持ち上げて取り出すようにしている。

又、上ラム部の構造は第２図の縦断面図に示す
様に、駆動ギヤ３によつてシヤフト４が回転し、
該シヤフト４に取り付けられたカム５とクランク
６の作動によつて上ラム７が上昇し、該上ラム７
が第１イ図〜第１ハ図、及び、第３図に示す上パ
ンチ８を持ち上げるようになつている。

一方、シヤフト４に設けられたカム９ａ，９ｂ
には引下げロツド１０ａ，１０ｂが連結されてお
り、該カム９ａ，９ｂの回転によつて引下げロツ
ド１０ａ，１０ｂを下降させ、その下降力によつ
てヨーク１、及び、下型１１の引き下げを行うよ
うにしている。

＜考案が解決しようとする問題点＞ さりながら、上述従来のヨーク１を引き下げる
態様の粉末成形プレスでは下型１１に設けられた
ダイ１２、及び、該ダイ１２に挿通されている孔
パンチ１３ａ，１３ｂをヨーク１と共に引き下げ
ねばならない。

したがつて、下型１１には孔パンチ１３ａ，１
３ｂを相対スライドさせる上下に貫通する孔を設
け、且つ、下型１１をヨーク１による引下げ力に
耐え得るように固定する必要があるので、下型１
１の構造は極めて複雑になるという欠点があつ
た。

又、同時に孔パンチ１３ａ，１３ｂの数が多く
なると、下型１１に設けた圧力板１４の通し孔が
増え、強度不足によつて型が破損する虞がある難
点があつた。

更に、圧力板１４を通るロツドが邪魔になり、
スライダ１５の配設が不可能になつて、段付成形
が出来なくなり、そのうえ孔パンチ１３ａ，１３
ｂを通すために、圧力板１４の下面にざぐり１４
ａを形成しなければならない不都合さもあつた。

この考案の目的は上述従来技術に基づく粉末成
形プレスの問題点を解決すべき技術的課題とし、
上ラムの上昇時に引下げロツドと連動する突出し
ロツドを下降させるようにして上記欠点を除去
し、不利点をなくし確実な成形動作がスムーズに
行え、製品精度が向上するようにして機械製造産
業における加工技術利用分野に益する優れた粉末
成形プレスを提供せんとするものである。

＜問題点を解決するための手段・作用＞ 上述目的に沿い先述実用新案登録請求の範囲を
要旨とするこの考案の構成は前述問題点を解決す
るために、上ラムによつて上パンチを上昇させる
と共に引下げロツドを下降させて下型を引き下
げ、同時に該引下げロツドに連動させて上ラム内
からの突出しロツドを下方に突出させ、突き出し
た該突出しロツドによつて上パンチに設けた抜出
しパンチを押し下げて下パンチ内の孔パンチに当
接して該孔パンチを製品から抜き出させるように
した技術的手段を講じたものである。

＜実施例＞ 次に、この考案の１実施例を第４図以下の図面
に基づいて説明すれば以下の通りである。尚、第
１〜３図と同一態様部分は同一符号を用い援用し
て説明するものとする。

第４図の態様において、２１はプレスフレーム
であり、その内部には軸受２２，２３，２４，２
５が装備されて横設されたシヤフト２６を支持し
ている。

そして、該シヤフト２６はその一端にカバー２
８によつて覆われている駆動ギヤ２７が取り付け
られていると共にその中央部にはカム２９が取り
付けられてクランク３０を回転させて上ラム３１
を上昇するようにされている。

更に、シヤフト２６にはカム２９の左右にカム
３１ａ，３１ｂが装備されて引下げロツド３２
ａ，３２ｂを昇降動作するようにされている。

而して、上ラム３１の下端には横方向の通し孔
３３と、該通し孔３３の中央から上ラム３１の下
端面に通じる上下方向の丸孔３４とが連通して穿
設されており、更に、通し孔３３には払い落とし
バー３５が遊挿され、その両端がねじ３６ａ，３
６ｂによつて引下げロツド３２ａ，３２ｂに固定
されている。

又、丸孔３４には突出しロツド３７が摺動して
昇降自在に内挿されており、その上端がねじ３８
によつて払い落としバー３５の中央に固定されて
いる。

そして、上ラム３１は第５図イ図に示す上外パ
ンチ３９ａに連係され、又、突出しロツド３７は
上中パンチ３９ｂに摺動自在に挿入されている抜
出しパンチ４０ａ，４０ｂを押し下げ可能に連係
させている。

一方、引下げロツド３２ａ，３２ｂは図示しな
い下型に連係されており、該下型には第５ロ図に
示すダイ４１が取り付けられ、更に、該ダイ４１
には下外パンチ４２と下中パンチ４３とが相対ス
ライド自在に順に内挿されている。

そして、該下中パンチ４３に挿入され、抜出し
パンチ４０ａ，４０ｂに当接されて押し下げられ
るようにされている孔パンチ４４ａ，４４ｂは
各々バネ５５ａ，５５ｂによつて該下中パンチ４
３に対し上方に弾圧付勢されている。

上述構成において、第６図（第６図以下は製品
との対比のためプレス構造部はハツチングを入れ
ず模式図にしてある）に示す様にダイ４１の下外
パンチ４２と上外パンチ３９ａが開かれた姿勢の
初期状態で両外パンチ４２，３９ａ、内パンチ４
３，３９ｂ間のキヤビテイに所定の粉体を供給充
填し、駆動ギヤ２７の回転によりシヤフト２６が
回転し、クランク３０により上ラム３１が下降
し、第７図に示す様に粉末をキヤビテイ内で加圧
し製品Ｗを成形する。

次いで、駆動ギヤ２７によつてシヤフト２６が
更に回転させられると、クランク３０の作用によ
つて第８図に示す様に上ラム３１が上昇し、これ
によつて上パンチ３９が持ち上げられる。

又、この時、シヤフト２６に取り付けられたカ
ム３１ａ，３１ｂの回転によつて、引下げロツド
３２ａ，３２ｂが下降し、ダイ４１を取り付けた
下型が下降され、同時に、該引下げロツド３２
ａ，３２ｂに固定されている払い落としバー３５
が下降し、これに固定された突出しロツド３７が
第９図に示す様に下方に突き出されて、該突出し
ロツド３７に連係されている抜出しパンチ４０
ａ，４０ｂが上中パンチ３９ａ内を摺動して下降
する。

而して、該抜出しパンチ４０ａ，４０ｂの下降
が続くと、その下端が下中パンチ４３内の孔パン
チ４４ａ，４４ｂがバネ５５ａ，５５ｂに抗して
下中パンチ４３内を下方に押し出され製品Ｗから
抜き出される。

この間、製品Ｗは適宜に保持される。

したがつて、キヤビテイ内で成形された製品Ｗ
は上ラムパンチ３９ａ，３９ｂの上昇と、ダイ１
２の下降、呼び、孔パンチ１３ａ，１３ｂの下方
への引き抜きによつて第１０図に示す様に型から
外れ、所定に取り出される。

尚、この考案の実施態様は上述実施例に限るも
のでないことは勿論であり、例えば、引下げロツ
ド１０ａ，１０と突出しロツド３７との連動手段
として、ギヤ等を用いることも可能である。

＜考案の効果＞ 以上、この考案によれば、上ラム内に引下げロ
ツドと共に下降する突出しロツドを設け、該突出
しロツドによつて下型の孔パンチを押し下げるよ
うにしたので、圧力板に大きな孔を設ける必要が
なくなり、強度の点で極めて有利なものとなる効
果がある。

又、スライダの配置を孔パンチの位置に関係な
く決められるので、より複雑な形状の成形加工が
可能となる優れた効果が奏される。

更に、ヨークによる下型加工手段を用いないの
で、全体の構造が簡略化され、故障率の低下を図
ることが可能となる効果もある。

更に又、上ラムと引下げロツドとを上下動させ
る各々のカムがシヤフトに対して一体的に付設さ
れているため、シヤフトの回転により、上ラムと
引下げロツドが正確にロスなく同期して上下動
し、極めて精度の高い作動が行い得るという優れ
た効果が奏される。

【図面の簡単な説明】

第１イ図、第１ロ図、第１ハ図は従来技術に基
づく粉末成形プレスの動作の各断面図、第２図は
同上ラム構造の縦断面図、第３図は同孔パンチ部
分の縦断面図、第４図以下はこの考案の１実施例
を示すものであり、第４図は上ラム部の縦断面
図、第５イ図は上パンチ部分の縦断面図、第５ロ
図はダイ部分の縦断面図、第６〜１０図は成形プ
ロセスの各模式断面図である。 ３９ａ，３９ｂ……上パンチ、３１……上ラ
ム、１１……下型、３２ａ，３２ｂ……引下げロ
ツド、３７……突出しロツド、４０ａ，４０ｂ…
…抜出しパンチ、３１ａ，３１ｂ，２９……カ
ム、２９……シヤフト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上パンチを持ち上げるための上ラムを上昇させ
   るカムと、下型を押し下げるための引下げロツド
   を下降させるカムとをシヤフトに備えた粉末成形
   プレスにおいて、上記上ラムには上記引下げロツ
   ドと共に下降する突出しロツドを配設し、該突出
   しロツドは上記上パンチに設けた抜出しパンチを
   下降自在に連係し、該抜出しパンチは下型に設け
   られて該下型に相対下降する孔パンチに押圧当接
   自在にされ、而して上記上ラムと引下げロツドを
   上下動させる各々のカムがシヤフトに一体固設さ
   れていることを特徴とする粉末成形プレス。