JPS585606Y2 - チユ−ブレスタイヤ用車輪 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は小型トラクタ等の農用軸輛或いは軽車輌等のタ
イヤ、特にチューブレスタイヤに使用する比較的小径リ
ムの車輪に関する。

従来この種車輪を図面に基いて説明すると、第１図に示
す如く、車輪は２つ別状に分割された１対の金属板製の
分割体から成り、各分割体１は中心に車軸挿通孔２を備
えた円形ディスク状サポート部３と、該サポート部３の
外周縁より側方に屈折して周設されたリム４と、該リム
４の側端縁より更に外周方向に延設されたリムフランジ
５とを金属板プレスにより一体に備えている。

車輪ハブ６は分割体１，１とは別体に形成され、前記サ
ポート部３の一側に挿通孔２と同心状に取付けられる。

この車輪にタイヤを装着するには、前記ｌ対の分割体１
，１を分離した状態よりタイヤ７を挾んで接合し、タイ
ヤ７のビード座８，８がリム４，４に支持された状態で
両分割体１，１の重合されたサポート部３，３をボルト
９ナツト１０で結合する。

この際、タイヤ７がチューブレスタイヤであるときは、
前記サポート部３，３間にパツキン（図示せず）を介挿
し、エアシールとする必要がある。

このようにしてタイヤをリムセットした車輪を車輌の車
軸に装着するには、更にハブ６のフランジ１１を一方の
サポート部３側部にボルト１２ナツト１３を介して固着
し、その後に車輪の車軸挿通孔２及び前記ハブ６に車軸
１４を挿通せしめ、ハブ６と車軸１４の直径方向にピン
１５を挿着すると共に、ハブ６の外周より車軸１４に対
しセットボルト１６を螺入して固定する。

この従来の車輪によれば、上記の如くタイヤをツムセッ
トする作業が極めて煩雑で、しかもリムセット後の車輪
を車軸に装着するに際しても更に煩雑なハブの組付作業
を必要とし、作業者数及び作業時間の点で不利であり且
つコスト高を招来する問題がある。

本考案は上記に鑑み、タイヤのリムセット作業及び車輪
の車軸装着作業を極めて簡単にせしめ、以って作業能率
の向上と低コストを可能にし、しかも車輪製作の点に於
ても製造容易かつ安価としたチューブレスタイヤ用車輪
を提供することが目的である。

従ってその特徴とする処は、車輪ハブと、該ハブの外周
に延設されたサポート部と、該サポ−ト部の外周を囲ん
で周設されタイヤビード部を支持するリムと、該リムの
両側縁より外周方向に延設されたリムフランジとを備え
た車輪において、前記ハブ、サポート部及びリムを一体
的に備えた車輪本体と、少なくとも前記一方のリムフラ
ンジを構成し且つ前記リムの側縁に係合手段を介して取
付けられるべく車輪本体とは別体に分割された分割フラ
ンジとから戊り、車輪本体のリムと分割フランジとの接
合面が、前記タイヤビード部の下面に位置して設けられ
ると共に、前記係合手段が、前記接合面よりも車輪内周
側に位置して設けられて成る点にある。

以下図面に基いて本考案に係る車輪の実施例を詳述する
と、第２図及び第３図に示す１実施例に於て、車輪本体
２１は、車輪ハブ２２と、該ハブ２２の外周に延設され
たサポート部２３と、該サポート部２３の外周を囲んで
周設されたリム２４とを、プラスチックにより一体成形
して形成されている。

前記ハブ２２は円筒形とされた一端近傍に直径方向のピ
ン挿通孔２５を開設している。

図例ではハブ２２をサポート部２３の両側方に延出した
ものとしているが、サポート部２３の一側方のみ延出す
るものとしてもよい。

前記サポート部２３はハブ２２に近傍して厚肉２６とさ
れ、該サポート部２３の両側面に径方向のリブ２７を形
成しており、該リブ２７はハブ２２の外周より周方向に
間隔をおいてサポート部２３に沿い放射方向に延長され
、更にリム２４の内周面に屈折延長されている。

図例ではサポート部２３を円形ディスク状のものとして
いるが、スポーク形状その他とすることが自由である。

前記リム２４は、サポート部２３の両側方に一定幅を有
して延びる帯状のものとして周設され、サポート部２３
の外周端より外周方向で且つ両側方に傾斜する略Ｖ形状
に形成されて該サポート部２３近傍の外周に凹部２８を
形成し、該■形両端より両側には径を変化しないフラッ
トな支承部２９．２９を形成している。

このリム２４は一側縁より外周方向に延長されたリムフ
ランジ３０を一体に備え、該リムフランジを有しない他
側縁に近傍するリム２４の内周面には、係合凹部３１か
゛周方向に間隔、好ましくは等間隔をおいて形成されて
いる。

一方、分割フランジ４０は、前記リムフランジを有しな
いリム２４の側縁部内周面に適合される挿入部４１と、
該挿入部４１を前記リム２４に適合したとき該リム２４
の側縁より上記リムフランジ３０と同じ高さに外周方向
に延設されるべく該挿入部４１の側縁より屈折されたフ
ランジ部４２とり、プラスチックにより一体成形して形
成されている。

前記挿入部４１の外周には、前記係合凹部３１に嵌着さ
れる係合凸部４３が周方向に間隔をおいて形成され、各
係合凸部４３を周方向に挾んで挿入部４１の端縁より溝
４４が切込状に形成されており、これら係合凹部３１及
び係合凸部４３によって分割フランジ４０を車輪本体２
１に取付けるための係合手段を構成するものであるが、
保合手段は必ずしもこれら凹凸部３１．４３には限定さ
れない。

尚、上記車輪本体２１及び分割フランジ４０は夫々プラ
スチックにより一体成形されており、その素材としては
ナイロン、ポリプロピレン、ＡＢＳ樹脂その他硬質樹脂
が使用でき、夫々カットファイバーを含有させることが
好ましい。

而して、車輪にチューブレスタイヤをリムセットする場
合は、車輪本体２１のリムフランジ３０を有しないリム
２４の側方よりタイヤ５０のビード座５１一部をＶ形量
部２８に嵌入し、順次ビード座５１の周方向全体を凹部
２８に嵌入することにより、該ビード座５１はリムフラ
ンジ３０に接支して支承部２９に支承されると共に、他
方のビード座５１がリムフランジを有しない側の支承部
２９に支承され、タイヤ５０全体がリム２４上にリセッ
トされる。

その後は、分割フランジ４０の挿入部４１をリムフラン
ジを有しないリム２４内周に挿入し、係合凹部３１に係
合凸部４３を嵌着係合することにより分割フランジ４０
を車輪本体２１に固着する。

尚、この車輪を車輌の車軸に挿着するには、車輪本体２
１に一体に形成されたハブ２２に車軸を挿入せしめ、ピ
ン挿入孔２５を介してハブ２２と車軸の直径方向にピン
を挿着すれば良い。

このようにタイヤをリセットした状態で、本考案実施例
では上記分割フランジ４０とリム２４端面との接合面３
２が、セットされたタイヤ５０のビード５２中心よりも
外側に位置するようにされている。

従って、タイヤがチューブレスタイヤであっても、タイ
ヤ５０のビード座５１がリム２４の支承部２９と完全に
密着してエアーをシールし、前記接合面３２よりエアー
漏れを生じることはない。

而して本考案では、前記接合面３２が、第３図示の如く
タイヤ５０の内周縁部を戒すビード部の下面に位置して
設けられ、該接合面３２をビード部によって閉塞するこ
とにより、エアーシールがなされる。

また前記係合手段３１．４３が、この接合面３２よりも
車輪内周側に位置して設けられており、従って保合手段
３１．４３がタイヤビード部と干渉して前記接合面３２
に於けるエアーシールを阻害することなく、シかもタイ
ヤセットに際し、タイヤを車輪本体リム２４の支承部２
９．２９に支承せしめた状態で、分割フランジ４０の挿
入部４１を一方の支承部２９内周に挿入する簡単な作業
で保合手段３１．４３を係合せしめると共に、接合面３
２を好適に接合できる。

第４図に示す本考案の他の実施例では、車輪本体２１が
、ハブ２２を金属製、その他のサポーＩ・部２３、リブ
２７、リム２４及びリムフランジ３０をプラスチック製
とし、ハブ２２の外周面に設けた延長部３３をプラスチ
ックに成形と同時に埋入し、これらを車輪本体２１とし
て一体的に備えている。

他の構成は上記実施例と同様である。

本考案は以上のように構成した結果、従来の車輪に比し
て、車輪本体と分割フランジとが別体に分割され、上記
のように両者の接合面がタイヤビード部の下面に位置し
て設けられると共に、保合手段が該接合面よりも車輪内
周側に位置して設けられているので、タイヤを車輪本体
に装着すると共に分割フランジを車輪本体に取付ける簡
単な作業でタイヤをリムセットすることができ、特にチ
ューブレスタイヤ用車輪として、前記接合面をタイヤビ
ード部自体により閉塞することによってタイヤのエアー
シールを達威し、また分割フランジの組付けに際しても
タイヤを車輪本体に支承せしめた状態で簡単に行ない得
る効果がある。

しかも車輪本体がハブを一体的に備えているので、タイ
ヤをリムセットした車輪をそのまま車軸に挿着すれば足
り、作業能率を頗る向上し得、作業者数及び作業時間に
於けるコストの点でも有利である。

またチューブレスタイヤの車輪として、従来のようなパ
ツキンを一切不要とし、このことは作業能率向上とコス
ト低下に大きく寄与できるものである。

尚、上記の如く、車輪本体と分割フランジとを夫々プラ
スチックを主材として一体成形すれば、製造容易にして
大量生産に適し、材料価の点からも極めて安価であり、
しかも車輪の軽量化にも寄与できるものとして有利であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来に係る車輪を示す断面図、第２図は本考案
の１実施例に係る車輪を破断して示す斜面図、第３図は
同リムセットした状態を示す断面図、第４図は他の実施
例に係る車輪を示す断面図である。 ２１・・・・・・車輪本体、２２・・・・・・ハブ、２
３・・・・・・サポート部、２４・・・・・・リム、２
７・・・・・・リブ、２９・・・・・・支承部、３０・
・・・・・ツムフランジ、３１・・・・・・係合凹部、
３２・・・・・・接合面、４０・・・・・・分割フラン
ジ、４２・・・・・・フランジ部、４３・・・・・・係
合凸部、５０・・・・・・タイヤ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車輪ハブと、該ハブの外周に延設されたサポート部と、
   該サポート部の外周を囲んで周設されたタイヤビード部
   を支持するリムと、該リムの両側縁より外周方向に延設
   されたリムフランジとを備えた車輪において；前記ハブ
   、サポート部及びリムを一体的に備えた車輪本体２１と
   、少なくとも前記一方のリムフランジを構成し且つ前記
   リムの側縁に係合手段３１．４３を介して取付けられる
   べく車輪本体２１とは別体に分割された分割フランジ４
   ０とから成り；車輪本体２１のリム２４と分割フランジ
   ４０との接合面３２が、前記タイヤビード部の下面に位
   置して設けられると共に、前記係合手段３１．４３が、
   前記接合面３２よりも車輪内周側に位置して設けられて
   成るを特徴とするチューブレスタイヤ用車輪。