JPS5856018Y2 - 溶接接続個所を有する金属板の打ち抜き加工装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、コイル状に巻かれた金属板から連続的に打ち
抜き加工をする際に、金属板の溶接接続個所を検知し、
当該個所を打ち抜き加工することなく切断して排出する
装置に関する。

一般にコイル状に巻いである金属板では、不良個所を切
除した場合とか、長さが足りなかった場合には、その端
部を重ね合せて溶接して継ぎ足すことが行われている。

この溶接接続個所は一般に成形加工しても製品にならな
いばかりでなく、２枚分の厚さを有するのでそのまま打
ち抜き加工を行うと、打ち抜き用カッターの刃を傷め、
その後の工程の加工具をも破損させるので、金属板の溶
接接続個所が打ち抜き加工装置に入る前に検出して取り
除く必要がある。

この様な打ち抜き加工機の一例が、２ピ一ス缶製造装置
のカップ成形機であり、このカップの成形機では、溶接
接続個所を検知すると、その個所がカップ成形機に入る
前に、カップ成形機の運転を停止し、溶接接続個所を金
切りバサミで切断して取り除いた後、金属板の先端をカ
ップ成形機に挿入しカップ成形機を再始動させていた。

この金属板はかなりの幅を有する為、この作業は２人以
上の人手を要し、又金属板に手を触れて作業をする為、
手等を傷つける恐れがあって危険であり、更に、カップ
成形機の再始動までに長時間を要していた。

本考案は、ひとりのオペレーターが金属板に手を触れる
ことなく迅速に溶接接続個所を取り除いて打ち抜き加工
機（カップ成形機）を再始動させることのできる装置を
提供するものであり、これによれば、上下動可能なプレ
スのラム下面に固定した上型部品と、該上型部品と対面
して設けたプレスのベッド上面に固定した下型部品と、
連続した金属板が人ってくる側の該下型部品の外側のプ
レスのベッド端部から立設された取付具に固着され、該
金属板を上下から挾持して該上型及び下型両部品間に間
欠的に一定長さずつ前進させる上下一対のフィードロー
ルと、 該金属板が出てゆく側に設けてあり、プレスのラムに装
着されたスクラップ上カッター及びプレスのベッド上面
に固定されたスクラップ下カッターと、該スクラップ下
カッターに近接し、前記下型部品の外側のプレス上方に
設けたスクラップコンベヤーとを備え、該金属板を打ち
抜き、打ち抜いた板を加工する連続加工用のプレス装置
において、 該スクラップ上カッターを上方へ移動させるシリンダー
機構と、該上フィードロールを上昇させるシリンダ機構
と、該取付具に固着されており、該金属板を挾持して連
続連送りする上下一対のサブフィードロールと、該上フ
ィードロールの上昇時に、該金属板を該サブフィードロ
ールで挟持させるために上サブフィードロールを下降さ
せるシリンダ機構と、前記スクラップコンベヤーに近接
し、該スクラップコンベヤーに関しプレスと反対側に設
けられ、スクラップコンベヤー上に伸びるこ・とができ
る伸縮自在のスライドガイドと、該スライドガイドを伸
ばすシリンダー機構とを具備していることを特徴とする
溶接接続個所を有する連続金属板の打ち抜き加工装置が
得られる。

次に図面を参照し本考案の実施例を説明する。

第１図は、コイル状に巻かれた連続金属板に潤滑剤を塗
布した後、カップを打ち抜き成形加工する為の一連の装
置の平常運転時の状態を示す側面図であり、第２−ａ図
は、平常運転時に於けるフィードロール及びサブフィー
ドロールの位置を示す部分拡大図であり、第２−ｂ図は
、溶接接続個所を検出した後の金属板連送り時のフィー
ドロール及びサブフィードロールの位置を示す部分拡大
図であり、第３−ａ図は、平常運転時に於けるスクラッ
プカッター、スクラップコンベヤー及び゛スライドガイ
ドの状態を示す部分拡大図であり、第３−ｂ図は、溶接
接続個所を除去する際のスクラップカッター、スクラッ
プコンベヤー及びスライドガイドの状態を示す部分拡大
図である。

１はコイル状に巻かれた金属板２を装着し、このコイル
状金属板を徐々に解きながら連続的にカップ成形機３へ
供給する為のアンコイラ−であり、４は新しいコイル状
金属板２をアンコイラ−１に装着して、金属板２の先端
部を引き出してワクサー５へ挿入するに当って、コイル
状金属板２の先端部の押えテープを剥す際に、コイル状
金属板２が勝手に解けるのを押えつけて防止する為のス
ナバ−ロールである（その際はエアシリンダーでスナバ
−ロール４をコイル状金属板２上へ接触回転させる）。

５はアンコイラ−１とカップ成形機３との間にあって、
アンコイラ−１から連続的に送られて来るコイル状金属
板２に潤滑剤を塗布するワクサーである。

このワクサー５のアンコイラ−１側には、新しいコイル
状金属板２の先端部をワクサー５内に導く為の先端部が
伸縮自在のガイドスライドテーブル６が取り付けられて
おり、更にカップ成形機３側には、カップ成形機３へ新
しいコイル状金属板２の先端部を挿入する際に挿入し易
くする為に金属板２を丁亥えする（水平に伸びて）フィ
ードテーブル７が取り付けられている。

カップ成形機３は、金属板２を円形板に打ち抜く為のカ
ッター（図示しないが、上刃はプレスの上下動可能な上
型部品８に、下刃はプレスの固定下型部品９にそれぞれ
組み込まれている。

）、該円形板をカップに成形する為のパンチコア１９（
上型部品８に組み込まれている）、ダイリング２０（下
型部品９に組み込まれている）及び成形したカップを搬
送する為の搬送コンベアー（図示せず）を有し、更にワ
クサー５側（金属板２の入口側）には、カップ成形機３
の平常運転中に金属板２を上下から挾持して一定長さの
金属板２をカップ成形機３内（以後カップ成形機内とい
う場合は、カップ成形機の金属板を打ち抜く為のカッタ
ーの在る部分を指す）へ間欠的に送り込む為のフィード
ロール１１．１１’と、カップ成形機３の運転を停止し
、且つ上側のフィードロール１１をエアシリンダー１６
で上昇させている間に、金属板２を上下から挟持して金
属板２の溶接接続個所を連続連送りでカップ成形機３内
を通過させる為のサブフィードロール１２．１２’ （
フィードロール１１．１１’とサブフィードロール１２
、１２’は、プレスのベッドに一端が固着され、且つ
ベッドから立設されている取付具に取り付けられている
。

）とを備え、更に、金属板２の出口側（第１図でカップ
成形機３の左側）には、プレスのラムに装着され、ラム
の上下動に伴って上下動し、平常運転時には、下降時に
プレスのベッド上面に固定されているスクラップ下カッ
ター１３′と協働してカップを打ち抜いた後の金属板（
スクラップ）を細断する為のスクラップ上カッター１３
、細断されたスクラップを搬出するスクラップコンベヤ
ー１４、コイル状金属板のコイルの最初の部分や溶接接
続個所を除去する際にこれらの部分や個所を含む金属板
を受ける為の伸縮自在のスライドガイド１５、及びスラ
イドガイド１５を伸ばす為のエアシリンダー１８を備え
ている。

カップ成形機３が平常の連続運転をしているときは、ア
ンコイラ−１、金属板２、ワクサー５、カップ成形機３
及びそれ等の付属品は、はぼ第１図に示す位置、状態と
なっており、カップ成形機３に取り付けであるフィード
ロール１１．１１’、サブフィードロール１２．１２’
、スクラップカッター、１３゜１３′、スライドガイド
１５はそれぞれ第２−ａ図、第３−ａ図に示す位置にあ
る。

即ち、ワクサー５内で潤滑剤を塗布された連続している
金属板２をフィードロール１１．１１’により一定長さ
を間欠的にプレスのラムの１ストローク毎にカップ成形
機３内へ送り込み、カップ成形機３内では、成形機内の
カッターで円形に打ち抜いた後に、パンチコア１９及び
ダイリング２０でカップに絞り成形し、成形したカップ
をダイリング２０の下に設けたカップ搬送コンベヤー（
図示せず）で受けて搬出する。

又、円形に打ち抜かれた残りの金属板は、パチンコア１
９（又は円形打ち抜きカッターの上刃）の上下動と連動
して上下動するスクラップ上カッター１３と固定のスク
ラップ下カッター１３′とにより細断され、スクラップ
コンベヤー１４で受けて搬出される。

ところが、連続している金属板２の溶接接続個所をカッ
プ成形機３より手前の金属板が常に通過する位置（第１
図でカップ成形機の右側、例えばワクサー５の金属板出
口部）に設けた検出装置で検出（検出装置はどんなタイ
プのものでもよく、図示しないが、一例をあげると、金
属板２の溶接接続個所の近くに一定以上の大きさの穴を
必ずあけておくことにしておき、金属板の一方の側から
は常に光を当て続け、他方の側にはその光を感知する光
感知器を設置しておけば、金属板に穴のおいている部分
が検出装置の設置個所を通過したとき、必ず穴を通過し
た光が反対側にある光感知器に検出されるので、結果と
して溶接接続個所が検出できる。

）した場合は、検出信号が送られる制御装置から、プレ
スのラムに対して停止信号が発せられて、金属板２の溶
接接続個所がカップ成形機３内のカッターのある位置よ
り手前まで進んだ時点でプレスのラムを上方位置（上死
点）で停止させる（検出装置の設置個所とカッターとの
距離を勘案して停止信号を発するタイミングを調整して
おく）させる。

この時、ラムの上下運動に連動しているフィードロール
１１．１１の間欠送りも停止する。

この停止信号は、安全を期して、金属板２の溶接接続個
所がカップ成形機３がら未だがなり離れている時点で発
信するのが好ましい。

そして、金属板２のカップ成形機３内のカッタ一部分と
溶接接続個所との間に一列以上の円形板を打ち抜くに十
分な余裕がある場合には、金属板２の有効利用を図る為
に、作業者は目で確認しながら手動操作（手動スイッチ
の操作）により、ラム及びフィードロールを作動させて
溶接接続個所の直前までの金属板２のカップ打ち抜き成
形を行った後、ラムを上死点で停止させるとフィードロ
ール１１．１１’も停止する。

次に、それぞれスイッチ操作により、カップ成形機３の
ワクオー５側（金属板入口側）の上側フィードロール１
１をエアシリンダー１６で上げ、上側のサブフィードロ
ール１２をエアシリンダー１７で下げ（第２−ｂ図参照
）、サブフィードロール１２１２′で金属板２を挾む。

次に、スイッチ操作により、反対側のスクラップ上カッ
ター１３を、ラムの下動に伴って下降してもカッターと
しての機能を果し得る位置までは下降できない様にエア
シリンダー（図示せず）で上方へ移動させ、更に、スイ
ッチ操作により、スライドガイド１５をエアシリンダー
１８でスクラップコンベヤー１４上に伸ばす。

−そして、パンチを上死点の位置のままで、スイッチ操
作により、サブフィードロール１２．１２’を動かして
金属板２の溶接接続個所をサブフィードロール１２．１
２’によりカップ成形機３を通過させ外へ連続連送りす
る（この際、作業者は溶接接続個所がカップ成形機３外
へ出るまでサブフィードロール１２．１２’操作スイッ
チを押し続けなければならない。

又、このとき溶接接続個所の先端部分はスライドガイド
１５上にのる）。

その後、スイッチ操作により、上側のフィードロール１
１を下げてフィードロール１１．Ｉｆで金属板を挾み、
同様にスイッチ操作により、上側のサブフィードロール
１２を上げてサブフィードロール１２．１２’による金
属板２の挾みを解く。

ついで′、スクラップ上カッター１３をエアシリンダー
で上げたまま且つスライドガイド１５を伸ばしたままの
状態で手動スイッチ操作により、プレスを上下動させる
と共にフィードロール１１．１１’を作動させてカップ
を打ち抜き、打ち抜がれた部分がスクラップカッター１
３．１３’の所まで前進してきた時点でスイッチ操作に
より、エアシリンダーを作動させてスクラップ上カッタ
ー１３の上方への移動を解いて、ラムの下動に伴う下降
時に打ち抜かれたスクラップ部分を切断し、スライドガ
イド１５を引っ込めて溶接接続個所を含む金属板を取り
除く。

スクラップ上カッター１３を、打ち抜かれた部分がくる
まで上方への移動を解かないのは、このカッターにはス
クラップとなった金属板を切断するために必要とする部
分にしか刃がついていない為である。

その後、カップ成形機３をスイッチ操作により、全自動
の平常運転の状態に戻す。

上記の様に、カップ成形機の金属板の人口側に、一方が
上下移動可能で、連続連送り可能な一対のサブフィード
ロールを設けると共に間欠送りをする・フィードロール
の上フィードロールを上昇可能にし、更にその出口側に
、カッター機能を作用させない様に上方に移動できるス
クラップ上カッターと、スクラップコンベヤー上に伸縮
自在のスライドガイドとを設けたことにより、カップ成
形機の平常運転（全自動）停止から、金属板の溶接接続
個所を切断、除去して平常運転に戻すまでの一連の操作
を、全て一人のオペレーターが（人手の省略）、金属板
に全く手を触れることなく（手指の負傷のおそれの除去
）、操作盤のスイッチ操作（半自動）だけで行うことが
でき、さらに従来とちがって、溶接個所の切断に時間が
かからず、新たに金属板の先端部を打ち抜き加工装置に
挿入し直さなくてもよく、又溶接接続個所を手作業で切
断、除去することなく連続連送りすることができるので
従来の装置に比べて、この間に要する時間を大巾に短縮
でき、従って生産能率が向上するという大きな効果を奏
する。

尚、上記実施例では、２ピ一ス缶のカップ成形機で説明
したが、本考案は２ピ一ス缶のカップ成形機だけでなく
、一般の連続した金属板からの打ち抜き加工装置にも適
用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、コイル状に巻かれた連続した金属板に潤滑油
を塗布した後、カップを打ち抜き成形加工する為の一連
の装置の平常運転時の状態を示す側面図、第２−ａ図は
、平常運転時に於けるフィードロール及びサブフィード
ロールの位置を示す部分拡大図、第２−ｂ図は、金属板
の溶接接続個所を検出した後の金属板連送り時のフィー
ドロール及びサブフィードロールの位置を示す部分拡大
図、第３−ａ図は、平常運転時に於けるスクラップカッ
ター、スクラップコンベヤー及びスライドガイドの状態
を示す部分拡大図、第３−ｂ図は、金属板の溶接接続個
所を除去する際のスクラップカッター、スクラップコン
ベヤー及びスライドガイドの状態を示す部分拡大図。 ２・・・・・・金属板、８・・・・・・上型部品、９・
曲・下型部品、１１．１１’・・・・・・上、下フィー
ドロール、１２．１２’・・向上、下サブフィードロー
ル、１３．１３’・・向上、下スクラップカッター、１
４・・・・・・スクラップコンベヤー１５・・・・・・
スライドガイド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 上下動可能なプレスのラム下面に固定した上型部品８、 該上型部品８と対面して設けたプレスのベッド上面に固
   定した下型部品９、 連続した金属板２が入ってくる側の該下型部品９の外側
   のプレスのベッド端部から立設された取付具に固着され
   、該金属板２を上下から挾持して該上型及び下型両部品
   間に間欠的に一定長さずつ前進させる上下一対のフィー
   ドロール１１．１１’、該金属板２が出てゆく側に設け
   てあり、プレスのラムに装着されたスクラップ上カッタ
   ー１３とプレスのベッド上面に固定されたスクラップ下
   刃ツタ−１３′、及び 該スクラップ下カッター１３′に近接し、前記下型部品
   ９め外側のプレス上方に設けたスクラップコンベヤー１
   ４を備え、 該金属板２を打ち抜き、打ち抜いた板を加工する連続加
   工用のプレス装置において、 該スクラップ上カッター１３を上方へ移動させるシリン
   ダー機構と、 該上フィードロール１１を上昇させるシリンダー機構と
   、 該取付具に固着されており、該金属板２を挟持して連続
   連送りする上下一対のサブフィードロール１２．１２’
   と、 該上フィードロール１１の上昇時に、該金属板２を該サ
   ブフィードロール１２．，１２’で挾持させる為に、上
   サブフィードロール１２を下降させるシリンダー機構と
   、 前記スクラップコンベヤー１４に近接し、該スクラップ
   コンベヤー１４に関しプレスと反対側に設けられ、スク
   ラップコンベヤー１４上に伸びることができる伸縮自在
   のスライドガイド１５と、該スライドガイド１５を伸ば
   すシリンダー機構とを具備していることを特徴とする溶
   接接続個所を有する連続金属板の打ち抜き加工装置。