JPS5855427Y2 - 電子楽器における鍵盤装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は鍵タッチによって演奏表現を行なうことがで
きるようにした電子楽器における鍵盤装置に関する。

従来の電子楽器は、鍵を押圧操作してこの鍵に対応する
スイッチを閉じ、これにより押圧操作された鍵に対応す
る音源信号を音源部から導出し、そしてこの音源信号を
音色部または合戒部で適宜に音色形成するとともに音量
調整部で適宜に音量調整して、スピーカから演奏者とし
て発音させるようになされている。

しかしながら、従来のこのような電子楽器にあっては、
打鍵操作によって音源信号回路を只単にオン、オフする
のみであって、演奏音の音量や音色等の制御は鍵とは異
なる他の操作キーやペダル等によって行なう構成である
から、例えば普通のピアノのように鍵タッチによって演
奏表現を行なうことはできず、従って十分な演奏効果を
得ることができなかった。

また、演奏音の音量や音色等を制御するための配線が施
されたプリント基板やその調整を行なうための調整用部
品を外装体の内部後部に組み込んだ構成であるから、演
奏音の音量や音色等の制御を鍵とは異なる他の操作キー
やペダル等によって行なうのと相俟って、構成が複雑に
なり、またその組み立ても面倒であり、更に調整用部品
を調整するのに外装体や鍵等を取り外さなければならず
、これまた面倒であった。

この考案は上記事情に鑑みてなされたもので、鍵タッチ
によって演奏表現を行なうことができ、しかも構成が簡
単で容易に組み立てることができる電子楽器における鍵
盤装置を提供することを目的とするものであり、鍵の下
側に演奏音制御用配線が施されたプリント基板を設ける
とともに、このプリン１一基板の上側にこのプリント基
板の配線と電気的に接続された感圧素子を前記鍵によっ
て圧力が加えられるように設けるようにしたものである
。

以下、この考案の一実施例について図面を参照して説明
する。

図中１は各音高に夫々対応して設けられた鍵で、この鍵
１は、棚板２の上面中央部に設けられたバランスレール
３及びこれに植設されたバランスピン４に揺動可能に支
持されており、また前記棚板２の上面前部に夫々設けら
れた２つのフロントレール５，５の一方に植設されたガ
イドピン６によってその横振れを防止されている。

そして、この鍵１をその後端部に設けられた復帰用重り
７の重量に抗して押圧操作すると、この鍵１の後側に設
けられたスイッチ（図示せず）が切り換わって閉じ、こ
れにより押圧操作された鍵１に対応する音源信号が音源
部から導出されるようになされている。

前記フロントレール５，５の上面には、例えば音量調整
用配線が施されたプノント基板８が設けられている。

このプリント基板８は、前記フロントレール５，５の上
面に載置された第１のプリント基板８ａと、この第１の
プノント基板８ａの前端部に垂下されて設けられた第２
のプリント基板８ｂと、前記第１のプリント基板８ａの
後端部に下方に向って適宜に傾斜されて設けられた第３
のプリント基板８Ｃとからなるものであって、その第１
のプリント基板８ａは前記一方のフロントレール５にね
じ９によって取り付けられており、またその第２のプリ
ント基板８ｂは前記一方のフロントレール５に取り付け
られた取付部材１０にねじ１１によって取り付けられて
おり、更にその第３のプリント基板８Ｃはこれに取り付
けられた取付部材１２を介して前記棚板２にねじ１３に
よって取り付けられている。

前記第２のプリント基板８ｂの前面には可変抵抗器１４
が取り付けられている。

前記第１のプリント基板８ａの上面には、ある程度の強
度を有する取付板１５が前記フロントレール５，５上に
位置するように載置されている。

なお、この取付板１５は前記ねじ９によって前記一方の
フロントレール５に取り付けられている。

また、前記ガイドピン６は、前記第１のプリント基板８
ａ及び前記取付板１５の予め定められた箇所に設けられ
た円孔１６及び１７を夫々貫通している。

前記取付板１５の上面で予め定められた箇所には突設部
１８が設けられており、この突設部１８の上面には感圧
素子１９が片持ち態様に載置され、またこの感圧素子１
１９の上面には作動板２０が片持ち態様に載置され、そ
してこれら感圧素子１９及び作動板２０の各基端部はね
じ２１によって前記取付板１５及び前記第１のプリント
基板８ａに取り付けられている。

すなわち、感圧素子１９、作動板２０及び取付板１５は
ねに２１によって第１のプリント基板８ａに取り付けら
れている。

なお、前記感圧素子１９は図示しないリード線を介して
前記プリント基板８の配線に電気的に接続されている。

前記作動板２０の自由端部上面にはフェルト２２が貼着
されており、また前記取付板１５の上面で前記作動板２
０の自由端部と対向する位置にはフェルト２３が貼着さ
れている。

なお、前記鍵１の下面で前記作動板２０の自由端部と対
向する位置には押圧部２４が突設されている。

また、前記棚板２の前端部には口枠２５が取り外し可能
に設けられている。

なお、プリント基板８や感圧素子１９等を組み込む場合
には、まず第１のプリント基板８ａに取付板１５、感圧
素子１９及び作動板２０をねヒ２１によって取り付け、
また第２のプリント基板８ｂに可変抵抗器１４を取り付
けて、これらを予めユニット化しておき、そして第１の
プリント基板８ａをフロントレール５，５上に載置し、
次いで第１のプノント基板８ａ及び取付板１５をねし９
によって一方のフロントレール５に取り付け、また第２
、第３のプリント基板ａｂ、ａｃをねじ１１．１３によ
って一方のフロントレール５及び棚板２に夫々取り付け
て組み込むものである。

このように部品を予めユニット化することができるから
、容易に組み立てることができる。

他方、これらを取り外す場合には、上記とは逆の作業を
行なえばよい。

なお、特に感圧素子１９や作動板２０を取り外したり取
り付けたりする場合には、ねじ２１のみを単に取り外し
たり取り付けたりすればよい。

しかして、鍵１を押圧操作すると、第２図に示すように
、その押圧部２４がフェルト２２を押圧することにより
、作動板２０がその自由端側を押し下げられて感圧素子
１９とともに鍵１の変位量に応じて撓み、そしてこの作
動板２０の撓み量すなわち鍵１の変位量を感圧素子１９
によってピックアップして電気信号に変換し、次いでこ
の感圧素子１９から作動板２０の撓み量すなわち鍵１の
変位量に応じて発せられる電気信号の変化によって演奏
音の音量を変化させるものである。

すなわち、打鍵操作によって演奏音の音量を変化させる
ものである。

なお、プリント基板８に例えば音色形成用配線を施して
おけば、打鍵操作によって演奏音の音色を変化させるこ
ともできる。

以上詳細に説明したように、この考案による電子楽器に
おける鍵盤装置によれば、鍵の下側に演奏音制御用配線
が施されたプリント基板を設けるとともに、このプリン
ト基板の上側にこのプリント基板の配線と電気的に接続
された感圧素子を前配備によって圧力が加えられるよう
に設けた構成であるから、打鍵操作によって演奏音の音
量や音色等の制御を行なう構成とすることができ、従っ
て鍵タッチによって演奏表現を行なうことが可能になり
、しかも構成が簡単であるばかりか容易に組み立てるこ
とができる等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による電子楽器における鍵盤装置の一
実施例を示す側面図、第２図はその鍵を押圧操作した状
態における要部の縦断側面図、第３図はその一部の分解
斜視図である。 １・・・・・・鍵、２・・・・・・棚板、８・・・・・
・プリント基板、１５・・・・・・取付板、１９・・・
・・・感圧素子、２０・・・・・・作動板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 棚板と、この棚板上に揺動可能に設けられた鍵と、この
   鍵の下側で前記棚板上に設けられかつ演奏音制御用配線
   が施されたプリント基板と、このプリント基板上に設け
   られた取付板と、この取付板上に片持ち態様に設けられ
   た作動板と、前記プリント基板の配線に電気的に接続さ
   れて前記取付板と前記作動板間に設けられかつこの作動
   板の撓み量に応じて演奏音制御用電気信号を発する感圧
   素子とを具備してなり、前記鍵が押圧操作された際前記
   作動板がその自由端側を前記鍵によって押し下げられて
   撓むように構成してなることを特徴とする電子楽器にお
   ける鍵盤装置。