JPS5854902Y2 - 移動農機における油圧制御装置の油圧レバ−ガイド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、油圧制御装置を自動制御位置と手動制御位置
とに切替制御する移動農機における油圧制御装置の油圧
レバーガイドに係るものである。

油圧制御装置を適宜のリンク機構などによって自動的に
切替制御する場合、これらの自動制御機能を解除して手
動による操作機構を設けることがある。

このような油圧制御装置は、一般には油圧レバーを自動
制御位置にセットし、必要に応じて手動によって油圧制
御装置が制御作動する手動制御位置および制御作動が停
止する手動固定位置に切替制御するのであるが、従来、
これらの手動位置にそれぞれ油圧レバーを固定保持させ
るようにしていたため、油圧レバーを手動制御位置に固
定保持したままでこれを放置しておくと、油圧シリンダ
が最終端部まで移動しても依然として油圧制御装置は作
動状態となっているため、油圧ポンプから圧送される作
動油がすべてリリーフ弁による狭窄作用を受けて極度に
加熱され、作動油の劣化を促進させると共に油圧機器に
悪影響を与える欠点がある。

本考案は上記の如き欠点を一掃すべく創案されたもので
あって、油圧レバーを手動制御位置に正確に位置できる
ものでありながら、手動操作終了に伴い油圧レバーから
手を離すだけで油圧レバーは手動制御位置から自動的に
自動制御位置に復帰するようにして作動油が極度に加熱
されることを確実に防止することができる移動農機にお
ける油圧制御装置の油圧レバーガイドを提供しようとす
るものである。

本考案の構成を図面に示された耕盤走行型田植機に実施
した一例について説明すれば、エンジン１および植付装
置２を搭載すると共にフロート３を上下動自在に装着し
た機体４に推進車輪５をスイングケース６を介して上下
動自在に軸架し、該スイングケース６に連結した揺動ア
ーム７と機体４との間に単動式油圧シリンダ、油圧アク
チェーター等よりなる油圧制御装置８を介在し、フロー
ト３と機体４との間隔を感知するインジケータ９の作動
に基づいて油圧制御装置８のスプール１０を摺動制御す
るリンク機構による自動制御機構１１を設け、植付作業
中、田面に対する機体４の高さを耕盤の凹凸または深浅
に拘りなく常に一定に保持させるべく油圧制御装置８に
より推進車輪５を上下に変位させて、植付装置２と円面
との間隔を一定に保持させ、苗の植付深さ及び植付姿勢
を適正ならしめている。

前記機体４の後端部に延設した操縦ハンドル１２には、
自動制御機構１１にワイヤ１３を介して連係された油圧
レバー１４が装着されており、該油圧レバー１４によっ
て油圧制御装置８を、自動制御機構１１を作動させて車
輪５を耕盤の凹凸または深浅に順応させて自動的に昇降
せしめる自動制御位置１４Ａと、自動制御機構１１を不
作動状態にしたまま、手動によって油圧制御装置８が作
動して車輪が下降する制御位置１４Ｂ（油圧シリンダ作
動）、油圧制御装置８の作動が停止して車輪が固定され
る固定位置１４Ｃ（油圧シリンダ固定）および機体自重
で油圧制御装置が自動復帰し車輪が上昇する上昇位置１
４Ｄ（油圧シリンダ自動復帰）とに切替得るようにして
いる。

即ち、本実施例の油圧制御装置８は、油圧レバー１４を
制御位置１４Ｂに位置せしめたとき油圧シリンダに送油
されて手動制御され、固定位置１４Ｃに位置せしめたと
き油圧シリンダへの送油が停止されるようになっている
。

１５は油圧レバー１４と同時に回動するレバー、１６は
油圧レバー１４と上記レバー１５とを左右傾動自在に連
結するピン、１７は油圧レバー１４を支持するレバー１
５の支軸である。

１８は油圧レバー１４を摺動案内するガイド溝１９を形
成したガイド板であって、該ガイド板１８は操縦ハンド
ル１２間に横架跨設された横杆２０にブラケット２１お
よびステー２２を介して固定されている。

油圧レバー１４はガイド溝１９の上端部に位置したとき
に自動制御位置１４Ａとなる如くに設定され、この自動
制御位置１４Ａから下端部に至るにしたがって順次手動
による制御位置１４Ｂ、固定位置１４Ｃ１上昇位置１４
Ｄが設定され、しかも、油圧レバー１４は、自動制御機
構１１の部分に設けたスプリング２３および図示しない
スプリングの張圧力によって自動制御位置１４Ａに付勢
弾持されている。

また、ガイド溝１９には油圧レバー１４を上記スプリン
グの張圧力によって自動的に解除される状態で制御位置
１４Ｂに係止させる浅い係止部１９Ａが形成されている
と共に、油圧レバー１４を固定位置１４Ｃと上昇位置１
４Ｄとにそれぞれ係合保持させる深い保持部１９Ｂ、１
９Ｃが形成されている。

上記実施例に示した係止部１９Ａおよび保持部１９Ｂ、
１９Ｃはともにガイド溝１９の側壁を没入させたもので
あるが、これに限定されるものではなく、油圧レバー１
４の径よりもガイド溝１９の幅を大きくした場合は、ガ
イド溝１９内に突出部や突起などを形成しば係止部や保
持部としてもよく、また、ガイド溝１９を、油圧レバー
１４を係止させ、あるいは固定する機能を有するスプリ
ングなどで形成してもよい。

次に叙上の如く構成した本考案の作用について説明する
。

常時はスプリング２３の張圧力によって油圧レバー１４
をガイド溝１９の上端部、すなわち自動制御位置１４Ａ
に付勢弾持させ、田植機の植付装置２を田面上の所定の
高さに自動的に保持させながら機体４を進行させて田植
作業を行うのであるが、枕地の回向や路上走行に際して
は自動制御位置１４Ａに位置する油圧レバー１４をスプ
リング２３の張圧力に抗して手動による制御位置１４Ｂ
に移動保持し、油圧シリンダーに送油せしめて推進車輪
５を下降させて機体４を必要量だけ上昇させ、次いで油
圧レバー１４を固定位置１４Ｃまで移動させて保持部１
９Ｂに保合保持させたのちに機体４を回向させ、または
路上走行を行い、田植作業の再開に際しては油圧レバー
１４を保持部１９Ｂから外し、その拘束力を解除すると
、油圧レバー１４はスプリング２３の弾性力によって浅
い係止部１９Ａが形成された制御位置１４Ｂを通過して
自動制御位置１４Ａに復帰し、再び機体４の高さを適正
な植付姿勢を保持する高さに自動調整するのである。

また、田植機の格納時など、必要に応じて機体４を極度
に下降させる場合には、スプリング２３に抗して油圧レ
バー１４をガイド溝１９の下端部に形成した上昇位置１
４Ｄまで移動させて固定部１９Ｃに固定させればよい。

このように、油圧制御装置８を自動制御と手動制御とに
切替える油圧レバー１４は、作動油を過熱させる慣れが
ある手動による制御位置１４Ｂでは単にガイド溝１９の
浅い係止部１９Ａで位置決め係止されるのみで、油圧レ
バー１４より手をはなせば油圧レバー１４は自動的に自
動制御位置１４Ａに戻り、また、作動油を過熱させる慣
れのない固定位置１４Ｃおよび上昇位置１４Ｄではガイ
ド溝１９の保持部１９ Ｂ、 １９ Ｃで検定されるの
で、油圧レバー１４を操作したのち油圧レバー１４を戻
し忘れたとしても、作動油が過熱されて劣化を招く惧れ
は全くない。

これを要するに本考案は、油圧レバーによって自動制御
位置と手動による固定位置および制御位置とにそれぞれ
切替制御し得るようにした移動農機の油圧制御装置にお
いて、油圧レバーを上記各位置に摺動自在に案内するガ
イド溝を設け、上記ガイド溝には油圧レバーの自動制御
位置と手動制御位置および手動固定位置とを順次設定し
て、油圧レバーを前記自動制御位置方向に向って付勢弾
持すると共に、前記手動制御位置では油圧レバーが自動
的に手動制御を解除可能な状態で係止する浅い係止部と
、手動固定位置には油圧レバーが係合保持される深い保
合保持部とを形成したがら、油圧制御装置を自動、手動
のいずれでも制御することができるものであっても、手
動操作時における油圧制御装置が作動する手動制御位置
でのロックに起因する作動油の過熱を防止して油圧機器
の耐用命数を長期に亘って維持し、常に適正な油圧作動
を行わしめることができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る移動農機における油圧制御装置の油
圧レバーガイドの一実施例を示すものであって、第１図
は田植機の全体を示す側面図、第２図は要部の斜視図、
第３図は要部の側面図、第４図は要部の正面図である。 図中、８は油圧制御装置、１４は油圧レバー、１４Ａは
自動制御位置、１４Ｂは手動による制御位置、１４Ｃは
固定位置、１Ｂはガイド板、１９はガイド溝、１９Ａは
係止部、１９Ｂ、１９Ｃは保合保持部、２３はスプリン
グである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 油圧レバーによって自動制御位置と手動による固定位置
   および制御装置とにそれぞれ切替制御し得るようにした
   移動農機の油圧制御装置において、油圧レバーを上記各
   位置に摺動自在に案内する力゛イド溝を設け、上記ガイ
   ド溝には油圧レバーの自動制御位置と手動制御位置およ
   び手動固定位置とを順次設定して、油圧レバーを前記自
   動制御位置方向に向って付勢弾持すると共に、前記手動
   制御位置では油圧レバーが自動的に手動制御を解除可能
   な状態で係止する浅い係止部と、手動固定位置には油圧
   レバーが係合保持される深い係合保持部とを形成したこ
   とを特徴とする移動農機における油圧制御装置の油圧レ
   バーガイド。