JPS5853233B2 - ホ−ス類のクランプ金具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、各種の流体用ホース類をその接手管へ接続固
定するためのクランプ金具に関する。

一般に、この種リング状のクランプ金具を作成するに当
って、全体的に厚さと幅ノ均一な金属帯板を用いると、
そのリング口径を拡大又は収縮させる時に、その屈曲変
形状態がリングの切り口に近い程曲げこわさの犬となっ
て真円形とならず、卵形又はＣ形になる。

その結果製品としてのホース締付作用部分がホースの全
周面に等しく密着せず、その内部を流れるガス、エヤー
又は液体の漏出事故を起すことになる。

そこで、従来では金属帯板の厚みと幅はこれをそのまま
全体的に均一としながら、その曲げ応力をリングの全周
に亘って均等化するために、その帯板の中央付近に三角
形の抜き窓を開口形成している実情であるが、これでは
その抜き窓を開口させる必要上、製作金型や加工具がそ
れだけ複雑となり、製品寸法の各種大小変化に対しても
即応できず、又材料の有効利用度も小さいという問題が
ある。

更に、長尺帯板に対するシャーリング加工後の展開平板
状態において、その仮想捲き曲げ中心線に対する左右両
側が同−又は対称な単純形状でなく、従い曲げこわさが
左右両側で互いに相違することになり、その三角形な抜
き窓の傾斜エツジが著しく短かい線分にとどまることも
相俟って、リングの真円度に劣り、ホース類の全周面に
対する均等な締付は力と、拡開操作上の適度な弾力性を
容易に得られないという問題もある。

本発明はこのような問題点を解決し、一層量産性と操作
性に富む改良製品を得るために、その技術的構成として
、一定の均一な板幅と板厚を備えたバネ性金属帯板を素
材としながら、その帯板の長手中心線と平行する本来的
な両側直線エツジの左右両半部を、その長手中心線と一
定角度のもとに交叉する互いに平行な傾斜の直線エツジ
として裁断することにより、その板幅を曲げモーメント
に比例するよう長手方向の両端部へゆくに連れて徐々に
減少させると共に、その両端部を板幅の半分よりも狭幅
な付は根部として、これから連続一体に板幅の半分より
も逆に広幅なリング口径拡開用操作片を対峙状に曲げ起
し、上記両側直線エツジと傾斜直線エツジとの交点を左
右対称軸線として、その両傾斜直線エツジが前後方向か
ら互いに突き合う如く、一定長さ分だけオーバーラツプ
する真円リング形に捲き曲げたことを特徴とするもので
ある。

以下、図示の実施態様に基いて本発明の具体的構成を詳
述すると、先ずその材料加工状態を表わした第１図並び
に同じくそのリング状捲き曲げによる製品としての完成
状態を示した第２〜６図において、本発明に係るクラン
プ金具の材料は、焼入れされたバネ性を有する板厚の均
一薄肉な金属帯板（例えば約Ｑ、 ８ ｍｍの鋼板）で
あり、一定の板幅Ｗと長さを備えている。

１０はクランプ金具のホース締付作用に奉仕する主体部
であり、第１図から明白なようにここでは板幅Ｗが曲げ
モーメントに比例して、その長手方向の両端部へゆ（に
連れて徐々に減少されており、その漸減が金属帯板にお
ける左右両半部を、互いに平行する傾斜の直線エツジＩ
Ｌ１１として加工することにより具現されている。

つまり、クランプ金具のリング状捲き曲げ中心部ではそ
の板幅Ｗが最大とされ、同じく長手方向の両端部では板
幅Ｗが最小とされており、これによってホース締付作用
主体部１０の全体形状が、金属帯板の長手中心線Ｙと交
わる一定長さ線分の両傾斜直線エツジ１１，１１と、同
じく長手中心線Ｙと平行する図示水平な本来的両側直線
エツジ１２．１２とから囲まれた実質上平行四辺形に裁
断されているわけである。

その場合、各傾斜直線エツジ１１，１１と長手中心線Ｙ
との交叉傾斜角度αは、板幅Ｗや長さとの相関々係にお
いて、製品寸法の相違に応じ変化することになる。

１３．１３は上記ホース締付作用主体部１０の狭幅化さ
れた両端部（上記平行四辺形の長い対角線の両端相当位
置）に連続形成された一対の操作片であり、第２〜６図
から明白な通り、ホース締付作用主体部１０の捲き曲げ
による真円リングから外側に曲げ起されて対峙し、その
リング口径りの強匍酌拡開力を人為的に付与できるよう
になっている。

この各操作片１３，１３の一体達成に当って、特に本発
明では帯板の両端部における両側直線エツジ１２，１２
付近の応力不均等を効果的に減少させるために、両傾斜
直線エツジ１１゜１１を長手中心線Ｙとの交点ｅ位置よ
りも、更に反対側の直線エツジ１２，１２付近まで越え
る如く延長させ、以って操作片１３，１３の付は根部１
４．１４を上記板幅Ｗの半分よりも狭幅に設定している
。

そして、その操作片１３．１３そのものは振幅Ｗの半分
よりも、逆に広幅として定めることにより、その向かい
合う一対を長手中心線Ｙ上において正しく操作されるよ
うにしている。

その操作片１３，１３は、このように広幅であるため、
これにプライヤー−などＱ工具を係止させて拡開力を付
与する場合はもとより、これに作業者が直接手指を係止
させる場合にも、その拡開操作を軽快に且つ正しく行な
えるものであり、別途製作の合成樹脂製把手を取付ける
必要なく、そのまま把手として使え、その製作上も量産
効果を最大限に期待できることになる。

上記のように構成されたクランプ金具＋’３第１図の平
板状態からそのホース締付作用主体部１０が真円リング
形となるよう、第２〜６図の立体状へ連続的に捲き曲げ
られて、製品として完成されるのであり、その際両傾斜
直線エツジ１１．１１は表裏関係において相互に接合さ
れ、一定長さＬ分において交叉（オーバーラツプ）状態
を保ち、その状態で両傾斜直線エツジ１１，１１と長手
中心線Ｙとの上記交ａｅが、交叉長さＬの２等分線（平
板状態の曲げ中心線となる左右対称軸線）Ｘ上に位置す
ることになる。

このように、本発明においてそのホース締付作用主体部
１０の左右両半部を、相互平行状の傾斜直線エツジ１１
．１１から構成したことは、その板幅Ｗの上記した漸減
によってクランプ金具の曲げ応力をその全周に亘って均
等化し、常に真円リング形を保ったまま、その日経りを
拡大変形又は縮少変形させる趣旨であり、このような言
わば傾斜裁断リーフ形（第１図について上記したホース
締付作用主体部の実質的平行四辺形を指す。

）の平板状態から、この趣旨を達成できることは次の解
析によって明白に裏付けることができる。

即ち、金属帯板材料はそのリング口径りに対して板厚ｔ
が極めて薄く（通例ｔ／Ｄ＜０．５以下）、−ｍの曲り
梁をなすと考えられるため、今剪断力＊＊と軸力の影響
を無視し得るものとすると、第７゜８図において、任意
点ｂ（位置角φ）の応力σψは次の式によって表わされ
る。

この場合、最大応力の位置はφ＝００点であり、この点
ａではｃｏｓφ−ｃｏｓＯ＝１、その板幅ｂψ※※は最
大ｂｍａｘとなる。

従って、上記の式１は となる。

そして、今任意点すの板幅ｂφと最大幅ｂｍａＸ★★の
点ａの応力を等しいとおくと、 となり、 これを約分することによって、 となる。

θ 上記式３のｃｏｓ−は任意定数（寸法サイズを任意に採
っても形が定まれば定数となる意味）となるかも、これ
をＣの符号に置き換えて、式３を簡略化すると、 となり、この式４によれば左辺ｍ＋意点しにおける板幅
ｂφと、点ａの最大幅ｂｍａｘ との比が、右辺では位
置角余弦ＣＯＳφの一次比に等しいことを表わしている
。

一次方程式は直線を表わすので、結局上記任意板幅の点
と最大幅の点が等応力である場合、その最大幅さえ定め
れば任意点の幅は、その位置角に対して一次的に自ずと
定まることとなり、その２点（第７，８図の符号ａ、ｂ
参照）の幅端を結ぶ線分が直線になることを意味する。

本発明はこのような論証に基き、上記の通りそのホース
締付作用主体部１０を構成したものであり、クランプ金
具として実際製品使用上、そのリング口径りの強制拡開
力を人為的に付与できるようにするための操作片１３，
１３を、帯板における板幅Ｗの半分よりも狭幅な付は根
部１４，１４から連続一体に、その振幅Ｗの半分よりも
逆に広幅として対峙状に曲げ起したものである。

本発明の使用に当っては、操作片１３，１３に対して工
具や指先などにより、第３図の矢印Ａ方向に沿う摘まみ
力を付与し、そのリングロ径り’Ｊ性に抗して強制的に
拡大させ、ホースＨ類に通し込んで後その操作力を解け
ば良い。

そうすれば、金属帯板の復元力によりそのリング口径り
が自動的に縮少し、ホースＨ類が接手管Ｊへ強固に接続
一体化されることになる。

このようなりランプ金具の変形過程において、ボース締
付作用主体部１０は上記の通り、その両側エツジの平行
する部分的頃斜直線化によって、その板幅Ｗが曲げモー
メントに比例するよう漸減されているため、各部分が均
等な応力のもとに常時真円形を保ったまま変形し、ホー
スＨ類の全周面へ間隙などを生ずることなく密着するこ
とになり、安全である。

特に、本発明では両傾斜直線エツジ１１，１１０一端部
ａが第１図から明白なように、捲き曲げ中心となる左右
対称軸線Ｘ上において、本来的両側直線エツジ１２，１
２と正しく合致するよう交叉されており、従いその中心
付近における曲げこわさを最小にできると共に、同じく
傾斜直線エツジ１１，１１の他端部すは、長手中心線Ｙ
を越えて更に反対側まで延長された位置に配置されてい
るため、今帯板の板幅Ｗと長さを一定と仮定した場合に
、その傾斜直線エツジｉｉ、１ｉの長さ線分を最大限に
長く確保できることになり、その意味から全体に亘る均
等な応力を確実に得られ、変形過程における高精度の真
円状態と、操作上最適な弾力度合いとを達成することが
できるわけである。

以上のように、本発明のクランプ金具では一定の均一な
板幅Ｗと板厚を備えたバネ性金属帯板を素材とし、その
帯板の長手中心線Ｙと平行する本末的両側直線エツジ１
２，１２の左右両半部を、その長手中心線Ｙと一定角度
αのもとに交叉する互いに平行な傾斜の直線エツジｉ１
．ｉｉとして截断することにより、その板幅Ｗを曲げモ
ーメントに比例するよう長手方向の両端部へゆくに連れ
て徐々に減少させているため、リングの全周に亘る等応
力を得るに当って、金属帯板をあたかも平行四辺形の如
き直線エツジとして単純に截断することができ、加工具
を著しく簡素化できると共に、製品の各種大小相違に対
しても、シャーリング刃だけの変化により即応できる効
果があり、抜き窓を開口させる冒頭の従来品に比し、量
産性にも優れる。

特に、本発明の場合その両傾斜直線エツジ１１゜１１は
、その一端部ａにおいて捲き曲げ中心となる左右対称軸
線Ｘ上と合致するよう配置されており、同じく他端部す
が板幅Ｗの半分よりも狭幅な付は根部１４，１４に位置
するよう連続されているため、その帯板の板幅Ｗと長さ
を一定とした場合に、その傾斜直線ｉｉ、ｉ１の長さ線
分を最大限に長く確保でき、その捲き曲げ中心付近と両
端部付近における曲げこわさを最小に定め得るのであり
、その意味からクランプ金具の変形過程における高精度
の真円性と、拡開操作上の最適な弾力度合いとを得るこ
とができる。

そのための製作・加工も全熱複雑化せず、全体形状を一
挙裁断することにより行なえる。

又、帯板における振幅Ｗの半分よりも狭幅に定められた
付げ根部１４，１４から連続一体に一対の操作片１３，
１３が、その振幅Ｗの半分よりも逆に広幅として対峙状
に曲げ起されているため、その両操作片１３．１３は帯
板の長手中心線Ｙ上に臨んで正しく向かい合うこととな
り、従いその広幅形状とも相俟って工具ではもとより、
指先でも正しく係止させることができると共に、その正
しく向かい合う方向からロスなく、円滑に拡開操作力を
付与することができ、その場合上記の通り好適な弾力度
も与えられているので、別途な合成樹脂製の把手を取付
ける必要なく、安全・軽快に作業できることになる。

このような効果を達成する意味から、一対の操作片１３
，１３を板幅Ｗの半分よりも広幅化し、その帯板の長手
中心線Ｙ上において正しく対峙させたとしても、その両
操作片１３，１３を互いに衝突する如き干渉し合うこと
なく、真円リング形に捲き曲げることが可能である。

つまり、その捲き曲げを両傾斜直線エツジ１１，１１が
前後方向からあたかも突き合うように、上記左右対称軸
線Ｘを言わば支点として、その帯板の左右両半部を互い
にひねり合わせる如く行なえば良く、その完成後に帯板
を焼入れ硬化させれば足るから上記本発明の特殊構成を
採るも、殊更その製作・加工上コストアップを招くおそ
れはなく、この種多量に使う小物部品類として実益犬な
発明と言える。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の材料加工平板状態を示す平面図、第２
図は同じく完成製品の斜面図、第３図は使用状態の正面
図、第４図は側面図、第５図は平面図、第６図は第５図
のＡ−Ａ線断面図、第７゜８図は理論説明のための展開
斜面図と立体正面図である。 １０・・・・・・ホース締付作用主体部、１ｉ、ｉｉ・
・−・・・傾斜直線エツジ、１２，１２・・・・・・両
側直線エツジ、１３，１３・・・・・・操作片、１４，
１４・・・・・・付は根部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一定の均一な板幅Ｗと板厚を備えたバネ性金属帯板
   を素材とし、その帯板の長手中ノー腺Ｙと平行する本来
   的両側直線エツジ１２，１２の両半部を、その長手中心
   線Ｙと一定角度αのもとに交叉する互いに平行な傾斜の
   直線エツジｉｉ、ｉｉとして裁断することにより、その
   振幅Ｗを曲げモーメントに比例するよう長手方向の両端
   部へゆくに連れて徐々に減少させると共に、その両端部
   を板幅Ｗの半分よりも狭幅な付は根部１４，１４として
   、これから連続一体に板幅Ｗの半分よりも逆に広幅なリ
   ング口径拡開用操作片１３，１３を対峙状に曲げ起し、
   上記両側直線エツジ１２，１２と傾斜直線エツジＩＬ１
   １との交点ａを左右対称軸線Ｘとして、その両傾斜直線
   エツジ１１．１１が前後方向から互いに突き合う如く、
   一定長さ１分だけオーバーラツプする真円リング形に捲
   き曲げたことを特徴とするホース類のクランプ金具。